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JP3887752B2 - 可変パッド - Google Patents
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JP3887752B2 - 可変パッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道レールを敷設してスラブ軌道を施工する際に用いられる可変パッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スラブ軌道は、コンクリート路盤上にスラブと呼ばれるプレストレストコンクリート製板を敷き並べ、列車通過によるスラブへの食込を防止するタイプレートとレールからの振動を緩和する軌道パッドとを、スラブ上に重ねて等間隔に配置し、その上に鉄道レールを載せスラブに締結したものである。
【0003】
これら部材の不均等や施工時の部材のずれがあっても、タイプレートと軌道パッドとの間に隙間を生じないよう施工精度を高めるため、実公平4−5532号公報に記載されているように、補強繊維布を挟み込んだ2枚の熱可塑性樹脂フィルムが周囲で、加熱しつつ加圧して融着させた袋状の可変パッドを、タイプレートと軌道パッドとの間に挟み込み、可変パッドに硬化性樹脂を注入し硬化させて、この隙間を埋めている。
【0004】
従来の可変パッドは、樹脂フィルム同士を融着させて袋状に形成する際に、補強繊維布の端を巻込み易いため、融着部に孔を生じ、注入した硬化性樹脂が漏れ出し易かった。さらに、硬化性樹脂の注入の際、補強繊維布が押し遣られて偏在してしまうので、可変パッドに万遍なく充分な強度を持たせ難かった。またタイプレートや軌道パッドとの摩擦が小さいために、列車通過による振動や温度変化によるレールの伸縮で、ずれたり抜け落ちたりするという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、硬化性樹脂を注入する際には、それを遺漏させず、内在する補強繊維布を偏在させず、この樹脂を硬化させた後には、タイプレートと軌道パッドとの隙間を埋めて施工精度を高めつつ、ずれたり抜け落ちたりしない可変パッドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためになされた本発明の可変パッドを、実施例に対応する図1および図2を参照して説明する。可変パッド1は、図2に示すプレストレストコンクリート2に締結されたタイプレート4の上に載置され、軌道パッド5を介してレール8が載せられて使用されるものである。可変パッド1は、図1に示すとおり、重ね合わせた熱可塑性樹脂シート13a・13bの内側部に補強繊維布15が広げて挟み込まれ、外周囲部14を融着した袋13に、硬化性樹脂が充填される。可変パッド1は、該補強繊維布15に当接する位置であって、袋13の外周囲部に取り付けられた注入口11から硬化性樹脂が袋13内に流れる流路Aを中心とし、略対称に複数の突起16が袋13内部に向けて設けられている。
【0007】
この可変パッド1は、硬化性樹脂が袋13内に圧入されるとき複数の突起16の間を通過したり突起を廻り込んで通過し均等に流れ、万遍なく行きわたる。突起16が複数設けられて複数箇所で補強繊維布15を抑えつけているから、補強繊維布15が回転して偏ってしまうことがない。そのため可変パッド1は、均質に強度が優れている。
【0008】
可変パッド1は、袋13が略方形であり、その隅に注入口11を有していると、硬化性樹脂が圧入される際、袋13内に滑らかに流れ万遍なく充填されるので、好ましい。
【0009】
可変パッド1は、前記外周囲部14の融着と前記突起16の形成が、同時の加熱加圧、超音波溶着、または高周波ウエルダでなされていると、簡便に製造することができるので、好ましい。
【0010】
袋13が、生分解性樹脂製であることが好ましい。この袋内へ硬化性樹脂が圧入されて硬化した後、この袋は不要となるから、分解して消失すると、回収時の廃棄物が少なくて済む。
【0011】
可変パッド1は、図3に示すように、この袋13のうち少なくとも軌道パッド5に当接する部分が、不織布または織布をベースとする多孔質シート17で形成された樹脂滲出部分を有していてもよい。可変パッド1へ硬化性樹脂を圧入することにより多孔質シート17から滲み出た適量のこの樹脂が、硬化して、可変パッド1と軌道パッド4とをしっかりと接着する。
【0012】
多孔質シート17は、例えばポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ビニロン等の合成繊維、レーヨン、キュプラ等の人造繊維、木綿、獣毛繊維等の天然繊維、ガラス繊維、ロックウール等の無機繊維から造られる織布、不織布が使用される。それらの織布、不織布に、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂のような溶着特性がある熱可塑性樹脂、または前記した合成繊維の原料樹脂例えばポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ビニロンを、融着加工して、通気度を下記の如き適宜な範囲に調製したものでもよい。
【0013】
多孔質シート17の通気度が25〜200mL・cm−2・秒−1であると、硬化性樹脂の適量が滲み出し、適度な粘着力を発現するので好ましい。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0015】
図1の一部切欠き平面図に示すとおり、本発明を適用する可変パッド1は、扁平な略方形をした袋13であり、硬化性樹脂、例えばウレタン樹脂が注入されて充填されるものである。袋13は、2枚のラミネートフィルム13a・13bの周縁が融着されて気密となっている。略方形の対角二箇所に、ネック11および18が袋本体から延長されている。一方のネック11には逆止弁の付されたチューブ12が挿入され融着されている。ラミネートフィルム13aと13bとの間、すなわち扁平な袋13の内空には、補強繊維布として広げたガラス繊維織布15がはさみ込まれている。
【0016】
ネック11の延長線を中心とし、すなわちチューブ12を経て注入される硬化性樹脂が袋13内を流れる流路Aを中心とし、略対称に、ガラス繊維織布15の縁近傍と袋13とを融着して設けられた対の丸い突起16によって、このガラス繊維織布15は、ずれないよう袋13に留められている。
【0017】
この実施例の可変パッド1を試作した例を以下に記載する。
【0018】
先ず、無延伸ナイロンシート(40μm厚)と、低密度ポリエチレンシート(80μm厚)と、酢酸ビニルおよびエチレン(酢酸ビニル含有率6%)の共重合体シート(170μm厚)とによりラミネートシートを形成する。
【0019】
このラミネートシートを、ネック11および18の部分が突き出した略方形に裁断して、同外形の二つのフィルム13a・13bとする。
【0020】
#350のガラス繊維織布15をフィルム13a・13bよりもやや小さな方形に裁断し、フィルム13aの上に広げて敷く。ネック11部位の延長線を中心とする2箇所で、高周波ウエルダ加工して、対の突起16を形成する。
【0021】
ネック11の部分にチューブ12を置いて、その上にフィルム13bを重ねあわせる。そして外周部分14とネック11の部分に高周波ウエルダ加工して融着する。するとフィルム13aおよび13bにより袋13が形成され、袋13にガラス繊維織布15が封入され、ネック11の部分にチューブ12が挿入されて封止される。
【0022】
このようにして得られた可変パッド1は、鉄道レールを敷設してスラブ軌道を施工する際に使用される。
【0023】
図2に示すように、プレストレストコンクリートスラブ2に締結されたタイプレート4上に、可変パッド1を載置する。その上に軌道パッド5を介し、レール8を載せて板バネ6でタイプレート4に固定する。
【0024】
ネック18の先端を針で刺して細穴をあける。ネック11の先端を切って、逆止弁の付されたチューブ12を露出させる。このチューブ12から、硬化性樹脂としてイソシアネートと重合開始剤とからなるウレタン樹脂を、可変パッド1内へ圧入する。すると、硬化性樹脂は、ガラス繊維織布15の表裏面側に分かれながら、矢印で示すように、一部が2個所の突起16を通過し、また別な一部が突起16を廻り込んで通過し、可変パッド1の隅々まで行きわたる。ガラス繊維織布15は、略対称の2箇所の突起16で前後左右にぶれたり、回転したりしないように留められているので、硬化性樹脂の圧入によっても押し遣られず、広がったままである。
【0025】
このようにして可変パッド1は、タイプレート4と可変パッド5との隙間で膨らむ。遂にはこの隙間を埋め尽くし、軌道パッド5端からはみ出てさらに膨らむ。袋13内の空気は硬化性樹脂で押し遣られて空気溜り18に溜まり、過剰な空気は細穴から抜け出す。十分に硬化性樹脂が袋13内に充填されたら、圧入を止める。
【0026】
暫くすると、膨らんだ可変パッド1の形状であり、ガラス繊維織布15は広がったまま、硬化性樹脂が硬化し、タイプレート4と軌道パッド5との隙間が埋まる。
【0027】
最後に、邪魔なネック11および18を根元から切り落として作業が完了する。
【0028】
本発明を適用する別な可変パッド1の実施例を、図3の一部切欠き平面図に示す。この可変パッド1は、前記の可変パッドとほぼ同様であるが、袋13の一方のラミネートフィルム13aの中央部が長方形に切り抜かれ、そこを多孔質シート17が覆って融着されている点と、他方のラミネートフィルム13bおよびガラス繊維織布15とが突起16により融着されている点とが異なっている。
【0029】
この別な可変パッド1を試作して、使用した例を以下に記載する。
【0030】
目付け量70g/mのポリエステル不織布の上に、目付け量70〜75g/mで粉状ポリエチレン樹脂を振り撒き加熱して溶融させ不連続に被覆させて、多孔質シート17を形成しておく。前記と同じラミネートシートから、同様に裁断して、同外形の二つのフィルム13a・13bとする。一方のフィルム13aを中央で打ち抜く。この打ち抜いた穴よりやや大きな多孔質シート17でこの穴を覆い、高周波ウエルダ加工によりその周辺部分で熱融着する。フィルム13a・13bよりもやや小さな方形の#350のガラス繊維織布15を、他方のフィルム13bの上に広げて敷く。ネック11部位の延長線を中心とする2箇所で、高周波ウエルダ加工して、対の突起16を形成する。ネック11の部分にはチューブ12を置いて、その上にフィルム13aを重ねあわせる。そして外周部分14とネック11の部分に高周波ウエルダ加工して融着する。すると形成された袋13にガラス繊維織布15が封入され、ネック11の部分にチューブ12が挿入されて封止される。
【0031】
図2に示すように、タイプレート4上に、多孔質シート17側を上向きにして、可変パッド1を載置し、軌道パッド5を介してレール8を載せて固定する。ネック11の先端を切り、ネック18に細穴をあけ、硬化性樹脂を可変パッド1内へ圧入すると、可変パッド1は膨らむ。硬化性樹脂の一部が、圧入の際の圧力により多孔質シート17から適量滲み出して軌道パッド5に付着する。十分に硬化性樹脂が充填されたら、圧入を止める。暫くすると、膨らんだ可変パッド1の形状のままで、硬化性樹脂が硬化し、タイプレート4と軌道パッド5との隙間を埋める。また、多孔質シートから滲み出た硬化性樹脂が硬化して、軌道パッド5と可変パッド1とを接着する。ネック11および18を根元から切り落とし、作業が完了する。
【0032】
なお、多孔質シート17として、目付け量70g/mのポリエステル不織布の上に、目付け量50〜75g/mで粉状ポリエチレン樹脂を振り撒き加熱して溶融させ不連続に被覆させたものを用いてもよい。加熱の際、0.5kg/cm程度のロールで加圧してもよい。
【0033】
可変パッド1は、袋13の両面が多孔質シート17を有していてもよい。
【0034】
さらに、図4に示すように、全体が多孔質シート17であって袋状に縫製され、ボルト9に対応する位置に切れ込み19とを有しているものであってもよい。
【0035】
硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、または発泡性ウレタン樹脂であってもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明の可変パッドを用いると、圧入されて硬化した樹脂により可変パッドが膨んでタイプレートと軌道パッドとの隙間を埋めるので、施工精度を高めることができる。可変パッドは、補強繊維布を巻込むことなく外周囲部で融着されて作製されるので、硬化性樹脂が遺漏せず、破損し難い。可変パッド内の補強繊維布が偏在していないので、硬化させた後の可変パッドは均等に強度が優れている。
【0037】
さらに、多孔質シートから適量滲み出て硬化した樹脂により可変パッドと軌道パッドとが接着するので、列車通過の振動等によって可変パッドがずれず抜け落ちない。この可変パッドを用いると、保守の手間を軽減させることができる。
【0038】
また、この可変パッドは簡便な構造であるので製造し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する可変パッドの実施例を示す一部切欠き平面図である。
【図2】本発明を適用する可変パッドの使用途中を示す斜視図である。
【図3】本発明を適用する可変パッドの別な実施例を示す一部切欠き平面図である。
【図4】本発明を適用する可変パッドの別な実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
1は可変パッド、2はプレストレストコンクリート、4はタイプレート、5は軌道パッド、6は板バネ、8はレール、11はネック、12はチューブ、13は袋、13a・13bはフィルム、14は外周囲部、15は補強繊維布、16は突起、17は多孔質シート、18はネック、19は切り込みである。

Claims (6)

  1. 重ね合わせた熱可塑性樹脂シートの内側部に補強繊維布が広げて挟み込まれ、外周囲部を融着した袋に、硬化性樹脂が充填され、プレストレストコンクリートに締結されたタイプレートの上に載置され、軌道パッドを介してレールが載せられる可変パッドにおいて、該補強繊維布に当接する位置であって、袋の外周囲部に取り付けられた注入口から硬化性樹脂が袋内に流れる流路を中心とし、略対称に複数の突起が袋内部に向けて設けられていることを特徴とする可変パッド。
  2. 前記袋が略方形であり、その隅に前記注入口を有していることを特徴とする請求項1に記載の可変パッド。
  3. 前記外周囲部を融着と前記突起の形成が、同時の加熱加圧、超音波溶着、または高周波ウエルダでなされることを特徴とする請求項1に記載の可変パッド。
  4. 前記袋が、生分解性樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の可変パッド。
  5. 前記袋のうち少なくとも前記軌道パッドに当接する部分が、不織布または織布をベースとする多孔質シートで形成された樹脂滲出部分を有していることを特徴とする請求項1に記載の可変パッド。
  6. 前記多孔質シートの通気度が、25〜200mL・cm−2・秒−1であることを特徴とする請求項5に記載の可変パッド。
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