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JP4237387B2 - 残留ひずみ・残留応力計測用応力解放装置 - Google Patents
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残留ひずみ・残留応力計測用応力解放装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自然界に存在する全ての固形物体(地盤・岩盤・樹木・金属部材・非金属部材・生物の生体および死体骨格など)の表面に残留しているひずみ・応力を大きな損傷を与えることなく測定する残留ひずみ・残留応力の計測方法、及びそのために使用する残留ひずみ・残留応力計測用応力開放装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
対象物体に設置したひずみ測定装置の近辺で穿孔あるいは切り込みを入れることにより、残留ひずみ・残留応力を計測する方法として従来までに、次のようなものがある。
a)適切に配置した複数個のひずみゲージの近辺で、ドリルやショットピーニングにより穿孔を行う方法であり、一般にホールドリリング法と呼ばれている。(ASTM DESIGNATION D837−95)
b)適切に配置したひずみゲージの周囲を、コンクリートカッター等を用いて直線状の切り込みを入れて多角形状に囲むことにより応力解放をさせる方法。(土木工学論文集 No.585/V−38(1998,2)p.11-16)
c)適切に配置したひずみゲージの周囲を、コアカッター等を用いて円形の切り込みを入れて囲むことにより応力解放をさせる方法。ただし、ひずみ計測は作業を中断したのち、ゲージを結線して行う、いわゆる断線的・断続的方法に相当する(構造工学論文集 Vol.42A(1996,3) p333-340 ,Experimental Techniques,Vol.16(5)(1992) p17-24,RAM,Vol.4(1988) p5-10)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記した従来の残留ひずみ計測方法にあっては、次のような問題点がある。
A)ホールドリリング法は応力集中を利用しており、穿孔径に比してひずみゲージが大きいため、正確な残留ひずみ値を計測することは困難であり、かつ、穿孔位置には正確を期すための細心の注意が必要である。また、物体の弾性・粘弾性・非弾性特性といった物性を仲介とした応力集中に関する複雑で高度な理論解析結果を必要とする。
B)コンクリートカッターを用いた場合、周囲を同時に切り込むことができないために手間が掛かる上に応力解放を均一に生じさせることが不可能である。さらに、測定対象物体の現有の機能をはなはだしく低下させる。
C)通常のコアカッターを用いた場合では、ひずみ計測装置がコアビットの空間内に閉じこめられ、稼働中にコアビット外に計測データを取り出すことができないため連続的なひずみ計測が不可能である。また解放されたひずみ・応力を計測するためにはコアカッターの稼働をー旦停止させ、ビットを引き抜いてから、ひずみ測定装置をひずみ・応力表示装置と結線して計測を行う必要があるため、測定精度が著しく低下する。
また、通常のコアカッターでは、コアカッターの脚部を計測対象物体面ないしはその近傍の床面・壁面・天井面などの剛体面やそれらに接合された剛体台等に、予め穿孔設置したボルト等により十分に固定させなければならないが、ボルト穴等の損傷を対象物体に与えることが好ましくない場合や剛体面あるいは剛体台等を確保することが困難な場合には、任意の位置での応力解放を行うことが非常に困難である。
【0004】
この発明は、上述のような従来までの種々の問題点を解決するものであって、あらゆる固形物体の残留ひずみ・残留応力を簡便・迅速、かつ精度よく定量的に計測する残留ひずみ・残留応力の計測方法、及びそのために使用する残留ひずみ・残留応力計測用応力開放装置の提案を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明の残留ひずみ・残留応力計測方法は、計測対象の物体表面におけるひずみ・応力を測定することの可能な装置を設置し、その装置の外周辺を円形状に、かつ、等しい深さで切り込みを入れると共に、剛体台等への据え付け、磁力による保持、真空による吸着または人力のみあるいはそれらの組み合わせよって支持することが可能な機構をもつコアドリルカッターによって応力を均一に解放させながら、その作業中および作業終了後にひずみ・応力の値を連続的に計測することを特徴とする非破壊型に準ずる方法を提案する。
またこの発明の残留ひずみ・残留応力計測用応力開放装置は、駆動モー夕の駆動軸に動力的に連結されたコアビット接続軸と、該コアビット接続軸に圧入された軸受を介して回転可能に接続されたコアビットと、前記コアビット接続軸の軸方向に穿設された貫通孔又は閉塞孔に挿入され、前記コアビット内を軸方向に延びるガイドシャフトと、該ガイドシャフトに進退自在に挿入された剛性ワイヤホルダーと、該剛性ワイヤホルダーに挿し通され、計測対象物体に固着されたひずみゲージ又は応検出器に一端が結線され、データロガーに他端が直接又は間接に結線されたリード線とを備え、前記ガイドシャフトは前記軸受の中心開口を通り、前記コアビット接続軸の回転から独立していることを特徴とするものである。
の発明の残留ひずみ・残留応力計測用応力開放装置は、ひずみゲージ又は応力検出器を取り囲む位置で計測対象物体に剛性ワイヤシェルが固着され、該剛性ワイヤシェルの内部にガイドシャフト又は剛性ワイヤホルダーが臨むようにしたことをも特徴とするものである。
したがって、まず最初に計測対象の固形物体の表面における、ひずみ・応力を測定することが可能な装置を設置し、その装置の外周辺を円形状に、等しい深さで切り込みを入れる。次に、剛体台等への据え付け、磁力による保持、真空による吸着または人力のみあるいはそれらの組み合わせによって支持することが可能な機構をもつコアドリルカッターによって応力を均一に解放させながら、稼働終了後はもちろんのこと稼働中も連続してひずみを計測することのできる装置を開発したものである。
【0006】
【発明の実施の態様】
以下、この発明の残留ひずみ・残留応力計測用応力開放装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。
本発明に従った残留ひずみ・残留応力計測方法では、現にひずみ・応力が生じている計測対象物体の表面にひずみ測定装置を設置し、その周囲に切り込みを入れる。次に、剛体台等への据え付け、磁力による保持、真空による吸着または人力のみあるいはそれらの組み合わせによって支持することが可能な機構をもつコアドリルカッターによって応力を均一に解放させながら、コアドリルカッターの稼働終了後はもちろんのこと稼働中も連続してひずみを計測することができるようにしている。
【0007】
そのために使用する応力解放装置の1例を図1に示す。応力開放装置10は、コアビットを取り付ける回転軸の中心に孔を設け、コアビット内部に設置してあるひずみ測定装置のリード線等を、断線させることなくコアビットの外部に導き出すことができるように工夫されている。すなわち応力開放装置10は、駆動モータ11のギアボックス12にコアビット接続軸13を内挿している。コアビット接続軸13は、前方端部に圧入された中心開口をもつ軸受14aを介して中空円筒状のコアビット15を回転可能に接続している。コアビット接続軸13の後方端部にも同様な軸受14bが圧入されている。軸受14a.14bの中心開口は、コアビット接続軸13の軸方向に延びる貫通孔13a(図2,図3)に一致し、ガイドシャフト16挿通孔の一部となる。
【0008】
図2はコアビット15を取り付ける回転軸(コアビット接続軸13)と駆動軸17とが同一直線状にない場合を示したものであり、コアビット15を取り付ける軸にのみ貫通孔13aを設けた例である。この貫通孔13a内に通したリード線等の両端は、それぞれひずみゲージおよびデータロガーと結線され、オーバーコア作業中であっても連続的に計測を行うことができる。また、駆動軸17は動力源と接続されており、コアビット接続軸13へは歯車18等を介して動力を伝達することになる。
【0009】
図3はコアビット接続軸13と駆動軸17とが同一直線状にある場合を示したものであり、コアビットを取り付けたコアビット接続軸13の軸端から駆動軸17の軸端にかけて貫通孔17aを設けた例である。この貫通孔17aに通したリード線等の両端は、それぞれひずみゲージおよびデータロガーと結線され、オーバーコア作業中であっても連続的に計測を行うことができる。また、コアビット15の駆動は、この軸上に設けられた動力源(駆動モータ11)により行うことになる。
【0010】
図4はコアビット接続軸13の中途まで貫通孔13bを設けたー例である。図からわかるように貫通孔13bは袋状に閉じてリード線等を直接取り出すことができないため、貫通孔13bの末端部に複数個の導電性リング20を設置することにより測定したデータを外部に伝達するものである。この導電性リング20の厚みはコアビット接続軸13の内壁から外壁にまで連続しており、リード線等の末端はこの導電性リング20内壁側と接触し、さらに対向する外壁側に別のリード線等を接触させ、これをデータロガー等と結線する方式である。したがってコアビット接続軸13の回転中にもコアビット15内部の測定値を外部へ伝達することが可能であり、オーバコア作業中であっても連続的に計測を行うことができる。また、このコアビット接続軸13への動力源は図3で示したように同一直線上に設置してもよいし、図2で示したように同一直線状でなくともよい。
【0011】
さらに詳しく説明すると、コアビット接続軸13は、駆動モータ11の駆動軸17から歯車18(図2)を介して動力伝達され、或いは駆動軸17に直結して動力伝達される接続法(図3)でもよい。図2の場合にはコアビット接続軸13に貫通孔13aを形成するだけでよいが、図3の場合には駆動軸17にも同様な貫通孔17aを穿設する。
貫通孔13aにガイドシャフト16が内挿され、両端がそれぞれひずみゲージG及びデータロガーPに結線された複数のリード線19がガイドシャフト16に挿し通されている。ガイドシャフト16は、後方の軸受14bを過ぎた位置で滑らかな角度で直角に曲げられた後、接着剤等でギアボックス12に固定されている。ガイドシャフト16は、この配置により、コアビット接続軸13の回転中にも回転することなく、スラスト方向にも固定される。リード線19は、固定されたガイドシャフト16に挿入されているのでコアビット接続軸13の内壁に接触せず、コアビット15の回転による破線・断線が防止され、オーバーコア作業中にも連続的な計測が可能となる。
貫通孔13aに代え、中途まで延びた閉塞孔13bを穿設したコアビット接続軸13を使用することもできる(図4)。この場合、閉塞孔13bの閉塞側端部位置でコアビット接続軸13に、コアビット接続軸13の軸壁と同じ肉厚又は厚肉の導電性リング20を嵌め込み、リード線19を導電性リング20の内壁に絹線する。導電性リング20の外壁には、データロガーPに至る外部リード21が結線される。ひずみゲージGで検出したデータは、リード線19、導電性リング20、外部リード21を経てデータロガーPに出力される。
オーバーコア作業中にコアビット15から計測対象物体B(図5)までの距離が短くなり、リード線19に弛みが発生することがある。リード線19の弛みは、たとえばガイドシャフト16の先端に剛性ワイヤホルダー22を進退自在に挿入し、ガイドシャフト16に剛性ワイヤホルダー22が収納された長さ分トLだけリード線19を引き出すことにより防止できる(図6)。剛性ワイヤホルダー22は、内部にリード線19が挿通される剛性中空円筒体でできており、ガイドシャフト16の内径にほぼ等しい外径をもっている。剛性ワイヤホルダー22の先端に更に単数又は複数の小径剛性ワイヤホルダーを挿し込み、伸縮アンテナのような多段式剛性ワイヤホルダーを使用することもできる。
【0012】
次いで、残留ひずみの計測方法を説明するが、ひずみゲージGに代えて応力検出器を使用すると同様な方法によって残留応力が計測される。
計測対象物体Bの表面にひずみゲージGを取り付け、ガイドシャフト16、剛性ワイヤホルダー22に挿し通したリード線19をひずみゲージGに結線する(図5A、B)。なお、応力開放装置10は、機械的、磁気的、真空吸着、人力等、適宜な方法で剛体台(図示せず)に固定される。
次いで、駆動モータ11からの動力をコアビット15に伝え、計測対象物体Bに向けてオーバーコア方向Dにコアビット15を回転移動させる(図5C)。オーバーコアの進行に伴って剛性ワイヤホルダー22がガイドシャフト16内に収納されるため、リード線19がコアビット15の内壁に接触することはない(図5D)。このとき、ガイドシャフト16に収納された剛性ワイヤホルダー22の長さ分トLだけリード線19を後方から引き出すことにより、ガイドシャフト16、剛性ワイヤホルダー22内でのリード線19の弛みが防止される。
【0013】
コアビット15の回転により計測対象物体Bが穿孔され、穿孔部Hの深さに対応して応力が徐々に且つ均一に開放される。開放された応力に相当する分のひずみがひずみゲージGに指示される。回転するコアビット15によって穿孔部Hか形成されるため、ひずみゲージG周辺の残留応力が均一に開放される。また、ひずみゲージGを内部に収容できる内径である限り、コアビット15を小径化できるため、計測対象物体Bに与える損傷を最小限に押さえることができる。ひずみゲージGとして多軸ひずみゲージを使用すると、その点の多軸のひずみ状態、すなわち多軸の主ひずみの大きさ及び方向が計測される。
オーバーコア方向D方向へのコアビット15の移動に伴ったリード線19の弛みは、ひずみゲージGを取り囲む位置で計測対象物体Bに配置した比較的大径の剛性ワイヤシェル23によっても吸収される(図7A,B)。オーバーコア方向Dにコアビット15が進行すると、リード線19の弛み分が剛性ワイヤシェル23内に収容され、回転中のコアビット15の内壁へのリード線19の接触が防止される(図7C,D)。この場合、弛んだリード線19を後端から引き出す必要がない。剛性ワイヤシェル23は、剛性ワイヤホルダー22と併用することも可能である。
なお、図1に示した応力解放装置の体外面には、剛体台へ固定するための脚、磁力による保持、真空による吸着または人力で支持するための適切なハンドルを組み付けることができる。
【0014】
【実施例】
モルタル供試体を計測対象物体に使用し、図8(a)に示すモルタル供試体30の表面位置に一軸ひずみゲージ31R,31L及び三軸ひずみゲージ32を固着した。一軸ひずみゲージ31R,31Lの設置位置は、モルタル供試体30の中心点から等距離に設定した。モルタル供試体30の裏面には、表面側の一軸ひずみゲージ31R,31Lに対応する位置で同様な一軸ひずみゲージ31R,31Lを固着した。
ひずみゲージ31R,31L,32が固着されたモルタル供試体30に上下方向から圧縮荷重Fを加え、モルタル供試体30を一軸方向に圧縮し、圧縮状態を保持した(図8(b))。10,000トンの圧縮荷重Fを加えたとき、66.67kgf/cm2の応力値を示した。
次いで、三軸ひずみケージ33の周囲をオーバーコア軌跡Tに沿ってコアビット15によりオーバーコアした。このとき、モルタル供試体30の中心にコアビット15の中心をー致させ、モルタル供試体30とコアビット15との間に剛性ワイヤシェル23を配置した。
オーバーコア中、穿孔部Hの深さが3cmに達するまでは0.1cm増すごとに各ひずみゲージ31R,31L,32からの値をデータロガーPに出力して記録し、穿孔部Hの深さが3cmを超えるようになった時点以降は0.5cmごとに記録した。モルタル供試体30の表面に配置された一軸ひずみゲージ31R,31Lでは圧縮荷重F方向のひずみ(チャンネルナンバー:Ch.1,Ch.2)、裏面に配置された一軸ひずみゲージ31R,31Lでは圧縮荷重F方向のひずみ(チャンネルナンバー:Ch.3,Ch.4)、三軸ひずみゲージ32では圧縮荷重F方向のひずみ(チャンネルナンバー:Ch.5)、圧縮荷重Fに直交する方向のひずみ(チャンネルナンバー:Ch.6)及び圧縮荷重F方向に45度傾斜した方向のひずみ(チャンネルナンバー:Ch.7)を計測した。
【0015】
オーバーコア中に連続的に計測した各ひずみは、穿孔部Hの深さに応じて図8(c)に示すように変化した。
穿孔部Hの深さがゼロのとき、Ch.1〜5の実測ひずみ値はほぼ同じ値になっており、圧縮荷重Fが偏ることなく均一にモルタル供試体30に加わっていることが判る。このときの圧縮荷重F=66.67kgf/cm2及びモルタル供試体30のヤング率20ラl0〓kgf/cm2から縦ひずみが−333μm蛩と計算されるが、Ch.1〜5の実測ひずみ値は該計算値に近似している。
オーバーコアを開始すると、Ch.5〜7の実測ひずみ値か漸次ゼロに近づき、穿孔部Hの深さが1.5cmになった時点でほぼゼロとなった。更にオーバーコアを続けると、Ch.5及びCh.7の実測ひずみ値がプラス(引張りひずみ)になり、Ch.6の実測ひずみ値がマイナス(圧縮ひずみ)になったが、何れのチャンネルCh.5〜7の実測ひずみ値もゼロに漸近しており、応力が開放されたことが判る。これに対し、応力開放のないCh.1〜4では、オーバコア中にも実測ひずみ値がほぼ一定の値を示し、一様な負荷応力が作用し続けていることが判る。
【0016】
【発明の効果】
この発明の残留ひずみ・残留応力計測用応力開放装置は、以上説明したことから次のような効果を達成することができる。
<イ>簡単な装置を使用して計測することができるから、経費もかからず、簡単な作業で正確な計測を行うことができる。
<ロ>介在物を含まない応力解放法を根拠としているから、ひずみ測定装置やリード線等を損傷させない限り、いかなる位置関係で応力解放を行っても正確な残留ひずみ・残留応力を計測することができる。
<ハ>応力解放装置には円筒状のコアビットを用いているため、ひずみ計測装置の外周辺を円形状に、等しい深さで迅速に切り込みを入れることができ、したがっていかなる場合であっても応力を均一に解放させることができる。
<ニ>応力解放装置内部に、リード線等を導き通すことの可能な機構が組み込まれているため、応力解放作業中および作業後もひずみを継続的に計測することができる。
<ホ>応力解放装置の支持方法は剛体台等への固定、磁力による保持、真空による吸着または人力で支持する方法あるいはそれらの組み合わせなどの方法を選択できるため、現場の状況に即した応力解放作業ができる。
<ヘ>使用するコアビットの径は、十分小さくすることが可能であることから、局所的な部位の計測や残留ひずみ・残留応力測定の対象物体に与える損傷を最小限に抑えることができる。
<ト>簡単な操作によって得られた計測結果をもとに、従来よりも詳細に対象物体の力学的な状態を正確に把握することが可能となり、様々な分野での現象解明に貢献することができる。
<チ>対象物体の機能をほとんど低下させることなく、大局的にみて非破壊的な現位置のひずみ・応力を定量的に計測することができる。
<リ>通常、残留ひずみ・残留応力の計測が不可能と考えられていたような複雑な形状等をもつ対象物体の部位に対しても適用できる。
さらに、この発明の応力開放装置によれば、ひずみゲージとデータロガーとを結ぶリード線をコアビット接続軸及びコアビットの回転から切り離している。そのため、コアビット接続軸及びコアビットの回転によりリード線が捩れることがなく、オーバコア中にも残留ひずみや残留応力を計測できる。特にリード線は、固定されたガイドシャフトに挿入されているのでコアビット接続軸の内壁に接触せず、コアビットの回転による破線・断線が防止され、オーバーコア作業中にも連続的な計測が可能となる。
また、円筒状のコアビットを用いてひずみゲージの外周辺に等しい深さの切込みをいれるため、応力の開放も均一化される。しかも、オーバーコア中に残留ひずみ・残留応力が測定されることから、測定値の信頼性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の残留ひずみ・残留応力計測用応力開放装置の全体斜視図である。
【図2】コアビット接続軸と駆動軸とが同一直線上ではない場合のリード線処理の一例を示す斜視図である。
【図3】コアビット接続軸と駆動軸とが同一直線上にある場合のリード線処理の一例を示す斜視図である。
【図4】コアビット接続軸に閉塞孔を設けた場合の斜視図である。
【図5】剛性ワイヤホルダー方式によるリード線等弛み防止機構の一例を示す概略図である。
【図6】ガイドシャフトの先端に剛性ワイヤホルダーを進退自在に挿入した状態を示す斜視図である。
【図7】剛性ワイヤシェル方式によるリード線等弛み防止機構の一例を示す概略図である。
【図8】計測対象物体としてのモルタル供試体(a)に圧縮荷重を加え(b)、オーバーコアの進行に応じたひずみ量の変化(c)を求めた実施例の説明図である。
【符号の説明】
10:応力開放装置
11:駆動モータ
12:ギアボックス
13:コアビット接続軸
13a:貫通孔
13b:閉塞孔
14a,14b:軸受
15:コアビット
16:ガイドシャフト
17:駆動軸
18:歯車
19:リード線
20:導電性リンク
21:外部リード
22:剛性ワイヤホルダー
23:剛性ワイヤシェル
G:ひずみゲージ
P:データロガー
B:計測対象物体
D:オーバコア方向
H:穿孔部

Claims (2)

  1. 駆動モー夕の駆動軸に動力的に連結されたコアビット接続軸と、該コアビット接続軸に圧入された軸受を介して回転可能に接続されたコアビットと、前記コアビット接続軸の軸方向に穿設された貫通孔又は閉塞孔に挿入され、前記コアビット内を軸方向に延びるガイドシャフトと、該ガイドシャフトに進退自在に挿入された剛性ワイヤホルダーと、該剛性ワイヤホルダーに挿し通され、計測対象物体に固着されたひずみゲージ又は応力検出器に一端が結線され、データロガーに他端が直接又は間接に結線されたリード線とを備え、前記ガイドシャフトは前記軸受の中心開口を通り、前記コアビット接続軸の回転から独立していることを特徴とする残留ひずみ・残留応力計測用応力解放装置。
  2. ひずみゲージ又は応力検出器を取り囲む位置で計測対象物体に剛性ワイヤシェルが固着され、該剛性ワイヤシェルの内部にガイドシャフト又は剛性ワイヤホルダーが臨む請求項1に記載の残留ひずみ・残留応力計測用応力解放装置。
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