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JP4277976B2 - メッキ用シードパターン及び導電膜パターンの形成方法 - Google Patents
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メッキ用シードパターン及び導電膜パターンの形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メッキ用シードパターン及び導電膜パターンの形成方法に関し、特にインクジェット法により基板上に微細なメッキ用シードパターンを形成する方法及びこのシードパターン上に導電膜パターンを形成する方法に関する。この方法は、PDPやLCDの電極形成、プリント基板上の導電回路形成、遮光パターン形成等を行う電気・電子分野において利用できる。
【0002】
【従来の技術】
近年、配線の微細化に伴い、コスト低減や環境保護対策等の観点からインクジェット(IJ)法による配線形成が有望な技術として注目されている。
【0003】
IJ法により導電膜パターンからなる配線等を形成する際に、厚膜が要求される分野においては、膜厚を稼ぐ為にIJ描画回数を繰り返して膜を積み重ねる方法がとられているが、IJ描画を繰り返すよりも、メッキを施して厚い配線膜を形成した方がコスト低減につながる。そのため、基板上にPd等の貴金属の微粒子からなる触媒を核として析出し、この触媒の作用により無電解メッキを行って導電膜パターンを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、IJ装置を用いてポリシラン溶液を所定のパターンに吐出し、溶媒を焼き飛ばしてポリシラン膜パターンを形成した後に、Pd塩等の貴金属塩とポリシランとの酸化還元反応を利用して、このポリシラン膜パターン上に貴金属微粒子の触媒を析出させ、次いで導電膜パターンを形成している。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−230527号公報(特許請求の範囲等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術記載の方法では、ポリシランが基板とメッキ膜との間に残ってしまい、ポリシランが導電性を備えているといっても、この残留ポリシランが目的とする導電膜の導電性に悪影響を及ぼすという問題がある。また、ポリシラン溶液をIJ描画に適用させるためには、その溶液の粘度調整や溶媒の揮発性の制御等の問題の解決がかなり困難である。さらに、この従来技術では、メッキの核となる触媒を基板上に形成するために、本来なくてもよいポリシランをIJ描画で行わなければならないという余分な工程が必要であると共に、パターン以外の部分に付着した触媒を除去するための洗争工程も必要である。このように、導電膜形成前にポリシラン膜形成と触媒析出という2工程が必要である上、洗浄工程も必要なので廃液処理を伴うという問題がある。さらにまた、この従来技術では、触媒の析出のためにPd塩等を用いるが、このPd塩は強アルカリ性であるため、IJ装置のノズルヘッドを傷める恐れがある。
【0006】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、ポリシランパターン形成工程を必要としないメッキ用シードパターンの形成方法及び導電膜パターンの形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、金属超微粒子が独立状態で分散している分散液、すなわち、超微粒子の凝集が発生せず、流動性が保たれていると共に、インクジェット用のインク特性にも優れた金属超微粒子独立分散液であるナノインクを用いて行うインクジェット法により、上記従来技術の問題点を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明のメッキ用シードパターン形成方法は、Cu、Ag、Au及びPdから選ばれた金属の超微粒子、分散剤並びに有機溶媒を含み、粘度が3〜20cpsであるナノインク(以下、金属超微粒子独立分散液ともいう)を用いて、インクジェット法により、直接、表面粗さがRmax=20〜500nmである基板上に、基板温度を60〜100℃に維持しながらシードラインを描画し、加熱により該分散剤及び溶媒を蒸発させて、メッキ用シードパターンを形成することを特徴とする。ポリシランを使用しないので、洗浄工程、廃液処理工程を必要とせず、簡単な方法で高純度のメッキ用シードパターンを形成することができる。
【0009】
上記ナノインクの粘度が20cpsを超えると基板との密着力を確保することが困難であり、また、ナノインクの粘度が3cps未満であると描画した線幅が拡がってしまうため、メッキにより所望の線幅のパターンを形成することができない。
上記ナノインクは、0.1〜15wt%、好ましくは0.1〜10wt%の金属超微粒子を含んだものである。この0.1〜15wt%の範囲を外れると基板との密着性を確保することが困難である。
本発明の場合、ナノインクの溶媒として有機溶媒を用いるので、粘度と濃度は自由に調整できる。金属の超微粒子含有率(濃度)及び粘度を下げるには、溶媒自身を用いて薄めればよく、増粘するには、α−テルピネオール等のような高粘度の溶媒を混合すれば、所望の粘度に調整できる。
【0010】
上記基板として、その表面が予め粗面化処理されたものを用いると、基板とメッキ膜との密着を図るために好ましい。この場合、表面粗さがあまり大きいとメッキ膜のパターンのファイン化に支障がでるし、表面粗さが不十分だとメッキ膜と基板との密着を確保できない。粗さの最適値は、Rmax=20〜500nmである。この粗面化処理方法は、化学エッチング法であっても、液体ホーニング法やサンドブラスト法等であってもよい。
【0011】
本発明のメッキ用シードパターン形成方法における描画の際に、基板の温度を60〜100℃に維持しながら行うことが好ましい。微細なシードパターン形成においては、基板表面を疎水化処理する手法があるが、表面粗さの度合によって疎水化処理のみでは描画ライン幅を制御できない場合が生じる。このような場合、基板を所定の温度に加熱して、その温度を維持しながら描画を行うのが効果的である。この温度範囲を外れると、所望の描画ライン幅を達成することができない。例えば、基板温度を100℃に維持しながら描画して得たパターンのライン幅は、常温に維持しながら描画して得たライン幅と比べて、1/5〜1/14になる。
【0012】
本発明の導電膜パターン形成方法は、上記方法によりメッキ用シードパターンを形成した後、このシードパターン上に無電解メッキ処理により導電膜パターンを形成することを特徴とする。かくして、フォトリソグラフィー工程が不要となり、工程の削減が可能となると共に、所望の線幅を有しかつ良好な導電性を有する導電膜パターンが提供できる。また、この導電膜パターンの被処理基板に対する高い密着性も達成され得る。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる金属超微粒子独立分散液であるナノインクは、Cu、Ag、Au及びPdから選ばれた金属の超微粒子が個々に独立して均一に分散し、流動性が保たれており、メッキ用シードパターンを形成するためのインクジェット用インクとして有用である。
【0014】
上記金属超微粒子は、例えば低真空ガス中蒸発法で製造され得るものであり、この製造方法によれば粒径100nm以下、好ましくは10nm以下の粒度の揃った金属超微粒子を製造することができる。このような金属超微粒子を原料として、インクジェットプリンタ用インクとしての用途に適したようにするために、以下説明するように、最終工程(第3工程)で溶剤置換を行っており、また、この超微粒子の分散安定性を増すために、所定の工程で分散剤を添加している。このために、金属超微粒子が個々に独立して均一に分散され、かつ、流動性のある状態が保持されて、インクジェット法に適したナノインクが得られる。
【0015】
インクジェット用インクの場合、インクの供給安定性やインクの液滴形成飛翔安定性やプリンタヘッドの高速応答性等を実現するためには、通常の動作時における温度(0〜50℃)において、所定の粘度、表面張力を有することが要求される。本発明の方法で用いるナノインクは、このインク特性を満足するものである。
【0016】
本発明の方法で用いるナノインクとして、低真空ガス中蒸発法により得られた金属超微粒子を利用して所期の金属超微粒子独立分散液を製造する場合、まず、第1工程において、真空室中でかつHe等の不活性ガスの圧力を10Torr以下とする雰囲気の下で金属を蒸発させ、蒸発した金属の蒸気を冷却捕集する際に、真空室中に、1種以上の第1溶剤の蒸気を導入し、金属が粒成長する段階においてその表面を第1溶剤蒸気と接触せしめ、得られる一次粒子が独立してかつ均一に第1溶剤中にコロイド状に分散した分散液を得、次の第2工程で第1溶剤を除去する。このように第1溶剤を除去するのは、第1工程において蒸発した金属蒸気が凝縮する際に、共存する第1溶剤が変性されて生じる副生成物を除くためである。また、インクの用途によって、第1工程で使い難い低沸点溶剤や水、アルコール系溶剤等に分散した金属超微粒子独立分散液を使用する必要がある場合に、そのような分散液を製造するためでもある。
【0017】
上記第2工程において、第1工程で得られた分散液に低分子量の極性溶剤である第2溶剤を加えて分散液中に含まれた金属超微粒子を沈降させ、その上澄み液を静置法やデカンテーション等により除去して第1工程で使用した第1溶剤を除去する。この第2工程を複数回繰り返して、第1溶剤を実質的に除去する。
そして、第3工程において、第2工程で得られた沈降物に新たな第3溶剤を加えて、溶剤置換を行い、所期の金属超微粒子独立分散液を得る。これにより、粒径100nm以下の金属超微粒子が独立状態で分散している金属超微粒子独立分散液が得られる。
上記の場合、必要に応じ、第1工程及び/又は第3工程で分散剤を加えることができる。第3工程で添加する場合には、第1工程で使用する溶剤に溶解しないような分散剤でも使用可能である。
【0018】
上記製造方法で使用可能な分散剤としては、特に限定されないが、アルキルアミン、カルボン酸アミド、及びアミノカルボン酸塩から選ばれた1種又は複数のものが用いられる。特に、アルキルアミンとしては、第1〜3級アミンであっても、モノアミン、ジアミン、トリアミンであっても良い。主鎖の炭素数が4〜20であるアルキルアミンが好ましく、主鎖の炭素数が8〜18であるアルキルアミンが安定性、ハンドリング性の点からはさらに好ましい。アルキルアミンの主鎖の炭素数が4より短かいと、アミンの塩基性が強過ぎて金属超微粒子を腐食する傾向があり、最終的には金属超微粒子を溶かしてしまうという問題がある。また、アルキルアミンの主鎖の炭素数が20よりも長いと、金属超微粒子独立分散液の濃度を高くしたときに、分散液の粘度が上昇してハンドリング性がやや劣るようになり、また、焼成後の金属膜中に炭素が残留しやすくなって、比抵抗値が上昇するという問題がある。また、全ての級数のアルキルアミンが分散剤として有効に働くが、第1級のアルキルアミンが安定性、ハンドリング性の点からは好適に用いられる。
【0019】
上記アルキルアミンの具体例としては、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘクサドデシルアミン、オクタデシルアミン、ココアミン、タロウアミン、水素化タロウアミン、オレイルアミン、ラウリルアミン、及びステアリルアミン等のような第1級アミン、ジココアミン、ジ水素化タロウアミン、及びジステアリルアミン等のような第2級アミン、並びにドデシルジメチルアミン、ジドデシルモノメチルアミン、テトラデシルジメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン、ココジメチルアミン、ドデシルテトラデシルジメチルアミン、及びトリオクチルアミン等のような第3級アミンや、その他に、ナフタレンジアミン、ステアリルプロピレンジアミン、オクタメチレンジアミン、及びノナンジアミン等のようなジアミンがある。
【0020】
上記カルボン酸アミドやアミノカルボン酸塩の具体例としては、例えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸ラウリルアミド、オレイン酸アミド、オレイン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ラウリルアミド、ステアラニリド、オレイルアミノエチルグリシン等がある。
これらのアルキルアミン、カルボン酸アミド、及びアミノカルボン酸塩は、1種以上を使用することができ、それにより安定な分散剤として作用する。
上記アルキルアミンの含有量は、金属超微粒子重量基準で、通常、およそ0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜7重量%の範囲である。含有量が0.1重量%未満であると、金属超微粒子が独立状態で分散せずに、その凝集体が発生し、分散安定性が悪くなるという問題があり、また、10重量%を超えると、得られる分散液の粘度が高くなり、最終的にはゲル状物が形成されるという問題がある。
【0021】
また、上記溶剤については、ガラス基板、プラスチック基板、セラミック基板等の被処理基板の性質に合わせて、水、アルコール系等の極性溶剤や非極性炭化水素系溶剤を選択する必要がある等のように、得られる膜の用途の違いにより溶剤の選択条件がきまってくる場合がある。
例えば、第1溶剤は、ガス中蒸発法の際に用いる金属超微粒子生成用の溶剤であって、金属超微粒子を冷却捕集する際に容易に液化できるように、比較的沸点の高い溶剤である。この第1溶剤としては、炭素数が5以上のアルコール類、例えば、テルピネオール、シトロネオール、ゲラニオール、フェネチルアルコール等から選ばれた1種以上を含有する溶剤、又は有機エステル類、例えば、酢酸ベンジル、ステアリン酸エチル、オレイン酸メチル、フェニル酢酸エチル、グリセリド等から選ばれた1種以上を含有する溶剤であれば良く、使用する金属超微粒子の構成元素、又は分散液の用途によって適宜選択できる。
【0022】
第2溶剤は、第1工程で得られた分散液中に含まれた金属超微粒子を沈降させ、第1溶剤を抽出・分離して除去できるものであれば良く、例えば、低分子量の極性溶剤であるアセトン等がある。
第3溶剤としては、主鎖の炭素数が6〜20の非極性炭化水素、水及び炭素数が15以下のアルコール等のような常温で液体のものを適宜選択し、使用することができる。非極性炭化水素の場合、炭素数が6未満であると、乾燥が早すぎて分散液のハンドリング上で問題があり、また、炭素数が20を超えると、分散液の粘度が上昇し易く、また、焼成する場合には炭素が残留し易いという問題がある。アルコールの場合も、炭素数が15を超えると分散液の粘度が上昇し易く、また、焼成する場合には炭素が残留し易いという問題がある。
【0023】
第3溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、トリメチルペンタン等の長鎖アルカンや、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の環状アルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオール等のアルコールを用いることができる。これらの溶剤は、単独で用いても、混合溶剤の形で用いても良い。例えば、長鎖アルカンの混合物であるミネラルスピリットであっても良い。
【0024】
第3溶剤の場合、第1工程で使ったものと異なる溶剤(たとえ同一であっても、純度が違う等の溶剤)を使わねばならない場合があるが、本発明はそのような場合に好適である。
上記溶剤の使用量は、金属超微粒子独立分散液の用途に応じて適宜設定すれば良い。
なお、金属超微粒子濃度は、分散液製造後に真空中加熱等により随時調整可能である。
また、本発明において、液相還元法等の化学還元法で得られた金属超微粒子を用いて分散液を製造する場合、金属超微粒子を製造するための原料としては、例えば、ビスヘキサフルオロアセチルアセトネート銅、ビスアセチルアセトネートニッケル、ビスアセチルアセトネートコバルト等の金属含有有機化合物である還元用原料を使用することもできる。
【0025】
上記還元法は、例えば、次のようにして行われる。上記原料に上記分散剤を添加した状態で、所定の温度で原料を加熱分解させ、金属超微粒子を発生させる。発生した金属超微粒子のほぼ全量を独立分散状態で回収する。この金属超微粒子の粒径は約100nm以下である。この金属超微粒子を前記したような分散金属超微粒子生成用溶剤である第3溶剤に置換すれば、所期の金属超微粒子独立分散液が得られる。得られた分散液は、真空中での加熱により濃縮しても、安定な分散状態を維持している。
【0026】
メッキ用シードパターンである金属膜の密着性を改良するために、上記金属超微粒子独立分散液に対して、有機ケイ素化合物、有機マンガン化合物等の金属含有有機化合物(含金属有機化合物)を添加しても良い。有機ケイ素化合物としては、常温で液体の主溶剤(第3溶剤)である非極性炭化水素等に可溶であり、分解温度が150〜250℃程度のものであれば適宜使用可能であり、例えば、ジフェニルシラン、テトラアリルシラン、デカメチルテトラシロキサン等を用いることができる。その添加量としては、ケイ素重量として、金属(例えば、銅)超微粒子重量に対して0.5wt%〜10wt%程度であればよい。0.5wt%未満であると密着性の改良にはならず、また、この添加量が多いほど密着性は向上するが、10wt%程度を越えると、膜の抵抗値が上昇し、メッキのつきが悪くなる。また、有機マンガン化合物としては、例えば、オクタン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、リノール酸マンガン等を用いることができる。その添加量としては、マンガン重量として、金属(銅)超微粒子重量に対して、0.5〜10wt%を用いることができる。0.5wt%未満であると密着性の改良にはならず、10wt%を超えると、膜の抵抗値が上昇し、メッキのつきが悪くなる。
【0027】
上記有機ケイ素化合物、有機マンガン化合物の他に、密着性確保のために効果がある含金属有機化合物として、例えば、ケイ素、マンガン、クロム、ニッケル、チタン、マグネシウム、アルミニウム、ゲルマニウム、タンタル、ニオブ及びバナジウムから選ばれた少なくとも1種の金属を含有する有機化合物である脂肪酸塩がある。これらの金属の脂肪酸塩のうち、分解温度の低いもの(300℃以下程度)であれば効果がある。例えば、マグネシウム、アルミニウムを含む化合物として、(C1735COO)Mg、(C1735COO)Alをあげることができる。
【0028】
本発明によれば、上記した含金属有機化合物を添加した金属超微粒子独立分散液を用いる方法とは別に、上記含金属有機化合物のみの分散液を用いて、インクジェット法により、直接、絶縁基板上に下地導電膜パターンを形成し、焼成した後、含金属有機化合物が添加されていても良い上記金属超微粒子独立分散液からなるナノインクを用いて、インクジェット法により、直接、この下地絶導電膜パターン上にシードラインを形成し、次いで、加熱してインク中の分散剤及び溶媒を蒸発させることによりシードパターンを形成し、その上に無電解メッキにより導電膜パターンを形成する方法もまた、被処理基板と導電膜パターンとの密着性を確保するためには有用である。例えば、被処理基板上に、まず、オクタン酸マンガン溶液(溶剤:テトラデカン)をインクジェット塗布し、これを大気中で、例えば、230℃×10分の条件で焼成し、膜厚約0.1μmの膜を得る。この膜上に、金属超微粒子独立分散液を上記と同条件でインクジェット塗布し、これを加熱して分散剤及び溶媒を蒸発させた後、無電解メッキ処理をする。得られた導電膜パターンの比抵抗値は2μmΩ・cm程度であり、密着性及び膜質は良好である。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
ガラス基板を用いて、以下のようにしてCuのシードパターンを形成した。
テトラデカン溶剤分散のCuナノインクにα−テルピネオールを混合して粘度が5cps、そして濃度が5wt%になるように調整した。インクジェット装置を用いて、100℃に加熱したガラス基板上にこのナノインクを吐出してシードラインを形成し、250℃で溶剤と分散剤を除去し、幅50μmの直線状のCuシードパターンを形成した。そして、シードパターンの形成されたガラス基板をCu無電解メッキ浴(組成:硫酸銅を主成分とする公知のメッキ浴)中に30分間浸漬した。その結果、Cuシードパターンの上に膜厚約5μmのCu薄膜が生成され、導電膜パターンを得ることができた。膜の抵抗率は2.7μmΩ・cmであり、密着力についてのテープテストを行ったところ、基板からCu膜の剥離は見られなかった。
【0030】
上記基板加熱温度を60℃にし、また、Cu微粒子の濃度を10wt%にし、また、粘度を20cpsにし、さらに、基板表面の粗面化状態をRmax=70nmにして上記操作を繰り返したところ、同様な結果が得られた。
【0031】
(比較例1)
実施例1記載の方法を繰り返した。但し、基板を加熱せず、常温でCuナノインクを基板上に吐出してシードラインを形成し、250℃で溶剤と分散剤を除去した。形成された直線状Cuシードパターンの線幅は700μmであり、シードパターンのファイン化ができなかった。
【0032】
(比較例2)
実施例1記載の方法を繰り返した。但し、5wt%のCuナノインクの代わりに20wt%のCuナノインクを用いてシードパターンを形成し、実施例1と同様に無電解メッキを行った。この場合、メッキ初期のCuの析出スピードは早くなったが、得られた導電膜パターンに対して行ったテープテストの結果、基板とCu膜との間で剥離が起きた。
また、基板表面の粗面化状態をRmax=5nmにして実施例1の操作を繰り返したところ、基板とCu膜との間で剥離が起きた。
【0033】
【発明の効果】
本発明のシードパターン形成方法によれば、ポリシランを使用せずに、かくして洗浄・廃液処理工程を必要とせずに、簡単な方法で高純度のメッキ用シードパターンを形成することができる。特定の粘度・濃度範囲のナノインクを用いれば、導電性と基板との優れた密着力を確保できる。被処理基板として、その表面が所定の程度に予め粗面化されたものを用いれば、基板とメッキ膜との密着が効果的に図れると共に、パターンのファイン化が可能である。また、描画の際に、基板の温度を60〜100℃に維持しながら描画するので、表面粗さの度合によって描画ライン幅を制御できない場合でも、満足なライン幅を達成することができる。
また、本発明の導電膜パターン形成方法によれば、上記メッキ用シードパターン上に無電解メッキ処理により導電膜パターンを形成するので、フォトリソグラフィー工程が不要となり、工程の削減が可能となると共に、所望の線幅を有しかつ良好な導電性を有する導電膜パターンが提供でき、また、この導電膜パターンの被処理基板に対する高い密着性が達成され得る。

Claims (3)

  1. Cu、Ag、Au及びPdから選ばれた金属の超微粒子、分散剤並びに有機溶媒を含み、粘度が3〜20cpsであるナノインクを用いて、インクジェット法により、直接、表面粗さがRmax=20〜500nmである基板上に、基板温度を60〜100℃に維持しながらシードラインを描画し、加熱により該分散剤及び溶媒を蒸発させて、メッキ用シードパターンを形成することを特徴とするメッキ用シードパターン形成方法。
  2. 前記ナノインクが0.1〜15wt%の金属超微粒子を含んだものであることを特徴とする請求項1記載のメッキ用シードパターン形成方法。
  3. 請求項1又は2記載の方法によりメッキ用シードパターンを形成した後、このシードパターン上に無電解メッキ処理により導電膜パターンを形成することを特徴とする導電膜パターン形成方法。
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