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JP5217435B2 - ポリアミド酸又はポリイミドを含有する電極パターニング層、及びこれを用いた電子デバイス - Google Patents
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JP5217435B2 - ポリアミド酸又はポリイミドを含有する電極パターニング層、及びこれを用いた電子デバイス - Google Patents

ポリアミド酸又はポリイミドを含有する電極パターニング層、及びこれを用いた電子デバイス Download PDF

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Description

本発明は、電子デバイスの電極を溶液塗布により作製する際に用いられるパターニング層に関するものであり、更にはこのパターニング層によって作製された電極およびこの電極を有する電子デバイスに関するものである。
現在、電子デバイスの製造工程において、電極や機能性薄膜のパターン形成には、主にマスク蒸着法やフォトリソグラフィによるエッチング法が用いられている。これら従来の方法では、基板の大型化が困難であったり、工程が煩雑であるなどの問題点が指摘されている。
近年、これに対して、液体の濡れ性の差を利用した塗り分け技術を機能性薄膜のパターニングに応用することが提案されている。これは、基板表面に、液体に濡れやすい領域と液体に濡れにくい領域とからなるパターニング層を作り、次いでこのパターニング層上に機能性薄膜形成材料の溶液を塗布・乾燥させることで、液体に濡れやすい領域にのみ機能性薄膜を形成させる方法である。これにより、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子や、有機FET(電界効果型トランジスタ)素子などの電子デバイスを作製するという方法である。
このような機能性薄膜用のパターニング層としては、二酸化チタンとオルガノポリシロキサンとかならなる光触媒含有層にマスクを介して紫外光を照射したもの(例えば特許文献1参照)、染料などの光吸収部位を持つ化合物と含フッ素重合体とからなる層にレーザー照射またはマスクを介して紫外光を照射したもの(例えば特許文献2参照)などが知られている。また、マスクを介してフッ素系コーティング剤を蒸着する方法も提案されている(例えば特許文献3参照)。
一方、上記のようなパターニング層は、機能性薄膜のパターニングという役割を終えても素子中に残ることとなる。したがって、このパターニング層は、その後の工程に対する耐久性と、電子デバイス中にあってもその特性に悪影響を与えない信頼性が必要となる。パターニング層のこのような必要特性は、作製されるデバイスやパターニング層の使用箇所によって異なるが、中でも、電極のパターニング層としては電気絶縁性が重要となる。
また、これまで提案されている手法は、パターニング層としての特性にのみに重点を置いていた。したがって、例えば有機FET素子のソース電極およびドレイン電極をパターニングする場合は、パターニング層の下に別途ゲート絶縁膜を準備する必要がある。
一方で、ポリイミドは、耐熱性や機械強度、電気絶縁性、耐薬品性などに優れており、様々な電子デバイスに使用されている。しかしながら、ポリイミドそのものを上記のようなパターニング層に使用した例は未だ報告されていない。
特開2000−223270号公報 特開2004−146478号公報 特開2004−273851号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電子材料として信頼性の高いポリイミド系の樹脂を用いた電極パターニング層を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、ポリアミド酸またはポリイミドに着目し鋭意検討を重ねた結果、特定構造を有するポリアミド酸または該ポリアミド酸を脱水閉環して得られるポリイミドに、紫外線による露光を行うことで、特別な添加剤を用いなくても電極パターニング層として機能することを見出した。即ち本発明は以下に示すとおりである。
1.電極形成液の濡れ性の違いにより任意の形状の電極パターンを作成するための電極パターニング層であって、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸または該ポリアミド酸を脱水閉環して得られるポリイミドを含有する層に、紫外線をパターン状に照射することによって作成された電極パターニング層。
(式(1)中、Aは、下記式(2)〜(5)で表される構造から選ばれる少なくとも1種からなる脂環構造を有する4価の有機基を示す。Bは、前記ポリアミド酸を製造するジアミンとして、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン若しくは4,4'-ジアミノジフェニルエーテルを使用した場合における2価の基、又は下記式(6)で表される構造を有する2価の有機基を示す。AおよびBのそれぞれは1種類でも複数種でもよく、nは正の整数である。
(式(2)中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素、フッ素または炭素数1〜4の有機基を示す。)
(式(6)中、Xは、それぞれ独立して、単結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、アミド結合、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキレン基又は炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキレンジオキソ基を示し、Rメチル基、またはパーフルオロメチル基を示し、jは0又は1を示す。)
2.式(1)におけるAは、その20モル%以上が前記式(2)〜(5)で表される構造から選ばれる少なくとも1種からなる脂環構造を有する4価の有機基である上記
1に記載の電極パターニング層。
3.式(1)におけるBは、その10〜100モル%が前記式(6)で表される構造を有する上記1または2に記載の電極パターニング層。
.水または電極形成液に対する接触角が、紫外線未照射部では50°以上であり、紫外線照射部では30°以下である上記1〜3のいずれか1項に記載の電極パターニング層。
.上記1に記載の一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸または該ポリアミド酸を脱水閉環して得られるポリイミドを含有する層に、紫外線をパターン状に照射する電極パターニング層の製造方法。
.紫外線の照射量が40J/cm以下で作成された上記に記載の電極パターニング層。
.上記1に記載の電極パターニング層に電極形成液を塗布することによって作されたパターン電極。
.上記に記載のパターン電極を有する電子デバイス。
.上記に記載のパターン電極を有する有機FET。
本発明に係る電極パターニング層を用いたパターン電極の形成方法は、マスク蒸着法よりも高精細にパターニングすることが可能であり、かつ、フォトリソグラフィ法よりも製造工程の簡略化が可能である。
更に、本発明に係る電極パターニング層は、優れた電気絶縁性も有しているため、信頼性も高く、有機FETのゲート絶縁層としても用いることも可能であり、製造工程の大幅な簡略化も可能である。
実施例7において、PI−1の溶液から得られた電極パターニング層によって作成されたパターン電極。 実施例7において、PI−2の溶液から得られた電極パターニング層によって作成されたパターン電極。 実施例7において、PI−3の溶液から得られた電極パターニング層によって作成されたパターン電極。 実施例7において、PI−4の溶液から得られた電極パターニング層によって作成されたパターン電極。 比較例2において、PI−7の溶液から得られたポリイミド膜を用いた場合の電極形状。 実施例8から10において作成した有機FETの断面図。 実施例8においてPI−3の溶液から得られた電極パターニング層によって形成されたチャネル長50μmの有機FETのI−VDS特性。 実施例9においてPI−3の溶液から得られた電極パターニング層によって形成されたチャネル長25μmの有機FETのI−VDS特性。 実施例10においてPI−3の溶液から得られた電極パターニング層によって形成されたチャネル長5μmの有機FETのI−VDS特性。
符号の説明
1 ゲート電極
2 ゲート絶縁膜
3 電極パターニング層
4 ソース/ドレイン電極
5 有機半導体層
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明に係る電極パターニング層は、紫外線照射部と未照射部とでの表面エネルギー差を利用し、電極形成液の濡れ性の違いにより任意の形状の電極を形成させるものである。従って、該パターニング層は、紫外線の照射によって、電極形成液の濡れ性に有意な違いが出る程度に表面エネルギーが変化する必要がある。
本発明の電極パターニング層において、紫外線照射によって表面エネルギー変化を起こすのは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸または該ポリアミド酸を脱水閉環して得られるポリイミドである。
(但し、式(1)中、Aは、下記式(2)〜(5)で表される構造から選ばれる少なくとも1種からなる脂環構造を有する4価の有機基を示す。Bは、前記ポリアミド酸を製造するジアミンとして、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン若しくは4,4'-ジアミノジフェニルエーテルを使用した場合における2価の基、又は下記式(6)で表される構造を有する2価の有機基を示す。AおよびBのそれぞれは1種類でも複数種でもよく、nは正の整数である。
(式(2)中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素、フッ素または炭素数1〜4の有機基を示す。)

(式(6)中、Xは、それぞれ独立して、単結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、アミド結合、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキレン基又は炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキレンジオキソ基を示し、Rメチル基、またはパーフルオロメチル基を示し、jは0又は1を示す。)
紫外線照射によるこの表面エネルギー変化は、主として上記Aに含まれる脂環構造の開裂によるものと考えている。従って、上記式(1)のAは、脂環構造を有する4価の有機基の割合が多いほど、表面エネルギーの変化が大きくなるので好ましい。式(1)のAにおいて、脂環構造を有する4価の有機基の割合は特に限定されないが、好ましくは20モル%以上であり、より好ましくは50モル%以上であり、特には80モル%以上が好ましい。
上記式(1)において、Bが、側鎖にメチル基やトリフルオロメチル基を有する2価の有機基である場合、紫外線未照射部の表面エネルギーを低くし、電極形成液の接触角を高くすることができることから、より微細なパターンの電極形成が可能になる。式(1)のBにおける、これら低表面エネルギー化を目的とした2価の有機基の割合は特に限定されないが、好ましくは、Bの10〜100モル%であり、より好ましくは20モル%以上であり、更に好ましくは50モル%以上であり、特に好ましくは70モル%以上である。
上記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸は、脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を少なくとも1種類含むテトラカルボン酸二無水物成分と、ジアミン成分との反応によって得ることができる。この際、テトラカルボン酸二無水物成分および、ジアミン成分は、それぞれ1種類であっても複数種を併用しても構わない。
脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物としては、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-テトラメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-テトラフルオロ-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5-テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,4-ジカルボキシ-1-シクロヘキシルコハク酸二無水物、3,4-ジカルボキシ1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物、ビシクロ[3,3,0]オクタン-2,4,6,8-テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、シス-3,7-ジブチルシクロオクタ-1,5-ジエン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン-3,4,7,8-テトラカルボン酸-3,4:7,8-二無水物、ヘキサシクロ[6.6.0.12,7.03,6.19,14.010,13]ヘキサデカン-4,5,11,12-テトラカルボン酸-4,5:11,12-二無水物などを挙げることができる。
これらのうち、前記式(2)の構造が得られるのは、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-テトラメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-テトラフルオロ-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物である。式(3)の構造が得られるのは、ビシクロ[3,3,0]オクタン-2,4,6,8-テトラカルボン酸二無水物である。式(4)の構造が得られるのは、3,4-ジカルボキシ1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物であり、式(5)の構造が得られるのは、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物である。
上記以外で併用可能なテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
式(1)のAにおいて、脂環構造を有する4価の有機基を任意の割合にするためには、ポリアミド酸の合成反応に用いるテトラカルボン酸二無水物成分における、脂環構造を有するテトラカルボン酸二無水物の割合を目的の割合に合わせればよい。
本発明で使用されるジアミン成分としては、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン又は4,4'-ジアミノジフェニルエーテルからなる炭素環式芳香族ジアミン類が挙げられる。
また、下記式(8)示されるジアミンを使用することで、一般式(1)のBとして、前記式(6)構造を含ませることができる。

(式中、Xは、それぞれ独立して、単結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、アミド結合、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキレン基又は炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキレンジオキソ基を示し、Rメチル基、またはパーフルオロメチル基を示し、jは0又は1を示す。)
このようなジアミンの具体例としては、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどを挙げることができる。
式(1)のBにおいて、特定構造の2価の有機基を任意の割合にするためには、ポリアミド酸の合成反応に用いるジアミン成分における、前記特定構造に対応するジアミンの割合を目的とする割合に合わせればよい。
ポリアミド酸を得る重合反応は、テトラカルボン酸二無水物と成分とジアミン成分とを有機溶媒中で混合させることで可能である。
テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを有機溶媒中で混合させる方法としては、ジアミン成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液を攪拌させ、テトラカルボン酸二無水物成分をそのまま、または有機溶媒に分散あるいは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸二無水物成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とを交互に添加する方法などが挙げられる。また、テトラカルボン酸二無水物成分またはジアミン成分が複数種の化合物からなる場合は、これら複数種の成分を予め混合した状態で重合反応させてもよく、個別に順次重合反応させてもよい。
テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分を有機溶媒中で重合反応させる際の温度は、通常−20〜150℃、好ましくは0〜80℃である。温度が高い方が重合反応は早く終了するが、高すぎると高分子量のポリアミド酸が得られない場合がある。
また、重合反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となるので、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%である。重合反応初期は高濃度で行い、その後、有機溶媒を追加しても構わない。
上記反応の際に用いられる有機溶媒は、生成したポリアミド酸が溶解するものであれば特に限定されないが、あえてその具体例を挙げるならば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン等を挙げることができる。これらは単独でも、また混合して使用してもよい。さらに、ポリアミド酸を溶解させない溶媒であっても、生成したポリアミド酸が析出しない範囲で、上記溶媒に混合して使用してもよい。また、反応系内の水分は重合反応を阻害し、さらには生成したポリアミド酸を加水分解させる原因となるので、有機溶媒はなるべく脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。さらには、反応系内を窒素雰囲気下としておくことが好ましく、反応系中の溶媒に窒素をバブリングしながら反応を行うと更に好ましい。
ポリアミド酸の重合反応に用いるテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分の比率は、モル比で1:0.8〜1:1.2であることが好ましく、このモル比が1:1に近いほど得られるポリアミド酸の分子量は大きくなる。
本発明で用いられるポリアミド酸の分子量は、取扱いのしやすさと、膜形成した際の特性の安定性の観点から、重量平均分子量で2,000〜200,000が好ましく、より好ましくは5,000〜50,000である。
以上のようにして得られたポリアミド酸は、攪拌させている貧溶媒に反応液を投入し、再沈殿させることによって精製することが出来る。この際に用いる貧溶媒としては特に限定されないが、メタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼンなどが例示できる。再沈殿によって得られたポリアミド酸は濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱乾燥してパウダーとすることが出来る。このパウダーを更に良溶媒に溶解して、再沈殿する操作を2〜10回繰り返すと、ポリマー中の不純物が少なくなり、薄膜としたときの特性が向上する。また、この際の貧溶媒として例えばアルコール類、ケトン類、炭化水素など3種類以上の貧溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸または該ポリアミド酸を脱水閉環して得られるポリイミドを含有する層を形成させる方法としては、上述したポリアミド酸を含む塗布液を基板に塗布・焼成する方法、または、上述したポリアミド酸を脱水閉環して得られる可溶性ポリイミドを含む塗布液を基板に塗布・焼成する方法が簡便である。
可溶性ポリイミドを得るための脱水閉環(イミド化)反応は、上記で得られたポリアミド酸の溶液をそのまま加熱する熱イミド化や、ポリアミド酸の溶液に触媒を添加する化学的イミド化が一般的であるが、比較的低温でイミド化反応が進行する化学的イミド化の方が、得られる可溶性ポリイミドの分子量低下が起こりにくく好ましい。
化学的イミド化は、ポリアミド酸を有機溶媒中において、塩基性触媒と酸無水物の存在下で1〜100時間攪拌することにより可能である。
塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等を挙げることができる。中でもピリジンは、反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。また、酸無水物としては無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などを挙げることができる。中でも無水酢酸は、イミド化終了後に、得られたポリイミドの精製が容易となるので好ましい。有機溶媒としては前述したポリアミド酸の重合反応時に用いる溶媒を使用することができる。
ポリイミドのイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。このときの塩基性触媒の量はアミック酸基の0.2〜10倍モルが好ましく、より好ましくは0.5〜5倍モルである。また、酸無水物の量はアミック酸基の1〜30倍モルが好ましく、より好ましくは1〜10倍モルである。反応温度は−20〜250℃が好ましく、より好ましくは0〜180℃である。本発明に用いる可溶性ポリイミドのイミド化率は100%である必要はなく、有機溶媒に対して適度な溶解性が保てる範囲で部分的にイミド化させたものであってもよい。
以上のようにして得られた可溶性ポリイミドは、前述したポリアミド酸と同様にして精製することが出来る。
ポリアミド酸または可溶性ポリイミドを含む塗布液は、これらポリマーを、少なくとも1種の溶媒に溶解もしくは均一に分散させて得ることができる。
塗布液の濃度は、ポリマー成分として0.1〜30重量%が好ましく、より好ましくは1〜10重量%である。
塗布液の溶媒は特に限定されないが、ポリアミド酸またはポリイミドを溶解させるものが好ましく、その例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、N-メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。これらは単独で用いても混合して用いてもよい。
更には、塗膜の平坦性を確保するため、塗布液の基板への濡れ性の向上、塗布液の表面張力、極性、沸点の調整等の目的で、その他の溶媒を混合してもよい。このような溶媒の具体例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテートなどのエチレングリコール誘導体;1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-ブトキシ-2-プロパノール、1-フェノキシ-2-プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート、プロピレングリコール-1-モノエチルエーテル-2-アセテート、ジプロピレングリコール、2-(2-メトキシプロポキシ)プロパノール、2-(2-エトキシプロポキシ)プロパノール及び2-(2-ブトキシプロポキシ)プロパノールなどのプロピレングリコール誘導体;乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n-プロピルエステル、乳酸n-ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどの乳酸誘導体;などが挙げられる。これらは単独で用いても併用して用いてもよい。
塗布液の保存性、塗膜の膜厚均一性を向上させる観点からは、全溶媒量の20〜80重量%を、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、およびジメチルスルホキシドから選ばれる少なくとも1種類の溶媒とすることが好ましい。
また、ポリアミド酸またはポリイミドを含有する層と基板との密着性を向上させる目的で、塗布液にカップリング剤などの添加剤を加えることもできる。その具体例としては、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、2-アミノプロピルトリメトキシシラン、2-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-エトキシカルボニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-エトキシカルボニル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N-トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10-トリメトキシシリル-1,4,7-トリアザデカン、10-トリエトキシシリル-1,4,7-トリアザデカン、9-トリメトキシシリル-3,6-ジアザノニルアセテート、9-トリエトキシシリル-3,6-ジアザノニルアセテート、N-ベンジル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ベンジル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-ビス(オキシエチレン)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ビス(オキシエチレン)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2-ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6-テトラグリシジル-2,4-ヘキサンジオール、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N',N'-テトラグリシジル-4,4'-ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。これら官能性シラン含有化合物やエポキシ基含有化合物の含有量は、塗布液中の全ポリマー重量に対して0.1〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜20重量%である。
上述した塗布液の塗布は、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、インクジェット法、スプレー法、刷毛塗り等で行うことができ、それぞれ均一な成膜が可能である。
塗布液を基板に塗布した後の焼成方法としては特に限定されるものではないが、ホットプレートやオーブンを用いて、適切な雰囲気下、即ち大気、窒素等の不活性ガス、真空中等で行うことができる。焼成温度は溶媒を蒸発させる事が出来れば特に限定されないが、40〜250℃で行うのが好ましい。塗膜の均一性をより高めるため、また基板上でイミド化反応を進行させるために2段階以上の温度変化をつけてもよい。
塗布液が、ポリアミド酸を含有する場合には、この焼成によって脱水閉環してポリイミドとなることもあり、また完全にイミド化されていないポリイミドを含有する場合には、この焼成によってイミド化率が高くなることもある。
本発明の電極パターニング層においては、ポリアミド酸のままであっても構わないが、耐溶剤性および極性の高いアミド酸基を減少させるという観点から、イミド化率は高い方が好ましい。
このようにして得られたポリアミド酸またはポリイミドを含有する層は、薄すぎると紫外線照射後のパターニング性が低下し、また厚すぎると表面の均一性が損なわれる。従って、その膜厚としては、5nm〜1000nmが好ましく、より好ましくは10nm〜300nmであり、最も好ましくは20nm〜100nmである。
また、本発明の電極パターニング層は、十分絶縁性が高い場合、単独で絶縁膜として機能させることもできる。その場合、該電極パターニング層は、例えば有機FET素子において、直接ゲート電極上に配置しゲート絶縁膜として使用される。その際、該電極パターニング層は絶縁性を確保する目的で、上述の場合よりも厚い方が望ましい。その膜厚としては好ましくは20nm〜1000nmであり、より好ましくは50nm〜800nmであり、最も好ましくは100nm〜500nmである。
本発明の電極パターニング層において、紫外線をパターン状に照射する方法は特に限定されないが、例えば電極パターンが描かれたマスクを介して照射する方法、レーザー光を用いて電極パターンを描画する方法などが挙げられる。
上記マスクとしては、材質や形状は特に限定されることはなく、電極を必要とする領域を紫外線が透過し、それ以外の領域を紫外線が不透過であればよい。
用いられる紫外線の波長としては、一般に100nm〜400nmの範囲を使用する事が出来るが、特に好ましくは使用するポリイミドの種類によりフィルタ等を介して適宜波長を選択する事が望ましい。
本発明の電極パターニング層は、紫外線の照射によってその表面エネルギーが徐々に上昇し、十分な量を照射することで飽和する。この表面エネルギーの上昇は、電極形成液の接触角の低下をもたらし、結果として紫外線照射部における電極形成液の濡れ性が向上する。従って、本発明の電極パターニング層上に電極形成液を塗布すると、電極パターニング層に表面エネルギーの差として描かれている形状に沿って、電極形成液が自己組織的にパターンを形成し、任意のパターン形状の電極を得ることができる。
このため、電極パターニング層に対する紫外線の照射量は、電極形成液の接触角が十分変化する量を照射する必要があるが、エネルギー効率および製造工程の時間短縮といった点で40J/cm2以下であることが好ましく、30J/cm2以下であることがより好ましく、20J/cm2以下であることがもっとも好ましい。
また、電極パターニング層の紫外線照射部と未照射部とで電極形成液の接触角の差が大きいほどパターニングが容易となり、複雑なパターンや微細なパターン形状に電極を加工する事が可能となる。よって、紫外線照射による接触角の変化は10°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、50°以上であることが最も好ましい。同様の理由で、電極形成液の接触角が、紫外線未照射部では50°以上であり、紫外線照射部では30°以下であることが好ましい。現在、電極形成液の溶媒は水が用いられることが多いことから、前記電極形成液の接触角は、簡易的に水の接触角として置き換えてもよい。
本発明における電極形成液とは、基板に塗布した後、そこに含まれる溶媒を蒸発させることで、電極として使用することができる塗布液である。その例としては、電荷輸送性物質が少なくとも一種の溶媒に溶解もしくは均一に分散したものが挙げられる。ここで、電荷輸送性とは、導電性と同義であり、正孔輸送性、電子輸送性、正孔および電子の両電荷輸送性のいずれかを意味する。
上記の電荷輸送性物質としては、正孔または電子を輸送可能な導電性を有していれば、特に限定されない。その例としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウムなどの金属微粒子やカーボンブラック、フラーレン類、カーボンナノチューブなどの無機材料などや、ポリチオフェン,ポリアニリン,ポリピロール,ポリフルオレンおよびこれらの誘導体など有機π共役ポリマーなどが挙げられる。また、電荷輸送物質の電荷輸送能を向上させる目的で電荷受容性物質あるいは電荷供与性物質がドーパントとして加えられていてもよい。
電極形成液の溶媒としては、上記電荷輸送性物質あるいはドーパントを溶解もしくは均一に分散させるものであればとくに限定されない。ただし、正確な電極パターンを得るという観点からは、電極パターニング層の紫外線未照射部に対して、十分大きな接触角を示し、かつ本発明の電極パターニング層へのダメージが少ない事が好ましいことから、水や各種アルコール類が好ましい。また、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、N-メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素などの極性溶媒も有機系の電荷輸送性物質の溶解性に優れ、電極パターニング層の紫外線未照射部に対して、十分大きな接触角を示という観点から好ましいが、これらは、本発明の電極パターニング層へのダメージが少ない範囲において使用することが好ましい。
電極形成液における電荷輸送性物質の濃度は、0.01〜30重量%が好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましく、最も好ましくは1〜5重量%である。
本発明に係る電荷輸送性ワニスの具体的な例としては、Baytron P(商品名 バイエル社製)などが挙げられる。
本発明に係る電極は、本発明の電極パターニング層上に上記電極形成液を塗布し、パターン形成した後に、溶媒を蒸発させることで作成される。溶媒の蒸発方法としては特に限定されるものではないが、ホットプレートやオーブンを用いて、適切な雰囲気下、即ち大気、窒素等の不活性ガス、真空中等で蒸発を行い、均一な成膜面を得る事が可能である。
溶媒を蒸発させる温度は特に限定されないが、40〜250℃で行うのが好ましい。より精密なパターン形成を行う、より高い均一成膜性を発現させる等の観点から、2段階以上の温度変化をつけてもよい。
この電極形成液から作成された電極は、電子デバイス同士を接続する配線のみならず電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、各種ダイオード、各種センサーなどの電子デバイスの電極などとして利用される。
本発明に係る電子デバイスは、上記本発明の電極を有するものである。
以下に電極パターニング層の使用方法を、有機FET素子を例に用いて示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
基板として高ドープ型n型シリコン基板を用意する。基板は予め洗剤、アルコール、純水等による液体洗浄を行って浄化しておき、使用直前にオゾン処理、酸素−プラズマ処理等の表面処理を行う事が好ましい。基板上にSiO、Ta、Alなどを熱酸化、スパッタ、CVD、蒸着などの方法で成膜して、ゲート絶縁膜を形成する。ゲート絶縁層の膜厚は、有機FETの用途により異なるが、駆動電圧と電気絶縁性の兼ね合いから、30nmから1000nmの範囲であることが好ましい。
次に、絶縁膜上に、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸または該ポリアミド酸を脱水閉環して得られるポリイミドを含有する層を、前述に従い形成する。層の膜厚は、20nmから100nmとするのがもっとも好ましい。その後、紫外線をパターン状に照射することで、電極パターニング層とする。
次に、水などの極性溶媒を用いた電極形成液を、電極パターニング層表面に塗布する。塗布された電極形成液は疎水性部(紫外線未照射部)を弾くように親水性部(紫外線照射部)に速やかに広がって安定化し、乾燥させることでパターン化したソース及びドレイン電極が形成される。電極形成液の塗布法は、スピンコート法、キャスト法など特に限定されないが、液量がコントロールしやすいインクジェットプリント法やスプレー塗布法が好ましい。
最後に、有機FETの活性層である、ペンタセン、ポリチオフェンなどの有機半導体材料を成膜する事により完成する。有機半導体材料の成膜方法は特に限定されないが、例えば真空蒸着や溶液をスピンコート法、キャスト法、インクジェットプリント法やスプレー塗布法などが挙げられる。
このようにして、作製された有機FETは、製造工程が大幅に削減可能であり、さらには、マスク蒸着法よりも短いチャネルの有機FETが作製可能であるため、活性層として低移動度の有機半導体材料を用いた場合においても大電流を取り出すことが可能となる。また、本発明の方法により得られる電極パターニング層は優れた電気絶縁性も有していることから、ゲート絶縁層としても用いることも可能であり、製造工程の更なる簡略化が可能である。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限して解釈されるものではない。
なお、以下の合成例において、ポリアミド酸またはポリイミドの分子量は、GPCカラム(KD−803/KD−805、ショウデックス社製)を装備したGPC装置(SSC−7200、センシュー科学社製)によって測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N-ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o-リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量 約900,000、150,000、100,000、30,000)、および、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。
また、可溶性ポリイミドのイミド化率は、該ポリイミドをd−DMSO(ジメチルスルホキシド−d)に溶解させ、H−NMRを測定し、イミド化せずに残存しているアミド酸基の比率をプロトンピークの積算値の比から求め算出した。
実施例および比較例における紫外線の照射は、高圧水銀ランプを光源とする紫外線照射装置(ニコン製)を用い、波長254nm付近の紫外線を通すフィルタを介して行った。また、紫外線の照射量は、254nmに感度を持つ照度計(ORC製 UV−M02)を用いて、照度をその都度測定し、この照度に照射時間を乗じることで算出した。なお、この紫外線照射装置による波長254nmの照度は3.8〜5.4mW/cmであった。
水接触角の測定は、恒温高湿環境(25℃±2℃、50%RH±5%)において、全自動接触角計 CA−W(協和界面化学社製)を使用し、液量3μl、着液後5秒間静止させてから測定した。
<合成例1> ポリアミド酸(PI−1)の合成
窒素気流下中、200mLの4つ口フラスコに、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(以下DDEと略す) 8.01g(0.040mol)を入れ、N-メチル-2-ピロリドン(以下NMPと略す) 87.6gに溶解させた後、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(以下CBDAと略す) 7.45g(0.038mol)を加え、これを23℃で5時間攪拌して重合反応を行い、さらにNMPで希釈することで、ポリアミド酸(PI−1)の6重量%溶液を得た。得られたポリアミド酸(PI−1)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=14,000、Mw=32,600であった。
<合成例2> ポリアミド酸(PI−2)の合成
窒素気流下中、200mLの4つ口フラスコに、p-フェニレンジアミン 1.29g(0.012mol)と4-[4-(4-ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ]-1,3-ジアミノベンゼン 10.66g(0.028mol)を入れ、NMP 111.7gに溶解させた後、CBDA 7.77g(0.040mol)を加え、これを23℃で5時間攪拌して重合反応を行い、さらにNMPで希釈することで、ポリアミド酸(PI−2)の4重量%溶液を得た。得られたポリアミド酸(PI−2)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=14,000、Mw=29,000であった。
<合成例3> ポリアミド酸(PI−3)の合成
窒素気流下中、200mLの4つ口フラスコに、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン 16.42g(0.040mol)を入れ、NMP 135.3gに溶解させた後、CBDA 7.45g(0.038mol)を加え、これを23℃で5時間攪拌して重合反応を行い、さらにNMPで希釈することで、ポリアミド酸(PI−3)の6重量%溶液を得た。得られたポリアミド酸(PI−3)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=16,000、Mw=35,000であった。
<合成例4> ポリアミド酸(PI−4)の合成
窒素気流下中、200mLの4つ口フラスコに、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン 20.74g(0.040mol)を入れ、NMP 159.8gに溶解させた後、CBDA 7.45g(0.038mol)を加え、これを23℃で5時間攪拌して重合反応を行い、さらにNMPで希釈することで、ポリアミド酸(PI−4)の6重量%溶液を得た。得られたポリアミド酸(PI−4)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=15,000、Mw=33,100であった。
<合成例5> ポリイミド(PI−5)の合成
窒素気流下中、200mLの4つ口フラスコに、DDE 7.01g(0.035mol)を入れ、NMP 88.35gに溶解させた後、ビシクロ[3.3.0]-オクタン-2,4,6,8-テトラカルボン酸二無水物 8.58g(0.034mol)を加え、これを80℃で3時間攪拌して重合反応を行った。得られたポリアミド酸の溶液をNMPで7重量%に希釈した。この溶液50gにイミド化触媒として無水酢酸3.0g、ピリジン2.3gを加え、室温で30分攪拌した後、120℃に加熱して更に2時間反応させポリイミド溶液を得た。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿をろ別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。このポリイミド粉末はH−NMRより97%イミド化されていることが確認された。この粉末4gをNMP 49.24gとブチルセロソルブ 13.43gの混合溶媒に溶解させて、ポリイミド(PI−5)の6重量%溶液を得た。得られたポリイミド(PI−5)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=14,500、Mw=31,000であった。
<合成例6> ポリイミド(PI−6)の合成
窒素気流下中、200mLの4つ口フラスコに、p-フェニレンジアミン 4.86g(0.045mol)、4-ヘキサデシルオキシ-1,3-ジアミノベンゼン 1.74g(0.005mol)を入れ、NMP 122.5gに溶解させた後、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物 15.01g(0.050mol)を加え、これを室温で10時間攪拌して重合反応を行った。得られたポリアミド酸の溶液をNMPで8重量%に希釈した。この溶液50gにイミド化触媒として無水酢酸10.8g、ピリジン5.0gを加え、50℃で3時間反応させポリイミド溶液を得た。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿をろ別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。このポリイミド粉末はH−NMRより90%イミド化されていることが確認された。この粉末4gをγ-ブチロラクトン 52.67gとブチルセロソルブ 10gの混合溶媒に溶解させて、ポリイミド(PI−6)の6重量%溶液を得た。得られたポリイミド(PI−6)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=18,000、Mw=54,000であった。
<比較合成例1> ポリアミド酸(PI−7)の合成
窒素気流下中、200mLの4つ口フラスコに、DDE 8.01g(0.040mol)を入れ、NMP 91.9gに溶解させた後、ピロメリット酸二無水物 8.20g(0.038mol)を加え、これを23℃で2時間攪拌して重合反応を行いさらにNMPで希釈することで、ポリアミド酸(PI−7)の6重量%溶液を得た。得られたポリアミド酸(PI−7)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=11,500、Mw=25,200であった。
<実施例1>
ITO付きガラス基板(2.5cm角、厚み0.7mm)に、合成例1で調製したPI−1の溶液を、0.2μm孔フィルタを付けたシリンジで滴下し、スピンコート法により塗布した。その後大気下で、80℃のホットプレートで5分間加熱を行って有機溶剤を揮発させ、次いで230℃のホットプレートで15分焼成する事で、膜厚約100nmのポリイミド膜を得た。
このポリイミド膜の水接触角を測定したところ59°であった。同様にして得たポリイミド膜表面に、紫外線を10J/cm,20J/cm,30J/cm,40J/cmの各条件で照射し、それぞれの水接触角を測定した。その結果、紫外線を40J/cm照射することで接触角が10°まで低下し、電極形成液をパターニングするのに十分な接触角の変化(49°)を示す事が確認された。なお各紫外線照射量における水接触角の測定結果は後述する表1に示す。
<実施例2>
合成例2で調整したPI−2の溶液を用い、実施例1と同様にポリイミド膜を作成し、紫外線照射量と水接触角の関係を調べた。ただし、ポリイミド膜形成時において、有機溶媒揮発後の焼成は210℃で30分とした。その結果、水接触角は、紫外線未照射の場合には92°であり、紫外線を40J/cm照射した場合には22°であり、電極形成液をパターニングするのに十分な接触角の変化(70°)を示す事が確認された。なお各紫外線照射量における水接触角の測定結果は後述する表1に示す。
<実施例3>
合成例3で調整したPI−3の溶液を用い、実施例1と同様にポリイミド膜を作成し、紫外線照射量と水接触角の関係を調べた。ただし、ポリイミド膜形成時において、有機溶媒揮発後の焼成は230℃で15分とした。その結果、水接触角は、紫外線未照射の場合には73°であり、紫外線を40J/cm照射した場合には9°であり、電極形成液をパターニングするのに十分な接触角の変化(64°)を示す事が確認された。なお各紫外線照射量における水接触角の測定結果は後述する表1に示す。
<実施例4>
合成例4で調整したPI−4の溶液を用い、実施例1と同様にポリイミド膜を作成し、紫外線照射量と水接触角の関係を調べた。ただし、ポリイミド膜形成時において、有機溶媒揮発後の焼成は250℃で30分とした。その結果、水接触角は、紫外線未照射の場合には84°であり、紫外線を40J/cm照射した場合には19°であり、電極形成液をパターニングするのに十分な接触角の変化(65°)を示す事が確認された。なお各紫外線照射量における水接触角の測定結果は後述する表1に示す。
<実施例5>
合成例5で調整したPI−5の溶液を用い、実施例1と同様にポリイミド膜を作成し、紫外線照射量と水接触角の関係を調べた。その結果、水接触角は、紫外線未照射の場合には63°であり、紫外線を40J/cm照射した場合には13°であり、電極形成液をパターニングするのに十分な接触角の変化(50°)を示す事が確認された。なお各紫外線照射量における水接触角の測定結果は後述する表1に示す。
<比較例1>
比較合成例1で調整したPI−7の溶液を用い、実施例1と同様にポリイミド膜を作成し、紫外線照射量と水接触角の関係を調べた。その結果、水接触角は、紫外線未照射の場合には69°であり、紫外線を40J/cm照射した場合においても62°であり、電極形成液をパターニングするのに十分な接触角の変化は示さなかった。なお各紫外線照射量における水接触角の測定結果は後述する表1に示す。

(表1)紫外線照射量と水接触角
未照射、10J/cm2、20J/cm2、30J/cm2、40J/cm2
実施例1 59°、60° 、47° 、23° 、10°
実施例2 92°、83° 、67° 、46° 、22°
実施例3 73°、58° 、22° 、11° 、 9°
実施例4 84°、74° 、45° 、24° 、19°
実施例5 63°、56° 、34° 、23° 、13°
比較例1 69°、67° 、65° 、63° 、62°



<実施例7>
実施例1〜5と同様にして、PI−1〜PI−5の溶液からポリイミド膜を作成した。これらポリイミド膜に、1cm×0.5cm角の窓を約0.17mmの隙間を空けて配置させた形状のマスク介して、紫外線40J/cmをパターン照射し、電極パターニング層とした。
この電極パターニング層上の紫外線照射部のみに、電極形成液としてBaytron P(型番AI−4083、バイエル社製)を純水で5倍に希釈した溶液を、それぞれ20μl〜40μl滴下した。その際、電極形成液は紫外線照射部に対して速やかに濡れ広がったが、紫外線未照射部では液がはじかれ、幅0.17mmの隙間も液が連結することはなかった。その後、大気下で80℃のホットプレートを用いて60分乾燥させることで、図1〜図4に示すパターン電極を得た。
<比較例2>
比較例1と同様にして、PI−7の溶液からポリイミド膜を作成した。このポリイミド膜を用いて、実施例7と同様に紫外線をパターン照射した。このポリイミド膜の紫外線照射部のみに、電極形成液としてBaytron P(型番AI−4083、バイエル社製)を純水で5倍に希釈した溶液を、それぞれ20μl〜40μl滴下した。しかしながら、電極形成液は濡れ広がらず、滴下位置にそのまま留まった。また、液量を多くしてもパターン形状にはならず、幅0.17mmの隙間で液が連結した。その後、大気下で80℃のホットプレートを用いて60分乾燥させたが、図5に示すようにパターン電極は得られなかった。
<実施例8>
電極パターニング層の効果を確かめるため、図6に示す構造の有機FETを作成した。作成手順を以下に示す。
有機FETのゲート電極1にはn型ハイドープシリコン基板(4インチ、厚み0.5mm)を用い、このn型ハイドープシリコン基板を熱酸化する事によって厚み220nmのSiO膜を形成し、これをゲート絶縁膜2とした。このとき、SiOはn型ハイドープシリコン基板の裏面にも形成されるため、SiOエッチャント(HF:HO:NHF=30ml:180ml:120g)中に15分間浸漬させることで裏面のSiOを除去した。このとき、n型ハイドープシリコン基板表面のSiOをSiOエッチャントから保護するため、OFPR−800(東京応化社製)をスピンコート法で塗布し、85℃のホットプレートで加熱することで溶媒を揮発させ表面の保護膜とした。このn型ハイドープシリコン基板を2.5cm角に劈開し、続いて保護膜を剥離剤で除去し純水で洗浄した。
合成例3で調製したPI−3の溶液をゲート絶縁膜2の上に0.2μm孔フィルタを付けたシリンジで滴下し、スピンコート法により塗布した。その後大気下で、80℃のホットプレートで5分間加熱を行って有機溶剤を揮発させ、次いで230℃のホットプレートで60分焼成する事で、膜厚150nmのポリイミド膜を得た。
このポリイミド膜に、2mm×5mm角の開口部が2つ、50μmの隙間を空けて配置された形状のフォトマスクを介して紫外線40J/cmをパターン照射し、電極パターニング層3とした。
この電極パターニング層3の紫外線照射部のみに、電極形成液としてBaytron P HC V4(H.C.Starck製)をエタノールで1.43倍に希釈した溶液を、それぞれ0.5〜1.0μl滴下した。その際、電極形成液は紫外線照射部に対して速やかに濡れ広がったが、紫外線未照射部では液がはじかれた。その後、大気下室温で溶媒が乾燥するまで放置した後、120℃の真空オーブン内で30分加熱を行い、残留溶媒を完全に乾燥させることで電極を作製した。この電極を有機FETのソース/ドレイン電極4とした。
このソース/ドレイン電極4付きの電極パターニング層3の上に真空蒸着装置(アオヤマエンジニアリング社製)を用いて50nmのペンタセン(黒金化成社製)を室温、10−3Pa以下の条件下で毎分2nmの速度で蒸着し、これを有機半導体層5とした。その後、電極上及びチャネル部以外の不要なペンタセンをSiO膜に傷を付けないように削り取ることで、有機FETを作成した。
作成した有機FETの電気特性は、ペンタセン膜中の水分や酸素などの不純物の影響を取り除くために、10−1Pa以下の真空中で十分長い時間放置した後、HP4156C(アジレント社製)を用いて真空状態を保持したままで測定した。
有機FETのドレイン電流Iとドレイン電圧VDSの特性(以後、I−VDS特性と記す)は、ソース電極を接地し、ゲート電極にゲート電圧Vを−40V印加した状態で、ドレイン電極にドレイン電圧VDSを0Vから−40Vまで−2V刻みで印加した時のソース/ドレイン電極間に流れるドレイン電流Iを測定し、同様にゲート電圧Vを−30V、−20V、−10V、0Vとした時のドレイン電流Iを測定する事で評価した。また、ドレイン電流Iの絶対値の平方根を縦軸に、ゲート電圧Vを横軸にプロットしたグラフの傾きがほぼ一定となる部分に接線を引き、その接線の傾きからペンタセンの移動度を算出した。このとき、ドレイン電流Iの絶対値の平方根は、ドレイン電圧VDSを−40Vで一定にし、ゲート電圧Vを+20Vから−40Vまで−1V刻みで印加したときの値をプロットした。
有機FETのチャネル長は、光学顕微鏡で測長したところ、ほぼ50μmであった。また、電極の形状もフォトマスクのパターン通りであった。この有機FETのI−VDS特性を測定したところ、図7に示す特性が得られ、有機FETとして正常に動作している事を確認した。さらに、チャネル長を50μm、チャネル幅を5mm、SiOと電極パターニング層の積層膜の静電容量を8.3×10−9F/cmとして、ペンタセン移動度を算出したところ、0.14cm/Vsとなった。
<実施例9>
フォトマスクの開口部間の幅を25μmにした他は、実施例8と同様にして有機FETを作成した。有機FETのチャネル長は光学顕微鏡で測長したところ、ほぼ25μmであった。この有機FETのI−VDS特性を測定したところ図8に示す特性が得られ、有機FETとして正常に動作している事を確認した。さらにペンタセンの移動度は、チャネル長を25μmとした他は実施例8と同様にして計算したところ、0.11cm/Vsとなった。
<実施例10>
フォトマスクの開口部間の幅を5μmにした他は、実施例8と同様にして有機FETを作成した。有機FETのチャネル長は光学顕微鏡で測長したところ、ほぼ5μmであった。この有機FETのI−VDS特性を測定したところ図9に示す特性が得られ、有機FETとして正常に動作している事を確認した。ペンタセンの移動度は、チャネル長を5μm、ドレイン電圧VDSを−80Vとした他は実施例8と同様にして計算したところ、0.09cm/Vsとなった。
このように本発明で開示したポリアミド酸または該ポリアミド酸を脱水閉環して得られるポリイミドは電極パターニング層として機能する事を確認した。
<合成例7> ポリアミド酸(PI−8)の合成
窒素気流下中、200mLの4つ口フラスコに、DDE7.41g(0.037mol)を入れ、NMP84.06gに溶解させた後、CBDA0.726g(0.0037mol)とピロリメット酸二無水物 6.70g(0.0307mol)を加え、これを23℃で5時間攪拌して重合反応を行い、さらにNMPで希釈することで、ポリアミド酸(PI−8)の6重量%溶液を得た。得られたポリアミド酸(PI−8)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=13,192、Mw=31,854であった。
<合成例8> ポリアミド酸(PI−9)の合成
窒素気流下中、200mLの4つ口フラスコに、DDE3.60g(0.018mol)を入れ、NMP40.70gに溶解させた後、CBDA0.657g(0.00335mol)とピロリメット酸二無水物 2.92g(0.0134mol)を加え、これを23℃で5時間攪拌して重合反応を行い、さらにNMPで希釈することで、ポリアミド酸(PI−8)の6重量%溶液を得た。得られたポリアミド酸(PI−8)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=13,363、Mw=35,809であった。
<合成例9> ポリアミド酸(PI−10)の合成
窒素気流下中、200mLの4つ口フラスコに、DDE3.60g(0.018mol)を入れ、NMP40.07gに溶解させた後、CBDA1.64g(0.00837mol)とピロリメット酸二無水物 1.83g(0.00837mol)を加え、これを23℃で5時間攪拌して重合反応を行い、さらにNMPで希釈することで、ポリアミド酸(PI−9)の6重量%溶液を得た。得られたポリアミド酸(PI−9)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=13,037、Mw=32,243であった。
<実施例11>
ITO付きガラス基板(2.5cm角、厚み0.7mm)に、合成例7で調製したPI−8の溶液を、0.2μm孔フィルタを付けたシリンジで滴下し、スピンコート法により塗布した。その後大気下で、80℃のホットプレートで5分間加熱を行って有機溶剤を揮発させ、次いで230℃のホットプレートで60分焼成する事で、膜厚約200nmのポリイミド膜を得た。
このポリイミド膜の水接触角を測定したところ69°であった。同様にして得たポリイミド膜表面に、紫外線を20J/cm,40J/cmの各条件で照射し、それぞれの水接触角を測定した。その結果、紫外線を40J/cm照射することで接触角が51°まで低下し、電極形成液をパターニングするのに十分な接触角の変化(18°)を示す事が確認された。なお各紫外線照射量における水接触角の測定結果は後述する表2に示す。
<実施例12>
合成例8で調整したPI−9の溶液を用い、実施例11と同様にポリイミド膜を作成し、紫外線照射量と水接触角の関係を調べた。その結果、水接触角は、紫外線未照射の場合には68°であり、紫外線を40J/cm照射した場合には39°であり、電極形成液をパターニングするのに十分な接触角の変化(29°)を示す事が確認された。なお各紫外線照射量における水接触角の測定結果は後述する表2に示す。
<実施例13>
合成例9で調整したPI−10の溶液を用い、実施例11と同様にポリイミド膜を作成し、紫外線照射量と水接触角の関係を調べた。その結果、水接触角は、紫外線未照射の場合には66°であり、紫外線を40J/cm照射した場合には20°であり、電極形成液をパターニングするのに十分な接触角の変化(46°)を示す事が確認された。なお各紫外線照射量における水接触角の測定結果は後述する表2に示す。

(表2)紫外線照射量と水接触角
未照射、20J/cm2、40J/cm2
実施例11 69°、 61°、 51°
実施例12 68°、 59°、 39°
実施例13 66°、 49°、 20°
本発明による電極パターニング層は、各種電子デバイスのパターン電極形成に利用することができる。

なお、2005年6月20日に出願された日本特許出願2005−179210号及び2005年9月7日に出願された日本特許出願2005−258620号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (9)

  1. 電極形成液の濡れ性の違いにより任意の形状の電極パターンを作成するための電極パターニング層であって、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸または該ポリアミド酸を脱水閉環して得られるポリイミドを含有する層に、紫外線をパターン状に照射することによって作成された電極パターニング層。

    (1)中、Aは、下記式(2)〜(5)で表される構造から選ばれる少なくとも1種の脂環構造を有する4価の有機基を示す。Bは、前記ポリアミド酸を製造するジアミンとして、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン若しくは4,4'-ジアミノジフェニルエーテルを使用した場合における2価の基、又は下記式(6)で表される構造を有する2価の有機基を示す。AおよびBのそれぞれは1種類でも複数種でもよく、nは正の整数である。
    (式(2)中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 はそれぞれ独立に水素、フッ素または炭素数1〜4の有機基を示す。)

    (式(6)中、Xは、それぞれ独立して、単結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、アミド結合、炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキレン基または炭素数1〜5の分岐構造を有していてもよいアルキレンジオキソ基を示し、R はメチル基、またはパーフルオロメチル基を示し、jは0又は1を示す。
  2. (1)におけるAは、その20モル%以上が前記式(2)〜(5)で表される構造から選ばれる少なくとも1種からなる脂環構造を有する4価の有機基である請求項1に記載の電極パターニング層。
  3. (1)におけるBは、その10〜100モル%が前記式(6)で表される構造を有する請求項1または2に記載の電極パターニング層。
  4. 水または電極形成液に対する接触角が、紫外線未照射部では50°以上であり、紫外線照射部では30°以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の電極パターニング層。
  5. 請求項1に記載の一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアミド酸または該ポリアミド酸を脱水閉環して得られるポリイミドを含有する層に、紫外線をパターン状に照射する電極パターニング層の製造方法。
  6. 紫外線の照射量が40J/cm以下で作成された請求項に記載の電極パターニング層。
  7. 請求項1に記載の電極パターニング層に電極形成液を塗布することによって作されたパターン電極。
  8. 請求項に記載のパターン電極を有する電子デバイス。
  9. 請求項に記載のパターン電極を有する有機FET。
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