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JP5575672B2 - 病床管理支援システム、病床管理支援方法、及び病床管理支援プログラム - Google Patents
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病床管理支援システム、病床管理支援方法、及び病床管理支援プログラム Download PDF

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Description

本発明は、病床管理支援システム、病床管理支援方法、及び病床管理支援プログラムに関する。
近年の医療制度改革による病院施設基準の変更により、他の先進国に比べ過剰ともいえた病床数(入院患者用のベッド数)は削減される方向にある。また、クリニカルパス(クリティカルパス)やDPC(Diagnosis Procedure Combination)の導入が進んだことにより、平均在院日数の削減や、病院と診療所の機能分化が促進されている。このような背景から、急性期病院においては病床の回転率が上昇しており、医療依存度の高い入院患者が病床の多くを占めるようになっている。このため、病院が有する限りある医療リソースを、これまで以上に入院患者に対して効果的・効率的に提供していくことが求められている。
このような課題を達成するためには、病床管理を適切に行うことが求められる。ここで、病床管理とは、「入院患者に対し、どのような病床を提供するか」という病床提供の方法(新規の入院患者用に病床(ベッド)を確保し提供すること、またそのために在院患者の退院あるいは転院調整や、病棟内や病棟間における病床の移動を行うこと)のことを言う。例えば、重篤な患者には、ICU(Intensive Care Unit)に代表される高度専門治療や常時観察と即時対応を行える病床や、一般病棟においてもスタッフステーション(医療従事者の拠点であり、ナースステーションを含む)に近い位置にある病床を提供するように、病床管理が行われる。
この病床管理の重要性は以前から認識されており、従来から様々な取り組みがなされている。具体的には、リソースの有効活用(混合病棟化等)を目的としたものや(例えば、非特許文献1参照)、ITを利用した病床管理用のベッドマップを作成したり管理したりするもの(例えば、非特許文献2参照)等が提案されている。
関口由紀子他、「病棟の混合化による問題点と解決策の検討」、看護実践の科学、2003年,11月号、P10−P14 篠崎はつえ、「空床管理の一元化による病床管理の実際」、看護展望、2002年、第27巻8号、P882−887
しかしながら、上記従来の病床管理の取り組みは、主として財務上の観点から病床の利用率を上げることに主眼が置かれたものであり、患者に対する診療サービスの安全性や質の維持や向上に関しては、医療者の経験や力量に依るところが大きかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、患者に対する診療サービスの安全性や質の維持や向上を図ることができる、病床管理支援システム、病床管理支援方法、及び病床管理支援プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の病床管理支援システムは、病院の複数の病床の管理を支援するための病床管理支援システムであって、前記病院に入院して前記複数の病床のいずれかで診療サービスを受ける患者に関する複数の属性又は複数のニーズに対する評価結果と、前記患者の診療サービスに適した病床が保有すべき病床条件と、を相互に関連付けて構成された病床条件判定情報を格納する病床条件判定情報格納手段と、前記複数の病床と、当該複数の病床の各々が充足する前記病床条件と、を相互に関連付けて構成された病床管理情報を格納する病床管理情報格納手段と、前記患者の複数の属性又は複数のニーズに対する評価結果が所定方法で特定された場合に、当該特定された評価結果に対応する病床条件を、前記病床条件判定情報格納手段にて格納された前記病床条件判定情報を参照して特定する病床条件特定手段と、前記病床条件特定手段にて特定された病床条件を充足する病床を、前記患者の診療サービスに適した病床として、前記病床管理情報格納手段にて格納された前記病床管理情報を参照して特定する病床特定手段と、を備え、前記病床条件判定情報格納手段は、前記病床の複数の機能項目の各々に応じた複数の病床条件判定情報であって、前記評価結果の少なくとも一部が相互に異なると共に、前記病床条件が相互に異なる複数の病床条件判定情報を格納し、前記病床条件特定手段は、前記特定された評価結果に対応する複数の病床条件を、前記病床条件判定情報格納手段にて格納された前記複数の病床条件判定情報の各々を参照して特定し、前記病床特定手段は、前記病床管理情報格納手段にて格納された前記病床管理情報を参照しながら、前記病床条件特定手段にて特定された前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在するか否かを判定し、前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在すると判定された場合には、当該病床を前記患者の診療サービスに適した病床として特定し、前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在しないと判定された場合には、予め設定された前記複数の病床条件の優先度に基づいて、前記複数の病床条件のうち少なくとも1つ以上の優先度の高い病床条件のランクを上位のランクに変更し、当該変更された前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在するか否かを判定し、以降、前記変更された前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在すると判定される迄、前記複数の病床条件の変更と前記病床の存在の有無の判定とを順次繰り返す。
請求項2に記載の病床管理支援方法は、病院の複数の病床の管理を支援するための病床管理支援方法であって、前記病院に入院して前記複数の病床のいずれかで診療サービスを受ける患者に関する複数の属性又は複数のニーズに対する評価結果と、前記患者の診療サービスに適した病床が保有すべき病床条件と、を相互に関連付けて構成された病床条件判定情報を、病床管理支援システムの病床条件判定情報格納手段に格納する病床条件判定情報格納ステップと、前記複数の病床と、当該複数の病床の各々が充足する前記病床条件と、を相互に関連付けて構成された病床管理情報を、病床管理支援システムの病床管理情報格納手段に格納する病床管理情報格納ステップと、病床管理支援システムにおいて、前記患者の複数の属性又は複数のニーズに対する評価結果が所定方法で特定された場合に、当該特定された評価結果に対応する病床条件を、前記病床条件判定情報格納手段にて格納された前記病床条件判定情報を参照して特定する病床条件特定ステップと、前記病床条件特定ステップにおいて特定された病床条件を充足する病床を、前記患者の診療サービスに適した病床として、前記病床管理情報格納手段にて格納された前記病床管理情報を参照して特定する病床特定ステップと、を含み、前記病床条件判定情報格納ステップにおいては、前記病床の複数の機能項目の各々に応じた複数の病床条件判定情報であって、前記評価結果の少なくとも一部が相互に異なると共に、前記病床条件が相互に異なる複数の病床条件判定情報を格納し、前記病床条件特定ステップにおいては、前記特定された評価結果に対応する複数の病床条件を、前記病床条件判定情報格納手段にて格納された前記複数の病床条件判定情報の各々を参照して特定し、前記病床特定ステップにおいては、前記病床管理情報格納手段にて格納された前記病床管理情報を参照しながら、前記病床条件特定ステップにおいて特定された前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在するか否かを判定し、前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在すると判定された場合には、当該病床を前記患者の診療サービスに適した病床として特定し、前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在しないと判定された場合には、予め設定された前記複数の病床条件の優先度に基づいて、前記複数の病床条件のうち少なくとも1つ以上の優先度の高い病床条件のランクを上位のランクに変更し、当該変更された前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在するか否かを判定し、以降、前記変更された前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在すると判定される迄、前記複数の病床条件の変更と前記病床の存在の有無の判定とを順次繰り返す。
請求項3に記載の病床管理支援プログラムは、請求項2に記載の方法をコンピュータに実行させる。
請求項1に記載の病床管理支援システム、請求項に記載の病床管理支援方法、又は請求項に記載の病床管理支援プログラムによれば、患者の複数の属性又は複数のニーズに対する評価結果に対応する病床条件が特定されるので、患者の複数の属性又は複数のニーズに合致した病床条件を正確かつ迅速に把握することが可能になり、患者に対する診療サービスの安全性や質の維持や向上を図ることが可能になる。
また、病床の複数の機能項目の各々に応じた病床条件が特定されるので、各機能項目に合致した病床条件を正確かつ迅速に把握することが可能になる。
また、病床条件を充足する病床が、患者の診療サービスに適した病床として特定されるので、患者の複数の属性又は複数のニーズに合致した病床を正確かつ迅速に把握することが可能になり、患者に対する診療サービスの安全性や質の維持や向上を図ることが可能になる。
また、複数の病床条件の全てを充足する病床が、患者の診療サービスに適した病床として特定されるので、患者の複数の属性又は複数のニーズに合致した病床を正確かつ迅速に把握することが可能になる。
患者属性ニーズ項目表を例示する図である。 患者属性ニーズ評価表を例示する図である。 病床関連機能項目表を例示する図である。 病床機能評価表を例示する図である。 第1病床条件判定表を例示する図である。 第2病床条件判定表を例示する図である。 第3病床条件判定表を例示する図である。 本発明の実施の形態に係る病床管理支援システムを機能概念的に例示するブロック図である。 病床管理表を例示する図である。 病床管理支援処理のフローチャートである。
以下、本発明に係る病床管理支援システム、病床管理支援方法、及び病床管理支援プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(概念)
最初に、病床管理支援システム、病床管理支援方法、及び病床管理支援プログラムの基本的な概念について説明する。これら病床管理支援システム、病床管理支援方法、及び病床管理支援プログラムは、病院の複数の病床の管理を支援するためのものであり、より具体的には、病院に入院して複数の病床のいずれかで診療サービスを受ける患者に関して、当該患者に適した病床を特定するためのものである。
(概念−病床管理プロセス)
本実施の形態では、病床管理のプロセスを、次の(1)〜(6)の6つのステップから構成されると考えた。なお、(1)〜(3)及び(6)のステップは、新規入院患者と在院患者とに共通のステップであり、(4)(5)のステップは、在院患者のみに適用されるステップである。
(1)状態評価ステップ
状態評価ステップとは、各患者の状態についてアセスメントを実施することにより、各患者の当該アセスメント実施時点における状態を評価するステップである。
(2)患者属性ニーズ導出ステップ
患者属性ニーズ導出ステップとは、状態評価ステップで実施したアセスメントの結果に基づき、患者の属性ニーズを導出するステップである。患者属性ニーズとは、患者の属性とニーズの総称であり、病床決定に必要な情報である。
(3)必要病床機能導出ステップ
必要病床機能導出ステップとは、患者属性ニーズ導出ステップで導出した患者の属性ニーズに対応するために必要な病床機能(以下、必要病床機能)の候補を導出するステップである。
(4)現配置病床と必要病床機能の比較ステップ
現配置病床と必要病床機能の比較ステップとは、現配置病床(現在配置されている病床)と、必要病床機能導出ステップで導出した必要病床機能との比較を行うステップである。
(5)調整候補病床導出ステップ
調整候補病床導出ステップとは、現配置病床と必要病床機能の比較ステップの比較結果に基づき、現在受け入れている患者とは異なる患者を受け入れるための病床(=調整候補病床)を導出するステップである。例えば、現在患者を受け入れている特定の病床が、当該患者の必要病床機能よりも高い機能を有している場合には、当該病床に他の患者を受け入れることが好ましい場合があるため、当該病床が調整候補病床となる。
(6)病床決定ステップ
病床決定ステップとは、提供可能な看護力や、各患者の属性及びニーズを総合的に勘案し、新規入院患者及び転床候補患者の病床を決定するステップである。
(概念−病床導出の基本概念)
上記(1)〜(6)のステップを達成するためには、必要の(1)〜(3)を把握する必要があると考えられる。
(1)病床機能候補を導出するために捉えるべき患者属性ニーズの把握
(2)導出されるべき病床関連機能項目の把握
(3)患者属性ニーズを評価した結果から、必要な病床機能候補を導出するためのロジックの把握
上記(1)の病床機能候補を導出するために捉えるべき患者属性ニーズの把握と、上記(2)の導出されるべき病床関連機能項目の把握という異なる要件に共通するものとして、「入院診療サービス機能」の検討を行った。入院診療サービスとは、患者が病院に入院して受ける診療サービスであって、患者が受け入れられた病床の影響を受ける診療サービスである。患者は入院診療サービスを受け、病床はそれを提供するためのものであるため、入院診療サービス機能を検討することにより、上記(1)の病床機能候補を導出するために捉えるべき患者属性ニーズの把握と、上記(2)の導出されるべき病床関連機能項目の把握という異なる要件を検討することが可能になる。
(概念−入院診療サービス機能)
入院診療の過程では、患者は「医療処置」を受けながら「生活する」ことが特徴的である。また、入院患者は有している病気と、投薬や検査などの医療介入による生体襲侵から、ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)能力が低下している場合が多く、そのために医療事故が起こる可能性が高い。つまり、患者起因の事故を防止するための方策も考慮する必要が生じる。これらのことから、入院診療サービス機能は大きく次の3つから成り立つと捉えることができる。
(A)医療行為提供機能
医療行為提供機能とは、医療者が医療行為を提供する機能である。
(B)生活支援機能
生活支援機能とは、患者が病院で生活することを支援する機能である。
(C)患者安全機能
患者安全機能とは、患者の安全を維持する機能である。
(概念−入院診療サービス機能充足要件)
上記(A)〜(C)の各機能を果たす際に、これら各機能の効果を大きく左右する要件は、以下の通りである。
(A)医療行為提供機能の効果を左右する要件
医療行為を提供するのは「医療者」であり、急性期病院においては適切な医療を行うために「機器・機能」を必要とする。よって、本機能において考慮すべき要件は以下の2つとなる。
(A−1)治療を行う医療者との関連性
(A−2)医療機器・機能との関連性
(B)生活支援機能の効果を左右する要件
患者はADL能力が低下しており、病院側は生活を支援する機能を提供する必要がある。これは主に看護師等の「医療者」が提供する。また、通常の生活をしていく上で、「生活設備」との関連も踏まえる必要がある。さらに、現在の日本の医療保険の対象は大部屋であり、大多数の患者は大部屋において入院生活を送ることになる。つまり、在院中は他の患者(=「居住者」)と何かしらの係わりを持つことになる。よって、本機能において考慮すべき要件は以下の3つとなる。
(B−1)生活ケアを行う医療者との関連性
(B−2)生活設備との関連性
(B−3)居住者との関連性
(C)患者安全機能の効果を左右する要件
患者は、ADLや判断能力が健常者よりも低下するため、当該患者の状況に起こる「事故」の可能性や、その内容を踏まえた上で適切な方策を採ることが望ましい。つまり、ここで考慮すべき要件は次のものとなる。
(C−1)患者起因による事故との関連性
以下、入院診療サービス機能を提供するために必要な上記(A−1)、(A−2)、(B−1)〜(B−3)、及び(C−1)の6つの要件を「入院診療サービス機能充足要件」と称する。
(概念−患者属性ニーズ項目表)
このような検討を行った上で、病院における病棟内の入院診療業務を調査し、入院診療サービス機能充足要件と患者属性ニーズとの関係をさらに検討し、この検討結果を患者属性ニーズ項目表として整理した。この患者属性ニーズ項目表を図1に例示する。この患者属性ニーズ項目表は、項目「入院診療サービス機能充足要件(図1では要件と表記。以下各図において同じ)」、項目「患者属性ニーズ」、項目「要素」、項目「具体例」、及び項目「備考」と、これら各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。項目「入院診療サービス機能充足要件」に対応する情報は、上記入院診療サービス機能充足要件である。項目「患者属性ニーズ」に対応する情報は、各入院診療サービス機能充足要件を充足するための患者属性ニーズである。項目「要素」に対応する情報は、各患者属性ニーズを充足するために必要な具体的な要素である。例えば、入院診療サービス機能充足要件である「治療を行う医療者との関連性」を充足するためには、患者属性ニーズである「診療・治療の専門性」、「治療内容」、及び「介入頻度」を充足する必要があり、このうちの「診療・治療の専門性」を充足するためには、要素である「担当診療科・疾患(特殊なものも含む)」を充足する必要がある。項目「具体例」に対応する情報は、各要素の具体的な例示である。項目「備考」に対応する情報は、各要素の整理や集約を行う際の方針や理由である。また、「−」と記載されている部分は、対応する情報がないことを示す(他の表においても同じ)。
(概念−患者属性ニーズ評価表)
次いで、図1の患者属性ニーズ項目表における各要素に対して、項目「備考」に対応する情報に示したように、整理や集約を行い、この結果を患者属性ニーズ評価表として整理した。この患者属性ニーズ評価表を図2に例示する。この患者属性ニーズ評価表は、項目「患者属性項目」、項目「評価区分」、及び項目「評価方法」と、これら各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。項目「患者属性項目」に対応する情報は、上記入院診療サービス機能充足要件と、各入院診療サービス機能充足要件に対応する要素であって整理や集約された要素とを組み合わせたものである。例えば、図1の患者属性ニーズ項目表における要素「重症度」と要素「緊急度」は、図2の患者属性ニーズ評価表においては要素「重症度・緊急度」として集約されている。項目「評価区分」に対応する情報は、各要素のニーズを複数区分(ここでは4区分)に評価する際の各区分である。ここでは、評価区分1から評価区分4に至る程、ニーズが高いことを示している。項目「評価方法」に対応する情報は、各要素の必要性を複数区分(ここでは4区分)に評価する際の方法である。この項目「評価方法」に対応する情報としては、既存のアセスメント方法があるものは当該方法を記載した。ただし、既存のアセスメント方法が無い項目であっても、医師や看護師が従来から適宜判断している項目であり、評価可能な項目である。
(概念−病床関連機能項目表)
次いで、入院診療サービス機能充足要件と病床機能との関係を検討し、この検討結果を病床関連機能項目表として整理した。この病床関連機能項目表を図3に例示する。この病床関連機能項目表は、項目「入院診療サービス機能充足要件」、項目「病床関連機能」、項目「要素」、項目「具体例」、及び項目「備考」と、これら各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。項目「入院診療サービス機能充足要件」に対応する情報は、上記入院診療サービス機能充足要件である。項目「病床関連機能」に対応する情報は、病床に関連した機能であって、各入院診療サービス機能充足要件を充足するための機能である。項目「要素」に対応する情報は、各病床関連機能を充足するために必要な具体的な要素である。例えば、入院診療サービス機能充足要件である「治療を行う医療者との関連性」を充足するためには、病床関連機能である「治療提供能力者との距離」及び「治療の行いやすさ」を充足する必要があり、このうちの「治療提供能力者との距離」を充足するためには、要素である「スタッフステーションからの距離」を充足する必要がある。項目「具体例」に対応する情報は、各要素の具体的な例示である。項目「備考」に対応する情報は、各要素の整理や集約を行う際の方針や理由である。
(概念−病床機能評価表)
次いで、図3の病床関連機能項目表における各要素に対して、項目「備考」に対応する情報に示したように、整理や集約を行い、この結果を病床機能評価表として整理した。この病床機能評価表を図4に例示する。この病床機能評価表は、項目「病床関連機能項目」及び項目「ランク」と、これら各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。項目「病床関連機能項目」に対応する情報、上記入院診療サービス機能充足要件と、各入院診療サービス機能充足要件に対応する要素であって整理や集約された要素とを組み合わせたものである。例えば、図3の病床関連機能項目表における要素「重症度区分」と要素「専門診療科」は、図4の病床関連機能項目表においては要素「特定機能病室/一般病室」として集約されている。項目「ランク」に対応する情報は、各要素のニーズを複数区分(ここでは4区分)に評価する際の各区分である。ここでは、ランク3からランクAに至る程、ニーズが高いことを示している。このランクAにおける「特定機能病室」とは、HCU/ICUや専門診療科病棟に所属する、特殊な器材を有する、もしくは一般病棟の中でも観察が特に必要な患者に対応できるような専門機能を有する病室のことを指す。それ以外のランク1〜3については、一般病室を対象としている。なお、入院診療サービス機能充足要件である「医療機器・機能との関連性」に対応する要素「病室の病床数」と、入院診療サービス機能充足要件である「居住者との関連性」に対応する要素「病室の病床数」のように、相互に異なる入院診療サービス機能充足要件に対して同一の要素が関連付けられている場合には、一方のみを評価すればよいため、他方は省略されている(図4における「重複のため省略」と記載されている部分はこのような省略を示す)。
(概念−病床条件導出方式)
次に、図2の患者属性ニーズ評価表を用いた患者ニーズの評価結果から、図4の病床機能評価表に示したランクを導出するためのロジック(以下、病床条件導出方式)を検討する。まず、図4の病床機能評価表から、病床条件導出方式は、要素「スタッフステーションからの距離」、「病室の病床数/特定病室」、及び「トイレまでの距離」の各ランクを判定することで成立することが判る。なお、患者に対する「専門診療科」や「性別」によって当然に必要な病床条件は制限されるが、診療科や性別は入院前に既に判別している内容であり、より一般的に患者の状況に即した病床機能を導出するため、これらについては病床条件導出方式の前提条件として除外している。
(概念−病床条件判定表)
これら要素「スタッフステーションからの距離」、「病室の病床数/特定病室」、及び「トイレまでの距離」の各ランクを判定するために、それぞれ異なる病床条件判定表を用いる。以下、要素「スタッフステーションからの距離」のランクを判定するための病床条件判定表を「第1病床条件判定表」、要素「病室の病床数/特定病室」のランクを判定するための病床条件判定表を「第2病床条件判定表」、要素「トイレまでの距離」のランクを判定するための病床条件判定表を「第3病床条件判定表」と称し、これらを相互に特に区別する必要がない場合には「病床条件判定表」と総称する。各病床条件判定表では、上述の入院診療サービス機能を構成する3つの機能(医療行為提供機能、生活支援機能、及び患者安全機能)に基づいた判定プロセスを構築し、これらの観点別に病床機能を決定する単位を「ステージ」として表現している。ステージの順序は優先すべき観点の順序を表し、先行するステージの判定結果によっては後段のステージの判定を実施しない。例えば、前段のステージ1での判定結果が最高ランクであれば、後段の他のステージの判定は不要になる。
図5には第1病床条件判定表を例示する。この第1病床条件判定表は、項目「ステージ1」、項目「ステージ2」、項目「ステージ3」、及び項目「ランク」と、これら各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。項目「ステージ1」に対応する情報は、ランクを判定するために最初に考慮すべき評価結果であり、医療行為提供に伴う観察度合の観点から考慮すべき評価結果であって、要素「重症度・緊急度」の評価結果と要素「状態悪化の可能性」の評価結果とを組み合わせて考慮するように構成されている。項目「ステージ2」に対応する情報は、ランクを判定するために2番目に考慮すべき評価結果であり、医療行為提供に伴う患者起因事故防止(患者安全)の観点から考慮すべき評価結果であって、要素「患者の意識」の評価結果と要素「器材抜去の可能性」の評価結果とを組み合わせて考慮するように構成されている。項目「ステージ3」に対応する情報は、ランクを判定するために3番目に考慮すべき事項であり、生活上で発生しうる患者起因事故防止(患者安全)の観点から考慮すべき事項であって、要素「生活自立度(移動など)」の評価結果、要素「転倒転落」の評価結果、要素「スタッフの指示伝達可否」の評価結果、及び要素「徘徊の頻度」の評価結果を組み合わせて考慮するように構成されている。項目「ランク」に対応する情報は、各要素のニーズを複数区分に評価する際の各区分であり、図4の病床機能評価表における項目「ランク」に対応する情報と同じである。ただし、第1病床条件判定表は、1から3の3つのランクのみを含んでいる。各ランクの側方には、各ランクによって特定されるスタッフステーションからの距離を要約した文字を示しており、「近」は図4の病床機能評価表における「スタッフステーション付近での対応」、「中」は図4の病床機能評価表における「スタッフステーションから中距離での対応」、「制約なし」は図4の病床機能評価表における「制約なし」に、それぞれ対応する。
図6には第2病床条件判定表を例示する。この第2病床条件判定表は、項目「ステージ1」、項目「ステージ2」、項目「ステージ3」、及び項目「ランク」と、これら各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。項目「ステージ1」に対応する情報は、ランクを判定するために最初に考慮すべき評価結果であり、医療行為提供に伴う観察度合の観点から考慮すべき評価結果であって、要素「重症度・緊急度」の評価結果と要素「治療上必要な器材」の評価結果とを組み合わせて考慮するように構成されている。項目「ステージ2」に対応する情報は、ランクを判定するために2番目に考慮すべき評価結果であり、生活上における居住者への影響防止の観点から考慮すべき評価結果であって、要素「ターミナル」の評価結果と要素「感染症」の評価結果とを組み合わせて考慮するように構成されている。項目「ステージ3」に対応する情報は、ランクを判定するために3番目に考慮すべき事項であり、生活上における居住者への影響防止の観点から考慮すべき事項であって、要素「他の患者への影響(問題行動含む)」の評価結果と要素「家族の付き添い(宿泊での)」の評価結果とを組み合わせて考慮するように構成されている。項目「ランク」に対応する情報は、各要素のニーズを複数区分に評価する際の各区分であり、図4の病床機能評価表における項目「ランク」に対応する情報と同じである。この第2病床条件判定表は、Aから3の4つのランクを含んでいる。各ランクの側方には、各ランクによって特定される病室の病床数/特定病室を要約した文字を示しており、「特定」は図4の病床機能評価表における「特定機能病室」、「個室」は図4の病床機能評価表における「個室対応が必要」、「個室望ましい」は図4の病床機能評価表における「個室対応が望ましい」、「大部屋」は図4の病床機能評価表における「大部屋で対応可能」に、それぞれ対応する。
図7には第3病床条件判定表を例示する。この第3病床条件判定表は、項目「前提条件」及び項目「ステージ1」、これら各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。項目「前提条件」に対応する情報は、ランクを判定するために最初に考慮すべき評価結果であり、ランクを判定する上での前提条件になる評価結果であって、要素「重症度・緊急度」の評価結果、要素「状態悪化の可能性」、要素「患者の意識」、及び要素「生活自立度(移動など)」の評価結果とを組み合わせて考慮するように構成されている。ここで「ステージ」ではなく「前提条件」としているのは、これらの評価結果の組み合わせによっては、トイレまでの距離判定に関してはランクを考慮すること自体が不要な場合があるためであり、ランクを判定する上での前提になる条件であると考えることができるためである。具体的には、要素「重症度・緊急度」の評価結果と要素「状態悪化の可能性」の評価結果の組み合わせによっては、図5の第1病床条件判定表におけるランクが1になり、「スタッフステーション付近での対応」を行うことが決定されるので、トイレまでの距離判定を考慮する必要自体がなくなる。あるいは、要素「患者の意識」の評価結果や要素「生活自立度」の評価結果から、患者が自分でトイレに問題なく行けると判定できる場合、トイレまでの距離判定を考慮する必要自体がなくなる。従って、これらの場合に対応するランクは「−(考慮不要)(結果としてはランク3の「制約なし」と同等)」とした。項目「ステージ1」に対応する情報は、ランクを判定するために2番目に考慮すべき評価結果であり、生活設備利用に伴う患者起因事故防止(患者安全)の観点から考慮すべき評価結果であって、要素「排泄場所」の評価結果、要素「トイレまでの移動手段」の評価結果、要素「体力」の評価結果、要素「視力」の評価結果、及び要素「頻度(排泄回数)」の評価結果を組み合わせて考慮するように構成されている。項目「ランク」に対応する情報は、各要素のニーズを複数区分に評価する際の各区分であり、図4の病床機能評価表における項目「ランク」に対応する情報と同じである。この第3病床条件判定表は、1から3の3つのランクのみを含んでいる。各ランクの側方には、各ランクによって特定されるトイレまでの距離を要約した文字を示しており、「近」は図4の病床機能評価表における「トイレ付近での対応」、「中」は図4の病床機能評価表における「トイレ付近が望ましい」、「制約なし」は図4の病床機能評価表における「制約なし」に、それぞれ対応する。
これら図5〜図7に示した各表は、図2に示した患者属性ニーズ評価表に含まれる要素の中で、各表の目的に応じて考慮することが必要な要素を抽出し、これら抽出した要素の評価結果(すなわち、病院に入院して複数の病床のいずれかで診療サービスを受ける患者に関する複数の患者属性ニーズに対する評価結果)と、これら評価結果の組み合わせに応じて決定されるランク(すなわち、患者の診療サービスに適した病床が保有すべき病床条件)と、を相互に関連付けて構成された情報(病床条件判定情報)である。
特に、図5〜図7に示した各表は、相互に異なる目的に応じて作成されたものであり、評価結果の少なくとも一部が相互に異なると共に、病床条件が相互に異なるものである。このように、目的に応じて異なる表を用意することで、目的に応じた病床条件を特定することが可能になる。
特にまた、図5〜図7に示した各表では、各要素の評価結果を、考慮すべき優先順位の高いものから、順に考慮されるように、配置している。例えば、図6の第2病床条件判定表において、ステージ1では、医療行為提供に伴う観察度合の観点を考慮することが最も重要であるため、この観点に関連する要素として、要素「重症度・緊急度」と要素「治療上必要な器材」とを考慮する。この中でも、要素「重症度・緊急度」を考慮することが最も重要であるため、最初に要素「重症度・緊急度」の評価結果に基づいて、病床数/特定病室のランクを一定の範囲に絞り込み、さらに要素「治療上必要な器材」の評価結果に基づいて、当該一定の範囲の中で、さらに病床数/特定病室のランクを絞り込む。次いで、生活上における居住者への影響防止の観点を考慮することが重要であるため、この観点に関連する要素として、要素「ターミナル」と要素「感染症」とを考慮する。この中でも、要素「ターミナル」を考慮することが患者のプライバシーの観点から重要であるため、この要素「ターミナル」の評価結果に基づいて、ステージ1で絞り込まれた病床数/特定病室のランクの範囲の中で、さらに病床数/特定病室のランクを一定の範囲に絞り込み、次いで、要素「感染症」の評価結果に基づいて、当該一定の範囲の中で、さらに病床数/特定病室のランクを絞り込む。そして、生活上における居住者への影響防止の観点を最後に考慮するため、この観点に関連する要素として、要素「他の患者への影響(問題行動含む)」と要素「家族の付き添い(宿泊での)」とを考慮する。この中でも、要素「他の患者への影響(問題行動含む)」を考慮することがより重要であるため、この要素「他の患者への影響(問題行動含む)」の評価結果に基づいて、ステージ2で絞り込まれた病床数/特定病室のランクの範囲の中で、さらに病床数/特定病室のランクを一定の範囲に絞り込み、次いで、要素「家族の付き添い(宿泊での)」の評価結果に基づいて、当該一定の範囲の中で、最終的に病床数/特定病室のランクを一つに絞り込む。このように各表を、考慮することが重要な観点及び要素の順に応じて構成することで、観点及び要素の重要性に合致したランクの判定を行うことが可能になる。
(構成)
次に、上記のような検討結果に基づいて構築された、本実施の形態に係る病床管理支援システムの構成を説明する。図8は、本実施の形態に係る病床管理支援システムを機能概念的に例示するブロック図である。この図8に示すように、この病床管理支援システム1は、入力部10、出力部20、制御部30、及び記憶部40を備えている。
(構成−入力部)
入力部10は、病床管理支援を行うために必要な情報の入力を受け付ける情報入力手段である。この入力部10としては、例えば公知のキーボード、マウス、タッチパネル等の入力手段を用いることができる。なお、入力部10が入力を受け付ける各種の情報の詳細については後述する。
(構成−出力部)
出力部20は、病床管理支援を行うために必要な情報の出力を行う出力手段であり、例えば公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。
(構成−制御部)
制御部30は、病床管理支援システム1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、本実施の形態に係る病床管理支援プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して病床管理支援システム1にインストールされることで、制御部30の各部を実質的に構成する。
この制御部30は、機能概念的に、病床条件特定部31と病床特定部32を備える。病床条件特定部31は、患者の複数の属性又は複数のニーズに対する評価結果が所定方法で特定された場合に、当該特定された評価結果に対応する病床条件を、記憶部40にて格納された後述する病床条件判定表を参照して特定する病床条件特定手段である。病床特定部32は、病床条件特定部31にて特定された病床条件を充足する病床を、患者の診療サービスに適した病床として、記憶部40にて格納された後述する病床管理表を参照して特定する病床特定手段である。これらの制御部30の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成−記憶部)
記憶部40は、病床管理支援システム1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
この記憶部40には、図2に示した患者属性ニーズ評価表、図4に示した病床機能評価表、図5に示した第1病床条件判定表、図6に示した第2病床条件判定表、図7に示した第3病床条件判定表、及び後述する病床管理表が格納されている。これら第1〜第3病床条件判定表は、上述のように病床条件判定情報であるため、記憶部40は、病床条件判定情報を格納する病床条件判定情報格納手段である。
病床管理表は、病床管理支援システム1による病床管理支援の対象となっている特定の一つの病院に配置されている複数の病床と、当該複数の病床の各々が充足する病床条件と、を相互に関連付けて構成された病床管理情報である。すなわち、記憶部40は、病床管理情報を格納する病床管理情報格納手段である。図9には、病床管理表を例示する。この病床管理表は、項目「病床ID」、項目「病床位置」、及び項目「ランク」と、これら各項目に対応する情報を相互に関連付けて格納されている。項目「病床ID」に対応する情報は、各病床を一意に識別するための病床識別情報である。項目「病床位置」に対応する情報は、各病床の位置を特定するための情報であり、例えば、階数、病室名、及び病床番号を含んで構成されている。項目「ランク」に対応する情報は、図4の病床機能評価表における項目「ランク」に対応する情報と同じである。この項目「ランク」は、項目「スタッフステーションからの距離」、項目「病室の病床数/特定病室」、及び項目「トイレまでの距離」を含んでいる。
(処理)
次に、このように構成された病床管理支援システム1によって実行される病床管理支援処理について説明する。図10は病床管理支援処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この病床管理支援処理は、例えば病床管理支援システム1への電源投入後、ユーザ(医療関係者)から、入力部10を介して病床管理支援処理を実行すべき旨の指示入力が行われた場合に起動される。
病床管理支援処理の起動後、病床条件特定部31は、患者の複数の属性又は複数のニーズに対する評価結果のユーザからの入力が、入力部10により受け付けられるまで待機する(SA1、No)。複数の属性又は複数のニーズに対する評価結果とは、病床決定の対象となっている患者に関する、上述した属性ニーズの評価結果であり、具体的には、患者属性ニーズ評価表の各患者属性項目に対する、評価区分1から4までのいずれかの数値である。この評価結果の入力方法は任意で、例えば、病床条件特定部31は、記憶部40から患者属性ニーズ評価表を読み出し、当該患者属性ニーズ評価表に対して評価結果を入力するための入力欄を付加して生成された所定フォーマットの入力画面を出力部20によって出力させる。そして、ユーザが、患者属性ニーズ評価表の評価方法に基づいて各患者属性項目に対する患者の評価を行い、この評価結果を、評価区分1から4までのいずれかの数値により、入力画面に入力する。
患者の複数の属性又は複数のニーズに対する評価結果のユーザからの入力が、入力部10により受け付けられた場合(SA1、Yes)、病床条件特定部31は、これら評価結果に基づいて、記憶部40に記憶された第1病床条件判定表を参照することにより、スタッフステーションからの距離のランクを判定する(SA2)。例えば、SA1で受け付けられた評価結果が、要素「重症度・緊急度」の評価結果=2、要素「状態悪化の可能性」の評価結果=2、要素「患者の意識」の評価結果=1、要素「器材抜去の可能性」の評価結果=2、要素「生活自立度(移動など)」の評価結果=3、要素「転倒転落」の評価結果=2、要素「スタッフの指示伝達可否」の評価結果=2、要素「徘徊の頻度」の評価結果=3であった場合、スタッフステーションからの距離のランク=2(「中」)と判定する。なお、この場合には、要素「スタッフの指示伝達可否」の評価結果=2までの評価結果に基づいてランクが特定されるので、要素「徘徊の頻度」の評価結果=3の評価結果を考慮することなく判定が終了する。
次に、病床条件特定部31は、SA1で受け付けられた評価結果に基づいて、記憶部40に記憶された第2病床条件判定表を参照することにより、病室の病床数/特定病室のランクを判定する(SA3)。例えば、SA1で受け付けられた評価結果が、要素「重症度・緊急度」の評価結果=3、要素「治療上必要な器材」の評価結果=1、要素「ターミナル」の評価結果=1、要素「感染症」の評価結果=1、要素「他の患者への影響(問題行動含む)」の評価結果=1、要素「家族の付き添い(宿泊での)」の評価結果=1であった場合、病室の病床数/特定病室のランク=3(「大部屋」)と判定する。
次に、病床条件特定部31は、SA1で受け付けられた評価結果に基づいて、記憶部40に記憶された第3病床条件判定表を参照することにより、トイレまでの距離のランクを判定する(SA4)。例えば、SA1で受け付けられた評価結果が、要素「重症度・緊急度」の評価結果=3、要素「状態悪化の可能性」の評価結果=2、要素「患者の意識」の評価結果=2、要素「生活自立度(移動など)」の評価結果=3、要素「排泄場所」の評価結果=2、要素「トイレまでの移動手段」の評価結果=3、要素「体力」の評価結果=1、要素「視力」の評価結果=1、要素「頻度(排泄回数)」の評価結果=1であった場合、トイレまでの距離のランク=2(「中」)と判定する。
このように、SA2で判定したスタッフステーションからの距離のランク、SA3で判定した病室の病床数/特定病室のランク、及びSA4で判定したトイレまでの距離のランクにより、患者の診療サービスに適した病床が保有すべき病床条件が特定されることになる。
次いで、病床特定部32は、病床条件特定部31により特定された病床条件を充足する病床を、患者の診療サービスに適した病床として特定する(SA5)。具体的には、病床特定部32は、SA2で判定したスタッフステーションからの距離のランク、SA3で判定した病室の病床数/特定病室のランク、及びSA4で判定したトイレまでの距離のランクに基づいて、記憶部40に記憶された病床管理表を参照することにより、これらのランクの組み合わせに合致する病床を特定する。例えば、SA2で判定したスタッフステーションからの距離のランク=1、SA3で判定した病室の病床数/特定病室のランク=2、及びSA4で判定したトイレまでの距離のランク=2であった場合、病床ID=ID0001で、病床位置=2階−第1病室−右列窓側である病床を、患者の診療サービスに適した病床として特定する。
そして、病床特定部32は、このように特定した病床に関する情報を、出力部20を介して出力する(SA6)。例えば、病床特定部32は、特定した病床の病床ID及び病床位置をモニタに表示させる。このことにより、ユーザは、患者の診療サービスに適した病床を把握することが可能になる。これにて病床管理支援処理が終了する。
なお、SA5で一つも病床が特定できなかった場合(SA2で判定したスタッフステーションからの距離のランク、SA3で判定した病室の病床数/特定病室のランク、及びSA4で判定したトイレまでの距離のランクの組み合わせに合致する病床が一つも存在しなかった場合)には、病床特定部32は、これらの3つのランクのうち、少なくとも一つのランクを、上記SA2〜SA4で判定されたランクより高いランクに変更し、当該変更後のランクの組み合わせに基づいて、SA5における病床の特定を行う。すなわち、必要なランクよりも上のランク(オーバースペックのランク)に合致する病床を、患者の診療サービスに適した病床として特定する。例えば、SA2で判定したスタッフステーションからの距離のランク=3であった場合には、このランクを2に変更した上で、SA5における病床の特定を行う。このように、いずれか一つのランクを1つだけ上のランクに変更しても、依然として一つも病床が特定できない場合には、当該ランクをさらに1つだけ上のランクに変更したり、他のランクを1つだけ上のランクに変更した上で、SA5における病床の特定を行う。以降同様に、少なくとも一つの病床が特定できる迄、ランクの変更とSA5における病床の特定とを繰り返す。また、このようにランクを変更する場合に、上記3つのランクのうち、いずれのランクの変更を行うのかについては、患者に対する診療サービスの安全性や質の維持や向上の観点、あるいは病院の経営効率の観点から、予め優先度を設定しておき、優先度の高い順にランクを変更する。
また、SA5で複数の病床が特定された場合(SA2で判定したスタッフステーションからの距離のランク、SA3で判定した病室の病床数/特定病室のランク、及びSA4で判定したトイレまでの距離のランクの組み合わせに合致する病床が2つ以上存在した場合)には、単にこれら複数の病床をSA6で出力し、最終的にはユーザが当該複数の病床の中から、実際に患者を受け入れる病床を任意の基準で選択するようにしてもよい。あるいは、この場合において、病床特定部32は、これら複数の病床の中から、一つの病床を特定する処理を行ってもよい。例えば、上述したのと同様の方法により、一つの病床が特定できる迄、ランクの変更とSA5における病床の特定とを繰り返してもよい。
(変形例)
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、複数の病院の病床を統合的に管理する場合において、中央管理センタに病床管理支援システム1を配置し、この病床管理支援システム1の記憶部40に、これら複数の病院の各病床を網羅する病床管理表を記憶させておく。そして、各病院に配置した端末装置においてユーザによって評価結果が入力された場合に、当該評価結果をインターネット等のネットワークを介して病床管理支援システム1に送信し、この病床管理支援システム1で病床条件や病床の特定を行い、この特定結果をネットワークを介して端末装置に送信し、この端末装置においてユーザに出力してもよい。また、病床管理支援システム1を複数のコンピュータ装置に分離してもよい。このような分離の可能性を考慮して、病床管理支援を行う機構を「システム」と表現しているが、全ての機能を単一のコンピュータ装置に持たせて病床管理支援装置として構成してもよい。
(病床条件の特定と、病床の特定について)
上記実施の形態では、病床の特定までを自動的に行っているが、病床条件の特定までを自動的に行って出力し、その後の病床の特定はユーザが行うようにしてもよい。
(病床条件判定表について)
上記実施の形態では、病床条件判定表として、第1から第3つの3つの病床条件判定表を用いているが、いずれか一部の表のみを使用したり、これら複数の表を一つの表に統合してもよい。
1 病床管理支援システム
10 入力部
20 出力部
30 制御部
31 病床条件特定部
32 病床特定部
40 記憶部

Claims (3)

  1. 病院の複数の病床の管理を支援するための病床管理支援システムであって、
    前記病院に入院して前記複数の病床のいずれかで診療サービスを受ける患者に関する複数の属性又は複数のニーズに対する評価結果と、前記患者の診療サービスに適した病床が保有すべき病床条件と、を相互に関連付けて構成された病床条件判定情報を格納する病床条件判定情報格納手段と、
    前記複数の病床と、当該複数の病床の各々が充足する前記病床条件と、を相互に関連付けて構成された病床管理情報を格納する病床管理情報格納手段と、
    前記患者の複数の属性又は複数のニーズに対する評価結果が所定方法で特定された場合に、当該特定された評価結果に対応する病床条件を、前記病床条件判定情報格納手段にて格納された前記病床条件判定情報を参照して特定する病床条件特定手段と、
    前記病床条件特定手段にて特定された病床条件を充足する病床を、前記患者の診療サービスに適した病床として、前記病床管理情報格納手段にて格納された前記病床管理情報を参照して特定する病床特定手段と、を備え、
    前記病床条件判定情報格納手段は、
    前記病床の複数の機能項目の各々に応じた複数の病床条件判定情報であって、前記評価結果の少なくとも一部が相互に異なると共に、前記病床条件が相互に異なる複数の病床条件判定情報を格納し、
    前記病床条件特定手段は、
    前記特定された評価結果に対応する複数の病床条件を、前記病床条件判定情報格納手段にて格納された前記複数の病床条件判定情報の各々を参照して特定し、
    前記病床特定手段は、
    前記病床管理情報格納手段にて格納された前記病床管理情報を参照しながら、前記病床条件特定手段にて特定された前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在するか否かを判定し、
    前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在すると判定された場合には、当該病床を前記患者の診療サービスに適した病床として特定し、
    前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在しないと判定された場合には、予め設定された前記複数の病床条件の優先度に基づいて、前記複数の病床条件のうち少なくとも1つ以上の優先度の高い病床条件のランクを上位のランクに変更し、当該変更された前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在するか否かを判定し、以降、前記変更された前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在すると判定される迄、前記複数の病床条件の変更と前記病床の存在の有無の判定とを順次繰り返す、
    床管理支援システム。
  2. 病院の複数の病床の管理を支援するための病床管理支援方法であって、
    前記病院に入院して前記複数の病床のいずれかで診療サービスを受ける患者に関する複数の属性又は複数のニーズに対する評価結果と、前記患者の診療サービスに適した病床が保有すべき病床条件と、を相互に関連付けて構成された病床条件判定情報を、病床管理支援システムの病床条件判定情報格納手段に格納する病床条件判定情報格納ステップと、
    前記複数の病床と、当該複数の病床の各々が充足する前記病床条件と、を相互に関連付けて構成された病床管理情報を、病床管理支援システムの病床管理情報格納手段に格納する病床管理情報格納ステップと、
    病床管理支援システムにおいて、前記患者の複数の属性又は複数のニーズに対する評価結果が所定方法で特定された場合に、当該特定された評価結果に対応する病床条件を、前記病床条件判定情報格納手段にて格納された前記病床条件判定情報を参照して特定する病床条件特定ステップと、
    前記病床条件特定ステップにおいて特定された病床条件を充足する病床を、前記患者の診療サービスに適した病床として、前記病床管理情報格納手段にて格納された前記病床管理情報を参照して特定する病床特定ステップと、を含み、
    前記病床条件判定情報格納ステップにおいては、
    前記病床の複数の機能項目の各々に応じた複数の病床条件判定情報であって、前記評価結果の少なくとも一部が相互に異なると共に、前記病床条件が相互に異なる複数の病床条件判定情報を格納し、
    前記病床条件特定ステップにおいては、
    前記特定された評価結果に対応する複数の病床条件を、前記病床条件判定情報格納手段にて格納された前記複数の病床条件判定情報の各々を参照して特定し、
    前記病床特定ステップにおいては、
    前記病床管理情報格納手段にて格納された前記病床管理情報を参照しながら、前記病床条件特定ステップにおいて特定された前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在するか否かを判定し、
    前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在すると判定された場合には、当該病床を前記患者の診療サービスに適した病床として特定し、
    前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在しないと判定された場合には、予め設定された前記複数の病床条件の優先度に基づいて、前記複数の病床条件のうち少なくとも1つ以上の優先度の高い病床条件のランクを上位のランクに変更し、当該変更された前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在するか否かを判定し、以降、前記変更された前記複数の病床条件の全てを充足する病床が存在すると判定される迄、前記複数の病床条件の変更と前記病床の存在の有無の判定とを順次繰り返す、
    病床管理支援方法。
  3. 請求項2に記載の方法をコンピュータに実行させる病床管理支援プログラム。
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