JP5677926B2 - レ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Description
しかしながら、これらの樹脂組成物は、いずれも、レ−ザ−マ−キングによる印字性、さらに、マ−キングされたマ−クの耐光性の点で必ずしも充分に満足できるものではなく、また、難燃剤等の凝集により凝集物が発生し、成形品外観が劣るという問題が生じる場合があった。
すなわち、本発明によれば、以下のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物および成形体が提供される。
[2]さらに、酸化チタン(F)を、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜20質量部含有することを特徴とする上記[1]に記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
[3]さらに、ガラス繊維(G)を、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、10〜100質量部含有することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
[4]さらに、滴下防止剤(H)を、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜5質量部含有することを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
[5]アンチモン化合物(C)が、三酸化アンチモンであることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
[6]ポリカ−ボネ−ト(D)が、臭素化ポリカ−ボネ−トであることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
[7]熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の主成分が、ポリブチレンテレフタレ−トであることを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
[9]電気電子機器の筐体、もしくは、照明用機器の口金、素子基板又は筐体であることを特徴とする上記[8]に記載の成形体。
[10]表面にレ−ザ−マ−キングが施された上記[8]又は[9]に記載の成形体。
このため、本発明のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物は、例えば、電気電子機器の筐体、もしくは、照明用機器の口金、素子基板又は筐体等に特に好適に使用できる。
そして、本発明のポリエステル樹脂組成物を成形した成形体の表面にレ−ザ−マ−キングにより施されたマ−クは、耐光性に優れるので、安定した印字や記号を鮮明に維持することができ、長期に亘って製品の識別・管理・利用を行うことができる。
すなわち、ハロゲン化フタルイミド化合物(B)は、他の臭素系難燃剤に比べレ−ザ−マ−キング性に優れることが判明したが、一方、他の臭素系難燃剤に比べ融点が高く、溶融混練又は成形中であっても溶融せず固体のまま存在する。そのためハロゲン化フタルイミド化合物(B)同士が凝集しやすく、凝集物となって成形品中に存在して、成形品外観が低下するという問題が発生しやすい。本発明では、ポリカ−ボネ−ト(D)やタルク(E)を含有することにより、これらが分散剤として働き、ハロゲン化フタルイミド化合物(B)が凝集しにくくなり、凝集物がなく外観に優れる成形品が得られると考えられる。
また滴下防止剤(H)であるポリテトラフルオロエチレン等を配合した場合は、これらとハロゲン化フタルイミド化合物(B)がより凝集しやすくなるため、凝集物が多くなる傾向にあり、また、レ−ザ−マ−キング性を向上させる目的でカ−ボンブラックを配合した場合も、凝集物がより目立ち易くなるため、ポリカ−ボネ−ト(D)やタルク(E)の配合による凝集物の減少効果はより顕著になるものと推察される。
本発明のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、ハロゲン化フタルイミド化合物(B)を5〜30質量部、アンチモン化合物(C)を1〜20質量部、ポリカ−ボネ−ト(D)及び/又はタルク(E)を0.1〜5質量部含有することを特徴とする。
以下に記載する各構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定して解釈されるものではない。なお、本願明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用され、「ppm」は「質量ppm」を意味する。
本発明のポリエステル樹脂組成物の主成分である熱可塑性ポリエステル樹脂(A)とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合あるいはこれらの化合物の重縮合等によって得られるポリエステルであり、ホモポリエステル、コポリエステルの何れであってもよい。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1、5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−2、2’−ジカルボン酸、ビフェニル−3、3’−ジカルボン酸、ビフェニル−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルエ−テル−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフォン−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルイソプロピリデン−4、4’−ジカルボン酸、1、2−ビス(フェノキシ)エタン−4、4’−ジカルボン酸、アントラセン−2、5−ジカルボン酸、アントラセン−2、6−ジカルボン酸、p−タ−フェニレン−4、4’−ジカルボン酸、ピリジン−2、5−ジカルボン酸等が挙げられ、中でも、テレフタル酸が好ましく使用できる。
なお、少量であればこれらの芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を1種以上混合して使用することができる。
また、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオ−ル、ジヒドロキシジフェニルエ−テル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオ−ルも用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、主成分がポリブチレンテレフタレ−トであることが特に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物が含有するハロゲン化フタルイミド化合物(B)としては、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
中でも、上記式(2)におけるiが4である、N,N’−(ビステトラブロモフタルイミド)エタンが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物が含有するアンチモン化合物(C)としては、酸化アンチモン又は酸化アンチモンと他の金属の複塩を使用することができる。具体的には、例えば、三酸化アンチモン(Sb2O3)、四酸化アンチモン(Sb2O4)、五酸化アンチモン(Sb2O5)等の酸化物或いはアンチモン酸ナトリウム等のアンチモン酸塩等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリカ−ボネ−ト(D)及び/又はタルク(E)を含有する。
前記したように、ハロゲン化フタルイミド化合物(B)は、融点が高いため、溶融混練中あるいは成形中であっても溶融せず固体のまま通常は存在しており、そのためハロゲン化フタルイミド化合物同士が凝集しやすく、凝集物となって成形品中に存在しやすい。ポリカ−ボネ−ト(D)やタルク(E)は、分散剤として働き、ハロゲン化フタルイミド化合物(B)は凝集しにくくなり、凝集物の発生が顕著に少なくなるという効果を発現させるものである。
また滴下防止剤であるポリテトラフルオロエチレン等を配合した場合は、これらとハロゲン化フタルイミド化合物(B)はより凝集しやすくなるため、凝集物が多くなる傾向にあり、また、カ−ボンブラックを配合した場合は、凝集物がより目立ち易くなるが、ポリカ−ボネ−ト(D)やタルク(E)の配合により凝集物の減少効果はより顕著になる。
ポリカ−ボネ−トは、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲンと反応させる界面重合法や、炭酸ジエステルと反応させるエステル交換法により製造されているが、本発明では何れの製造法のものも用いることができる。エステル交換法では末端封止剤を反応させて末端OH基濃度を調節することがあるが、この処理を経たものも用いることができる。ポリカ−ボネ−ト(D)としては、炭酸結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素である芳香族ポリカ−ボネ−トが好ましい。
なお、本発明において、ポリカ−ボネ−ト(D)の粘度平均分子量(Mv)は、ウベロ−デ粘度計を用いて、20℃にて、ポリカ−ボネ−ト樹脂のメチレンクロライド溶液の粘度を測定し極限粘度([η])を求め、次のSchnellの粘度式から算出される値を示す。
[η]=1.23×10−4Mv0.83
また、臭素化ポリカ−ボネ−トにおける、カ−ボネ−ト繰り返し単位数の平均は適宜選択して決定すればよいが、通常、2〜30である。カ−ボネ−ト繰り返し単位数の平均が小さいと、溶融時にポリエステル樹脂の分子量低下を引き起こす場合がある。逆に大きすぎてもポリカ−ボネ−トの溶融粘度が高くなり、成形品内の分散不良を引き起こし成形品外観、特に光沢性が低下する場合がある。よってこの繰り返し単位数の平均は、中でも3〜15、特に3〜10であることが好ましい。
タルク(E)は、周知のとおり、層状構造を持つ含水ケイ酸マグネシウムであって、化学式は代表的には4SiO2・3MgO・H2Oで表され、通常はSiO2を58〜66質量%、MgOを28〜35質量%、H2Oを約5質量%含んでいる。その他少量成分としてFe2O3が0.03〜1.2質量%、Al2O3が0.05〜1.5質量%、CaOが0.05〜1.2質量%、K2Oが0.2質量%以下、Na2Oが0.2質量%以下等を含有しているのが一般的である。
なお、タルク(E)とポリカ−ボネ−ト(D)と併用する場合は、それぞれを熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜5質量部配合することでよいが、好ましくは、タルク(E)とポリカ−ボネ−ト(D)の合計量として、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.5〜6質量部とすることが好ましく、1〜4質量部とすることがより好ましく、1.3〜3.5質量部とすることがさらに好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、酸化チタン(F)を含有することが好ましい。
酸化チタン(F)は、成形品の白度や印字コントラストなどを向上させる様に機能する。酸化チタン系添加剤に用いられる酸化チタンは、製造方法、結晶形態および平均粒子径などは、特に限定されるものではない。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、ガラス繊維(G)を含有させてその機械的特性を向上させることができる。ガラス繊維(G)としては常用のものをいずれも用いることができる。
ガラス繊維(G)の平均繊維径は特に制限されないが、例えば1〜100μmの範囲で選ぶことが好ましく、より好ましくは2〜50μm、更に好ましくは3〜30μm、特に好ましくは5〜20μmである。平均繊維径が1μm未満のガラス繊維は、製造が容易でなく、コスト高になる恐れがあり、一方100μmを超えると、ガラス繊維の引張強度が低下する恐れがある。
また、ガラス繊維(G)の平均繊維長は特に限定されないが、例えば0.1〜20mmの範囲で選ぶことが好ましく、0.3〜5mmであることがより好ましい。平均繊維長が0.1mm未満であると、補強効果が十分に発現しない恐れがあり、20mmを超えると、得られるポリエステル樹脂組成物の成形が困難になる恐れがある。
これらの中では、アミノシラン系表面処理剤が好ましく、具体的には例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい例として挙げられる。
シラン系表面処理剤とエポキシ樹脂は、それぞれ単独で用いても複数種で用いてもよく、両者を併用することも好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、滴下防止剤(H)を含有させることも好ましい。滴下防止剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましく、フィブリル形成能を有し、樹脂組成物中に容易に分散し、かつ樹脂同士を結合して繊維状材料を作る傾向を示すものがより好ましい。ポリテトラフルオロエチレンの具体例としては、例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)より市販されている商品名「テフロン(登録商標)6J」又は「テフロン(登録商標)30J」、ダイキン工業(株)より市販されている商品名「ポリフロン」あるいは旭硝子(株)より市販されている商品名「フルオン」等が挙げられる。
滴下防止剤の含有割合は、好ましくは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して0.1〜5質量部である。滴下防止剤が0.1質量部未満では難燃性が不十分になりやすく、5質量部を超えると凝集物が発生しやすくなり、外観が悪くなりやすい。滴下防止剤の含有割合は、より好ましくは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.3〜3.5質量部であり、さらに好ましくは0.5〜2.5質量部である。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、カ−ボンブラック(I)を含有させてレ−ザ−マ−キング時の印字性を向上させることができる。カ−ボンブラックとしては常用のものをいずれも用いることができ、一般に、樹脂組成物の着色に用いられているカ−ボンブラックの中から、適宜選択すればよい。
カ−ボンブラックの平均一次粒径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは13nm以上であり、また好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下である。また、カ−ボンブラックのDBP吸油量は、好ましくは30cm3/100g以上、より好ましくは45cm3/100g以上であり、また好ましくは500cm3/100g以下、より好ましくは130cm3/100g以下である。なお、カ−ボンブラックの平均一次粒子径は、電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径により求めることができる。また、DBP吸油量は、カ−ボンブラック100gが吸収するジブチルフタレ−ト(DBP)量(JIS K6221に準拠)により測定することができる。
本発明においては、カ−ボンブラックは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.0001〜0.1質量部、中でも0.0005〜0.01質量部を含有させることが好ましい。含有量が0.0001質量部未満であると、レ−ザ−マ−キング性が低下する傾向にある。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、さらに安定剤(J)を含有することが、熱安定性改良や、機械的強度、透明性及び色相の悪化を防止する効果を有するという点で好ましい。安定剤としては、リン系安定剤およびフェノ−ル系安定剤が好ましい。
(R1O)3−nP(=O)OHn
(式中、R1は、アルキル基またはアリ−ル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を示す。)
で表される化合物である。より好ましくは、R1が炭素原子数8〜30の長鎖アルキルアシッドホスフェ−ト化合物が挙げられる。炭素原子数8〜30のアルキル基の具体例としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、トリアコンチル基等が挙げられる。
これらの中でも、オクタデシルアシッドホスフェ−トが好ましく、このものはADEKA社の商品名「アデカスタブ AX−71」として、市販されている。
R2O−P(OR3)(OR4)
(式中、R2、R3及びR4は、それぞれ水素原子、炭素数1〜30のアルキル基または炭素数6〜30のアリ−ル基であり、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つは炭素数6〜30のアリ−ル基である。)
で表される化合物が挙げられる。
R5−P(OR6)(OR7)
(式中、R5、R6及びR7は、それぞれ水素原子、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアリ−ル基であり、R5、R6及びR7のうちの少なくとも1つは炭素数6〜30のアリ−ル基である。)
で表される化合物が挙げられる。
リン系安定剤としては、前述したように、優れた相溶性を発揮し、伸びや薄肉靭性を飛躍的に向上させるオクタデシルアシッドホスフェ−トが特に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、更に、離型剤(K)を含有することが好ましい。離型剤としては、ポリエステル樹脂に通常使用される既知の離型剤が利用可能であるが、中でも、金属膜密着性を阻害しにくいという点で、ポリオレフィン系化合物、脂肪酸エステル系化合物及びシリコ−ン系化合物から選ばれる1種以上の離型剤が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、染顔料、蛍光増白剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、樹脂組成物調製の常法に従って行うことができる。通常は各成分及び所望により添加される種々の添加剤を一緒にしてよく混合し、次いで一軸又は二軸押出機で溶融混練する。また各成分を予め混合することなく、ないしはその一部のみを予め混合し、フィ−ダ−を用いて押出機に供給して溶融混練し、本発明の樹脂組成物を調製することもできる。さらには、熱可塑性ポリエステル樹脂の一部に他の成分の一部を配合したものを溶融混練してマスタ−バッチを調製し、次いでこれに残りのポリエステル樹脂や他の成分を配合して溶融混練してもよい。
なお、ガラス繊維等の繊維状のものを用いる場合には、押出機のシリンダ−途中のサイドフイ−ダ−から供給することも好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、通常、任意の形状に成形して成形体として用いる。成形体の形状、模様、色、寸法等に制限はなく、その成形体の用途に応じて任意に設定すればよい。
成形体の製造方法は、特に限定されず、ポリエステル樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサ−ト成形、IMC(インモ−ルドコ−ティング)成形法、押出成形法、シ−ト成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロ−成形法等が挙げられる。本発明においては、汎用性の点から射出成形法を採用することが好ましい。
得られた成形体はレ−ザ−によるマ−キングが容易であり、レ−ザ−マ−キングにより文字、標識、バ−コ−ド、QRコ−ド(登録商標)、図、パタ−ン等が施される。
レ−ザ−マ−キングの方法は、公知であり、各種の方法を適用することができる。
レ−ザ−マ−キング方法で用いるレ−ザ−光としては、レ−ザ−発振波長532〜1,064nmのものが好ましい。具体的には、樹脂への発色印字をするアプリケ−ションでは、一般的にYAG波長(1,064nm)レ−ザ−マ−カ−が使用されている。ネオジウム変性イットリウム−アルミニウム−ガ−ネット(YAG)、又はネオジウム変性イットリウム−四酸化バナジウム(Nd:YVO4)等の結晶に高出力の光を与えてレ−ザ−を発生させ、さらにミラ−の往復反射で増幅させ、Qスイッチ機器によりパルスレ−ザにする方式のレ−ザ−マ−カ−を用いることもできる。また、近年の主流となりつつあるファイバ−方式(イットリビウムが注入されたファイバ−に複数のレ−ザ−ダイオ−ド(LD)を低出力で使用し、レ−ザ−光を発生・増幅させる方式のもの)のレ−ザ−マ−カ−も用いることができる。
なお、以下の説明において[部]とは、特に断りのない限り、質量基準に基づく「質量部」を表す。
以下の実施例および比較例において、使用した成分は、以下の表1の通りである。
以下の表2及び3に記載のガラス繊維以外の各成分を表2及び3に記載の配合割合(質量部)になるように配合し、2軸押出機(スクリュ−径35mm)を用いて、バレル設定温度250℃、回転数200rpmで押出し、ガラス繊維はサイドフィ−ド方式にて供給し、樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットを用い、射出成形機(住友重機械工業社製、ネスタ−ルSG75−SYCAP−M3A)を用いてシリンダ−温度255℃で下記記載の評価用試験片を射出成形し、レ−ザ−マ−キング性、成形品中の凝集物の数、マ−クの耐光性を評価した。
なお、成形に際して、樹脂組成物ペレットはその直前まで120℃にて6〜8時間乾燥した。
(1)レ−ザ−マ−キング性:
評価用試験片としては、100mm径×2mm厚みの円盤状成形品を用いた。SUNX社製「レ−ザ−マ−カ− LP−Z130」を用い、レ−ザ−発振方式はファイバ−方式にて、レ−ザ−パワ−:50、印字パルス周期:50μs、線幅:0.07mm、塗り潰し間隔:0.035mm、重ね印字回数:1回の条件で、上記円盤状成形品に20×20mmの正方形を塗りつぶすようにレ−ザ−マ−キングを施した。レ−ザ−マ−キングに際し、そのスキャンスピ−ドは3,000mm/sec及び5,000mm/secにて行った。
ΔE*=((ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2)1/2
厚み0.3mmの燃焼試験片(UL94規格)を射出成形し、試験片中の凝集物の数を、目視にて評価した。凝集物の数が少ないほど、成形品外観に優れているといえる。
評価用試験片としては、100mm径×2mm厚みの円盤状成形品を用いた。SUNX社製「レ−ザ−マ−カ− LP−Z130」を用い、レ−ザ−発振方式はファイバ−方式にて、レ−ザ−パワ−:30、印字パルス周期:50μs、線幅:0.07mm、塗り潰し間隔:0.035mm、重ね印字回数:1回、スキャンスピ−ド:300mm/sec、印字方向:一方向、QRコ−ド(登録商標)サイズ:8.12mm×8.12mm、QRコ−ド(登録商標)デ−タ:MEPとした条件で、上記成形品にQRコ−ド(登録商標)をレ−ザ−マ−クした。
得られた試験片に、キセノンア−クウエザ−試験機(波長340nm、照射エネルギ−1200kJ/m2)にて、ブラックパネル温度83℃、雨なしの条件で300時間の照射を行った。続いて、携帯電話(ソフトバンク社製「機種:944SH(CCDカメラ:8.0メガピクセルのバ−コ−ドリ−ダ−)」を用いて、300時間照射後の試験片にマ−クされているQRコ−ド(登録商標)の読み取りを行った。QRコ−ド(登録商標)の読み取りが可能であったものを○、不可能であったもの×とし、マ−クの耐光性を評価した。
Claims (10)
- 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、ハロゲン化フタルイミド化合物(B)を5〜30質量部、アンチモン化合物(C)を1〜20質量部、ポリカ−ボネ−ト(D)及び/又はタルク(E)を0.1〜5質量部含有することを特徴とするレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
- さらに、酸化チタン(F)を、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜20質量部含有することを特徴とする請求項1に記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
- さらに、ガラス繊維(G)を、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、10〜100質量部含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
- さらに、滴下防止剤(H)を、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜5質量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
- アンチモン化合物(C)が、三酸化アンチモンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
- ポリカ−ボネ−ト(D)が、臭素化ポリカ−ボネ−トであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
- 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の主成分が、ポリブチレンテレフタレ−トであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のレ−ザ−マ−キング用ポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
- 電気電子機器の筐体、もしくは、照明用機器の口金、素子基板又は筐体であることを特徴とする請求項8に記載の成形体。
- 表面にレ−ザ−マ−キングが施された請求項8又は9に記載の成形体。
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