JP5848556B2 - ポリエステル樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Description
そして、近年、電気電子機器部品や電装部品は、機器自体の小型化傾向から薄肉小型化されてきており、その結果、絶縁距離が小さくなり、これら部品(成形品)の耐トラッキング性等への要求スペックは、高度化してきている。絶縁材料は、通電中に装置から発生した熱により乾燥し帯電するため、絶縁材料の表面には埃が付着しやすい傾向がある。そのため、その絶縁材料から形成される部品は、装置停止中にその表面に埃が付着しやすく、その埃が空気中の水分を吸収し、吸収された水分により材料の表面抵抗が低下し、漏洩電流が増加する。一般に、電気部品は多かれ少なかれこのような状況にさらされており、絶縁材料の耐トラッキング特性が重要視されている。
電気電子機器部品は、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ社のUL94規格の難燃性や比較トラッキング指数(CTI:Comparative Tracking Index)等の要求事項を満たさねばならず、0.75mm厚みにてV−0以上の難燃性と、CTIがPLC(Performance Lebel Category)2レベル(250V≦CTI<400V)以上を満足することが望ましい。
また、特許文献3には、熱可塑性ポリエステル樹脂、圧縮微粉タルク、ハロゲン化ベンジル(メタ)アクリレート系難燃剤からなる樹脂組成物が開示されており、必要に応じて、繊維状強化剤を添加してもよいことが記載されている。
しかしながら、これらの樹脂組成物は、いずれも、難燃性、耐トラッキング性、機械的強度の点で必ずしも充分に満足できるものではなかった。
すなわち、本発明によれば、以下のポリエステル樹脂組成物およびそれを用いた成形体が提供される。
臭素系難燃剤(B)が、臭素化スチレンの重合物であり、
樹脂組成物中の遊離の臭素含有量が800質量ppm以下であり、樹脂組成物のイエローインデックス(YI)が23以下であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
[2]樹脂組成物中の塩素含有量が500質量ppm以下であることを特徴とする上記[1]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[3]樹脂組成物中の硫黄含有量が250質量ppm以下であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[4]臭素系難燃剤(B)の質量平均分子量(Mw)が10,000〜70,000であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
[5]熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の主成分が、ポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
[6]]上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
[7]成形体が、電気電子機器部品であることを特徴とする上記[6]に記載の成形体。
[8]成形体が、コネクター、リレー、スィッチ及び電気電子機器部品の筐体からなる群より選ばれるものである、上記[6]又は[7]に記載の成形体。
このため、本発明のポリエステル樹脂組成物は、電気電子機器用の絶縁部品として、例えば、電子電気機器部品の筐体、コネクター、リレー、スィッチ、センサー、アクチュエーター、ターミナルスイッチ等に好適に使用することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、臭素系難燃剤(B)を3〜60質量部含有する樹脂組成物であって、
臭素系難燃剤(B)が、臭素化スチレンの重合物であり、
樹脂組成物中の遊離の臭素量が800質量ppm以下であり、樹脂組成物のイエローインデックス(YI)が23以下であることを特徴とする。
以下に記載する各構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定して解釈されるものではない。なお、本願明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用され、「ppm」は「質量ppm」を意味する。
本発明のポリエステル樹脂組成物の主成分である熱可塑性ポリエステル樹脂(A)とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合あるいはこれらの化合物の重縮合等によって得られるポリエステルであり、ホモポリエステル、コポリエステルの何れであってもよい。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1、5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−2、2’−ジカルボン酸、ビフェニル−3、3’−ジカルボン酸、ビフェニル−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフォン−4、4’−ジカルボン酸、ジフェニルイソプロピリデン−4、4’−ジカルボン酸、1、2−ビス(フェノキシ)エタン−4、4’−ジカルボン酸、アントラセン−2、5−ジカルボン酸、アントラセン−2、6−ジカルボン酸、p−ターフェニレン−4、4’−ジカルボン酸、ピリジン−2、5−ジカルボン酸、等が挙げられ、テレフタル酸が好ましく使用できる。
なお、少量であればこれらの芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を1種以上混合して使用することができる。
また、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオールも用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、主成分がポリブチレンテレフタレートであることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物が含有する臭素系難燃剤(B)としては、従来公知の任意の、熱可塑性ポリエステル樹脂に使用される臭素系難燃剤を用いることが出来る。この様な臭素系難燃剤としては、芳香族系化合物が挙げられ、具体的には、例えば、テトラブロモビスフェノールAのエポキシオリゴマー等の臭素化エポキシ化合物、ペンタブロモベンジルポリアクリレート等の臭素化ベンジル(メタ)アクリレート、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリスチレン、N,N’−エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)(EBTPI)等の臭素化イミド化合物、臭素化ポリカーボネート、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA、グリシジル臭素化ビスフェノールA等が挙げられる。これらの中でも熱安定性の良好な点より、ポリ(ペンタブロモベンジルアクリレート)等の臭素化ベンジル(メタ)アクリレート、臭素化エポキシ化合物、臭素化ポリスチレン、臭素化イミド化合物が好ましく、臭素化ベンジル(メタ)アクリレート、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート及び臭素化イミド化合物がより好ましく、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート及び臭素化イミド化合物がさらに好ましく、特には臭素化ポリスチレンが好ましい。
また、一方、臭素化スチレンモノマー(例えば、2,4−ジブロモスチレン、2,6−ジブロモスチレン、2,5−ジブロモスチレン、3,5−ジブロモスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン、2,3,5−トリブロモスチレン等)を重合することにより製造することも可能である。
本発明における臭素化ポリスチレンは、上記臭素化反応によるもの或いは重合法によるものの何れであってもよいが、芳香環以外への臭素化反応の問題や遊離の臭素(原子又は化合物)の含有量が少なく、またその後の加熱や成形の過程で発生する遊離の臭素(原子又は化合物)が少ないので、重合法による臭素化ポリスチレンの方が好ましい。
特に、上記したポリスチレンの臭素化物の場合は、質量平均分子量(Mw)は50,000〜70,000であることが好ましく、重合法による臭素化ポリスチレンの場合は、質量平均分子量(Mw)は10,000〜30,000程度であることが好ましい。なお、質量平均分子量(Mw)は、GPC測定による標準ポリスチレン換算の値として求めることができる。
中でも、上記式(2)におけるiが4である、N,N’−エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)が好ましい。
本発明においては、ポリエステル樹脂組成物中の遊離臭素の含有量が800質量ppm以下である必要がある。遊離の臭素は、臭素系難燃剤(B)又はその製造用原材料に由来すると考えられるが、本発明において規定する遊離臭素は、どの様な状態・形態で樹脂組成物中に存在していたかは限定されない。
臭素系難燃剤(B)が含有する遊離の臭素が、樹脂組成物の処理時や成形時等の高温になる際に脱離すると考えられ、樹脂組成物中の遊離の臭素の含有量が800質量ppmを超えると、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)に悪影響を与え、樹脂組成物の耐熱変色性、色調及び耐光変色性を悪化させ、耐金属腐食性及び耐金型汚染性の低下を引き起こすためである。
該含有量の好ましい上限は、700質量ppm、より好ましくは650質量ppmであり、さらに好ましくは600質量ppmであり、特に好ましくは480質量ppmである。また、含有量を0質量ppmまでに除去することは、経済性を度外視するような精製を必要とするので、その下限量は、通常1質量ppmであり、好ましくは5質量ppmであり、より好ましくは10質量ppmである。
なお、樹脂組成物中の塩素含有量は、塩素がどの様な状態・形態で樹脂組成物中に存在していたかは限定されない。塩素は、使用する原料、添加剤、触媒、重合雰囲気、樹脂の冷却水等、種々の環境より混入するので、それらの混入量の総計を、500質量ppm以下と制御することが好ましい。
なお、樹脂組成物中の硫黄含有量は、硫黄がどの様な状態・形態で樹脂組成物中に存在していたかは限定されない。硫黄は、使用する原料、添加剤、触媒、重合雰囲気等、種々の環境より混入するので、それらの混入量の総計を、250質量ppm以下と制御することが好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、厚み3mmにおけるイエローインデックス(YI)が23以下であるが必要である。YIが23を超えると、得られる成形品の色調が悪く、耐光変色性、耐金属腐食性が低下する。YIは、好ましくは18以下、より好ましくは15以下、さらに好ましくは13以下、特に好ましくは10以下である。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、さらに安定剤(C)を含有することが、熱安定性改良や、機械的強度、透明性及び色相の悪化を防止する効果を有するという点で好ましい。安定剤としては、リン系安定剤およびフェノール系安定剤が好ましい。
特にリン系安定剤を含有すると、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と臭素系難燃剤(B)との相互の相溶性を格段に向上させることができ、さらに、意外なことに、薄肉成形体においても優れた伸び性を発現することができる。
(R1O)3−nP(=O)OHn ・・・(2)
(式(2)中、R1は、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を示す。)
で表される化合物である。より好ましくは、R1が炭素原子数8〜30の長鎖アルキルアシッドホスフェート化合物が挙げられる。炭素原子数8〜30のアルキル基の具体例としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、トリアコンチル基等が挙げられる。
これらの中でも、オクタデシルアシッドホスフェートが好ましく、このものはADEKA社の商品名「アデカスタブ AX−71」として、市販されている。
R2O−P(OR3)(OR4) ・・・(3)
(式(3)中、R2、R3及びR4は、それぞれ水素原子、炭素数1〜30のアルキル基または炭素数6〜30のアリール基であり、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1つは炭素数6〜30のアリール基である。)
で表される化合物が挙げられる。
R5−P(OR6)(OR7) ・・・(4)
(式(4)中、R5、R6及びR7は、それぞれ水素原子、炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール基であり、R5、R6及びR7のうちの少なくとも1つは炭素数6〜30のアリール基である。)
で表される化合物が挙げられる。
リン系安定剤としては、前述したように、優れた相溶性を発揮し、伸びや薄肉靭性を飛躍的に向上させるオクタデシルアシッドホスフェートが特に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、臭素系難燃剤(B)以外の他の難燃剤(D)を含有することもできる。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン(Sb2O3)、五酸化アンチモン(Sb2O5)、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。特に、臭素系難燃剤(B)との相乗効果から、三酸化アンチモンを併用することが好ましい。
硼酸亜鉛を使用する場合の含有量は、臭素系難燃剤(B)に対し、硼酸亜鉛を0.3〜1(質量比)の割合で用いるのが好ましく、0.4〜0.8の割合で用いるのがさらに好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、無機充填材(F)を含有させてその機械的特性を向上させることができる。無機充填材(F)としては常用のものをいずれも用いることができる。具体的には例えば、ガラス繊維、炭素繊維、鉱物繊維等の繊維状無機充填材が挙げられるが、中でもガラス繊維を用いることが好ましい。本発明においては、無機充填材(F)は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、100質量部以下、中でも20〜80質量部を含有させることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、滴下防止剤(G)を含有させることも好ましい。滴下防止剤(G)としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましく、フィブリル形成能を有し、樹脂組成物中に容易に分散し、かつ樹脂同士を結合して繊維状材料を作る傾向を示すものである。ポリテトラフルオロエチレンの具体例としては、例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)より市販されている商品名「テフロン(登録商標)6J」又は「テフロン(登録商標)30J」、ダイキン化学工業(株)より市販されている商品名「ポリフロン」あるいは旭硝子(株)より市販されている商品名「フルオン」等が挙げられる。
滴下防止剤(G)の含有割合は、好ましくは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して0.1〜20質量部である。滴下防止剤(G)が0.1質量部未満では難燃性が不十分になりやすく、20質量部を超えると外観が悪くなりやすい。滴下防止剤(G)の含有割合は、より好ましくは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、好ましくは0.3〜5質量部である。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、更に、離型剤(H)を含有することが好ましい。離型剤(H)としては、ポリエステル樹脂に通常使用される既知の離型剤が利用可能であるが、中でも、金属膜密着性を阻害しにくいという点で、ポリオレフィン系化合物、脂肪酸エステル系化合物及びシリコーン系化合物から選ばれる1種以上の離型剤が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、染顔料、蛍光増白剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、樹脂組成物調製の常法に従って行うことができる。通常は各成分及び所望により添加される種々の添加剤を一緒にしてよく混合し、次いで一軸又は二軸押出機で溶融混練する。また各成分を予め混合することなく、ないしはその一部のみを予め混合し、フイーダーを用いて押出機に供給して溶融混練し、本発明の樹脂組成物を調製することもできる。さらには、ポリエステル樹脂の一部に他の成分の一部を配合したものを溶融混練してマスターバッチを調製し、次いでこれに残りのポリエステル樹脂や他の成分を配合して溶融混練してもよい。
なお、無機充填材としてガラス繊維等の繊維状のものを用いる場合には、押出機のシリンダー途中のサイドフイーダーから供給することも好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、通常、任意の形状に成形して成形体として用いる。この成形体の形状、模様、色、寸法等に制限はなく、その成形体の用途に応じて任意に設定すればよい。
成形体の製造方法は、特に限定されず、ポリエステル樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法等が挙げられる。
絶縁性部品としては、金属接点、銅版等と組み合わせることにより、リレー、スイッチ、コネクター、ターミナルスイッチ、センサー、アクチュエーター、マイクロスイッチ、マイクロセンサーおよびマイクロアクチュエーター等の有接点電気電子機器部品や電気電子機器の筐体として好ましく用いることができる。
なお、以下の説明において[部]とは、特に断りのない限り、質量基準に基づく「質量部」を表す。
以下の表2に記載の各成分を表2及び3に記載の配合割合(質量部)になるように配合し、2軸押出機(スクリュー径35mm)を用いて、バレル設定温度250℃、回転数200rpmで押出して、樹脂組成物のペレットを製造した。得られたペレットの特性は、射出成形機(住友重機械工業社製、ネスタールSG75−SYCAP−M3A)を用いてシリンダー温度255℃で射出成形した試験片について、評価した。評価結果を表2に示す。なお、成形に際して、樹脂組成物はその直前まで120℃にて6〜8時間乾燥した。
各評価方法は、以下のとおりである。
(1)臭素系難燃剤及び樹脂組成物中の遊離臭素、塩素、硫黄含有量:
燃焼イオンクロマトグラフィー法により定量した。三菱化学アナリテック社製「AQF−100型」の自動試料燃焼装置を用い、アルゴン雰囲気下、270℃、10分の条件で臭素系難燃剤又はポリエステル樹脂組成物を加熱し、発生した臭素、塩素、硫黄の量を、日本ダイオネクス社製「ICS−90」を用いて測定した。
日本電色工業社製の分光式色彩計SE−2000型を用い、60×60×厚さ3mmの試験片を使用してイエローインデックス(YI)を測定した。YI値が大きいほど着色していることを示す。
アンダーライターズ・ラボラトリーズのサブジェクト94(UL94)の方法に準じ、5本の試験片(厚み;0.75mm)を用いて難燃性を試験した。難燃性は、UL94記載の評価方法に従って、V−0、V−1、V−2に分類した。V−0が最も難燃性が高い。
厚さ3.0mm、50φの円板の試験片を用い、試験法UL946A 23項で規定されている耐トラッキング性試験方法はASTM D3638に準拠して測定した。装置のノズルから電解液(塩化アンモニウム0.1%水溶液、23℃で抵抗率385Ω・cm)を30秒間隔で滴下させ、両白金電極間に600V以下(25Vステップ)の電圧を印加し、トラッキングが発生するまでの電解液滴下数を測定し、5回の平均値が50滴未満となる電圧を求めた。なお、数値が高いほど耐トラッキング性が良好であることを意味する。
PLC(Performance Lebel Category)の判定基準は、PLC2が、250V≦CTI<400V、PLC3が、175V≦CTI<250Vである。
大きさ10×10cmで、厚みが3mmの平板試験片から大きさ5×5cm、厚み3mmの試験片を切り出し、キセノンアークウエザー試験機(波長340nm、照射エネルギー1200kJ/m2)にて、ブラックパネル温度63℃、雨なしの条件で200時間の照射を行った。その試験片の試験前後の色差を下記の方法にて測定した。
分光測色色差計(コニカミノルタ社製「CM−3600d」)を使用し、耐光性試験前と試験後の色差(ΔE*)を次式で評価した。
ΔE*=((ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2)1/2
ΔE*が小さいほど変色性が小さく、耐光変色性に優れているといえる。
大きさ10×10cmで、厚みが3mmの平板試験片から大きさ5×5cm、厚み3mmの試験片を切り出し、150℃の熱風オーブンで300時間処理を行った。その試験片の試験前後の色差を、上記(5)と同様の方法で測定した。
ΔE*が小さいほど変色性が小さく、耐熱変色性に優れているといえる。
上記(3)難燃性評価用試験片の上に1cm角の銀板(ニラコ社製)を置き、150℃の熱風オーブン中に静置した。200時間及び400時間後に試験片と銀板を取り出し、銀板の腐食状態を目視観察した。腐食がないものを「○」、腐食があり変色や光沢変化等があれば「×」と表記した。なお、「×」の評価結果のものに対しては、腐食部から検出される成分をSEM−EDX測定により同定した。
上記(3)燃焼性試験用試験片をを連続100ショット射出成形し、100ショット後の金型表面の汚れを観察した。射出成形は、射出成形機(日本製鋼所社製「J75ED」)を使用し、シリンダー温度240〜270℃、金型温度80℃、射出速度10mm/秒、成形サイクル35秒の条件で行った。そして、汚れがないものを◎、汚れが僅かにあるが通常の連続成形に問題ないものを○、汚れがあるものを△、汚れが激しく連続成形不可能なものを×と表記した。
以上の評価結果を、以下の表2及び表3に示す。
Claims (7)
- ポリブチレンテレフタレートを主成分とする熱可塑性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、臭素系難燃剤(B)を3〜60質量部含有する樹脂組成物であって、
臭素系難燃剤(B)が、臭素化スチレンの重合物であり、
樹脂組成物中の遊離の臭素含有量が480質量ppm以下であり、樹脂組成物のイエローインデックス(YI)が23以下であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。 - 樹脂組成物中の塩素含有量が500質量ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 樹脂組成物中の硫黄含有量が250質量ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 臭素系難燃剤(B)の質量平均分子量(Mw)が10,000〜70,000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
- 成形体が、電気電子機器部品であることを特徴とする請求項5に記載の成形体。
- 成形体が、コネクター、リレー、スィッチ及び電気電子機器部品の筐体からなる群より選ばれるものである、請求項5又は6に記載の成形体。
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