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JP6375707B2 - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents
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Description

本発明は、コア、包囲層、中間層及びカバーの各層を積層して形成されたマルチピースソリッドゴルフボールに関するものであり、更に詳述すると、プロゴルファーや上級のアマチュアゴルファーがより満足できる飛び性能とコントロール性を兼ね備えると共に、フルショット時の低スピン化について更に追求したゴルフボールに関する。
従来、飛距離を増大させ、かつ打感を良好なものにするために、ゴルフボールの構造を多層化する工夫がなされており、その後も低スピン化、高初速化、及び打感の更なる改良等を目的に、3層以上の層を有する多層構造のゴルフボールが種々提案されている。
そして、現在、プロゴルファーや上級のアマチュアゴルファーの間では、優れた飛び性能とコントロール性とを併せ持つボールとして、軟らかめのカバーと、該カバーよりも比較的硬めのアイオノマー素材で形成された中間層と、ゴム素材で形成された1層もしくは2層構造のソリッドコアとを具備するゴルフボールが広く使用されている。このようなボールは、軟らかめのカバーによってショートゲームでの高いコントロール性を発揮し、該カバーの内側に硬く高反発なアイオノマー素材の層を組み合わせることにより、ドライバーでのフルショット時の過度なスピンを抑制すると共に高い反発性を得ている。
上記のようなゴルフボールは、これまでにも様々なものが提案されており、例えば、米国特許第6071201号明細書(特許文献1)、米国特許第6254495号明細書(特許文献2)、米国特許第6271296号明細書(特許文献3)、米国特許第6394912号明細書(特許文献4)、米国特許第6431998号明細書(特許文献5)、米国特許第6605009号明細書(特許文献6)、米国特許第6688991号明細書(特許文献7)、米国特許第6756436号明細書(特許文献8)、米国特許第6824477号明細書(特許文献9)、米国特許第6894098号明細書(特許文献10)、米国特許第6939907号明細書(特許文献11)、米国特許第6962539号明細書(特許文献12)、米国特許第6988962号明細書(特許文献13)、米国特許第7041009号明細書(特許文献14)、米国特許第7125348号明細書(特許文献15)、米国特許第7157512号明細書(特許文献16)、米国特許第7230045号明細書(特許文献17)、米国特許第7285059号明細書(特許文献18)、米国特許第7641571号明細書(特許文献19)、米国特許第7652086号明細書(特許文献20)、特開2012−40376号公報(特許文献21)、特開2012−45382号公報(特許文献22)、米国特許第7648427号明細書(特許文献23)等を例示することができる。
このように、プロゴルファーや上級のアマチュアゴルファーの間では、自身の技術レベルに見合った性能を発揮できるゴルフボールに対する需要が大きい。従って、より多くのゴルファーが満足できる飛び性能及びコントロール性を兼ね備えたゴルフボールを開発することは、ゴルファーの裾野を広げるためには重要である。
米国特許第6071201号明細書 米国特許第6254495号明細書 米国特許第6271296号明細書 米国特許第6394912号明細書 米国特許第6431998号明細書 米国特許第6605009号明細書 米国特許第6688991号明細書 米国特許第6756436号明細書 米国特許第6824477号明細書 米国特許第6894098号明細書 米国特許第6939907号明細書 米国特許第6962539号明細書 米国特許第6988962号明細書 米国特許第7041009号明細書 米国特許第7125348号明細書 米国特許第7157512号明細書 米国特許第7230045号明細書 米国特許第7285059号明細書 米国特許第7641571号明細書 米国特許第7652086号明細書 特開2012−40376号公報 特開2012−45382号公報 米国特許第7648427号明細書
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、プロゴルファーや上級のアマチュアゴルファー向けのゴルフボールとして、特にドライバー(W#1)でのフルショット時の飛距離の増大と、ショートゲームでのコントロール性の向上を図ると共に、フルショット時において更なる低スピン化を図ることができるマルチピースソリッドゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するため、鋭意検討を行った結果、内側からソリッドコア、包囲層、中間層及びカバーを具備するゴルフボールにおいて、上記ソリッドコアを、柔軟な熱可塑性エラストマーを用いて形成することにより、フルショット時のスピンが抑制されて良好な飛距離が得られると共に、上記包囲層を、高い反発性を有し、上記ソリッドコアよりも硬いゴム材料で形成することにより、フルショット時の高い実打初速とスピンのかかりすぎを抑制し得、上記中間層を、上記包囲層よりも更に硬いアイオノマー樹脂を用いて形成することにより、フルショット時のスピンを抑制し得、更には、最外層のカバーを軟らかいウレタンカバーとすることにより、ショートゲームでの高いアプローチスピン性能と優れた耐擦過傷性を達成し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記のマルチピースソリッドゴルフボールを提供する。
1.コアと、該コアを被覆する包囲層と、該包囲層を被覆する中間層と、該中間層を被覆し、表面に多数のディンプルが形成されたカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、
上記コアがポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、オレフィン系、スチレン系よりなる群から選択される1種又は2種以上の熱可塑性エラストマーを主材として形成され、その直径が10〜30mm、比重が1.0を超え1.3未満であり、かつ初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)まで負荷したときのたわみ量が3.6〜10mmであり、
上記包囲層がゴム材を主材とするゴム組成物で形成され、その厚さが3〜10mmであり、
上記中間層がアイオノマーを主材とする樹脂組成物で形成され、
上記カバーがウレタンを主材とする樹脂組成物で形成されると共に、上記コアと上記包囲層との比重差(包囲層比重−コア比重)が0〜0.2であり、上記包囲層、中間層及びカバーの比重が、
包囲層比重 > 中間層比重 < カバー比重
の関係を満足し、上記コア、包囲層、中間層及びカバーの表面硬度(ショアD硬度)が、
コア表面硬度 < 包囲層表面硬度 < 中間層表面硬度 > カバー表面硬度
の関係を満足することとするマルチピースソリッドゴルフボール。
2.上記コアがポリエーテルエステルエラストマーを主材として形成される上記1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
3.上記コアの直径が20〜30mmである上記1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
4.上記コアの直径が22〜28mmである上記3記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
5.上記包囲層の厚さが4〜8mmである上記1〜4のいずれか記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
6.上記コア、包囲層、中間層及びカバーの表面硬度(ショアD硬度)が、
1 ≦ 包囲層表面硬度−コア表面硬度 ≦ 40
5 ≦ 中間層表面硬度−包囲層表面硬度 ≦ 25
−25 ≦ ボール表面硬度−中間層表面硬度 ≦ −1
の関係を満足する上記1〜5のいずれか記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
7.上記中間層の比重が1.0未満である上記1〜6のいずれか記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
8.上記包囲層の比重が1.1〜1.5である上記1〜7のいずれかに記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
9.コアと、該コアを被覆する包囲層と、該包囲層を被覆する中間層と、該中間層を被覆し、表面に多数のディンプルが形成されたカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、
上記コアがポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、オレフィン系、スチレン系よりなる群から選択される1種又は2種以上の熱可塑性エラストマーを主材として形成され、その直径が10〜30mm、比重が1.0を超え1.3未満であり、かつ初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)まで負荷したときのたわみ量が3.6〜10mmであり、
上記包囲層がゴム材を主材とするゴム組成物で形成され、その厚さが3〜10mmであり、
上記中間層がアイオノマーを主材とする樹脂組成物で形成され、
上記カバーがウレタンを主材とする樹脂組成物で形成されると共に、
上記包囲層、中間層及びカバーの比重が、
包囲層比重 > 中間層比重 < カバー比重
の関係を満足し、上記コア、包囲層、中間層及びカバーの表面硬度(ショアD硬度)が、
コア表面硬度 < 包囲層表面硬度 < 中間層表面硬度 > カバー表面硬度
の関係を満足し、且つ、
20 ≦ 包囲層表面硬度−コア表面硬度 ≦ 40
−25 ≦ カバー表面硬度−中間層表面硬度 ≦ −10
の関係を満足することとするマルチピースソリッドゴルフボール。
10.上記コアがポリエーテルエステルエラストマーを主材として形成される上記9記載のマルチピースソリッドゴルフボール
11.上記コアの直径が20〜30mmである上記9又は10記載のマルチピースソリッドゴルフボール
12.上記包囲層の厚さが4〜8mmである上記9〜11のいずれかに記載のマルチピースソリッドゴルフボール
13.上記コアと上記包囲層との比重差(包囲層比重−コア比重)が0〜0.2である請求項9〜12のいずれかに記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
本発明によれば、特にドライバー(W#1)でのフルショット時の飛距離の増大と、ショートゲームでのコントロール性の向上を図ることができると共に、フルショット時において更なる低スピン化を図ることができるマルチピースソリッドゴルフボールを提供することができる。
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールの概略断面図である。 実施例のボール表面に形成されたディンプルの配列を表した平面図である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。まず、図1に本発明のマルチピースソリッドゴルフボールの断面構造を示す。ここに示されたゴルフボールGは、コア1と、該コアを被覆する包囲層2と、該包囲層を被覆する中間層3と、該中間層を被覆するカバー4とを有する4層構造を有している。そして、上記カバー4の表面には、通常、ディンプルDが多数形成されている。以下、これらの各層について詳述する。
まず、ソリッドコア(以下、単にコアと表記することもある)について説明する。
上記コアの直径は、10〜30mmに設定することを要する。この場合、その直径のより好ましい下限値は20mm以上とすることができ、更に好ましくは22mm以上とすることができる。一方、その直径のより好ましい上限値は28mm以下であり、更に好ましくは26mm以下である。該コアの直径が小さすぎると、フルショット時にスピン量が多くなりすぎて飛距離が出なくなることがある。一方、その直径が大きすぎると、繰り返し打撃時の耐久性が悪くなったり、打感が硬くなりすぎたり、ボール全体としての反発性が不足して飛距離が出なくなることがある。
上記コアの中心硬度は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で好ましくは10以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは25以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、ショアD硬度で55以下、好ましくは47以下、より好ましくは40以下とすることができる。上記中心硬度が低すぎると、打感が軟らかくなりすぎたり、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。一方、上記中心硬度が高すぎると、スピン量が増えすぎて飛距離が伸びなくなったり、打感が硬くなりすぎることがある。
上記コアの表面硬度は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で好ましくは16以上、より好ましくは26以上、更に好ましくは31以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、ショアD硬度で好ましくは61以下、より好ましくは53以下、更に好ましくは46以下とすることができる。上記表面硬度が低すぎると、打感が軟らかくなりすぎたり、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。一方、上記表面硬度が高すぎると、打感が硬くなりすぎたり、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。
ここで、上記の中心硬度とは、コアを半分に(中心を通るように)切断して得た断面の中心において測定される硬度を意味し、表面硬度は上記コアの表面(球面)において測定される硬度を意味する。また、ショアD硬度とは、ASTM D2240−95規格に準拠したタイプDデュロメータによって測定された硬度を意味する。
上記コアの初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)まで負荷したときのたわみ量は、3.6〜10mmとすることを要する。この場合、好ましい下限は4.0mm以上とすることができ、より好ましくは5.0mm以上とすることができる。また、好ましい上限は8.0mm以下とすることができ、より好ましくは7.0mm以下とすることができる。上記のたわみ量が大きすぎる(軟らかすぎる)と、打感が軟らかくなりすぎたり、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。一方、上記のたわみ量が小さすぎる(硬すぎる)と、スピン量が増えすぎて飛ばなくなったり、打感が硬くなりすぎることがある。
上記のソリッドコアは、熱可塑性エラストマーを用いて形成される。本発明では、特に反発性が高く、優れた飛び性能を得る観点から、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、オレフィン系、スチレン系よりなる群から選択される1種又は2種以上の熱可塑性エラストマーを主材として形成される。上記の熱可塑性エラストマーは市販品を使用することができ、具体的には、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとして「ハイトレル」(東レ・デュポン社製)、ポリアミド系熱可塑性エラストマーとして「ペバックス」(東レ社製)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとして「パンデックス」(大日本インキ化学工業社製)、オレフィン系熱可塑性エラストマーとして「サントプレーン」(モンサント社製)、スチレン系熱可塑性エラストマーとして「タフテック」(旭化成工業社製)等を挙げることができる。
本発明では、成形性と反発性の観点からポリエステル系熱可塑性エラストマーが好ましく、その中でも特にポリエーテルエステルエラストマーを好適に使用することができる。上記ポリエーテルエステルエラストマーの市販品としては、東レ・デュポン社製の「ハイトレル3046」、「ハイトレル4047」、「ハイトレル4767」等を例示することができる。
また、上記コアには比重調整および耐久性を上げる観点から、充填剤を添加することができる。更に、このコア形成用の材料には、必要に応じて、種々の添加剤を配合することができ、例えば顔料、分散剤、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤等を適宜配合することができる。
上記コアの比重は、1.0を超え1.3未満とすることを要する。この場合、好ましい下限は1.03以上とすることができ、より好ましくは1.05以上とすることができる。一方、好ましい上限は1.25以下とすることができ、より好ましくは1.20以下とすることができる。上記の比重が大きすぎると、コアの反発性が低くなり、飛距離が出なくなることがある。一方、上記の比重が小さすぎると、反発性が低くなったり、繰り返し打撃時の耐久性が悪くなることがある。
上記ソリッドコアを得る方法としては、特に制限されるものではないが、射出成形法等の公知の方法を用いることができ、コア成形用金型のキャビティ内にコア形成用材料を射出する方法を好適に採用できる。
次に、包囲層について説明する。
上記包囲層は上記コアの周囲を被覆する層であり、本発明ではその厚さを3〜10mmに設定することが必要である。この場合、該包囲層の厚さのより好ましい下限は、特に制限されるものではないが、4mm以上とすることができ、更に好ましくは5mm以上とすることができる。一方、その厚さのより好ましい上限も特に制限されないが、9mm以下とすることができ、更に好ましくは8.5mm以下とすることができる。包囲層が薄すぎると、フルショット時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなったり、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。一方、包囲層が厚すぎると、フルショット時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなったり、フルショット時の打感が硬くなりすぎることがある。
上記包囲層の表面硬度は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で好ましくは40以上、より好ましくは47以上、更に好ましくは55以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、ショアD硬度で好ましくは80以下、より好ましくは70以下、更に好ましくは65以下とすることができる。上記表面硬度が低すぎると、反発性が低くなったり、フルショット時の低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。一方、上記表面硬度が高すぎると、打感が硬くなりすぎたり、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。
ここで、表面硬度とは、材料を成形して得た球体の表面において測定される硬度を意味する。また、ショアD硬度とは、ASTM D2240−95規格に準拠したタイプDデュロメータによって測定された硬度を意味する。以下の記載においても同様である。
上記の包囲層は、ゴム組成物を用いて形成される。本発明では、特に制限されるものではないが、特に反発性が高く、優れた飛び性能を得る観点から、後述するポリブタジエンを基材ゴムとするゴム組成物を用いて形成することが好ましい。
上記ポリブタジエンは、特に制限されるものではないが、そのポリマー鎖中に、シス−1,4−結合を60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%以上有するものであることが推奨される。分子中の結合に占めるシス−1,4−結合が少なすぎると、反発性が低下する場合がある。
また、上記ポリブタジエンに含まれる1,2−ビニル結合の含有量は、特に制限されるものではないが、そのポリマー鎖中に好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.7質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下であることが推奨される。1,2−ビニル結合の含有量が多すぎると、反発性が低下する場合がある。
上記ポリブタジエンは、良好な反発性を有する加硫成形物を得る観点から、希土類元素系触媒又はVIII族金属化合物触媒を用いて合成されたものであることが好ましく、特に希土類元素系触媒を用いて合成されたものであることが好ましい。また、必要に応じてこれらの触媒に有機アルミニウム化合物、アルモキサン、ハロゲン含有化合物及びルイス塩基等を組み合せて使用することも任意である。本発明において、上記で例示した各種化合物は、特開平11−35633号公報に記載されているものを好適に使用することができる。
本発明では、シス−1,4−結合が高含量、1,2−ビニル結合が低含量のポリブタジエンゴムを優れた重合活性で得る観点から、上記希土類元素系触媒の中でも、特にランタン系列希土類元素化合物であるネオジム化合物を用いたネオジム系触媒の使用が推奨される。これらの希土類元素系触媒の具体例は、特開平11−35633号公報、特開平11−164912号公報及び特開2002−293996号公報に記載されているものを好適に挙げることができる。
なお、上記ランタン系列希土類元素化合物としては、原子番号57〜71の金属ハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコラート、チオアルコラート及びアミド等を挙げることができる。
上記ポリブタジエンは、特に制限されるものではないが、反発性を向上させる観点から、基材ゴム中に10質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは40質量%以上含有することが推奨される。
なお、本発明では、上記ポリブタジエン以外のゴムを本発明の効果を損なわない範囲で配合することもできる。具体例としては、上記ポリブタジエン以外のポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明では、上記の基材ゴムに対して、後述する共架橋剤、有機過酸化物、老化防止剤、不活性充填剤及び有機硫黄化合物等の添加剤を適宜配合することができる。
共架橋剤としては、例えば不飽和カルボン酸や不飽和カルボン酸の金属塩等が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、特に限定されるものではないが、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及びフマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸及びメタクリル酸を好適に使用し得る。
また、不飽和カルボン酸の金属塩としては、特に限定されるものではないが、例えば上記の不飽和カルボン酸を所望の金属イオンで中和したものが挙げられる。具体的にはメタクリル酸、アクリル酸等の亜鉛塩やマグネシウム塩等を例示することができ、特にアクリル酸亜鉛を好適に使用し得る。
上記共架橋剤の配合量は、特に制限されるものではないが、上記基材ゴム100質量部に対し、5質量部以上とすることが好ましく、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上とすることができる。また、配合量の上限は特に制限されないが、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、最も好ましくは40質量部以下とすることができる。配合量が多すぎると、硬くなりすぎて耐え難い打感になる場合があり、配合量が少なすぎると、反発性が低下してしまう場合がある。
有機過酸化物としては市販品を用いることができ、例えば、「パークミルD」、「パーヘキサC−40」、「パーヘキサ3M」(日油社製)、「Luperco 231XL」(アトケム社製)等を好適に用いることができる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記有機過酸化物の配合量は、特に制限されるものではないが、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、最も好ましくは0.7質量部以上とすることができる。また、配合量の上限は特に制限されないが、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2質量部以下とすることができる。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な打感、耐久性及び反発性を得ることができない場合がある。
老化防止剤としては市販品を用いることができ、例えば、「ノクラックNS−6」、「ノクラックNS−30」(大内新興化学工業社製)、「ヨシノックス425」(吉富製薬社製)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記老化防止剤の配合量は、0超とすることができ、好ましくは上記基材ゴム100質量部に対して0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上とすることができる。また、配合量の上限は特に制限されないが、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、最も好ましくは0.5質量部以下とすることができる。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な反発性、耐久性を得ることができない場合がある。
不活性充填剤としては、例えば酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を好適に用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記不活性充填剤の配合量は、特に制限されるものではないが、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上とすることができる。また、配合量の上限は特に制限されないが、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、最も好ましくは25質量部以下とすることができる。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると、適正な重量とならなかったり、好適な反発性を得ることができない場合がある。
更に、上記ゴム組成物には、ゴルフボールの反発性を向上させるため、有機硫黄化合物を配合することが好ましい。該有機硫黄化合物としては、ゴルフボールの反発性を向上させ得るものであれば特に制限されないが、例えば、チオフェノール類、チオナフトール類、ハロゲン化チオフェノール類又はそれらの金属塩等を好適に用いることができる。より具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタフルオロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタブロモチオフェノールの亜鉛塩、パラクロロチオフェノールの亜鉛塩、硫黄数が2〜4のジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイルポリスルフィド等を挙げることができる。本発明では、これらの中でも特にペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩やジフェニルジスルフィドを好適に用いることができる。
上記有機硫黄化合物の配合量は、特に制限されるものではないが、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上とすることができる。また、配合量の上限は特に制限されないが、上記基材ゴム100質量部に対し、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下とすることができる。配合量が少なすぎると、十分な反発性向上の効果を得ることができない場合がある。配合量が多すぎると、反発性(特に、W♯1による打撃時)の向上効果が頭打ちとなるため、それ以上の効果が期待できなくなり、更には、コアが軟らかくなりすぎたり、打感が悪くなる場合がある。
上記包囲層の比重は、特に制限されるものではないが、1.5以下とすることが好ましく、より好ましくは1.35以下、更に好ましくは1.25以下とすることができる。一方、上記比重の下限は特に制限されないが、好ましくは1.0以上とすることができ、より好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2以上とすることができる。包囲層の比重が、上記の範囲を逸脱すると良好な反発性が得られなかったり、狙いの硬さを得ることができずに、飛距離が出なくなったり、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。
上記包囲層を形成する方法としては、公知の方法を採用し得、特に制限されるものではないが、以下の方法を好適に採用し得る。まず、所定の金型に包囲層形成用材料を入れ、一次加硫(半加硫)して一対の半球殼状のハーフカップを作製する。次いで、予め作製したソリッドコアを前記で作製したハーフカップで包んだ状態で二次加硫(全加硫)を行う。即ち、加硫工程を2段階に分けた方法を好適に採用し得る。また、ソリッドコアの周囲に包囲層形成用材料を射出して成形する方法も好適に採用できる。
以下、中間層について詳述する。
中間層は上記包囲層の周囲を被覆する層である。本発明において、その厚さは特に制限されるものではないが、後述するカバーよりも厚く形成することが推奨される。より具体的には、0.5mm以上とすることが好ましく、より好ましくは0.8mm以上、更に好ましくは1.0mm以上とすることが推奨される。また、その上限値も特に制限されないが、好ましくは2.5mm以下、より好ましくは2.0mm以下、更に好ましくは1.5mm以下とすることができる。中間層の厚さが、上記範囲よりも厚くなったり、後述する外層カバーの厚さより薄くなったりした場合、ドライバー(W#1)でのフルショット時に、低スピン効果が足りずに飛距離が出なくなることがある。また、中間層の厚さが薄すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性や低温時の耐久性が悪くなることがある。
上記中間層の表面硬度は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で好ましくは60以上とすることができ、より好ましくは64以上、更に好ましくは66以上とすることができる。また、該表面硬度の上限は、ショアD硬度で好ましくは80以下とすることができ、より好ましくは76以下、更に好ましくは73以下とすることができる。一方、上記中間層の材料硬度は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で好ましくは53以上とすることができ、より好ましくは58以上、更に好ましくは60以上とすることができる。また、該材料硬度の上限は特に制限されないが、ショアD硬度で好ましくは75以下とすることができ、より好ましくは70以下、更に好ましくは67以下とすることができる。中間層の硬度が低すぎると、フルショット時にスピンがかかりすぎて飛距離が出なくなることがある。一方、上記硬度が高すぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、パターやショートアプローチ実施時の打感が硬くなりすぎることがある。
ここで、材料硬度とは、材料を所定の厚さのシート状に成形したサンプルについて測定される硬度を意味し、表面硬度とは、当該材料を成形して得た球体の表面において測定される硬度を意味する。また、ショアD硬度とは、ASTM D2240−95規格に準拠したタイプDデュロメータによって測定された硬度を意味する。以下の記載においても同様である。
上記中間層を形成する材料には、アイオノマー樹脂を使用する。上記アイオノマー樹脂としては、市販品を使用することができ、具体的には、ハイミラン1605、ハイミラン1601及びAM7318(いずれも三井デュポンポリケミカル社製)、サーリン8120(Dupont社製)等のナトリウム中和型アイオノマー樹脂やハイミラン1557、ハイミラン1706及びAM7317(いずれも三井デュポンポリケミカル社製)等の亜鉛中和型アイオノマー樹脂等を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上併用することができる。
また、これらのアイオノマー樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明では、反発性を向上させる観点から、特にZn中和型アイオノマー樹脂とNa中和型アイオノマー樹脂とを組み合わせて使用することが好ましい。この場合、Zn中和型アイオノマー樹脂及びNa中和型アイオノマー樹脂の配合比は、特に制限されるものではないが、質量比で通常25:75〜75:25、好ましくは35:65〜65:35、更に好ましくは45:55〜55:45とすることができる。この配合比が、上記の範囲から外れた場合、反発性が低くなりすぎて所望の飛び性能が得られなかったり、常温での繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなったり、更に低温(零下)での割れ耐久性が悪くなることがある。
更に、この中間層形成用の材料には、必要に応じて、種々の添加剤を配合することができ、例えば顔料、分散剤、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤等を適宜配合することができる。
上記中間層の比重は、特に制限されるものではないが、1.0未満とすることが好ましく、より好ましくは0.98以下、更に好ましくは0.96以下とすることができる。一方、上記比重の下限は、好ましくは0.90以上とすることができ、より好ましくは0.94以上とすることができる。中間層の比重が、上記の範囲を逸脱すると反発性が低くなり、飛距離が出なくなったり、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。
上記中間層を形成する方法は、特に制限されるものではないが、公知の方法を採用し得、例えば、上記包囲層の周囲に中間層形成用材料を射出して成形する方法や、予め中間層形成用材料で一対の半球殼状のハーフカップを作製し、これらハーフカップで中間製品(ここでは、上記ソリッドコアの周囲に包囲層が形成された球体)を包み、140〜180℃で2〜10分間加圧加熱成形する方法等を採用することができる。
次に、カバーについて説明する。なお、本発明に言うカバーとは、ボールの最外層を意味し、上記の中間層及び包囲層は除かれる。
上記カバーの表面硬度(即ち、ボールの表面硬度)は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で好ましくは45以上とすることができ、より好ましくは50以上、更に好ましくは55以上とすることができる。また、該表面硬度の上限は、ショアD硬度で好ましくは70以下とすることができ、より好ましくは65以下、更に好ましくは60以下とすることができる。一方、上記カバーの材料硬度は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で好ましくは30以上とすることができ、より好ましくは40以上、更に好ましくは43以上とすることができる。また、該材料硬度の上限は特に制限されないが、ショアD硬度で好ましくは60以下とすることができ、より好ましくは50以下、更に好ましくは47以下とすることができる。カバーの硬度が低すぎると、フルショット時にスピンがかかりすぎて飛距離が出なくなることがある。一方、上記硬度が高すぎると、アプローチショットでスピンがかからずにプロゴルファーや上級のアマチュアゴルファーでもコントロール性が不足することがある。
カバーの厚さは、特に制限されるものではないが、0.3mm以上とすることが好ましく、より好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは0.7mm以上とすることが推奨される。また、その上限値も特に制限されないが、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1.2mm以下、更に好ましくは1.0mm以下とすることができる。カバーの厚さが上記の範囲よりも厚すぎると、ドライバー(W#1)打撃時に反発性が足りなくなったり、スピン量が多くなったりし、その結果として飛距離が伸びなくなる場合がある。逆に、カバーの厚さが上記の範囲よりも薄すぎると、耐擦過傷性が悪くなったり、プロゴルファーや上級のアマチュアゴルファーでもコントロール性が不足する場合がある。
上記カバーは、コントロール性と耐擦過傷性の観点から、ウレタンを主材とする樹脂組成物を用いて形成される。本発明では、その中でも特に、量産性の観点から、熱可塑性ポリウレタンを好適に使用することができる。より具体的には、後述する(A)熱可塑性ポリウレタン及び(B)イソシアネート化合物を含有する樹脂組成物を好適に採用することできる。
本発明の効果を十分有効に発揮させるためには、必要十分量の未反応のイソシアネート基がカバー樹脂材料中に存在すればよく、具体的には、上記の(A)成分と(B)成分とを合わせた合計質量が、カバー層全体の質量の60%以上であることが推奨され、より好ましくは70%以上である。上記(A)成分及び(B)成分については以下に詳述する。
上記(A)熱可塑性ポリウレタンの構造は、長鎖ポリオールである高分子ポリオール(ポリメリックグリコール)からなるソフトセグメントと、鎖延長剤及びイソシアネート化合物からなるハードセグメントとを含む。ここで、原料となる長鎖ポリオールとしては、従来から熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものはいずれも使用でき、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、共役ジエン重合体系ポリオール、ひまし油系ポリオール、シリコーン系ポリオール、ビニル重合体系ポリオールなどを挙げることができる。これらの長鎖ポリオールは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明では、これらのうちでも、反発弾性率が高く低温特性に優れた熱可塑性ポリウレタンを合成できる点で、ポリエーテルポリオールが好ましい。
上記のポリエーテルポリオールとしては、例えば、環状エーテルを開環重合して得られるポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)などを挙げることができる。これらのポリエーテルポリオールは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明では、これらのうちでも、ポリ(テトラメチレングリコール)及びポリ(メチルテトラメチレングリコール)を好適に使用することができる。
これらの長鎖ポリオールの数平均分子量は、特に制限されるものではないが、1,500〜5,000の範囲内であることが好ましい。かかる数平均分子量を有する長鎖ポリオールを使用することにより、上記した反発性や生産性などの種々の特性に優れた熱可塑性ポリウレタン組成物からなるゴルフボールを確実に得ることができる。長鎖ポリオールの数平均分子量は、1,700〜4,000の範囲内であることがより好ましく、1,900〜3,000の範囲内であることが更に好ましい。
なお、上記の長鎖ポリオールの数平均分子量とは、JIS K 1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
鎖延長剤としては、従来の熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、特に制限されるものではない。本発明では、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量400以下の低分子化合物を用いることができ、その中でも炭素数2〜12の脂肪族ジオールを好適に用いることができる。具体的には、1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等を挙げることができ、その中でも特に1,4−ブチレングリコールを好適に使用することができる。
イソシアネート化合物としては、従来の熱可塑性ポリウレタンに関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、特に制限はない。具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートからなる群から選択された1種又は2種以上を用いることができる。ただし、イソシアネート種によっては射出成形中の架橋反応をコントロールすることが困難なものがある。本発明においては生産時の安定性と発現される物性とのバランスとの観点から、芳香族ジイソシアネートである4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが最も好ましい。
上記(A)成分の熱可塑性ポリウレタンとして最も好ましいものは、長鎖ポリオールとしてポリエーテルポリオール、鎖延長剤として脂肪族ジオール、イソシアネート化合物として芳香族ジイソシアネートを用いて合成される熱可塑性ポリウレタンであって、上記ポリエーテルポリオールが数平均分子量1,900以上のポリテトラメチレングリコール、上記鎖延長剤が1,4−ブチレングリコール、上記芳香族ジイソシアネートが4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのものであるが、特にこれらに限られるものではない。
また、上記ポリウレタン形成反応における活性水素原子:イソシアネート基の配合比は、上記した反発性、スピン性能、耐擦過傷性及び生産性などの種々の特性がより優れた熱可塑性ポリウレタン組成物からなるゴルフボールを得ることができるよう、好ましい範囲にて調整することができる。具体的には、上記の長鎖ポリオール、イソシアネート化合物及び鎖延長剤を反応させて熱可塑性ポリウレタンを製造するに当たり、長鎖ポリオールと鎖延長剤とが有する活性水素原子1モルに対して、イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が0.95〜1.05モルとなる割合で各成分を使用することが好ましい。
上記(A)成分の製造方法は特に限定されず、長鎖ポリオール、鎖延長剤及びイソシアネート化合物を使用して、公知のウレタン化反応を利用して、プレポリマー法、ワンショット法のいずれで製造してもよい。そのうちでも、実質的に溶剤の不存在下に溶融重合することが好ましく、特に多軸スクリュー型押出機を用いて連続溶融重合により製造することが好ましい。
上記(A)成分は、市販品を用いることもでき、例えば、パンデックスT−8295、パンデックスT−8290、パンデックスT−8283、パンデックスT−8260(いずれもディーアイシーバイエルポリマー社製)等を挙げることができる。
次に、上記(B)成分のイソシアネート化合物は、2個以上のイソシアネート基を有することが必要である。なお、本発明では、本発明の効果を十分有効に発揮させるために必要十分量の未反応のイソシアネート基がカバー樹脂材料中に存在すればよく、化合物中のイソシアネート基がすべて未反応状態であるもの、一部又全部が反応済みであるものが併存してもよい。
このイソシアネート化合物としては、特に制限はないが、各種のイソシアネートを採用することができ、具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートからなる群から選択された1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、上記のイソシアネートの群のうち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートを採用することが、(A)成分の熱可塑性ポリウレタンとの反応に伴う粘度上昇等による成形性への影響と、得られるゴルフボールカバー材料の物性とのバランスとの観点から好適である。
本発明において、必須成分ではないが、上記(A)成分及び(B)成分に、(C)成分として、上記熱可塑性ポリウレタン以外の熱可塑性エラストマーを配合することができる。この(C)成分を上記樹脂配合物に配合することにより、樹脂配合物の更なる流動性の向上や反発性、耐擦過傷性等、ゴルフボールカバー材料として要求される諸物性を高めることができる。
上記(A)〜(C)成分の配合比は、特に制限されるものではないが、本発明の効果を十分に有効に発揮させるためには、質量比で(A):(B):(C)=(100):(2〜50):(0〜50)とすることが好ましい。
本発明では、上記の(A)成分と(B)成分、更に必要に応じて(C)成分を混合して樹脂配合物を調製するが、その際、ポリイソシアネート化合物のうち、少なくとも一部に、全てのイソシアネート基が未反応状態で残存するポリイソシアネート化合物が存在するような条件を選択することが好ましい。例えば、窒素等の不活性ガスによるパージや真空処理等の処置を講ずることが好ましい。この樹脂配合物は、その後に金型内に配置された中間製品(ここでは、上記ソリッドコアの周囲に包囲層及び中間層が形成された球体)の周囲に射出成形されることになるが、その取り扱いを円滑かつ容易にするために、長さ1〜10mm、直径0.5〜5mmのペレット状に形成することが好ましい。この樹脂ペレット中には、未反応状態のイソシアネート基が残存しており、上記中間製品の周囲に射出成形している間やその後のアニーリング等の後処理により、未反応イソシアネート基は(A)成分や(C)成分と反応して架橋物を形成する。
なお、上述した樹脂組成物、即ち、カバー形成用材料には、必要に応じて、顔料、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、離型剤、可塑剤、無機充填剤(酸化亜鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン等)等の各種添加剤を配合することができる。
上記カバー形成用材料の210℃におけるメルトフローレート(MFR)は、特に制限はないが、流動性及び生産性を高める点から、5g/10min以上であることが好ましく、より好ましくは20g/10min以上、更に好ましくは50g/10min以上である。該材料のメルトフローレートの数値が小さいと流動性が低下してしまい、射出成形時に偏芯の原因となるだけでなく、カバー厚みの設計自由度が低くなるおそれがある。なお、上記のメルトフローレートの測定値は、JIS K 7210−1999に準拠した測定値である。
上記カバーを成形する方法としては、例えば、射出成形機に上記のカバー形成用材料を供給し、上記中間層の周囲に溶融した材料を射出する方法を採用することができる。この場合、成形温度は熱可塑性ポリウレタン等の種類によって異なるが、通常150〜250℃の範囲である。
なお、特に制限されるものではないが、射出成形を行う場合、樹脂供給部から金型内に至る経路の一部又は全部に、窒素等の不活性ガスや低露点ドライエア等の低湿度ガスによるパージ、又は真空処理等の処置を施して、該経路内を低湿度環境とすることが望ましい。また、特に制限されるものではないが、上記の窒素等の不活性ガスや低露点ドライエア等の低湿度ガスは、樹脂搬送用の圧送媒体としても好適に使用することができる。カバーの成形を低湿度環境下で行うことにより、樹脂配合物が金型内部に充填されるまでの間におけるイソシアネート基の反応の進行を可及的に抑制し得、これにより樹脂配合物の粘度が安定して成形性が向上すると共に、実質的な架橋効率を向上させることができる。
上記のようにカバーを形成することにより、飛距離増大効果に加えて、アプローチでのスピン性能も向上し、コントロール性と飛距離の両立を図ることができる。
また、上記カバーを形成する際、特に制限されるものではないが、上記中間層との密着性を高めるために上記中間層(即ち、中間層形成後の球体)の表面に対して予め研磨処理を施すことが好適である。更には、研磨処理後の中間層表面にプライマー(接着剤)を塗布する、もしくはカバー形成用材料中に密着強化剤を添加しておくことが好ましい。該材料中に配合する密着強化剤としては、1,3−ブタンジオール、トリメチロールプロパンなどの有機化合物やポリエチレングリコール、ポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマーなどのオリゴマーが挙げられる。特にトリメチロールプロパンやポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマーが好適に用いられる。これらの市販品として、例えば、三菱ガス化学社製トリメチロールプロパンや、三菱化学社製ポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマー(主鎖の炭素数が150〜200、末端に水酸基を有する。商品名ポリテールH)等を挙げることができる。
ここまでソリッドコア、包囲層、中間層及びカバーの各層の詳細について個別に説明したが、以下、これら各層の関係について説明する。
上記包囲層、中間層及びカバーの比重は、
包囲層比重 > 中間層比重 < カバー比重
の関係を満足する必要がある。上記各層の比重がこの関係を満足することにより、良好な反発性を確保することができる。中間層の比重が高すぎると反発性が大きく低下することがある。
また、特に制限されるものではないが、良好な反発性を確保する観点からコアの比重を包囲層の比重よりも小さくなるように設定することが好ましい。この場合、コアと包囲層の比重差(包囲層比重−コア比重)は0.2以内、好ましくは0.15以内、更に好ましくは0.1以内とすることができる。
上記コア、包囲層、中間層及びカバーの表面硬度(ショアD硬度)は、
コア表面硬度 < 包囲層表面硬度 < 中間層表面硬度 > カバー表面硬度
の関係を満足する必要がある。本発明では、中間層の表面硬度を高くすることによってフルショット時のスピンが抑制され、コアの表面硬度を上記中間層よりも低くすることで、フルショット時に硬すぎない良好な打感が得られると共に、包囲層の表面硬度を、上記中間層とソリッドコアの中間的な硬度とすることで、良好な反発性と適度な打感が付与される。そして、カバー(ボール)の表面硬度を上記中間層の表面硬度よりも軟らかくすることで、ショートゲームでの高いコントロール性能が付与される。
更には、上記各層の表面硬度は、以下の関係を満足することが好適である。
包囲層の表面硬度及びコアの表面硬度の差(即ち、包囲層表面硬度−コア表面硬度の値)は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で好ましくは1以上とすることができ、より好ましくは10以上、更に好ましくは20以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、ショアD硬度で好ましくは40以下とすることができ、より好ましくは35以下、更に好ましくは30以下とすることができる。上記の硬度差が大きすぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。一方、硬度差が小さすぎる、特に、上記包囲層の表面硬度が、上記ソリッドコアの表面硬度より低くなると、フルショット時においてスピン量が多くなりすぎて飛距離が出なくなることがある。
中間層の表面硬度及び包囲層の表面硬度の差(即ち、中間層表面硬度−包囲層表面硬度の値)は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で好ましくは5以上とすることができ、より好ましくは7以上、更に好ましくは9以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、ショアD硬度で好ましくは25以下とすることができ、より好ましくは20以下、更に好ましくは12以下とすることができる。上記の硬度差が大きすぎると、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。一方、硬度差が小さすぎると、フルショット時のスピン量が多くなりすぎ、飛距離が出なくなることがある。
カバー(ボール)の表面硬度及び中間層の表面硬度の差(即ち、カバー表面硬度−中間層表面硬度の値)は、特に制限されるものではないが、ショアD硬度で好ましくは−25以上とすることができ、より好ましくは−20以上、更に好ましくは−15以上とすることができる。また、その上限も特に制限されないが、ショアD硬度で好ましくは−1以下とすることができ、より好ましくは−5以下、更に好ましくは−10以下とすることができる。上記の硬度差が大きすぎる(上記の値が負の方向に大きすぎる)と、繰り返し打撃時の割れ耐久性が悪くなることがある。一方、硬度差が小さすぎると、ショートゲームにおいてスピン量が少なすぎることがある。
本発明のゴルフボールにおいては、更に空力特性を高めて飛距離を増大させるために、通常のゴルフボールと同様にカバーの表面に多数のディンプルを形成することができる。この場合、ボール表面に形成されるディンプルの個数については、特に制限はないが、好ましくは280個以上、より好ましくは300個以上、更に好ましくは320個以上である。また、その上限は特に制限されないが、好ましくは360個以下、より好ましくは350個以下、更に好ましくは340個以下とすることができる。ディンプルの個数が上記範囲より多くなると、ボールの弾道が低くなり飛距離が出なくなることがある。一方、ディンプルの個数が上記範囲より少なくなると、ボールの弾道が高くなり飛距離が伸びなくなる場合がある。
一方、ディンプルの幾何学的配列としては、8面体、20面体等が採用でき、更に、ディンプルの形状は、円形のほか、スクウェア型、ヘキサゴン型、ペンタゴン型、トライアングル型等の各種多角形、デュードロップ形、楕円形等の中から1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。ディンプルの直径(多角形においては対角長)は、特に制限されるものではないが、2.5〜6.5mmとすることが好ましい。また、ディンプルの深さについても、特に制限されるものではないが、0.08〜0.30mmとすることが好ましい。
また、ディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値V0は、特に制限されるものではないが、本発明においては0.35〜0.80とすることができる。
ディンプルの縁に囲まれた平面で定義されるディンプル面積の合計が、ボール表面にディンプルが存在しないと仮定した仮想球の表面積に占める比率SRは、特に制限されるものではないが、空気抵抗を低減する観点から60〜90%とすることが好ましい。なお、このSRは、形成するディンプルの個数を増やすほか、直径の異なる複数種のディンプルを混在させたり、隣接ディンプル間距離(土手幅)が実質的に0になるような形状とすることにより高めることができる。
ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル空間体積の合計が、ボール表面にディンプルが存在しないと仮定した仮想球の体積に占める比率VRは、特に制限されるものではないが、本発明においては0.6〜1%とすることができる。
本発明においては、上記のV0、SR及びVRを上記範囲とすることにより、空気抵抗を低減すると共に、良好な飛距離が得られる弾道になりやすく、飛び性能を向上させることができる。
上述した各層を形成して得られるゴルフボールの直径は、ゴルフボールの規格に対応するべく、42.67mm以上であることが好ましい。また、その上限値は、特に制限されるものではないが、44mm以下とすることが好ましく、より好ましくは43.8mm以下、更に好ましくは43.5mm以下、最も好ましくは43mm以下とすることができる。一方、その重量も、特に制限されるものではないが、同様の理由により45.0〜45.93gの範囲とすることが好適である。
なお、本発明では、ゴルフボールのデザイン性や耐久性を向上させるために、上記のカバー表面に下地処理、スタンプ、塗装等の種々の処理を行うことは任意である。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1,2〕
まず、ハイトレル3046(東レ・デュポン社製)をコア成形用金型内に射出してソリッドコアを作製した。
次に、表1に示した配合のゴム組成物を、混練ロールを用いて調製した後、35℃、3分間で一次加硫(半加硫)して一対の半球殼状のハーフカップを作製した。次いで、得られたハーフカップで上記のソリッドコアを包み、金型内で155℃、14分間の条件にて二次加硫(全加硫)して包囲層を形成した。
Figure 0006375707
表1に記載した材料の詳細は下記の通りである。
ポリブタジエンゴム:JSR社製「BR730」、Nd系触媒を用いて得られたポリブタジエンゴム、シス−1,4−結合含有量96質量%、ムーニー粘度「55」、分子量分布「3」
アクリル酸亜鉛:日本蒸留工業社製
有機過酸化物:日油社製「パーヘキサC−40」、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンを無機充填剤で40%に希釈、155℃の半減期が約50sec
老化防止剤:大内新興化学工業社製「ノクラック200」、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
酸化亜鉛:堺化学工業社製
硫酸バリウム:堺化学工業株式会社「沈降性硫酸バリウム100」
更に、上記で形成した包囲層の周囲に、表2に示した配合の樹脂材料(No.1)を用いて射出成形法により中間層を形成した。そして、表2のNo.2に示した各原料(単位:質量部)を二軸スクリュー型押出機により窒素ガス雰囲気下で混練りし、カバー形成用の樹脂材料を得た。この樹脂材料は、長さ3mm、直径1〜2mmのペレット状であった。上記で形成した中間層の周囲に、上記ペレット状の樹脂材料(No.2)を用いて射出成形法によりカバーを形成し、ソリッドコアに包囲層、中間層及びカバーを被覆した4層構造のマルチピースソリッドゴルフボールを得た。この際、全ての実施例のボールのカバー表面には、図2に示した態様のディンプルが形成された。このディンプルの詳細については表3に示した。また、作製したボールの詳細については表4に示した。
Figure 0006375707
表2に記載した材料の詳細は下記の通りである。
ハイミラン1605、1706、1557:三井デュポンポリケミカル社製のアイオノマー樹脂
パンデックスT−8290、T−8283:DIC Bayer Polymer社製のMDI−PTMGタイプ熱可塑性ポリウレタン
酸化チタン:石原産業社製「タイペークR680」
ポリエチレンワックス:三洋化成社製「サンワックス161P」
イソシアネート化合物:4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート
Figure 0006375707
ディンプルの定義
直径:ディンプルの縁に囲まれた平面の直径
深さ:ディンプルの縁に囲まれた平面からのディンプルの最大深さ
0 :ディンプルの縁に囲まれた平面下のディンプルの空間体積を、前記平面を底面とし、かつこの底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値
SR:ディンプルの縁に囲まれた平面で定義されるディンプル面積の合計が、ボール表面にディンプルが存在しないと仮定した仮想球の表面積に占める比率
VR:ディンプルの縁に囲まれた平面から下方に形成されるディンプル空間体積の合計が、ボール表面にディンプルが存在しないと仮定した仮想球の体積に占める比率
得られたゴルフボールについて、下記の物性を調べた。また、下記方法で飛び試験を行い、打感も評価した。その結果を表4に示す。
(1)コアのたわみ量(mm)
コアを硬板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)に負荷したときまでのたわみ量を計測した。
上記のたわみ量は、いずれも23℃に温調した後の測定値である。
(2)コアの中心硬度(ショアD硬度)
コアを半分に(中心を通るように)切断して得た断面の中心にASTM D2240−95規格に準拠したタイプDデュロメータの針を垂直に押し当てて測定した。
上記の硬度は、いずれも23℃に温調した後の測定値である。また、表4には当該中心硬度のJIS−C硬度(JIS K 6301準拠)換算値も併記した。
(3)コア、包囲層、中間層及びカバーの表面硬度(ショアD硬度)
測定対象となる層が形成された段階の中間製品又はボールの表面に対してASTM D2240−95規格に準拠したタイプDデュロメータの針を垂直になるように押し当てて測定した。なお、ボール(カバー)の表面硬度は、ボール表面においてディンプルが形成されない陸部における測定値である。
上記の硬度は、いずれも23℃に温調した後の測定値である。また、表4には当該表面硬度のJIS−C硬度(JIS K 6301準拠)換算値も併記した。
(4)中間層の材料硬度(ショアD硬度)
中間層形成用材料を厚さ2mmのシート状に成形し、23℃で2週間保存後、厚さ6mm以上になるように重ねて、ASTM D2240−95規格に準拠したタイプDデュロメータを用いて測定した。また、表4には当該材料硬度のJIS−C硬度(JIS K 6301準拠)換算値も併記した。
(5)カバーの材料硬度(ショアD硬度)
カバー形成用材料を射出成形して得た厚さ2mmのシートに対して100℃×8時間の条件でアニール処理を施し、更に1週間室温に放置した後にASTM D2240−95規格に準拠したタイプDデュロメータを用いて測定した。また、表4には当該材料硬度のJIS−C硬度(JIS K 6301準拠)換算値も併記した。
(6)飛び性能
ゴルフ打撃ロボットにドライバー(W#1)を取り付けて、ヘッドスピード(HS)45m/sで打撃した時のスピン量、キャリー及びトータル飛距離を測定した。クラブはブリヂストンスポーツ社製「TourStage X−Drive 705 TYPE415(2011モデル)」(ロフト9.5°)を使用した。
(7)アプローチスピン量
ゴルフ打撃ロボットにサンドウェッジ(SW)を取り付けて、ヘッドスピード(HS)20m/sで打撃した時のスピン量を測定した。クラブはブリヂストン社製「TourStage X−WEDGE」(ロフト56°)を使用した。
Figure 0006375707
1 コア
2 包囲層
3 中間層
4 カバー
G ゴルフボール
D ディンプル

Claims (13)

  1. コアと、該コアを被覆する包囲層と、該包囲層を被覆する中間層と、該中間層を被覆し、表面に多数のディンプルが形成されたカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、
    上記コアがポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、オレフィン系、スチレン系よりなる群から選択される1種又は2種以上の熱可塑性エラストマーを主材として形成され、その直径が10〜30mm、比重が1.0を超え1.3未満であり、かつ初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)まで負荷したときのたわみ量が3.6〜10mmであり、
    上記包囲層がゴム材を主材とするゴム組成物で形成され、その厚さが3〜10mmであり、
    上記中間層がアイオノマーを主材とする樹脂組成物で形成され、
    上記カバーがウレタンを主材とする樹脂組成物で形成されると共に、上記コアと上記包囲層との比重差(包囲層比重−コア比重)が0〜0.2であり、上記包囲層、中間層及びカバーの比重が、
    包囲層比重 > 中間層比重 < カバー比重
    の関係を満足し、上記コア、包囲層、中間層及びカバーの表面硬度(ショアD硬度)が、
    コア表面硬度 < 包囲層表面硬度 < 中間層表面硬度 > カバー表面硬度
    の関係を満足することとするマルチピースソリッドゴルフボール。
  2. 上記コアがポリエーテルエステルエラストマーを主材として形成される請求項1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  3. 上記コアの直径が20〜30mmである請求項1又は2記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  4. 上記コアの直径が22〜28mmである請求項3記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  5. 上記包囲層の厚さが4〜8mmである請求項1〜4のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  6. 上記コア、包囲層、中間層及びカバーの表面硬度(ショアD硬度)が、
    1 ≦ 包囲層表面硬度−コア表面硬度 ≦ 40
    5 ≦ 中間層表面硬度−包囲層表面硬度 ≦ 25
    −25 ≦ ボール表面硬度−中間層表面硬度 ≦ −1
    の関係を満足する請求項1〜5のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  7. 上記中間層の比重が1.0未満である請求項1〜6のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  8. 上記包囲層の比重が1.1〜1.5である請求項1〜7のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
  9. コアと、該コアを被覆する包囲層と、該包囲層を被覆する中間層と、該中間層を被覆し、表面に多数のディンプルが形成されたカバーとを備えたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、
    上記コアがポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、オレフィン系、スチレン系よりなる群から選択される1種又は2種以上の熱可塑性エラストマーを主材として形成され、その直径が10〜30mm、比重が1.0を超え1.3未満であり、かつ初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)まで負荷したときのたわみ量が3.6〜10mmであり、
    上記包囲層がゴム材を主材とするゴム組成物で形成され、その厚さが3〜10mmであり、
    上記中間層がアイオノマーを主材とする樹脂組成物で形成され、
    上記カバーがウレタンを主材とする樹脂組成物で形成されると共に、
    上記包囲層、中間層及びカバーの比重が、
    包囲層比重 > 中間層比重 < カバー比重
    の関係を満足し、上記コア、包囲層、中間層及びカバーの表面硬度(ショアD硬度)が、
    コア表面硬度 < 包囲層表面硬度 < 中間層表面硬度 > カバー表面硬度
    の関係を満足し、且つ、
    20 ≦ 包囲層表面硬度−コア表面硬度 ≦ 40
    −25 ≦ カバー表面硬度−中間層表面硬度 ≦ −10
    の関係を満足することとするマルチピースソリッドゴルフボール。
  10. 上記コアがポリエーテルエステルエラストマーを主材として形成される請求項9記載のマルチピースソリッドゴルフボール
  11. 上記コアの直径が20〜30mmである請求項9又は10記載のマルチピースソリッドゴルフボール
  12. 上記包囲層の厚さが4〜8mmである請求項9〜11のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール
  13. 上記コアと上記包囲層との比重差(包囲層比重−コア比重)が0〜0.2である請求項9〜12のいずれか1項記載のマルチピースソリッドゴルフボール。
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