JP6464651B2 - ゴルフボール - Google Patents
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Description
1.コアと、少なくとも1層のカバーとを具備するゴルフボールであって、上記コアの断面硬度において、コアの半径をR(mm),コア中心のJIS−C硬度をA,コア中心からR/3mm離れた位置のJIS−C硬度をB,コア中心からR/1.8mm離れた位置のJIS−C硬度をC,コア中心からR/1.3mm離れた位置のJIS−C硬度をDとすると共に、コア表面のJIS−C硬度をEとする場合、下記の(1)〜(4)の数式
(1)D−C≧7
(2)C−B≦7
(3)(D−C)−(C−B)≧7
(4)E−A≧16
を満足すると共に、トルエン膨潤試験に基づいて計測される架橋密度であって、コア表面の架橋密度とコア中心の架橋密度の差が9×102〜30.0×102mol/m3であることを特徴とするゴルフボール。
2.ボールに対して、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重5,880N(600kgf)を負荷したときまでのたわみ量が7mm〜10mmである上記1記載のゴルフボール。
3.上記カバーが、最外層と、該最外層と上記コアとの間に介在される中間層とを含むものであり、上記コアを上記中間層で被覆した球体の表面におけるJIS−C硬度が90以上である上記1又は2記載のゴルフボール。
4.上記カバーの最外層の基材樹脂がポリウレタン材料からなり、該ポリウレタン材料の硬度がショアDで40〜60である上記1、2又は3記載のゴルフボール。
5.コアの直径が32mm〜41mmである上記1〜4のいずれかに記載のゴルフボール。
6.コアが単層からなる上記1〜5のいずれかに記載のゴルフボール。
7.測定温度−12℃、周波数15Hzの条件でコア中心部の損失正接を測定したとき、動歪み1%での損失正接をtanδ1、動歪み10%での損失正接をtanδ10としたとき、これらのtanδの傾き:[(tanδ10−tanδ1)/(10%−1%)]の値が0.002以下である上記1〜6のいずれかに記載のゴルフボール。
8.上記コア中心のJIS−C硬度が59〜70である上記1〜7のいずれかに記載のゴルフボール。
9.上記コア表面のJIS−C硬度が84〜100である上記1〜8のいずれかに記載のゴルフボール。
10.上記コアと上記中間層との間に包囲層を設ける上記3記載のゴルフボール。
11.上記包囲層の材料硬度がショアD硬度で40〜61である上記10記載のゴルフボール。
12.上記最外層の材料硬度がショアD硬度で34〜47である上記3又は4記載のゴルフボール。
13.上記コアは、基材ゴム、有機過酸化物及び水を含むゴム組成物により形成される上記1〜12のいずれかに記載のゴルフボール。
14.上記ゴム組成物において、水の配合量が基材ゴム100質量部に対して0.1〜5質量部である上記13記載のゴルフボール。
本発明のゴルフボールは、コアと、少なくとも1層のカバーとを具備する構造を有する。上述したように、コアは単層のほか、2層以上の複数層に形成することができるが、本発明においては、コアは単層であることが好ましい。また、本発明において、上記の「カバー」とは、コアよりも外側に形成される層の総称を意味し、少なくとも1層からなる。即ち、カバーが複数層からなる場合には、カバーの最外層のほか、最外層とコアとの間に介在される中間層が含まれるものであり、従って、内側から順に、中間層、最外層からなる2層のカバーとすることができる。更に、コアと中間層との間に包囲層を設けることができ、この場合は、内側から順に、包囲層、中間層、最外層からなる3層のカバーとすることができる。なお、通常、カバーの最外層の外表面には多数のディンプルが形成される。
(1)D−C≧7
(2)C−B≦7
(3)(D−C)−(C−B)≧7
(4)E−A≧16
を満足することを要する。上記(1)〜(4)のようにコアの断面硬度を調整すること、概念的には、コア中心から所定度離れた位置までの断面硬度が比較的軟らかく、かつ大きな硬度変動は無いが、それ以降のコア表面までの断面硬度が急勾配に増加する硬度分布に仕上げることにより、ドライバー、ミドルアイアンのフルショットでのコアの過度な変形を抑制し、コアの変形を最適化し、初速のロス及びスピンの増加を抑制することができる。その結果、プロや上級者が使用するドライバーの飛距離、I#6等のミドルアイアンの飛距離を満足させることができ、また、繰り返し打撃時の割れ耐久性を改善させることができる。
本発明においては、コア中心の架橋密度が、好ましくは6.0×102mol/m3以上、より好ましくは7.0×102mol/m3以上、更に好ましくは8.0×102mol/m3以上であり、上限値としては、好ましくは15.0×102mol/m3以下、より好ましくは14.0×102mol/m3以下、更に好ましくは13.0×102mol/m3以下である。一方、コア表面の架橋密度については、好ましくは13.0×102mol/m3以上、更に好ましくは14.0×102mol/m3以上、15.0×102mol/m3以上であり、上限値としては、好ましくは30.0×102mol/m3以下、より好ましくは28.0×102mol/m3以下、更に好ましくは26.0×102mol/m3以下である。なお、コア中心とコア表面との架橋密度の差[(コア表面の架橋密度)−(コア中心の架橋密度)の値]が、好ましくは9.0×102mol/m3以上であり、上限値としては、好ましくは30.0×102mol/m3以下である。上記のコア中心又はコア表面の架橋密度が上記範囲を逸脱すると、加硫時にゴム組成物中の水が有機過酸化物の分解に十分に寄与していない可能性があり、その結果、ボールの十分な低スピン効果を得られない場合がある。
コアをその幾何学的中心を通るように厚さ2mmの円状平板に切り出す。そして、上記の円状平板において、コア中心及びコア表面に相当する各部位から内側に4mm以内となる測定箇所を打ち抜き器でφ3mmに打ち抜いてサンプルとし、小数点2桁の単位(mg)で測定可能な電子天秤でサンプル重量を測定する。10mlのバイアル瓶に上記サンプルとトルエン8mlを加え、栓をして密閉のうえ、72時間以上静置し、その後、溶液を廃棄し、浸漬後のサンプル重量を測定する。膨潤前後のサンプル重量からFlory-Rehnerの式を用いて、ゴム組成物の架橋密度を計算する。
ν=−(ln(1−vr)+vr+χvr 2)/VS(vr 1/3−vr/2)
[ν:架橋密度、vr:膨潤中のゴム容積分率、χ:相互作用定数、VS:トルエンのモル容積]
vr=VBR/(VBR+VT)
VBR=(wf−wfvf)/ρ
VT=(ws−wf)/ρT
[VBR:ゴム組成物中のBRの体積、VT:膨潤したトルエンの体積、vf:ゴム組成物中の充填剤の重量分率、ρ:ゴム組成物の密度、wf:浸漬前のサンプル重量、ws:浸漬後のサンプル重量、ρT:トルエンの密度]
なお、Vsは0.1063×10-3m3/mol、ρTは0.8669、χは文献(Macromolecules 2007, 40, 3669-3675)をもとに0.47にて計算を行う。
一般的には、ゴム材料の粘弾性は、ゴム製品の性能に大きな影響を与えることが知られており、また、損失正接tanδが貯蔵するエネルギーに対する損失するエネルギーの比を表すものであり、tanδが小さいほどゴムは弾性成分の寄与が大きく、tanδが大きいほど粘性成分の寄与が大きくなることが知られている。本発明において、コア中心における加硫ゴムの動的粘弾性試験において、測定温度−12℃、周波数15Hzの条件で、動歪み1%での損失正接をtanδ1、動歪み10%での損失正接をtanδ10としたとき、これらのtanδの傾き:[(tanδ10−tanδ1)/(10%−1%)]の値が0.003以下であることが好ましく、より好ましくは0.002以下である。上記tanδの値が大きくなると、コアのエネルギーロスが大きくなりすぎてしまい、十分な反発性及び低スピン効果を得ることが難しくなることがある。コアの動的粘弾性特性の計測には種々の方法を採用することができる。例えば、カバーを被覆したコアをその幾何学的中心を通るように厚さ2mmの円状平板に切り出し、これをサンプルとし、更に測定箇所を打ち抜き器でφ3mmに打ち抜く。そして、動的粘弾性装置(例えば、GABO社、製品名「EPLEXOR500N」)を使用し、圧縮試験用ホルダーを用いて、初期歪35%、測定温度−12℃、周波数15Hzの条件により、動歪み0.01〜10%歪時のtanδを測定し、その測定結果に基づいて傾きを求めることができる。
下記表1に示すように実施例及び比較例の各例におけるゴム配合によりコア組成物を調製した後、表中の加硫条件により加硫成形することによりコアを作成した。なお、比較例5のコアについては、加硫成形後のコアをアクリル酸含浸液に含浸させて硬度分布の変化を図ったものである。
・ポリブタジエンA…JSR社製の商品名「BR730」
・ポリブタジエンB…JSR社製の商品名「BR51」
・ポリブタジエンC…JSR社製の商品名「BR01」
・ポリイソプレンゴム…JSR社製の商品名「IR2200」
・過酸化物(1)…ジクミルパーオキサイド、日油社製の商品名「パークミルD」
・過酸化物(2)…1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンとシリカの混合物、日油社製の商品名「パーヘキサC−40」
・老化防止剤…2,2−メチレンビス(4−メチル−6−ブチルフェノール)、大内新興化学工業社製の商品名「ノクラックNS−6」
・ステアリン酸亜鉛…日油社製の商品名「ジンクステアレートG」
・硫黄…鶴見化学工業社製の商品名「サルファックス−5」
・蒸留水…和光純薬工業社製
・HPF1000:Dupont社製アイオノマー
・ハイミラン:三井デュポンポリケミカル社製のアイオノマー
・ニュクレル:三井デュポンポリケミカル社製
・酸化マグネシウム:協和化学工業社製「キョーワマグMF150」
・T8925、T8290、T8283:DIC Bayer Polymer社製の商標「パンデックス」、MDI−PTMGタイプ熱可塑性ポリウレタン
・ポリエチレンワックス:「サンワックス161P」(三洋化成社製)
・イソシアネート化合物:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
ゴルフボールを、23±1℃の温度で、500mm/minの速度で圧縮し、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重5,880N(600kgf)に負荷した時までの、ゴルフボールのたわみ量(mm)を計測した。
コアを半球状にカットして断面を平面にして中心部分に硬度計の針を垂直に押し当てて測定した。JIS−C(JIS K6301−1975規格、以下同様に定義)の硬度の値で示される。
球状のコアの表面部分に垂直になるように硬度計をセットしてJIS−C硬度規格に基づいて硬度を計測した。JIS−C硬度の値で示される。
コアをファインカッターにてカットし、コアの半径をR(mm)として、コア中心からR/3mm離れた位置のJIS−C硬度をB,コア中心からR/1.8mm離れた位置のJIS−C硬度をC,コア中心からR/1.3mm離れた位置のJIS−C硬度をDとし、これらの各部分のJIS−C硬度値を計測した。そして、各実施例及び比較例のコア断面硬度分布を図3〜12のグラフに示した。
段落[0046]の記載に従ってコアの架橋密度を計算した。
段落[0048]の記載に従ってコアの動的粘弾性特性を測定した。
包囲層の樹脂材料を厚さ2mmのシート状に作成し、ASTM−D2240規格のデュロメータ「タイプD」により測定した。
球面である中間層表面に硬度計の針がほぼ垂直になるようにセットし、JIS−C硬度により計測した。
上記(7)と同じ測定方法である。
ドライバー(W#1)として、ブリヂストンスポーツ社製「TOURSTAGE X-DRIVE 703」(ロフト角8.5°)を打撃ロボットに装着し、ヘッドスピード(HS)50m/sで打撃した時のキャリー(m)を測定した。その評価については下記の基準を用いた。なお、スピン量は打撃直後のボールを初期条件計測装置により測定した値である。
○:キャリー 246m以上
×:キャリー 246m未満
ミドルアイアンとして、ブリヂストンスポーツ社製「X-BLADE CB」(6番アイアン)を用い、HS44m/sにて打撃した時のキャリー(m)を測定した。その評価については下記の基準を用いた。
○:キャリー 150m以上
×:キャリー 150m未満
米国Automated Design Corporation製のADC Ball COR Durability Testerにより、ゴルフボールの耐久性を評価した。この試験機は、ゴルフボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させる機能を有する。金属板への入射速度は43m/sとした。ゴルフボールが割れるまでに要した発射回数を測定した。その評価については下記の基準を用いた。
○:割れるまでの発射回数が150回以上
×:割れるまでの発射回数が150回未満
2 包囲層
3 中間層
4 最外層
D ディンプル
G マルチピースソリッドゴルフボール
Claims (14)
- コアと、少なくとも1層のカバーとを具備するゴルフボールであって、上記コアの断面硬度において、コアの半径をR(mm),コア中心のJIS−C硬度をA,コア中心からR/3mm離れた位置のJIS−C硬度をB,コア中心からR/1.8mm離れた位置のJIS−C硬度をC,コア中心からR/1.3mm離れた位置のJIS−C硬度をDとすると共に、コア表面のJIS−C硬度をEとする場合、下記の(1)〜(4)の数式
(1)D−C≧7
(2)C−B≦7
(3)(D−C)−(C−B)≧7
(4)E−A≧16
を満足すると共に、トルエン膨潤試験に基づいて計測される架橋密度であって、コア表面の架橋密度とコア中心の架橋密度の差が9×102〜30.0×102mol/m3であることを特徴とするゴルフボール。 - ボールに対して、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重5,880N(600kgf)を負荷したときまでのたわみ量が7mm〜10mmである請求項1記載のゴルフボール。
- 上記カバーが、最外層と、該最外層と上記コアとの間に介在される中間層とを含むものであり、上記コアを上記中間層で被覆した球体の表面におけるJIS−C硬度が90以上である請求項1又は2記載のゴルフボール。
- 上記カバーの最外層の基材樹脂がポリウレタン材料からなり、該ポリウレタン材料の硬度がショアDで40〜60である請求項1、2又は3記載のゴルフボール。
- コアの直径が32mm〜41mmである請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール。
- コアが単層からなる請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 測定温度−12℃、周波数15Hzの条件でコア中心部の損失正接を測定したとき、動歪み1%での損失正接をtanδ1、動歪み10%での損失正接をtanδ10としたとき、これらのtanδの傾き:[(tanδ10−tanδ1)/(10%−1%)]の値が0.002以下である請求項1〜6のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 上記コア中心のJIS−C硬度が59〜70である請求項1〜7のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 上記コア表面のJIS−C硬度が84〜100である請求項1〜8のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 上記コアと上記中間層との間に包囲層を設ける請求項3記載のゴルフボール。
- 上記包囲層の材料硬度がショアD硬度で40〜61である請求項10記載のゴルフボール。
- 上記最外層の材料硬度がショアD硬度で34〜47である請求項3又は4記載のゴルフボール。
- 上記コアは、基材ゴム、有機過酸化物及び水を含むゴム組成物により形成される請求項1〜12のいずれか1項記載のゴルフボール。
- 上記ゴム組成物において、水の配合量が基材ゴム100質量部に対して0.1〜5質量部である請求項13記載のゴルフボール。
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