以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる検査装置、検査方法及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態の印刷物検査システム1の一例を示す模式図である。図1に示すように、印刷物検査システム1は、印刷装置100と、印刷物検査装置200(検査装置の一例)と、スタッカ300と、を備える。
印刷装置100は、オペレーションパネル101と、感光体ドラム103Y、103M、103C、103Kと、転写ベルト105と、二次転写ローラ107と、給紙部109と、搬送ローラ対111と、定着ローラ113と、反転パス115とを備える。
オペレーションパネル101は、印刷装置100に対して各種操作入力を行ったり、各種画面を表示したりする操作表示部である。
感光体ドラム103Y、103M、103C、103Kは、それぞれ、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、及びクリーニング工程)が行われることによりトナー像が形成され、形成されたトナー像を転写ベルト105に転写する。本実施形態では、感光体ドラム103Y上にイエロートナー像が形成され、感光体ドラム103M上にマゼンタトナー像が形成され、感光体ドラム103C上にシアントナー像が形成され、感光体ドラム103K上にブラックトナー像が形成されるものとするが、これに限定されるものではない。
転写ベルト105は、感光体ドラム103Y、103M、103C、及び103Kから重畳して転写されたトナー像(フルカラーのトナー画像)を二次転写ローラ107の二次転写位置に搬送する。本実施形態では、転写ベルト105には、まず、イエロートナー像が転写され、続いて、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像が順次重畳して転写されるものとするが、これに限定されるものではない。
給紙部109は、複数の記録媒体が重ね合わせて収容されており、記録媒体を給紙する。記録媒体としては、例えば、記録紙が挙げられるが、これに限定されず、例えば、コート紙、厚紙、OHP(Overhead Projector)シート、プラスチックフィルム、プリプレグ、及び銅箔など画像を記録可能な媒体であればどのようなものであってもよい。
搬送ローラ対111は、給紙部109により給紙された記録媒体を搬送路a上で矢印s方向に搬送する。
二次転写ローラ107は、転写ベルト105により搬送されたフルカラーのトナー画像を、搬送ローラ対111により搬送された記録媒体上に二次転写位置で一括転写する。
定着ローラ113は、フルカラーのトナー画像が転写された記録媒体を加熱及び加圧することにより、フルカラーのトナー画像を記録媒体に定着する。
印刷装置100は、片面印刷の場合、フルカラーのトナー画像が定着された記録媒体である印刷物を印刷物検査装置200へ排紙する。一方、印刷装置100は、両面印刷の場合、フルカラーのトナー画像が定着された記録媒体を反転パス115へ送る。
反転パス115は、送られた記録媒体をスイッチバックすることにより記録媒体の表面・裏面を反転して矢印t方向に搬送する。反転パス115により搬送された記録媒体は、搬送ローラ対111により再搬送され、二次転写ローラ107により前回と逆側の面にフルカラーのトナー画像が転写され、定着ローラ113により定着され、印刷物として、印刷物検査装置200へ排紙される。
印刷物検査装置200は、読取部201と、オペレーションパネル203と、を備える。
オペレーションパネル203は、印刷物検査装置200に対して各種操作入力を行ったり、各種画面を表示したりする操作表示部である。なお、オペレーションパネル203を省略してもよい。この場合、オペレーションパネル101がオペレーションパネル203を兼ねるようにしてもよいし、外部接続されたPC(Personal Computer)がオペレーションパネル203を兼ねるようにしてもよい。
読取部201は、印刷装置100から排紙された印刷物の一方の面を電気的に読み取る。なお、印刷物検査装置200は、印刷物の他方の面を光学的に読み取る読取部を更に備えるようにしてもよい。この場合、印刷物の他方の面を光学的に読み取る読取部は、読取部201と同様の構成とすればよい。
そして、印刷物検査装置200は、読み取りが完了した印刷物をスタッカ300へ排紙する。
スタッカ300は、トレイ311を備える。スタッカ300は、印刷物検査装置200により排紙された印刷物をトレイ311にスタックする。
図2は、本実施形態の印刷装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、印刷装置100は、コントローラ810とエンジン部(Engine)860とをPCIバスで接続した構成となる。コントローラ810は、印刷装置100の全体の制御、描画、通信、及び操作表示部820からの入力を制御するコントローラである。エンジン部860は、PCIバスに接続可能なエンジンであり、例えば、プロッタ等のプリントエンジンなどである。エンジン部860には、エンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分も含まれる。
コントローラ810は、CPU(Central Processing Unit)811と、ノースブリッジ(NB)813と、システムメモリ(MEM−P)812と、サウスブリッジ(SB)814と、ローカルメモリ(MEM−C)817と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)816と、ハードディスクドライブ(HDD)818とを有し、ノースブリッジ(NB)813とASIC816との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス815で接続した構成となる。また、MEM−P812は、ROM812aと、RAM812bとをさらに有する。
CPU811は、印刷装置100の全体制御を行うものであり、NB813、MEM−P812およびSB814からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
NB813は、CPU811とMEM−P812、SB814、AGPバス815とを接続するためのブリッジであり、MEM−P812に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
MEM−P812は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM812aとRAM812bとからなる。ROM812aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM812bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
SB814は、NB813とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB814は、PCIバスを介してNB813と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインタフェース(I/F)部なども接続される。
ASIC816は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス815、PCIバス、HDD818およびMEM−C817をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC816は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC816の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C817を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部860との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC816には、PCIバスを介してUSB840、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース(I/F)850が接続される。操作表示部820はASIC816に直接接続されている。
MEM−C817は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD818は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
AGPバス815は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P812に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
図3は、本実施形態の印刷物検査装置200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、印刷物検査装置200は、コントローラ910とエンジン部(Engine)960とをPCIバスで接続した構成となる。コントローラ910は、印刷物検査装置200の全体の制御、描画、通信、及び操作表示部920からの入力を制御するコントローラである。エンジン部960は、PCIバスに接続可能なエンジンであり、例えば、スキャナ等のスキャナエンジンなどである。エンジン部960には、エンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分も含まれる。
コントローラ910は、CPU911と、ノースブリッジ(NB)913と、システムメモリ(MEM−P)912と、サウスブリッジ(SB)914と、ローカルメモリ(MEM−C)917と、ASIC916と、ハードディスクドライブ(HDD)918とを有し、ノースブリッジ(NB)913とASIC916との間をAGPバス915で接続した構成となる。また、MEM−P912は、ROM912aと、RAM912bとをさらに有する。
CPU911は、印刷物検査装置200の全体制御を行うものであり、NB913、MEM−P912およびSB914からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
NB913は、CPU911とMEM−P912、SB914、AGPバス915とを接続するためのブリッジであり、MEM−P912に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
MEM−P912は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM912aとRAM912bとからなる。ROM912aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM912bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
SB914は、NB913とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB914は、PCIバスを介してNB913と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインタフェース(I/F)部なども接続される。
ASIC916は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICであり、AGPバス915、PCIバス、HDD918およびMEM−C917をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC916は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC916の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C917を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMACと、エンジン部960との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC916には、PCIバスを介してUSB940、IEEE1394インタフェース(I/F)950が接続される。操作表示部920はASIC916に直接接続されている。
MEM−C917は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD918は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
AGPバス915は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P912に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
図4は、本実施形態の印刷装置100及び印刷物検査装置200の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、印刷装置100は、RIP(Raster Image Processor)部121と、印刷制御部123と、印刷部125と、を備える。印刷物検査装置200は、読取部251と、読取画像取得部253と、元画像取得部255と、色変換情報生成部257と、色変換情報記憶部259と、種別画像取得部261と、基準画像生成部263と、差分画像生成部265と、検査部267と、閾値情報記憶部269と、を備える。
なお本実施形態では、印刷装置100が、RIP部121を備える場合を例に取り説明するが、これに限定されず、DFE(Digital Front End)など印刷装置100とは異なる装置がRIP部121を備えるようにしてもよい。
また本実施形態では、印刷装置100と印刷物検査装置200とは、USB(Universal Serial Bus)やPCIe(Peripheral Component Interconnect Express)等のローカルなインタフェースによって接続されていることを想定しているが、印刷装置100と印刷物検査装置200との接続形態は、これに限定されるものではない。
RIP部121及び印刷制御部123は、例えば、CPU811及びシステムメモリ812などにより実現できる。印刷部125は、例えば、感光体ドラム103Y、103M、103C、103K、転写ベルト105、二次転写ローラ107、及び定着ローラ113などにより実現されるが、これに限定されるものではない。このように本実施形態では、電子写真方式で画像を印刷するが、これに限定されず、インクジェット方式で画像を印刷するようにしてもよい。
読取部251は、読取部201で構成され、例えば、エンジン部960などにより実現できる。読取画像取得部253、元画像取得部255、色変換情報生成部257、種別画像取得部261、及び基準画像生成部263は、例えば、CPU911及びシステムメモリ912などにより実現できる。色変換情報記憶部259及び閾値情報記憶部269は、例えば、HDD918などにより実現できる。差分画像生成部265及び検査部267は、例えば、CPU911及びシステムメモリ912などにより実現してもよいし、ASIC916などにより実現してもよいし、これらを併用して実現してもよい。
また、図1に示すオペレーションパネル101は、操作表示部820により実現され、図1に示すオペレーションパネル203は、操作表示部920により実現される。
以下では、印刷装置100及び印刷物検査装置200の動作について、最初に、印刷物の元画像から基準画像を生成する際の色変換処理に用いられる色変換情報の生成動作について説明し、その後に、印刷物の品質を検査する検査動作について説明する。
まず、色変換情報の生成動作について説明する。
RIP部121は、ホスト装置などの外部装置から、カラーチャートの印刷指示を受け付けると、当該カラーチャートの元画像としてRIP画像を生成する。本実施形態では、RIP画像は、CMYKの各画素600dpiのRIP画像データであるものとするが、これに限定されるものではない。なお、カラーチャートは、RIP部121が、RIP画像の領域の種別に応じて使い分ける複数種類のハーフトーンのうち、予め定められた種別のハーフトーン用のカラーチャートであるものとする。複数種類のハーフトーンとしては、例えば、200lpi(line per inch)網点のハーフトーンや150lpi(line per inch)網点のハーフトーンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
印刷制御部123は、RIP部121により生成されたカラーチャートの元画像を印刷部125へ送信する。また印刷制御部123は、当該カラーチャートの元画像、及び当該カラーチャートが、どのハーフトーン用のカラーチャートであるかを識別する基準ハーフトーンIDを、印刷物検査装置200へ送信する。
印刷部125は、作像プロセスなどの印刷処理プロセスを実行し、カラーチャートの元画像に基づく印刷画像を用紙に印刷し、カラーチャートの印刷物を生成する。
以下、印刷物検査装置200側の色変換情報の生成動作については、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態の印刷物検査装置200で行われる色変換情報の生成処理の手順の流れの一例を示すフローチャートである。但し、処理順序はこれに限定されず、例えば、ステップS101〜S103の処理と、ステップS105〜S109の処理と、の順序を入れ替えてもよいし、並列に処理してもよい。
まず、読取部251は、印刷部125により生成されたカラーチャートの印刷物を読み取ってカラーチャートの読取画像を生成し、読取画像取得部253は、当該カラーチャートの読取画像を取得する(ステップS101)。本実施形態では、カラーチャートの読取画像は、RGBの各画素200dpiの画像データであるものとするが、これに限定されるものではない。
続いて、色変換情報生成部257は、読取画像取得部253により取得されたカラーチャートの読取画像を測色する(ステップS103)。
続いて、元画像取得部255は、印刷装置100から、カラーチャートの元画像及び基準ハーフトーンIDを取得する(ステップS105)。
続いて、色変換情報生成部257は、元画像取得部255により取得されたカラーチャートの元画像を解像度変換する(ステップS107)。本実施形態では、色変換情報生成部257は、カラーチャートの元画像を600dpiから200dpiに解像度変換する。
続いて、色変換情報生成部257は、解像度変換したカラーチャートの元画像を測色する(ステップS109)。
続いて、色変換情報生成部257は、カラーチャートの元画像の測色結果(CMYKの測色結果)とカラーチャートの読取画像の測色結果(RGBの測色結果)とを対応付けて、色変換情報を生成し、生成した色変換情報と基準ハーフトーンIDとを対応付けて色変換情報記憶部259に記憶(登録)する(ステップS111)。つまり、色変換情報は、基準ハーフトーンIDが示すハーフトーン用の、CMYKからRGBへの色空間変換を行うための色変換情報となる。
なお本実施形態では、色変換情報として、CMYKからRGBへの色空間変換を行うための色変換情報を例に取り説明するが、これに限定されず、CMYKからLabへの色空間変換やRGBからCMYKへの色空間変換など、異なる色空間への変換のための色変換情報にも適用できる。
次に、印刷物の品質を検査する検査動作について説明する。
RIP部121は、ホスト装置などの外部装置から印刷データを受け取り、受け取った印刷データをRIP処理し、印刷物の元画像として、RIP画像を生成する。なお、RIP部121は、印刷物の元画像を生成する際、当該元画像に対し、複数種類のハーフトーンを用いたハーフトーン処理を施すものとする。具体的には、RIP部121は、印刷物の元画像を構成する領域毎に、当該領域の種別に応じた種別のハーフトーンを用いたハーフトーン処理を施すものとする。ここで、元画像を構成する領域としては、例えば、文字領域、エッジ領域、絵柄領域、及び写真領域などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、RIP部121は、元画像を構成する画素に対応する画素毎に、当該元画像を構成する画素に施されたハーフトーン処理に用いられたハーフトーンの種別を示す種別画像も生成する。
本実施形態では、印刷データは、PostScript(登録商標)などのページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたジョブ情報やTIFF(Tagged Image File Format)形式の画像データなどを含んで構成されるが、これに限定されるものではない。また本実施形態では、RIP画像は、前述の通り、CMYKの各画素600dpiのRIP画像データであるものとするが、これに限定されるものではない。また、種別画像も各画素600dpiの画像データであるものとするが、これに限定されるものではない。
印刷制御部123は、RIP部121により生成された印刷物の元画像を印刷部125へ送信する。また印刷制御部123は、RIP部121により生成された印刷物の元画像及び種別画像を印刷物検査装置200へ送信する。
また印刷制御部123は、印刷物検査装置200から送信される(フィードバックされる)検査結果を用いて、例えば、スタッカ300に対して品質検査に合格しなかった印刷物の排紙先の指定や品質検査に合格しなかった印刷物へのマーキングを行ったり、印刷部125に対して差し替え印刷を指示したりする。
印刷部125は、作像プロセスなどの印刷処理プロセスを実行し、印刷物の元画像に基づく印刷画像を用紙に印刷し、印刷物を生成する。
以下、印刷物検査装置200側の印刷物の品質を検査する検査動作については、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態の印刷物検査装置200で行われる印刷物の品質検査処理の手順の流れの一例を示すフローチャートである。但し、処理順序はこれに限定されるものではない。
まず、読取部251は、印刷部125により生成された印刷物を読み取って印刷物の読取画像を生成し、読取画像取得部253は、当該印刷物の読取画像を取得する(ステップS201)。本実施形態では、印刷物の読取画像は、RGBの各画素200dpiの画像データであるものとするが、これに限定されるものではない。
続いて、元画像取得部255は、印刷装置100から、印刷物の元画像を取得する(ステップS203)。
続いて、種別画像取得部261は、印刷装置100から、印刷物の元画像の種別画像を取得する(ステップS205)。
続いて、基準画像生成部263は、元画像取得部255により取得された印刷物の元画像から、検査基準となる基準画像を生成する(ステップS207)。具体的には、基準画像生成部263は、印刷物の元画像に対し、解像度変換や、予め定められた種別のハーフトーンに基づいて生成された色変換情報(色変換情報記憶部259に記憶されている色変換情報)を用いた色変換等を行い、基準画像を生成する。
この際、基準画像生成部263は、種別画像取得部261により取得された種別画像についても、解像度を基準画像に対応させるため、解像度変換を行う。なお、基準画像の生成処理や種別画像の変換処理の詳細については、後述する。本実施形態では、基準画像は、RGBの各画素200dpiの画像データであるものとするが、これに限定されるものではない。
続いて、差分画像生成部265は、基準画像生成部263により生成された基準画像と読取画像取得部253により取得された印刷物の読取画像との差分を示す差分画像を生成する(ステップS209)。具体的には、差分画像生成部265は、基準画像と読取画像とを画素単位で比較し、RGB各色の画素値の差分値を画素毎に算出し、画素毎の画素値の差分値で構成される差分画像を生成する。
続いて、検査部267は、差分画像生成部265により生成された差分画像に基づいて、印刷物を検査する(ステップS211)。具体的には、検査部267は、差分画像生成部265により生成された差分画像を構成する画素毎に、予め定められた種別のハーフトーンから定まる基準閾値と、当該画素に対応する種別画像上の画素が示す種別のハーフトーンから定まる基準閾値に対する緩和閾値と、に基づく検査閾値と、当該画素の値とを比較して、印刷物を検査する。
例えば、検査部267は、差分画像生成部265により生成された差分画像を構成する各画素の差分値と、検査閾値との大小関係に基づいて、印刷装置100により生成された印刷物の濃度欠陥を検査する。例えば、差分値の大きい箇所(画素群)や差分のある面積が広い箇所(画素群)が濃度欠陥となる。
そして検査部267は、濃度欠陥の位置や種類などの検査結果、読取画像、及び基準画像を対応付けてHDD918に保存したり、印刷装置100に送信(フィードバック)したりする。なお、検査部267による検査処理の詳細については、後述する。
図7は、本実施形態の基準画像生成部263で行われる基準画像の生成処理及び種別画像の変換処理(図6に示すステップS207の処理)の手順の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、基準画像生成部263は、元画像取得部255により取得された印刷物の元画像及び種別画像取得部261により取得された種別画像の解像度を変換する(ステップS301)。本実施形態では、基準画像生成部263は、印刷物の元画像及び種別画像を600dpiから200dpiに解像度変換する。
なお、600dpiから200dpiへの解像度変換により、3×3画素が1画素にまとめられるが、種別画像については、画素値が、ハーフトーン処理に用いられたハーフトーンの種別を示す値であるため、基準画像生成部263は、以下のようにまとめる。
例えば、図8に示すように、解像度変換前の3×3画素の値が全て共通(図8に示す例では、0)である場合、基準画像生成部263は、解像度変換後の1画素の値を当該共通の値(図8に示す例では、0)にまとめる。また例えば、図9に示すように、解像度変換前の3×3画素に異なる値が含まれている場合、基準画像生成部263は、解像度変換後の1画素の値を最頻値(図9に示す例では、0)にまとめてもよいし、種別が異なる複数種類のハーフトーンが混合していることを示す値にまとめてもよい。
続いて、基準画像生成部263は、解像度変換した印刷物の元画像に対し、色変換情報記憶部259に記憶されている色変換情報を用いた色変換を行い、基準画像を生成する(ステップS303)。
なお、前述の通り、色変換情報は、当該色変換情報に対応付けられた基準ハーフトーンIDが示すハーフトーン用の色空間変換を行うための色変換情報である。このため、当該ハーフトーンと異なるハーフトーンでハーフトーン処理が施された元画像上の領域に対応する基準画像上の領域は、色再現性が若干低下している。
続いて、基準画像生成部263は、生成した基準画像に対し、基準点を設定する(ステップS305)。なお、基準点は、位置合わせの基準となる特徴点であり、前述した差分画像生成部265は、この基準点を用いて基準画像と読取画像との位置合わせを行い、差分画像を生成する。
図10は、本実施形態の検査部267で行われる印刷物の検査処理(図6に示すステップS211の処理)の手順の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、検査部267は、差分画像生成部265により生成された差分画像上の画素に対する検査閾値を設定する検査閾値設定処理を行う(ステップS401)。
図11は、本実施形態の検査部267で行われる検査閾値設定処理(図10に示すステップS401の処理)の手順の流れの一例を示すフローチャートである。
図11に示すフローチャートの処理を説明する前に、検査閾値の生成に用いられる基準閾値及び緩和閾値について説明する。なお、基準閾値及び緩和閾値は、閾値情報記憶部269に記憶されている。
基準閾値は、色変換情報の生成に用いられたハーフトーンから定まる閾値であり、当該ハーフトーンでハーフトーン処理が施された種別の領域での検査を想定した閾値である。例えば、色変換情報の生成に用いられたハーフトーンが、文字領域でのハーフトーン処理に用いられるハーフトーンである場合、基準閾値は、差分画像上の文字領域での検査を想定した閾値となる。
緩和閾値は、色変換情報の生成に用いられなかったハーフトーン毎に用意される閾値であり、色変換情報の生成に用いられたハーフトーンとの差分を吸収するための閾値である。前述のように、色変換情報の生成に用いられたハーフトーンが、文字領域でのハーフトーン処理に用いられるハーフトーンである場合、絵柄領域用のハーフトーンでハーフトーン処理が施された元画像上の絵柄領域に対応する基準画像上の絵柄領域は、基準画像上の文字領域に比べ、色再現性が若干低下する。このため、絵柄領域の検査を、文字領域での検査を想定した基準閾値のみで行ってしまうと、色再現性が若干低下した分の画素値(差分値)を吸収できず、検査精度が低下してしまう。つまり、緩和閾値は、ハーフトーンの相違に伴い色再現性が若干低下した分の画素値(差分値)を吸収するための閾値である。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、緩和閾値は、最初から、ハーフトーンの相違に伴い色再現性が若干低下した分の画素値(差分値)を吸収できるような値に設定されているわけではなく、検査を繰り返しながら緩和閾値の値を更新していくことで、このような値に更新していく。これは、緩和閾値の初期設定にかかる負荷を削減するためである。
本実施形態では、基準閾値に緩和閾値を加算することにより検査閾値を生成するものとするが、これに限定されるものではない。
図12は、本実施形態の閾値情報記憶部269に記憶されている緩和閾値情報の一例を示す図である。図12に示す例では、緩和閾値情報は、基準ハーフトーンIDと、ハーフトーンIDと、基準画像画素値と、緩和閾値と、を対応付けた情報となっている。基準ハーフトーンIDは、前述の通り、色変換情報の生成に用いられたハーフトーンの種別を示すIDである。ハーフトーンIDは、該当するハーフトーンの種別を示すIDである。基準画像画素値は、検査対象の画素に対応する基準画像上の画素の画素値を示す。緩和閾値は、RGB毎に用意されている。
なお、図12に示す例では、基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDとの組みに対し、基準画像の画素値の組(RGBの値の組)毎に、緩和閾値が用意されているが、これは、色によって、色再現性の度合いが異なる場合もあるためである。また、図12に示す例では、基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDとが同一の場合、該当画素では、色再現性の低下は生じないため、緩和閾値は設定されていない。
また、解像度変換後の種別画像が、種別が異なる複数種類のハーフトーンが混合していることを示す値を示す場合のため、緩和閾値情報において、複数種類のハーフトーンが混合している場合用の緩和閾値を用意してもよい。なお、解像度変換後の種別画像が、種別が異なる複数種類のハーフトーンが混合していることを示す値を示す場合、緩和閾値を用いずに基準閾値を検査閾値としてもよい。
なお、基準閾値についても、緩和閾値情報と略同様の形式で、基準ハーフトーンIDと、基準画像画素値と、基準閾値と、を対応付けた情報として、閾値情報記憶部269に記憶されている。
図11の説明に戻り、まず、検査部267は、差分画像上の閾値設定対象の画素に対応する種別画像上の画素が示すハーフトーンIDを取得する(ステップS501)。
続いて、検査部267は、差分画像上の閾値設定対象の画素に対応する基準画像上の画素の画素値を取得する(ステップS503)。
続いて、検査部267は、閾値情報記憶部269から、取得したハーフトーンID及び取得した基準画像の画素値に対応付けられた緩和閾値を取得するとともに、基準閾値を取得し、取得した緩和閾値と取得した基準閾値とを合算して、検査閾値を生成し、閾値設定対象の画素用の閾値に設定する(ステップS505)。
図10に戻り、検査部267は、差分画像上の検査対象の画素に設定された検査閾値を用いて、当該画素の欠陥の有無を判定する欠陥判定処理を行う(ステップS403)。
なお、ステップS401〜S403の処理は、1画素毎に交互に行うようにしてもよいし、差分画像上の各画素に対し、ステップS401の処理を行った後に、ステップS403の処理を行うようにしてもよい。
図13は、本実施形態の検査部267で行われる欠陥判定処理(図10に示すステップS403の処理)の手順の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、検査部267は、差分画像上の検査対象の画素の差分値と、当該画素に設定された検査閾値との大小関係に基づいて、当該画素が欠陥候補であるか否かを判定する(ステップS601)。
検査対象の画素の差分値が検査閾値よりも大きく、当該検査対象の画素が欠陥候補である場合(ステップS603でYes)、緩和閾値情報において、検査閾値の生成に用いた緩和閾値に対応付けられた基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDとの値が一致すれば(ステップS605でYes)、検査部267は、当該検査対象の画素が欠陥であると確定する(ステップS619)。これは、基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDとの値が一致するので、検査閾値に緩和閾値は考慮されておらず、緩和閾値の誤差は影響せず、判定結果を確定できるためである。
一方、基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDとの値が一致しない場合(ステップS605でNo)、検査閾値に緩和閾値が考慮されており、緩和閾値の誤差の影響で、欠陥判定結果が欠陥候補となった可能性があるため、以下の処理により、当該検査対象の画素が欠陥であると確定できるか否かを判定する。
まず、検査部267は、差分画像上の検査対象の画素に対応する基準画像上の画素の画素値と読取画像上の画素の画素値との差分値と、基準閾値と、の閾値差分値を算出する(ステップS607)。
続いて、検査部267は、閾値差分値のリストを参照し、算出した閾値差分値の傾向が、リスト内の該当する閾値差分値の傾向と一致するか否かを判定する(ステップS609)。
図14は、本実施形態の閾値差分値のリストの一例を示す図である。なお、閾値差分値のリストは、閾値情報記憶部269に記憶されている。図14に示す例では、閾値差分値のリストは、基準ハーフトーンIDと、ハーフトーンIDと、基準画像画素値と、閾値差分値及び閾値差分値を算出した画素と、を対応付けたリストとなっている。なお、閾値差分値のリストに登録されている閾値差分値は、過去にステップS607で算出された閾値差分値である。閾値差分値のリストへの登録については、後述する。
例えば、検査部267は、閾値差分値のリストにおいて、検査閾値の生成に用いた緩和閾値に対応付けられた基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDに対応付けられた閾値差分値がM(Mは2以上の自然数)件以上あり、直近N(N≧M)件分の閾値差分値の平均値が、ステップS607で算出した最新の閾値差分値以下であれば、算出した最新の閾値差分値の傾向が、リスト内の該当する閾値差分値の傾向と一致すると判定する。なお、傾向が一致するか否かの判定手法はこれに限定されるものではない。
そして、算出した閾値差分値の傾向が、リスト内の該当する閾値差分値の傾向と一致しない場合(ステップS609でNo)、検査対象の画素が欠陥である可能性が高いため、検査部267は、算出した閾値差分値及び検査対象の画素(閾値差分値を算出した画素)を、閾値差分値のリストにおける、検査閾値の生成に用いた緩和閾値に対応付けられた基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDに対応付けて登録し(ステップS617)、当該検査対象の画素が欠陥であると確定する(ステップS619)。これは、算出した閾値差分値の傾向がリスト内の該当する閾値差分値の傾向と一致しない場合、緩和閾値の誤差の影響により、欠陥判定結果が欠陥候補となったとは考えにくいためである。
一方、算出した閾値差分値の傾向が、リスト内の該当する閾値差分値の傾向と一致する場合(ステップS609でYes)、検査部267は、算出した閾値差分値及び過去に算出した複数の閾値差分値の少なくともいずれかに基づいて、緩和閾値情報において、検査閾値の生成に用いた緩和閾値を更新する(ステップS611)。例えば、検査部267は、検査閾値の生成に用いた緩和閾値に、算出した最新の閾値差分値及びリスト内の該当する閾値差分値の平均値、中央値、及び最大値の少なくともいずれかを加算するとともに、所定のマージンαを加算して、緩和閾値を更新する。例えば、検査閾値の生成に用いた緩和閾値が20、閾値差分値の平均値が10、所定のマージンαが5であれば、更新後の緩和閾値は35となる。これは、算出した閾値差分値の傾向がリスト内の該当する閾値差分値の傾向と一致する場合、緩和閾値の誤差の影響により、欠陥判定結果が欠陥候補となり、緩和閾値の更新が必要と考えられるためである。
続いて、検査部267は、閾値差分値のリストにおける、検査閾値の生成に用いた緩和閾値に対応付けられた基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDに対応付けて登録されている過去の閾値差分値が算出された各画素についても、欠陥確定を取り消し、即ち、非欠陥を確定し(ステップS613)、閾値差分値のリストから、当該過去の閾値差分値及び当該過去の閾値差分値が算出された画素を消去する(ステップS615)。
なお、ステップS603において、検査対象の画素の差分値が検査閾値以下であり、当該検査対象の画素が欠陥候補でない場合も(ステップS603でNo)、閾値差分値のリストにおける、検査閾値の生成に用いた緩和閾値に対応付けられた基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDに対応付けて登録されている過去の閾値差分値及び当該過去の閾値差分値が算出された画素を消去する(ステップS615)。この場合、当該過去の閾値差分値が算出された各画素の欠陥は、ポチなどの一時的に出現した欠陥であると判断できるためである。
以上のように本実施形態によれば、元画像に対し、複数種類のハーフトーンを用いたハーフトーン処理が施されている場合であっても、ハーフトーンの相違に伴い色再現性が若干低下した分の画素値(差分値)を吸収するための緩和閾値を用いて検査するため、ハーフトーンの種別の相違に伴う色再現性の低下を考慮した検査が可能となり、検査精度を高めることができる。
また本実施形態によれば、検査を繰り返しながら緩和閾値を更新していくことで、緩和閾値を、ハーフトーンの相違に伴い色再現性が若干低下した分の画素値(差分値)を吸収できるような値に更新していく。このため本実施形態によれば、緩和閾値の初期設定にかかる負荷を削減することができる。
(変形例1)
上記実施形態で説明した手法では、緩和閾値の値が、ハーフトーンの相違に伴い色再現性が若干低下した分の画素値(差分値)よりも大きい場合、緩和閾値を更新できない。このため、欠陥でないと判定された画素についても閾値差分値のリストを用意することで、この問題に対処するようにしてもよい。
図15は、変形例1の検査部267で行われる欠陥判定処理(図10に示すステップS403の処理)の手順の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、図13で説明した欠陥候補であると判定された画素の閾値差分値のリストを第1差分リストと称し、欠陥でないと判定された画素の閾値差分値のリストを第2差分リストと称する。
まず、ステップS701〜S703までの処理は、図13に示すフローチャートのステップS601〜S603までの処理と同様である。
検査対象の画素の差分値が検査閾値よりも大きく、当該検査対象の画素が欠陥候補である場合(ステップS703でYes)、検査部267は、第2差分リストにおける、検査閾値の生成に用いた緩和閾値に対応付けられた基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDに対応付けて登録されている過去の閾値差分値及び当該過去の閾値差分値が算出された画素を消去する(ステップS705)。
なお、以降のステップS707〜S721までの処理は、図13に示すフローチャートのステップS605〜S619までの処理と同様である。
一方、検査対象の画素の差分値が検査閾値以下であり、当該検査対象の画素が欠陥候補でない場合(ステップS703でNo)、第1差分リストにおける、検査閾値の生成に用いた緩和閾値に対応付けられた基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDに対応付けて登録されている過去の閾値差分値及び当該過去の閾値差分値が算出された画素を消去する(ステップS723)。
続いて、検査閾値の生成に用いた緩和閾値に対応付けられた基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDとの値が一致しなければ(ステップS725でNo)、検査部267は、差分画像上の検査対象の画素に対応する基準画像上の画素の画素値と読取画像上の画素の画素値との差分値と、基準閾値と、の閾値差分値を算出する(ステップS727)。なお、検査閾値の生成に用いた緩和閾値に対応付けられた基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDとの値が一致する場合(ステップS725でYes)、処理は終了となる。
続いて、検査部267は、算出した閾値差分値が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS729)。算出した閾値差分値が所定値未満である場合(ステップS729でNo)、検査部267は、検査閾値の生成に用いた緩和閾値の値が、ハーフトーンの相違に伴い色再現性が若干低下した分の画素値(差分値)よりも小さい(緩和閾値の値が大きすぎない)と判定し、第2差分リストにおける、検査閾値の生成に用いた緩和閾値に対応付けられた基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDに対応付けて登録されている過去の閾値差分値及び当該過去の閾値差分値が算出された画素を消去する(ステップS737)。
一方、算出した閾値差分値が所定値以上である場合(ステップS729でYes)、検査部267は、第2差分リストを参照し、算出した閾値差分値の傾向が、リスト内の該当する閾値差分値の傾向と一致するか否かを判定する(ステップS731)。なお、傾向が一致するか否かの判定手法は、上記実施形態と同様の手法を採用すればよい。
そして、算出した閾値差分値の傾向が、第2差分リスト内の該当する閾値差分値の傾向と一致する場合(ステップS731でYes)、検査部267は、算出した閾値差分値及び過去に算出した複数の閾値差分値の少なくともいずれかに基づいて、緩和閾値情報において、検査閾値の生成に用いた緩和閾値を更新する(ステップS733)。例えば、検査部267は、検査閾値の生成に用いた緩和閾値に、算出した最新の閾値差分値及びリスト内の該当する閾値差分値の平均値、中央値、及び最大値の少なくともいずれかを減算するとともに、所定のマージンαを加算して、緩和閾値を更新する。例えば、検査閾値の生成に用いた緩和閾値が20、閾値差分値の平均値が10、所定のマージンαが5であれば、更新後の緩和閾値は15となる。
一方、算出した閾値差分値の傾向が、第2差分リスト内の該当する閾値差分値の傾向と一致しない場合(ステップS731でNo)、検査部267は、算出した閾値差分値及び検査対象の画素(閾値差分値を算出した画素)を、第2差分リストにおける、検査閾値の生成に用いた緩和閾値に対応付けられた基準ハーフトーンIDとハーフトーンIDに対応付けて登録する(ステップS735)。
以上のように変形例1によれば、緩和閾値の値が、ハーフトーンの相違に伴い色再現性が若干低下した分の画素値(差分値)よりも大きい場合であっても、緩和閾値の更新が可能となる。
(変形例2)
上記実施形態及び各変形例では、閾値差分値のリストに過去の検査結果を登録し、その傾向を観察することでノイズや欠陥の影響を除外して緩和閾値を更新できるようにしている。この過去の検査結果の登録件数が多いほど(MやNの値を大きくするほど)、大きな欠陥に対応が可能となるが、スジやムラ、バンディングといった大域に渡る欠陥が発生した場合、それをカバーできるほど登録件数を増やすのは、演算量や保存領域の観点から望ましくない。また、ページ内で、同じ色で打たれるべき領域が異なる色になるのは好ましい印刷結果とは言えない。
このため、検査部267は、緩和閾値の更新を、印刷物のページが切り替わるタイミングで行うようにしてもよい。つまり、図13や図15に示すフローチャートにおける緩和閾値の更新を、印刷物のページが切り替わるタイミングで行うようにしてもよい(図13や図15に示すフローチャートにおいて緩和閾値の更新タイミングであっても、印刷物のページが切り替わるタイミングでなければ更新しないようにしてもよい)。このようにすれば、スジなどの大域に跨る欠陥に逐一影響されない処理とすることができる。
また、この場合、スジなどが最終ライン付近に生じた場合に、その影響を受けてしまうことから、ページ内でカウンタを回し、緩和閾値の切り替わりでリセットし、最もカウント数が多かった緩和閾値を次ページから設定するようにしてもよい。つまり、検査部267は、緩和閾値を更新する毎に、当該更新後の緩和閾値を用いて検査した画素数をカウントし、印刷物のページが切り替わるタイミングで、カウントが最も大きい緩和閾値に更新するようにしてもよい。
また、その際に次ページの検査で新しい緩和閾値で欠陥が発生しないかチェックし、欠陥判定が続く場合は元の緩和閾値に戻す、2番目にカウント数が多かった緩和閾値を設定するなどしてもよい。検査部267は、印刷物のページが切り替わるタイミングで更新した緩和閾値を用いた検査結果に基づいて、緩和閾値を再更新するようにしてもよい。
(変形例3)
また、単純に座標によって閾値差分値のリスト(第1差分リスト)に登録された欠陥候補画素の位置を監視し、登録された点が密集していたり、線状、帯状であるなど欠陥固有の傾向が見られたりする場合には、欠陥とみなして緩和閾値に反映しないなどとしてもよい。つまり、検査部267は、過去に複数の閾値差分値が算出された差分画像上の各画素の位置に基づいて、当該各画素を欠陥に確定するようにしてもよい。
(変形例4)
上記実施形態及び各変形例において、検査部267は、検査対象の画素が欠陥でない場合、閾値差分値のリスト(第1差分リスト)を消去するが(図13のステップS603でNo、図15のステップS703でNo)、ノイズの影響で、検査対象の画素が欠陥候補であるにもかかわらず、検査対象の画素が欠陥でないと判定される可能性もある。こうしたノイズの影響を除外するため、閾値差分値のリスト(第1差分リスト)消去前の条件にカウンタを設け、所定の回数差分リスト消去への遷移があった場合にリスト消去を実行することとしてもよい。
つまり、検査部267は、画素の値が検査閾値以下であるため、非欠陥と判定した回数が所定回数に達した場合、過去に算出した複数の閾値差分値を消去するようにしてもよい。
(変形例5)
上記実施形態及び各変形例において、差分画像生成の際、画像のエッジ部分は印刷や読取の微小なずれにより、完全に位置を合致させることが難しく、差分が大きく出がちである。このため、エッジ近傍では差分の出現傾向が他と異なることが考えられる。そこで、エッジ近傍は差分の監視対象から外し、濃度均一な領域などに限定して緩和閾値を取得するようにしてもよい。なお、差分画像上の領域がエッジであるか否かは、本実施形態では、領域の種別毎に異なるハーフトーンを使用しているため、種別画像から特定できる。
つまり、検査部267は、差分画像を構成する画素がエッジ領域である場合、基準閾値を検査閾値として、当該画素の値とを比較して、印刷物を検査するようにしてもよい。
(プログラム)
上記実施形態及び各変形例の検査装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、CD−R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供される。
また、上記実施形態及び各変形例の検査装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、上記実施形態及び各変形例の検査装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。また、上記実施形態及び各変形例の検査装置で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するようにしてもよい。
上記実施形態及び各変形例の検査装置で実行されるプログラムは、上述した各部をコンピュータ上で実現させるためのモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては、例えば、CPUがROMからプログラムをRAM上に読み出して実行することにより、上記各機能部がコンピュータ上で実現されるようになっている。
なお、上記実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、及び少なくとも一部のクラウド化などを行うことができる。これらの実施の形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。