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JP7363385B2 - カルシア安定化ジルコニア粉末及びこれを含むスラリー、並びに、カルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法 - Google Patents
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カルシア安定化ジルコニア粉末及びこれを含むスラリー、並びに、カルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カルシア安定化ジルコニア粉末及び該粉末を含むスラリー、並びに、カルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法に関する。
ジルコニア粉末は、高強度や高靭性、高耐摩擦性等の優れた特性を有していることから、ファインセラミックス材料として用いられており、また、電子材料や触媒、酸素センサー、燃料電池の固体電解質等にも使用されている。
これらの用途においては、従来から、高温安定相である正方晶系もしくは立方晶系の結晶構造が常温でも維持されるように、イットリアやカルシア、マグネシア等の安定化剤が固溶した安定化ジルコニア粉末や部分安定化ジルコニア粉末(以下、両者を総称して、安定化ジルコニア粉末と言う。)が広く利用されている。
前記安定化ジルコニア粉末は、これを用いて製造されるセラミックス等が、上述した特性を安定して発揮できるようにするために、微細であり、かつ、結晶性に優れていることが求められている。
このような安定化ジルコニア粉末の製法としては、例えば、特許文献1に記載されているように、水溶性ジルコニウム塩と、マグネシウムやカルシウム、イットリウム等とを含む水溶液に、アンモニア水を加えて沈殿を生成させ、該沈殿を有機溶媒中で加熱し、乾燥させた後、300~1200℃で加熱処理して得る方法が一般的である。
また、引用文献2には、実施例に、ジルコニウム含有水溶液及びイットリア含有水溶液の混合液に無水硫酸ナトリウム粉末を添加し、これに水酸化ナトリウムを加えて、水酸化イットリウムが共沈したジルコニウム塩基性硫酸塩の沈殿を生成させ、該沈殿を乾燥して得られた水酸化物を1000℃で焙焼し、BET比表面積7.7m2/gの部分安定化ジルコニアを製造したことが記載されている。
特開昭57-191234号公報 特開2003-206137号公報
上記のような従来の製法においては、安定化ジルコニアを得るために、300℃以上で加熱処理(焙焼)する工程を経ている。しかしながら、このような加熱処理は、結晶粒成長や粒子の凝集を促進するものであり、結晶性は向上し得るものの、微細な粒子は得られ難い。粒子の微細化と結晶性の向上とは、トレードオフの関係にある。
このため、従来の製法によっては、ナノレベルの微細性及び高結晶性を兼ね備えたカルシア安定化ジルコニア粉末を得ることは困難であった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、微細かつ結晶性に優れたカルシア安定化ジルコニア粉末及びこれを含むスラリー、並びに、カルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ジルコニウム塩に、カルシウム化合物を反応させてカルシア安定化ジルコニア粉末を製造するのに際し、従来のような高温加熱処理(焙焼)を経ることなく、常圧下での水溶液反応のみで、効率的に行うことができ、しかも、微細性及び高結晶性を兼ね備えたカルシア安定化ジルコニア粉末が得られることを見出したことに基づくものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[12]を提供するものである。
[1]BET比表面積が100m2/g以上であり、CuKαを線源とする粉末X線回折スペクトルにおける回折角2θが30.0°±0.3°の範囲にある主ピークの半値幅が3.00°以下である、カルシア安定化ジルコニア粉末。
[2]平均一次粒子径が5.0~50.0nmである、上記[1]に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末。
[3]カルシウム原子の含有量が、ジルコニウム原子1モルに対して0.10~0.80モルである、上記[1]又は[2]に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末。
[4]水と、上記[1]~[3]のいずれか1項に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末を含むスラリー。
[5]上記[1]~[3]のいずれか1項に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末を製造する方法であって、ジルコニウム塩の水溶液を中和し、生成した塩を除去したスラリーを調製する工程(1)と、前記スラリーに、カルシウム化合物を、該スラリー中のジルコニウム原子1モルに対して0.05モル以上1.00モル未満添加し、80~100℃に加熱する工程(2)とを有し、前記カルシウム化合物が、水酸化カルシウム、酸化カルシウム及び過酸化カルシウムから選ばれる1種以上である、カルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
[6]前記中和に用いられる中和剤が、水酸化カルシウム及びアンモニアから選ばれる1種以上である、上記[5]に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
[7]前記工程(1)において、前記中和により生成した塩を除去する前にも、80~100℃に加熱する、上記[5]又は[6]に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
[8]前記工程(1)において、前記中和により生成した塩を水洗浄により除去する、上記[5]~[7]のいずれか1項に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
[9]前記ジルコニウム塩が、オキシ塩化ジルコニウム八水和物及び硝酸ジルコニウム二水和物から選ばれる1種以上である、上記[5]~[8]のいずれか1項に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
[10]前記工程(1)に代えて、水酸化ジルコニウムを水に添加してスラリーを調製する工程(1A)を有する、上記[5]に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
[11]前記工程(2)の後、該工程(2)の加熱により得られた沈殿物を100℃以下の温度で乾燥して乾燥粉末を得る、上記[5]~[10]のいずれか1項に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
[12]前記スラリー中の前記ジルコニウム原子の含有量が0.1~1.0モル/kgである、上記[5]~[11]のいずれか1項に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
本発明によれば、ナノレベルの微細性及び高結晶性を兼ね備えたカルシア安定化ジルコニア粉末及び該粉末を含むスラリーを提供することができる。
また、本発明の製造方法によれば、高温加熱処理(焙焼)を経ることなく、効率的に、微細かつ結晶性に優れたカルシア安定化ジルコニア粉末を得ることができる。
実施例1、2及び比較例6で得られた各粉末のX線回折(XRD)チャートである。 実施例3、4及び比較例3、4で得られた各粉末のXRDチャートである。
以下、本発明のカルシア安定化ジルコニア粉末及び該粉末を含むスラリー、並びに、カルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法について、詳細に説明する。
[カルシア安定化ジルコニア粉末]
本発明のカルシア安定化ジルコニア粉末は、BET比表面積が100m2/g以上であり、CuKαを線源とする粉末X線回折(XRD)スペクトルにおける回折角2θが30.0°±0.3°の範囲にある主ピークの半値幅が3.00°以下であることを特徴とするものである。
上記要件を満たすカルシア安定化ジルコニア粉末は、微細かつ結晶性に優れており、このような特性を活かして、セラミックスコンデンサ、圧電素子、研磨材、触媒等の種々の用途における原料として好適に用いることができる。特に、誘電材料として有用なジルコン酸カルシウム粉末の原料として好適である。
(BET比表面積)
本発明のカルシア安定化ジルコニア粉末は、BET比表面積が100m2/g以上であり、好ましくは120m2/g以上、より好ましくは150m2/g以上である。
前記BET比表面積が100m2/g以上であれば、セラミックスコンデンサ等の誘電材料の原料において求められる微細性を十分に有しているものである。
一方、前記BET比表面積の上限は、400m2/g以下であることが実際的であり、また、取り扱い容易性等の観点から、好ましくは300m2/g以下、より好ましくは200m2/g以下である。
なお、本発明で言うBET比表面積とは、JIS R 1626:1996に準じて、吸着質として窒素ガスを用いたBET流動法(3点法)で測定された値である。具体的には、下記実施例に記載の全自動BET比表面積測定装置で測定した値である。このBET比表面積は、前記カルシア安定化ジルコニア粉末の微細性を示す指標であり、このBET比表面積の値が大きいほど、前記安定化ジルコニア粉末は微細であると言える。
(半値幅)
前記カルシア安定化ジルコニア粉末は、CuKαを線源とする粉末XRDスペクトルにおける回折角2θが30.0°±0.3°の範囲にある主ピークの半値幅が、3.00°以下であり、好ましくは2.50°以下、より好ましくは2.30°以下である。
前記主ピークは、立方晶カルシア安定化ジルコニアであることを定性するピークであり、該ピークの半値幅は、カルシア安定化ジルコニア粉末の結晶性を示す指標である。
前記ピークがシャープであり、該ピークの半値幅が3.00°以下であれば、セラミックスコンデンサ等の誘電材料の原料において求められる結晶性を有していると言える。前記半値幅の下限は、特に限定されるものではないが、通常、1.00°以上の値として測定される。
なお、本発明で言う半値幅は、具体的には、下記実施例に記載のX線回折装置で測定した粉末XRDスペクトルについて、リートベルト解析により求めた値である。具体的には、後述する実施例で示すように、ソフトウェア「RIETAN-FP」を用いてリートベルト解析を行って求めた値である。
(平均一次粒子径)
上述したように、本発明のカルシア安定化ジルコニア粉末は、BET比表面積が大きく、微細なものであるが、平均一次粒子径は5.0~50.0nmであることが好ましく、より好ましくは8.0~30.0nm、さらに好ましくは10.0~20.0nmである。このような微細なカルシア安定化ジルコニア粉末が、セラミックスコンデンサ等の誘電材料の好適な原料となり得る。
なお、本発明で言う平均一次粒子径は、試料粉末の透過型電子顕微鏡(TEM)による観察画像において、任意の20個の粒子の、長径と短径の平均を粒子径とし、20点のデータのうち、値が大きい方から5点及び値が小さい方から5点のデータを除き、残りの10点の平均値として求めた値である。
(カルシウム含有量)
前記カルシア安定化ジルコニア粉末中のカルシウム原子(Ca)の含有量は、ジルコニウム原子(Zr)1モルに対して0.10~0.80モルであることが好ましく、より好ましくは0.15~0.78モル、さらに好ましくは0.20~0.75モルである。
前記カルシア安定化ジルコニア粉末は、酸化ジルコニウム(ジルコニア)がCaの添加によって安定化されている立方晶の結晶粉末である。前記カルシア安定化ジルコニア粉末中のCa含有量は、0.10~0.80モルであれば、結晶性に優れた立方晶安定化ジルコニアとなりやすいため好ましい。
なお、本発明において、Zrに対する量を述べる場合、該Zrの量には、Zr含有化合物の原料に由来し、分離困難な不可避不純物としてのハフニウム原子(Hf)の量も含まれるものとする。ZrとHfとは、化学的性質が類似しており、工業的に分離することが非常に困難であるため、本発明で用いられるジルコニウム塩等のジルコニウム化合物の原料において、Zr含有量は、不可避不純物であるHfも含む(通常Zrに対して2質量%程度)値で示されるのが一般的であることに基づく。
前記カルシア安定化ジルコニア粉末中のCaの含有量は、蛍光X線(XRF)分析により測定することができる。具体的には、下記実施例に記載の方法により求められる。
(用途)
前記カルシア安定化ジルコニア粉末は、ジルコン酸カルシウム(CaZrO3)、ジルコン酸バリウムカルシウム(Ba1-xCaxZrO3)等の誘電材料、また、酸素センサー素材やジルコニア系セラミックス等の原料として好適に用いることができる。また、前記カルシア安定化ジルコニア粉末は、微細かつ結晶性に優れているとの特性を活かして、研磨材、触媒、小型電子機器等に用いられる部品材料等の種々の用途にも好適に適用することができる。
前記カルシウム安定化ジルコニア粉末は、水を含む分散媒に分散させたスラリーの状態としたものも、上述した粉末の状態で用いる場合と同様の用途において好適に適用することができる。
なお、前記スラリー中の前記カルシウム安定化ジルコニア粉末の含有量は、該スラリーの用途に応じて、適宜設定される。また、前記スラリーの分散媒中には、該スラリーの用途等にもよるが、例えば、アルコール等の水以外の水性媒体、pH調整剤等が、前記カルシウム安定化ジルコニア粉末の上述した諸物性に影響を及ぼさない範囲内で含まれていてもよい。
[カルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法]
前記カルシア安定化ジルコニア粉末は、以下のような本発明の製造方法により、好適に製造することができる。
本発明の製造方法は、ジルコニウム塩の水溶液を中和し、生成した塩を除去したスラリーを調製する工程(1)と、前記スラリーに、カルシウム化合物を、該スラリー中のジルコニウム原子1モルに対して0.05モル以上1.00モル未満添加し、加熱する工程(2)とを有し、前記カルシウム化合物が、水酸化カルシウム、酸化カルシウム及び過酸化カルシウムから選ばれる1種以上であることを特徴とするものである。
このように、ジルコニウム塩を原料とし、中和及び塩を除去する工程を経た後に、所定のカルシウム化合物との反応を行う工程を経ることにより、微細かつ結晶性に優れたカルシア安定化ジルコニア粉末が得られる。すなわち、本発明の製造方法によれば、従来のような高温加熱処理(焙焼)を経ることなく、常圧下の水溶液反応において、高々、加熱還流を行う温度で、効率的に、微細かつ結晶性に優れたカルシア安定化ジルコニア粉末を製造することができる。
(工程(1))
前記工程(1)では、ジルコニウム塩の水溶液を中和し、生成した塩を除去したスラリーを調製する。
前記カルシア安定化ジルコニア粉末の製造原料として、ジルコニウム塩を用いる。
前記ジルコニウム塩としては、具体的には、オキシ塩化ジルコニウム八水和物(ZrCl2O・8H2O)、硝酸ジルコニウム二水和物(ZrO(NO32・2H2O)、硫酸ジルコニウム四水和物(ZrSO4・4H2O)、オキシ酢酸ジルコニウム(ZrO(CH3COO)2)等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、オキシ塩化ジルコニウム八水和物、硝酸ジルコニウム二水和物が好適に用いられる。
前記ジルコニウム塩の水溶液は、中和反応を安全かつ効率的に行う観点から、前記ジルコニウム塩の濃度が0.05~1.0モル/kgに調製することが好ましく、より好ましくは0.1~0.9モル/kg、さらに好ましくは0.2~0.8モル/kgである。
前記中和反応においては、前記ジルコニウム塩から水酸化ジルコニウムが生成される。前記ジルコニウム塩を十分に中和して、水酸化ジルコニウムとすることにより、後の工程での加熱時に、残留する前記ジルコニウム塩の加水分解反応が進行し、単斜晶の酸化ジルコニウムが成長することを抑制することができる。
前記中和反応は、例えば、前記ジルコニウム塩の水溶液に中和剤の全量を一括で、又は少量ずつ逐次、添加して撹拌混合することにより行うことができる。また、前記ジルコニウム塩及び前記中和剤を同時に水に添加混合してもよい。
操作の簡便性の観点からは、前記中和剤の全量が添加された水溶液又は分散液(懸濁液)を予め調製しておき、該水溶液等を前記ジルコニウム塩の水溶液に添加することが好ましい。この場合、前記中和剤の水溶液等の濃度は、用いる中和剤の水への溶解性や分散性にもよるが、中和反応を安全かつ効率的に行う観点から、通常、前記ジルコニウム塩の水溶液の濃度と同等程度であることが好ましい。
前記中和剤としては、一般的なアルカリを用いることができ、例えば、水酸化カルシウム、アンモニア(水)、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
これらの中でも、製造されるカルシア安定化ジルコニア粉末の用途において、セラミックスコンデンサ材料等の高純度原料であることが要求される場合には、アルカリ金属であるナトリウムが残留して不純物となるおそれがあることから、水酸化ナトリウムは好ましくない。製造するカルシア安定化ジルコニア粉末中の不純物をできる限り抑制する観点からは、水酸化カルシウム及び/又はアンモニアであることが好ましく、より好ましくは水酸化カルシウムである。
前記工程(1)においては、中和後、生成した塩を除去する。前記塩を除去する操作を行った後に、中和により生成した水酸化ジルコニウムと、カルシウム化合物とを反応させることにより、微細かつ結晶性に優れたカルシア安定化ジルコニアが得られる。
例えば、ジルコニウム塩としてオキシ塩化ジルコニウム八水和物を用いる場合、中和により生成した塩には塩素原子(Cl)が含まれる。前記塩の除去により、後の工程での水酸化ジルコニウムとカルシウム化合物との反応の妨げとなるClが十分に除去されることが好ましい。
中和により生成した前記塩を除去する方法は、特に限定されるものではない。中和により生成した水酸化ジルコニウムは水に不溶であるのに対して、前記塩は、通常、水溶性であるため、水洗浄により、前記塩を水に溶解させて洗浄除去することが好ましい。水を用いた除去方法は、操作の簡便性の観点からも好ましい。
中和による反応生成液は水酸化ジルコニウムを含むスラリー(懸濁液)で得られ、例えば、遠心分離等により沈殿を生じさせ、上澄み液中に溶解している前記塩を分離し、前記沈殿を回収して水洗浄する等の方法により、前記塩を除去することができる。前記塩を十分に除去する観点から、前記水洗浄後の上澄み液を分離除去し、再度、同様の水洗浄の操作を複数回繰り返すことがより好ましい。
前記塩をより十分に除去する観点から、前記工程(1)では、前記塩を除去する前にも、加熱することが好ましい。加熱することにより、より微細かつ結晶性に優れたカルシア安定化ジルコニア粉末が得られる。
加熱温度は、80~100℃であることが好ましく、より好ましくは90~100℃、さらに好ましくは95~100℃である。温度制御の簡便性の観点からは、加熱還流(100℃程度)することが好ましい。
加熱時間は、6~60時間であることが好ましく、より好ましくは10~50時間、さらに好ましくは12~48時間である。
上記のようにして、中和により生成した前記塩を除去した後、次の工程でカルシウム化合物と均一な反応を容易にする観点から、中和により生成した水酸化ジルコニウムは、これを含むスラリーとして調製しておくことが好ましい。
前記スラリー中のジルコニウム原子(Zr)の含有量は、前記カルシウム化合物との均一な反応を容易とし、また、微細なカルシア安定化ジルコニアが得られるようにする観点から、0.1~1.0モル/kgであることが好ましく、より好ましくは0.2~0.9モル/kg、さらに好ましくは0.3~0.8モル/kgである。
(工程(1A))
前記工程(1)は、これに代えて、水酸化ジルコニウムを水に添加してスラリーを調製する工程(1A)としてもよい。すなわち、予め準備された粉末状等の水酸化ジルコニウムを用いて、水酸化ジルコニウムのスラリーを調製してもよい。
前記工程(1A)によれば、前記工程(1)のように、中和反応及び塩の除去操作を要しないため、低コストで簡便に前記スラリーを調製することができる。ただし、前記工程(1)によって調製したスラリーの方が、より微細なカルシア安定化ジルコニア粉末を得られやすい。
なお、水酸化ジルコニウム粉末を用いる場合、微細なカルシア安定化ジルコニア粉末を得るためには、調製したスラリー中の水酸化ジルコニウム粒子が微細であることが好ましい。このような観点から、前記水酸化ジルコニウム粉末は、BET比表面積が100m2/g以上であることが好ましく、より好ましくは150m2/g以上、さらに好ましくは200m2/g以上である。
前記工程(1A)で調製するスラリーも、該スラリー中のジルコニウム原子(Zr)の含有量は、前記工程(1)で調製するスラリーと同様でよい。
(工程(2))
前記工程(2)では、前記スラリーに、カルシウム化合物を、該スラリー中のジルコニウム原子1モルに対して0.05モル以上1.00モル未満、より好ましくは0.10モル以上0.90モル未満、さらに好ましくは0.20モル以上0.70モル未満添加し、加熱することが好ましい。
前記工程(1)で中和後に調製した前記スラリーの添加するカルシウム化合物の量が0.05モル以上であることにより、微細かつ結晶性に優れたカルシア安定化ジルコニアが得られる。また、1.00モル未満であれば、得られるカルシア安定化ジルコニア粉末が結晶性に優れたものとなる。
なお、前記カルシウム化合物の添加量が多すぎると、カルシア安定化ジルコニア以外に、大気中の二酸化炭素を取り込んで生成する炭酸カルシウム等の副生物や余剰なカルシウム化合物の残留物等が増加する。前記カルシウム化合物に由来する副生物や余剰物等が生じることを抑制する観点からは、前記添加量は0.70モル未満であることが好ましい。
前記カルシウム化合物としては、具体的には、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、酸化カルシウム(CaO)、過酸化カルシウム(CaO2)が好適に用いられ、より好ましくは水酸化カルシウムが用いられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのカルシウム化合物は、25℃における水への溶解度が2.0g/L以下と比較的低く、水酸化カルシウムは1.7g/L、酸化カルシウムは1.2g/Lであり、また、過酸化カルシウムは、水中で分解して水酸化カルシウムとなる。このようなカルシウム化合物を用いることにより、微細かつ結晶性に優れたカルシア安定化ジルコニア粉末が得られる。
なお、カルシウム塩である塩化カルシウム(CaCl2)は、水(25℃)への溶解度が75g/Lであり、水に溶けやすく、カルシア安定化ジルコニア粉末を生成させることは困難である。また、炭酸カルシウムは、水(25℃)への溶解度が0.015g/Lであり、水に溶けにくいものの、炭酸カルシウム中のCaは酸化ジルコニウム結晶中に取り込まれにくく、カルシア安定化ジルコニア粉末を生成させることは困難である。
前記カルシウム化合物は、操作の簡便性の観点からは、予め水溶液又は分散液(懸濁液)として調製しておき、該水溶液等を前記スラリーに添加することが好ましい。この場合、前記カルシウム化合物の水溶液等は、用いるカルシウム化合物の水への溶解性や分散性にもよるが、微細かつ結晶性に優れたカルシア安定化ジルコニア粉末を安全かつ効率的に生成させる観点から、該カルシウム化合物を添加する前記スラリーと同等程度の液量の水溶液等として添加することが好ましい。
前記カルシウム化合物を添加したスラリーは、カルシア安定化ジルコニアの生成反応における反応促進及び結晶性の向上の観点から、加熱することが好ましい。加熱することにより、より微細かつ結晶性に優れたカルシア安定化ジルコニア粉末が得られる。
加熱温度は、80~100℃であることが好ましく、より好ましくは90~100℃、さらに好ましくは95~100℃である。温度制御の簡便性の観点からは、加熱還流(100℃程度)することが好ましい。
加熱時間は、6~60時間であることが好ましく、より好ましくは10~50時間、さらに好ましくは12~48時間である。
このように、本発明の製造方法は、例えば、300℃以上等の高温で加熱処理(焙焼)することは要しないため、操作が簡便であり、エネルギーコストの点からも好ましい。
前記工程(2)で加熱により得られた沈殿物を100℃以下の温度で乾燥して乾燥粉末を得る工程を経ることが好ましい。
前記工程(2)により得られたカルシア安定化ジルコニア粉末は、種々の用途での利用に供するために、水分を可能な範囲で除去しておくことが好ましい。上記のような乾燥工程を経ることにより、取り扱い容易な、微細かつ結晶性に優れたカルシア安定化ジルコニア粉末を得ることができる。
前記乾燥は、前記沈殿物中の水を蒸発させることができればよく、乾燥方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を用いて行うことができる。乾燥温度は、常温乾燥でもよいが、製造効率の観点から加熱乾燥することも好ましい。加熱乾燥する場合においても、温度が100℃以下、より好ましくは90℃以下であれば、乾燥粉末の微細性を保持することができる。
得られたカルシア安定化ジルコニア粉末は、その用途に応じて、公知の方法により、粉砕又は解砕し、分級して、所望の粒度の分級品を調製するようにしてもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[カルシア安定化ジルコニア粉末の製造]
(実施例1)
500mLフッ素樹脂製ビーカーに、オキシ塩化ジルコニウム八水和物(ZrCl2O・8H2O、関東化学株式会社製;以下、同じ。)32.2g(0.10モル)を入れ、純水200.0gを加え、撹拌して溶解し、水溶液を調製した。
前記水溶液に、撹拌しながら、水酸化カルシウム(Ca(OH)2、関東化学株式会社製)7.4g(0.10モル)を純水200.0gに添加した懸濁液を加え、3時間撹拌混合して中和した。pHは8.1であった。なお、pHは、ポータブルpHメーター(「D-74」、株式会社堀場製作所製)で測定した(以下、同様。)。
得られた反応生成液を、遠心分離装置(「H-2000B」、株式会社コクサン社製;以下、同じ。)にて、遠心力約7000×g、3000rpm、5分間の遠心分離を行い、沈殿物を沈降させた。上澄み液を純水に置換して、撹拌混合した後、再度、遠心分離を行い、この操作を10回繰り返すことにより、前記反応生成液中の塩の洗浄除去処理を行った。なお、塩が十分に洗浄除去されていることは、前記pHメーターを用いて、上澄み液の導電率が100μS/cm未満となっていることにより確認した(以下、同様。)。
上記により得られた沈殿物を含むスラリー200g(Zr含有量0.085モル)に、水酸化カルシウム(Ca(OH)2、関東化学株式会社製)2.5g(0.034モル、Zr1モルに対して0.40モル)を純水200.0gに添加した懸濁液を加えて撹拌した。
なお、前記スラリー中のZr含有量は、撹拌して均一に分散させたスラリーから約2gをピペットで採取し、加熱乾燥式水分計(「ML-50」、株式会社エー・アンド・デイ製)にて標準モードで測定を行い、残留分をZr分とみなしてモル換算することにより求めた(以下、同様)。
得られた約400mlのスラリーを撹拌しながら、マントルヒーターで沸点(約98℃)まで加熱して、48時間、加熱還流した。
得られた沈殿物を、大気中、80℃のオーブンで2日間乾燥し、白色の粉末を得た。前記粉末は、XRDピークから、カルシア安定化ジルコニア(立方晶)であることが確認された(図1参照)。
(実施例2)
実施例1と同様にして、500mLフッ素樹脂製ビーカー内のオキシ塩化ジルコニウム八水和物の水溶液を、水酸化カルシウムで中和した(pH8.1)。
前記ビーカー上部を覆い、ジムロート冷却器を設置し、該ビーカー内の液を撹拌しながら、マントルヒーターで沸点(約98℃)まで加熱して、48時間、加熱還流した。
得られた反応生成液を室温(25℃)まで冷却後、遠心分離装置にて、遠心力約7000×g、3000rpm、5分間の遠心分離を行い、沈殿物を沈降させた。上澄み液を純水に置換して、撹拌混合した後、再度、遠心分離を行い、この操作を10回繰り返すことにより、前記反応生成液中の塩の洗浄除去処理を行った。
上記により得られた沈殿物を含むスラリー(Zr0.087モル)200gに、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)2.6g(0.035モル、Zr1モルに対して0.40モル)を純水200.0gに添加した懸濁液を加えて撹拌した。得られた約400mlのスラリーを撹拌しながら、マントルヒーターで沸点(約98℃)まで加熱して、48時間、加熱還流した。
得られた沈殿物を、大気中、80℃のオーブンで2日間乾燥し、白色の粉末を得た。前記粉末は、XRDピークから、カルシア安定化ジルコニア(立方晶)であることが確認された(図1参照)。
(実施例3及び4)
実施例2と同様にして得られたスラリーに、水酸化カルシウムに代えて、酸化カルシウム(CaO)2.0g(実施例3)、又は過酸化カルシウム(CaO2)2.5g(実施例4)(いずれも0.035モル、Zr1モルに対して0.40モル)を純水200.0gに添加した懸濁液を加え、それ以外は実施例2と同様にして、白色の粉末を得た。前記粉末は、XRDピークから、いずれも、カルシア安定化ジルコニア(立方晶)であることが確認された(図2参照)。
(実施例5~7、比較例1及び2)
実施例2と同様にして得られたスラリーに、添加する水酸化カルシウムの量を下記表1に示す量にそれぞれ変更し、それ以外は実施例2と同様にして、白色の粉末を得た。
実施例5~7及び比較例2で得られた粉末は、XRDピークから、カルシア安定化ジルコニア(立方晶)であることが確認された。
なお、実施例7及び比較例2は、XRDスペクトルにおいて、炭酸カルシウムのピークも確認された。この炭酸カルシウムは、過剰の水酸化カルシウムと大気中の二酸化炭素との反応生成物であるものと推測される。
また、比較例1で得られた粉末は、XRDスペクトルにおいて、カルシア安定化ジルコニア(立方晶)の生成は確認できなかったため、得られた粉末についての他の分析は行わなかった。
(実施例8)
実施例1の中和において、水酸化カルシウムの代わりに、濃度25質量%のアンモニア水(NH3(aq))約7.0g(NH3約0.10モル)を純水200.0gで希釈した水溶液を加え、3時間撹拌混合して中和した(pH8.4)。それ以外は実施例1と同様にして、白色の粉末を得た。前記粉末は、XRDピークから、カルシア安定化ジルコニア(立方晶)であることが確認された。
(比較例3)
実施例2と同様にして得られたスラリーに、水酸化カルシウムに代えて、炭酸カルシウム(CaCO3)3.5g(0.035モル、Zr1モルに対して0.40モル)を純水200.0gに添加した懸濁液を加え、それ以外は実施例2と同様にして、白色の粉末を得た。前記粉末のXRDピークから、カルシア安定化ジルコニアはほとんど生成しておらず、主ピークは炭酸カルシウムであることが確認された(図2参照)。このため、得られた粉末についての他の分析は行わなかった。
(比較例4)
実施例2と同様にして得られたスラリーに、水酸化カルシウムに代えて、塩化カルシウム(CaCl2)3.9g(0.035モル、Zr1モルに対して0.40モル)を純水200.0gに添加した水溶液を加え、それ以外は実施例2と同様にして、白色の粉末を得た。前記粉末のXRDピークから、カルシア安定化ジルコニアの生成は確認できなかったため(図2参照)、得られた粉末についての他の分析は行わなかった。
(比較例5)
実施例1と同様にして、500mLフッ素樹脂製ビーカー内でオキシ塩化ジルコニウム八水和物の水溶液を調製した。
前記水溶液に、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)2.96g(0.04モル、Zr1モルに対して0.40モル)を純水200.0gに添加した懸濁液を加え、3時間撹拌混合した。
前記ビーカー上部を覆い、ジムロート冷却器を設置し、ビーカー内の液を撹拌しながら、マントルヒーターで沸点(約98℃)まで加熱して、48時間、加熱還流した。
得られた反応生成液を室温(25℃)まで冷却後、遠心分離装置にて、遠心力約7000×g、3000rpm、5分間の遠心分離を行い、沈殿物を沈降させた。上澄み液を純水に置換して、撹拌混合した後、再度、遠心分離を行い、この操作を10回繰り返すことにより、前記反応生成液中の塩の洗浄除去処理を行った。
得られた沈殿物を、大気中、80℃のオーブンで2日間乾燥し、白色の粉末を得た。前記粉末は、XRDピークから、酸化ジルコニウム(単斜晶)であることが確認された。カルシア安定化ジルコニアの生成は確認できなかった。
(比較例6)
比較例5において、添加する水酸化カルシウムの量を6.4g(0.14モル、Zr1モルに対して1.40モル)とし、それ以外は比較例5と同様にして、白色の粉末を得た。前記粉末は、XRDピークから、カルシア安定化ジルコニア(立方晶)であることが確認された(図1参照)。
[粉末の分析測定]
上記実施例及び比較例で得られた各粉末について、以下に示す項目の分析測定を行った。これらの測定結果を、下記表1にまとめて示す。
以下の各分析測定においては、上記実施例及び比較例で得られた各粉末を、乳鉢解砕したものを試料粉末とした。
(粉末X線回折測定)
X線回折装置(「X’pert PRO」、パナリティカル社製)にて、X線回折測定を行った。測定は、銅ターゲット、CuKα線(Cu-Kα1)、管電圧45kV、管電流40mAの条件にて、測定範囲2θ=18°~80°、サンプリング幅0.0167°、走査速度3.3°/minで行った。
得られたX線回折(XRD)スペクトルにおける2θ=30.0°±0.3°の範囲にある主ピーク(立方晶カルシア安定化ジルコニアでることを定性するピーク)に基づいて、試料粉末がカルシア安定化ジルコニアであることの同定を行い、該ピークの半値幅を求めた。前記半値幅は、リートベルト解析(使用ソフトウェア:「RIETAN-FP」)により求めた半値幅(FWHM:full width at half maximum)である。
なお、比較例5の単斜晶酸化ジルコニウムについては、2θ=28.2°に主ピークが観察された。また、実施例7及び比較例2においては、炭酸カルシウムのピーク(2θ=29.4°)が確認された。
測定された粉末XRDチャートのうちの代表例を図1及び図2に示す。図1に、実施例1、2及び比較例6について示す。また、図2に、実施例3、4及び比較例3、4について示す。
(BET比表面積)
JIS R 1626:1996に準じて、全自動BET比表面積測定装置(「Macsorb(登録商標)HM model-1208」、株式会社マウンテック製)にて、BET3点法で吸着質として窒素ガスを用いて、BET比表面積を測定した。
(平均一次粒子径)
TEM観察により、試料粉末の平均一次粒子径を求めた。
TEM観察は、試料粉末をエタノール溶液に分散し、マイクログリッドメッシュにて回収したものをTEM観察用試料とし、電解放出形透過電子顕微鏡(「HF-2200」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、加速電圧200kV)、及びCCDカメラ(「Orius SC600」、Gatan社製)にて、倍率100,000倍で行った。
観察画像において、任意の20個の粒子の長径と短径を計測し、その平均を粒子径とした。これらの粒子径の20点のデータのうち、値が大きい方から5点及び値が小さい方から5点のデータを除き、残りの10点の平均値を求め、この値を平均一次粒子径とした。
(カルシウム含有量)
試料粉末について、多元素同時蛍光X線分析装置「Simultix 14」(株式会社リガク製)でXRFスペクトルを測定することにより、ジルコニウム原子(Zr)1モルに対するカルシウム原子(Ca)の含有量[モル]を求めた。
表1及び図1に示した結果から分かるように、実施例1~8のカルシア安定化ジルコニア粉末は、BET比表面積が100m2/g以上であり、かつ、粉末XRDスペクトルにおけるカルシア安定化ジルコニアのピークの半値幅が3.00°以下であり、微細かつ結晶性に優れていると言える。
また、ジルコニウム塩の中和処理後に塩を除去し、所定のカルシウム化合物を添加して得られた水酸化ジルコニウムを含むスラリーを加熱処理することにより、このような微細かつ結晶性に優れたカルシア安定化ジルコニア粉末が得られることが認められた。

Claims (11)

  1. BET比表面積が100m2/g以上であり、CuKαを線源とする粉末X線回折スペクトルにおける回折角2θが30.0°±0.3°の範囲にある主ピークの半値幅が3.00°以下であり、
    カルシウム原子の含有量が、ジルコニウム原子1モルに対して0.10~0.80モルである、カルシア安定化ジルコニア粉末。
  2. 平均一次粒子径が5.0~50.0nmである、請求項1に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末。
  3. 水と、請求項1又は2に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末を含むスラリー。
  4. BET比表面積が100m 2 /g以上であり、CuKαを線源とする粉末X線回折スペクトルにおける回折角2θが30.0°±0.3°の範囲にある主ピークの半値幅が3.00°以下であるカルシア安定化ジルコニア粉末を製造する方法であって、
    ジルコニウム塩の水溶液を中和し、生成した塩を除去したスラリーを調製する工程(1)と、
    前記スラリーに、カルシウム化合物を、該スラリー中のジルコニウム原子1モルに対して0.05モル以上1.00モル未満添加し、80~100℃に加熱する工程(2)とを有し、
    前記カルシウム化合物が、水酸化カルシウム、酸化カルシウム及び過酸化カルシウムから選ばれる1種以上である、カルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
  5. 前記中和に用いられる中和剤が、水酸化カルシウム及びアンモニアから選ばれる1種以上である、請求項に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
  6. 前記工程(1)において、前記中和により生成した塩を除去する前にも、80~100℃に加熱する、請求項又はに記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
  7. 前記工程(1)において、前記中和により生成した塩を水洗浄により除去する、請求項のいずれか1項に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
  8. 前記ジルコニウム塩が、オキシ塩化ジルコニウム八水和物及び硝酸ジルコニウム二水和物から選ばれる1種以上である、請求項のいずれか1項に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
  9. 前記工程(1)に代えて、水酸化ジルコニウムを水に添加してスラリーを調製する工程(1A)を有する、請求項に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
  10. 前記工程(2)の後、該工程(2)の加熱により得られた沈殿物を100℃以下の温度で乾燥して乾燥粉末を得る、請求項のいずれか1項に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
  11. 前記スラリー中の前記ジルコニウム原子の含有量が0.1~1.0モル/kgである、請求項10のいずれか1項に記載のカルシア安定化ジルコニア粉末の製造方法。
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