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JP7633034B2 - 紫外線受光素子の製造方法 - Google Patents
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JP7633034B2 - 紫外線受光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、紫外線受光素子及び紫外線受光素子の製造方法に関する。
紫外線受光素子の一例として、GaN/AlGaNヘテロ構造を用いたp型ゲート光FET(Field Effect Transistor)である紫外線受光素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2007/135739号
上述の紫外線受光素子では、素子に光が入射している際に、第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層との間に生成される二次元電子ガスを介して流れる電流以上の電流(光電流)を得ることが難しい。
本開示は、得られる光電流を増大させて、より高い受光感度を有する紫外線受光素子の製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決するために、本開示の一実施形態に係る紫外線受光素子の製造方法は、基板上にAlXGa(1-X)N(0.45≦X≦0.8)を含む第一窒化物半導体層を形成した後、第一窒化物半導体層上にAlYGa(1-Y)N(X<Y≦1.0)を含む第二窒化物半導体層を形成して、第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、第二窒化物半導体層の表面を、BCl ガスとSF ガスとの混合ガスで200秒以上300秒以下プラズマエッチングすることにより、密度1.0×10 13 cm -2 以上1.0×10 14 cm -2 以下の捕獲準位を形成する捕獲準位形成工程と、第二窒化物半導体層上に、ソース電極及びドレイン電極を蒸着により形成する電極形成工程と、を備えることを特徴とする。
また、本開示の他の実施形態に係る紫外線受光素子の製造方法、基板上にAGa(1-X)N(0.45≦X≦0.8)を含む第一窒化物半導体層を形成した後、第一窒化物半導体層上にAGa(1-Y)N(X<Y≦1.0)を含む第二窒化物半導体層を形成して、第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、前記第二窒化物半導体層の表面を、硫酸と過酸化水素水とを1:2から2:1の範囲で混合した100℃の酸性溶液に10分間浸漬してエッチングすることにより、密度1.0×10 13 cm-2以上1.0×1014cm-2以下の捕獲準位を形成する捕獲準位形成工程と、第二窒化物半導体層上にソース電極及びドレイン電極を蒸着により形成する電極形成工程と、を備えることを特徴とする。
また、本開示の他の実施形態に係る紫外線受光素子の製造方法は、基板上にAl Ga (1-X) N(0.45≦X≦0.8)を含む第一窒化物半導体層を形成した後、第一窒化物半導体層上にAl Ga (1-Y) N(X<Y≦1.0)を含む第二窒化物半導体層を形成して、第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、水素雰囲気下において、基板及び積層体を1100℃でアニールすることにより、第二窒化物半導体層の表面に密度1.0×10 13 cm -2 以上1.0×10 14 cm -2 以下の捕獲準位を形成する捕獲準位形成工程と、第二窒化物半導体層上に、ソース電極及びドレイン電極を蒸着により形成する電極形成工程と、を備えることを特徴とする。
本開示の一態様によれば、得られる光電流量を増大させて、より高い受光感度を有する紫外線受光素子の製造方法を得ることができる。
本開示の実施形態に係る紫外線受光素子の一構成例を示す断面図である。 本開示の実施形態に係る紫外線受光素子の他の構成例を示す断面図である。 本開示の実施形態に係る紫外線受光素子の他の構成例を示す断面図である。
以下、実施形態を通じて本実施形態に係る紫外線受光素子を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
1.本開示にかかる紫外線受光素子の作用、効果について
本開示にかかる紫外線受光素子は、基板上に順に形成された第一窒化物半導体層と第二窒化物半導体層とを備えている。これにより、第一窒化物半導体層と第二窒化物半導体層との界面には二次元電子ガスが生成される。また、第二窒化物半導体層の表面(第二窒化物半導体層の第一窒化物半導体層と反対側の面)をプラズマ又は酸性溶液によってエッチングしたり、水素雰囲気下において所定温度でアニールしたりすることにより、窒化物半導体層の積層体(特に第二窒化物半導体層の表面又は内部)に捕獲準位が形成される。このような窒化物半導体層の積層体(第二窒化物半導体層)上に最適なソース電極及びドレイン電極を形成することによって、二次元電子ガスの層を空乏することができる。
これにより、紫外線受光素子に入射すべき紫外光が入射していないとき(暗状態)では二次元電子ガスを介した電流が抑制され、電流(暗電流)の抑制が可能となる。一方で、紫外線受光素子に入射すべき紫外光が入射しているときには、空乏層で吸収された光(第一窒化物半導体層のバンドギャップに相当)は電子へと変換され、ソース電極及びドレイン電極間の電界によって電流として取り出される。このとき、二次元電子ガスの電子も同様に電流として得られるため、高い光電流が得られる。さらに、紫外光照射によって窒化物半導体層の積層体(特に第二窒化物半導体層)においてもキャリア(例えば正孔)が励起される。このキャリアは、窒化物半導体層の積層体に形成された捕獲準位に捕獲される。
この捕獲されたキャリアは捕獲準位密度分だけ蓄積され、キャリアが正孔である場合は電子を誘起する効力をもつ。つまり、二次元電子ガスによって得られる電流だけでなく、捕獲準位に捕獲されたキャリアによっても電流がさらに得られる。本開示にかかる紫外線受光素子に形成された捕獲準位密度が二次元電子ガス濃度に遜色ないため、紫外線受光素子では二次元電子ガスを介して流れる電流より高い光電流を得られる。一般的には電子デバイスにおいては、捕獲準位はキャリアの移動を妨げることから密度を低減することが要求される。一方、本開示にかかる紫外線受光素子において、捕獲準位は高い光電流を得る効果を示している。
これらのメカニズムによって、本開示にかかる紫外線受光素子は、波長190nmから290nmの光(紫外光)にのみ反応し、低い暗電流と、一例として10μW/cmの紫外光を照射した際に得られる極めて高い光電流とを実現する。これにより、本開示にかかる紫外線受光素子は、高いS/N(暗電流の値に対する光電流の値の比、6.0×10以上、より好ましくは1.0×10以上)と、高い受光感度(10A/W)とを両立することが可能となる。
2.紫外線受光素子の構成
本開示の一実施形態に係る紫外線受光素子について説明する。紫外線受光素子は、基板と、基板上に配置され、AlGa(1-X)N(0.45≦X≦0.8)を含む第一窒化物半導体層、及び、第一窒化物半導体層上に配置され、AlGa(1-Y)N(X<Y≦1)を含む第二窒化物半導体層を有する積層体と、第二窒化物半導体層上に配置されたソース電極及びドレイン電極を備えている。また、紫外線受光素子は、第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層のいずれかに密度1.0×1011cm-2以上1.0×1014cm-2以下の捕獲準位を有している。
以下、各層について詳細に説明する。
(基板)
基板は、半導体基板として使用可能ないずれの材料も使用可能であるが、AlN単結晶基板又はAlGaN基板等の窒化物半導体を含む窒化物半導体基板や、サファイア基板等を用いることができる。また、基板は、AlN単結晶基板又はサファイア基板上にAlN層が配置された積層基板を用いても良い。
ここで、「窒化物半導体を含む窒化物半導体基板」という表現における「含む」とは、窒化物半導体を主に層内に含むことを意味するが、その他の元素を含む場合もこの表現に含まれる。具体的には、窒化物半導体以外の元素を少量(例えばGa(Gaが主元素でない場合)、In、As、P、又はSb等の元素を数%以下)加える等してこの層の組成に軽微な変更を加える場合についてもこの表現に含まれる。その他の層の組成の表現においても、「含む」という文言は、同様の意味を有する。また、含まれる少量元素については前述の限りではない。
(第一窒化物半導体層)
第一窒化物半導体層は、基板上に形成される。ここで、例えば「第一窒化物半導体層は基板上に形成される」という表現における「上に」という文言は、基板の一方の面上に第一窒化物半導体が形成されることを意味する。また、基板と第一窒化物半導体層との間に別の層がさらに存在する場合も上述の表現に含まれる。その他の層同士の関係においても、「上の」という文言は、同様の意味を有する。例えば、第一窒化物半導体層と第二窒化物半導体層との間に組成傾斜層が設けられた場合も「第二窒化物半導体層は第一窒化物半導体層上に形成される」という表現に含まれる。第一窒化物半導体層は、後述する第二窒化物半導体層とともに積層体を形成する。
第一窒化物半導体層は、例えばAlGa(1-X)N(0.45≦X≦0.8)により形成される。これにより、紫外領域の光が紫外線受光素子に照射されたときのみ、シグナルを出す(受光する)ことが可能となる。
第一窒化物半導体層のAl組成比Xが増加することで第二窒化物半導体層のAl組成比Yも増加し、紫外線受光素子へのコンタクト抵抗が増大する。紫外線受光素子への電極コンタクトの観点から、第一窒化物半導体層は、より好ましくはAlGa(1-X)N(0.45≦X≦0.6)により形成される。
第一窒化物半導体層は、In、P、As、Sb等のN以外のV族元素、C、H、F、O、Mg、Si等の不純物を含んでいてもよいが、不純物の元素の種類としてはこの限りではない。
第一窒化物半導体層は、第一窒化物半導体層内での格子緩和の観点から、50nm以上500nm以下の層厚を有することが好ましく、100nm以上300nm以下の層厚を有することがより好ましい。ここで、「第一窒化物半導体層内での格子緩和」とは、第一窒化物半導体層の上端面におけるa軸格子定数が、第一窒化物半導体層の下端面におけるa軸格子定数よりも大きくなることをいう。
(第二窒化物半導体層)
第二窒化物半導体層は、第一窒化物半導体上に形成される。上述したように、第二窒化物半導体層は、第一窒化物半導体層とともに積層体を形成する。
第二窒化物半導体層は、例えばAlGa(1-X)N(X<Y<1)により形成される。これにより、紫外領域の光が紫外線受光素子に照射されたときに、第一窒化物半導体層と第二窒化物半導体層との界面に二次元電子ガスが生成して、極めて高い光電流得ることが可能となる。
第二窒化物半導体層は、In、P、As、Sb等のN以外のV族元素、C、H、F、O、Mg、Si等の不純物を含んでいてもよいが、不純物の元素の種類としてはこの限りではない。
(捕獲準位)
捕獲準位は、紫外線受光素子のいずれかの場所に存在していてよく、上述したように、積層体、すなわち第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層のいずれかに捕獲準位が形成されている。
捕獲準位は、積層体(第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層)の表面又は膜中に存在することが好ましい。ここで、例えば「表面又は膜中に存在する」という表現における「表面」という文言は、層表面の全面に形成されていてもよいし、一部分のみであってもよいことをいう。また、「膜中」という文言は、膜中に均一に形成されていてもよいし、一部にのみ形成されていてもよいことをいう。また、捕獲準位が第一窒化物半導体層と第二窒化物半導体素の界面に形成されている構造も上述の表現に含まれることとする。
高い光電流を得る観点から、捕獲準位の密度は1.0×1011cm-2以上1.0×1014cm-2以下であり、1.0×1012cm-2以上1.0×1014cm-2以下であることが好ましい。二次元電子ガスによる効力よりも高い光電流を得る観点から、捕獲準位の密度は1.0×1013cm-2以上1.0×1014cm-2であることがより好ましい。
また、捕獲準位の形成の観点及び蓄積されたキャリアによる電子の誘起の観点から、捕獲準位は、第二窒化物半導体層)の表面又は膜中に存在することがより好ましい。
第一窒化物半導体層と第二窒化物半導体層との間に生成される二次元電子ガスの濃度は、第一窒化物半導体層のAl組成比X、第二窒化物半導体層のAl組成比Y及び第二窒化物半導体層の膜厚tによって決定される。二次元電子ガスのキャリア濃度は、Hall測定やC―V測定によって実測値を算出することも可能であるが、より簡易にはSiLENSe(STR社製)やAtlas(シルバコ社製)などのソフトを使用することにより、各層の構造からの算出が可能である。
紫外線受光素子では、生成される二次元電子ガスの濃度が高いほど紫外線照射時に高い光電流を得ることが可能となる。一方、紫外線受光素子では、生成される二次元電子ガスの濃度が高いほど暗状態においても高い暗電流が流れることになる。このため、高い光電流を得るためには、第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層の構成において好適値を有する。
このため、第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層は、第一窒化物半導体層のAl組成比X、第二窒化物半導体層のAl組成比Y及び第二窒化物半導体層の膜厚t[nm]が以下の式(1)を満たすように構成されていることが好ましい。第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層の構成が式(1)を満たす場合に、暗電流の値に対する光電流の値の比であるS/Nが高い紫外線受光素子が得られる。
-0.009×t+X+0.25≦Y≦-0.009×t+X+0.45・・・(1)
(電極)
ソース電極及びドレイン電極は、第二窒化物半導体層上に形成される。
ソース電極及びドレイン電極を形成する材料としては、二次元電子ガスに対して、暗状態では第二窒化物半導体層との間に十分なショットキー接合による空乏層を形成し(MSM型)、暗電流が抑制でき、紫外光照射時は二次元電子ガスを介して光電流を取り出すための障壁が十分に低い材料であれば、制限はない。このような条件を満たす材料としては、Alと、Auと、V、Ti、Zr、Rh、Mo、Ni、Pt、Pd、W及びTaのうちの少なくとも1つとを含むことが好ましく、特にV、Al、Mo及びAuを含む合金であることが好ましい。
ソース電極及びドレイン電極は、例えば、第二窒化物半導体層上に順に形成された10nm以上30nmのV層と、70nm以上90nm以下のAl層と、30nm以上50nm以下のMo層と、40nm以上60nm以下のAu層とで形成された積層電極である。
ソース電極及びドレイン電極のサイズ(長さ、幅)及び形状に制限はない。例えば、ソース電極及びドレイン電極は、それぞれ四角形状であり第二窒化物半導体層の面上で対向して配置されていてもよいし、櫛形状でもよい。第二窒化物半導体層との間のショットキー障壁による空乏層の形成の観点と、空乏層の幅の観点から、ソース電極とドレイン電極との間の距離は1.0μm以上30μm以下であることが好ましい。また、チップサイズの観点から、ソース電極とドレイン電極との間の距離は、1.0μm以上15μm以下であることがより好ましい。
紫外線受光素子は、ソース電極及びドレイン電極の間にゲート電極を備えていても良い。ここで、例えば「ソース電極及びドレイン電極の間に」という表現における「間に」という文言は、ゲート電極がソース電極及びドレイン電極の間を全てにわたって存在しても良いし、一部分だけに存在してもよいことをいう。また、上述の表現には、ゲート電極がソース電極又はドレイン電極を囲うように存在する構成も含まれる。
ゲート電極の幅は、ソース電極及びドレイン電極との間に配置されたゲート電極がソース電極及びドレイン電極と接触せずに存在するならば制限はない。電極形成プロセスの観点から、ゲート電極の幅は500nm以上10μm以下であることが好ましい。また、電界印加の観点から、ゲート電極の幅は500nm以上2μm以下であることがより好ましい。
ゲート電極を構成する材料としては、二次元電子ガスに対して障壁が十分に高い材料であれば制限はない。このような条件を満たす材料としては、Niと、Auと、V、Ti、Rh、Pt、Pd、Alのうちの少なくとも1つとを含むことが好ましく、特にNiとAuとを含む合金であることが好ましい。
3.紫外線受光素子の製造方法
本開示にかかる紫外線受光素子の製造方法は、基板上にAlGa(1-X)N(0.45≦X≦0.8)を含む第一窒化物半導体層を形成した後、第一窒化物半導体層上にAlGa(1-Y)N(X<Y≦1.0)を含む第二窒化物半導体層を形成して、第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、積層体に捕獲準位を形成する捕獲準位形成工程と、第二窒化物半導体層上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、を含む。
(積層体形成工程)
第一窒化物半導体層を形成する際には、例えば有機金属堆積法(MOCVD法)を用いて基板上にAlGa(1-X)N(0.45≦X≦0.8)を堆積させる。
また、第二窒化物半導体層を形成する際には、第一窒化物半導体層を形成する際と同様に、有機金属堆積法(MOCVD法)を用いて第一窒化物半導体層上にAlGa(1-Y)N(X<Y≦1.0)を堆積させる。
第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層は、例えばトリメチルアルミニウム(TMAl)等のAl原料と、例えばトリメチルガリウム(TMGa)やトリエチルガリウム(TEGa)等のGa原料と、例えばアンモニア(NH)等のN原料とを用いて形成することができる。
(捕獲準位形成工程)
捕獲準位形成工程では、第二窒化物半導体層の表面をプラズマや酸性溶液によってエッチングして積層体の表面状態を変化させたり、積層体を高温環境下においてアニールする。これにより、捕獲準位形成工程では、積層体すなわち第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層のいずれかに捕獲準位を形成する。
第二窒化物半導体層の表面をプラズマにてエッチングして捕獲準位を形成する場合には、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively coupled plasma)エッチングによって捕獲準位を形成することができる。
この場合、例えばエッチングガスとしてBClガス、SFガス、Clガス、CFガス等を用いることができ、BClガス、SFガスを混合して用いることが好ましい。
また、エッチング時間はエッチングガスの種類やエッチング条件に応じて適宜決定されればよいが、第二窒化物半導体層の表面を0.5nm以上2nm以下程度エッチングできる程度の時間(例えば100sec以上300sec以下程度)とすることが好ましい。
一例として、真空度2Pa、アンテナ160W、バイアス9Wの条件下において、BClガスを20sccm、SFガスを10sccm流しながら100secエッチングすると、第二窒化物半導体層の表面を1nm程度エッチングすることが可能である。このとき、第二窒化物半導体層表面のエッチングダメージにより捕獲準位を形成することができる。
また、第二窒化物半導体層の表面を酸性溶液にてエッチングして捕獲準位を形成する場合には、硫酸と過酸化水素水とを用いることができる。
この場合、例えば酸性溶液として、硫酸と過酸化水素水とを1:2から2:1の範囲で混合した溶液を用いることができる。
また、酸性溶液は、例えば60℃以上100℃以下程度に加熱して用いることができる。
一例として、硫酸と過酸化水素水とを1:1の割合で混合した溶液を80℃に加熱し、積層体が形成された基板を10分間溶液に浸漬する。これにより、プラズマにてエッチングする場合と同様に、表面のダメージによって第二窒化物半導体層に捕獲準位を形成することができる。
さらに、水素雰囲気下において基板及び積層体をアニールすることによっても捕獲準位を形成することができる。
この場合、水素雰囲気下において積層体が形成された基板を900℃以上1100℃以下でアニールする。これにより、第二窒化物半導体層の表面又は内部や第一窒化物半導体層の内部に原子欠損等によるダメージが生じて、第二窒化物半導体層又は第一窒化物半導体層に捕獲準位を形成することができる。
(電極形成工程)
電極形成工程では、レジストマスクを用いて電子線蒸着(EB)法によって第二窒化物半導体層上に電極材料となる金属を蒸着させる等の種々の方法により、ソース電極及びドレイン電極を形成することができる。
この場合、ソース電極及びドレイン電極は、例えば第二窒化物半導体層上にVを10nm以上30nm、Alを70nm以上90nm以下、Moを30nm以上50nm以下、Auを40nm以上60nm以下の膜厚でこの順に堆積させた後、熱処理することにより形成することが好ましい。また、Moの代わりに、膜厚が30nm以上50nm以下のNiを用いることも好ましい。
熱処理は、例えば、温度範囲600℃以上900℃以下、昇温率7.5℃/sec以上20℃/sec以下、処理時間30秒以上60秒以下の条件で行われることが好ましい。
4.各構成の測定方法
上述した紫外線受光素子の各構成は、以下の方法によりそれぞれ測定することができる。
(紫外線受光素子を構成する各層に含まれる元素の確認方法)
紫外線受光素子を構成する各層に含まれる元素は、エネルギー分散型X線分析(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)、蛍光X線元素分析(XRF:X-Ray Fluorescence analysis)、ラザフォード後方散乱分光(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)、二次イオン質量測定(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)及びX線光電子分光(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)により確認できる。ここでいう「各層」とは、紫外線受光素子構成する基板、第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層、電極などの全ての構成要素をいう。
(不純物濃度及びドーピング濃度の測定)
紫外線受光素子を構成する基板及び各層に含まれるドーパントや不純物の濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS)により測定することができる。
各層に含まれるドーパントや不純物の濃度を、デバイスに加工された後にSIMSで測定する場合は、化学的なエッチングや物理研磨により電極を除去した状態で測定することができる。また、各層に含まれるドーパントや不純物の濃度は、電極が形成されていない基板側からスパッタして測定することもできる。
具体的には、エバンス・アナリティカル・グループ(EAG)社が提供する測定条件によりSIMS測定を実施する。測定時の試料のスパッタには、14.5keVのエネルギーを有したセシウム(Cs)イオンビームを用いる。
(層厚の測定方法)
紫外線受光素子を構成する各層の層厚は、基板に垂直な所定断面を切り出して、この断面を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)により観察し、TEMの測長機能を使用することで測定できる。測定方法としては、先ず、TEMを用いて、紫外線受光素子の基板の主面に対して垂直な断面(例えばa面)を観察する。具体的には、例えば、紫外線受光素子の基板の主面に対して垂直な断面を示すTEM画像内の、基板の主面に対して平行な方向において2μm以上の範囲を観察幅とする。この観察幅の範囲において、組成の異なる2層の界面にはコントラストが観察されるので、この界面までの厚さを、幅200nmの連続する観察領域で観察する。この200nm幅の観察領域内に含まれる各層の厚さの平均値を、上述した2μm以上の観察幅から任意に抽出した5箇所から算出することで、各層の層厚を得ることができる。
(第一窒化物半導体層のAl組成の測定方法)
第一窒化物半導体層のAl組成は、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)法による逆格子マッピング測定(RSM:Reciprocal Space Mapping)によって測定することができる。具体的には、非対称面を回折面として得られる回折ピーク近傍の逆格子マッピングデータを解析することにより、下地に対する格子緩和率とAl組成とが得られる。回折面としては、例えば(10-15)面や(30-24)面が挙げられる。
(第二窒化物半導体層のAl組成の測定方法)
第二窒化物半導体層のAl組成は、X線光電分光法(XPS)、エネルギー分散型X線分光法(EDX)、及び電子エネルギー損失分光法(EELS:Electron Energy-Loss Spectroscopy)によって測定することができる。
EELSでは、電子線が試料を透過する際に失うエネルギーを測定することで、試料の組成を分析する。具体的には、例えば、TEM観察等で使用する薄片化試料において、透過電子線の強度のエネルギー損失スペクトルを測定・解析する。そして、エネルギー損失量20eV付近に現れるピークのピーク位置が、各層の組成に応じて変化することを利用し、ピーク位置から組成を求めることができる。
EELSでは、上述のTEM観察による層厚算出方法と同様にして、観察幅200nmにおけるAl組成の平均値を、2μm以上の観察領域から任意に抽出した5箇所から算出することで、各層のAl組成を得る。
EDXでは、上述のTEM観察等で使用する薄片化試料において電子線によって発生する特性X線を測定・解析する。EDXでは、上述のTEM観察による層厚算出方法と同様にして、観察幅200nmにおけるAl組成の平均値を、2μm以上の観察領域から任意に抽出した5箇所から算出することで、各層のAl組成を得る。
XPSでは、イオンビームを用いたスパッタエッチングを行いながらXPS測定を行うことで、深さ方向における組成の評価が可能である。イオンビームには一般的にArが用いられるが、XPS装置に搭載されたエッチング用イオン銃で照射できるイオンであれば、例えばArクラスターイオンなどの他のイオン種でもよい。Al、Ga、NのXPSピーク強度を測定・解析して各層のAl組成の深さ方向分布を得る。スパッタエッチングの代わりに、基板の主面に対して垂直な断面が拡大されて露出されるように紫外線受光素子を斜め研磨して、露出断面をXPSで測ってもよい。
XPSだけでなくオージェ電子分光法(AES:Auger Electron Spectroscopy)を用いても各層の組成を測定できる。この場合、スパッタエッチングあるいは斜め研磨により露出させた断面においてオージェ電子分光法による測定を行うことで、組成を測定できる。また、斜め研磨により露出させた断面に対するSEM-EDX測定によっても、各層の組成を測定できる。
(捕獲準位の測定方法)
捕獲準位は紫外線受光素子の照射強度依存性から算出できる。具体的には、紫外線受光素子が反応する紫外光の照射強度を1nW/cm~100nW/cmまで変化させる。このときソース・ドレイン間に一定の電圧(たとえば5V)を印加した状態で、ソース・ドレイン電極間に流れる電流を時間に対して測定する。なお、電流電圧測定には、パラメーターアナライザー及びプローブ測定器を用いることで精度の良い測定ができる。紫外光を照射してから電流が飽和するまでの時間を飽和時間(ΔT)とする。紫外光の波長と照射強度から照射光に含まれる光子の数(Pc)が計算できる。上述のΔTとPcの積が捕獲準位密度として近似できる。1nW/cm~100nW/cmの範囲で10点の測定を実施し、上述した方法で算出された捕獲準位密度の平均を捕獲準位密度とする。このとき、捕獲準位密度が10点の中央値から5倍以上乖離する測定点があらわれた場合には、その点は除外して、残りの点による平均値を捕獲準位密度とする。
5.紫外線受光素子の具体的構成
以下、本開示にかかる紫外線受光素子の具体的構成の第一の例である紫外線受光素子1、第二の例である紫外線受光素子2及び第三の例である紫外線受光素子3について、図1から図3のそれぞれを参照して説明する。
紫外線受光素子1,2及び3は、紫外光を受光可能な半導体素子である。
<第一の例>
図1に示すように、第一の例である紫外線受光素子1は、基板11と、第一窒化物半導体層12と、第二窒化物半導体層13と、ソース電極14と、ドレイン電極15とを備えている。第一窒化物半導体層12は基板11上に配置され、AlGa(1-X)N(0.45≦X≦0.8)を含んでいる。第二窒化物半導体層13は第一窒化物半導体層上に配置され、AlGa(1-Y)N(X<Y≦1)を含んでいる。第一窒化物半導体層12及び第二窒化物半導体層13は、積層体16を構成している。積層体16、すなわち第一窒化物半導体層12及び第二窒化物半導体層13のいずれかは、捕獲準位密度1.0×1011cm-2以上1.0×1014cm-2以下の捕獲準位を有している。ソース電極14とドレイン電極15とは、幅Wで配置されている。
<第二の例>
図2に示すように、第二の例である紫外線受光素子2は、基板11と、バッファ層27と、第一窒化物半導体層12と、第二窒化物半導体層13と、ソース電極14と、ドレイン電極15とを備えている。紫外線受光素子2は、バッファ層27を備える点で第一の例の紫外線受光素子1と相違する。
以下、バッファ層27について説明する。
(バッファ層)
バッファ層27は、基板11と、第一窒化物半導体層12との間に形成されており、基板11の全面に形成されていることが好ましい。バッファ層27を備えることにより、バッファ層27上には格子定数差及び熱膨張係数差が小さく欠陥の少ない窒化物半導体層が形成される。また、バッファ層27を備えることにより、圧縮応力下で第一窒化物半導体層12を成長させることができ、第一窒化物半導体層12におけるクラックの発生を抑制することができる。このため、基板11がAlN又はAlGaN等の窒化物半導体で形成されている場合でも、バッファ層27の上方に欠陥の少ない窒化物半導体層を形成することができる。
バッファ層27は、例えばAlN又はAlGaN等の窒化物半導体で形成される。また、バッファ層27には、C,Si,Fe、Mg等の不純物を含んでいても良い。
バッファ層27は、例えば数μmの厚さを有している。具体的には、バッファ層27の厚さは、10nmより厚く10μmより薄いことが好ましい。バッファ層27の厚さが10nmより厚い場合、AlN等の窒化物半導体の結晶性が高くなる。また、バッファ層27の厚さが10μmより薄い場合、ウエハ全面に結晶成長により形成されたバッファ層27にクラックが発生しにくくなる。また、バッファ層27は、50nmより厚く5μmより薄いことがより好ましい。バッファ層27の厚さが50nmより厚い場合、結晶性の高い層を形成することができる。また、バッファ層27の厚さが5μmより薄い場合、バッファ層27のクラックがより発生しにくくなる。
<第三の例>
図3に示すように、第三の例である紫外線受光素子3は、基板11と、第一窒化物半導体層12と、第二窒化物半導体層13と、ソース電極14と、ドレイン電極15と、表面保護層38とを備えている。紫外線受光素子2は、表面保護層38を備える点で紫外線受光素子1と相違する。
以下、表面保護層38について説明する。
(表面保護層)
表面保護層38は、第二窒化物半導体層13の全面を覆うように形成されている。このとき、ソース電極14及びドレイン電極15それぞれの一部が露出していれば、ソース電極14と、ドレイン電極15上にも表面保護層38があってよい。表面保護層38を備えることにより、湿度および熱による劣化から紫外線受光素子2を保護することができる。
表面保護層38は、例えばSiO、SiN、Al、AlN等により形成される。
なお、紫外線受光素子3は、表面保護層38を設けた点に特徴を有している。図3には、紫外線受光素子3として第一の例である紫外線受光素子1に対して表面保護層38が設けられた構成を示しているが、例えば第二の例である紫外線受光素子2に対して表面保護層38を設けた構成であっても良い。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
[実施例1]
2インチのサファイアウエハからなる基板上に、基板の表面温度を1250℃に保った状態で、有機金属堆積法によりAlNを1μm成長させてバッファ層(以下、AlN層)を形成した。次に、AlN層の表面温度を1050℃に保った状態で、AlN層上に、AlGa(1-X)N(X=0.50)を150nm成長させて第一窒化物半導体層を形成した。次に、第一窒化物半導体層の表面温度を1050℃に保った状態で、第一窒化物半導体層上に、AlGa(1-Y)N(Y=0.60)を25nm成長させて第二窒化物半導体層を形成した。
この状態で、第一窒化物半導体層と第二窒化物半導体層との界面に誘起される二次元電子ガスのキャリア濃度をシミュレーションソフトを用いて計算したところ、1×1012cm-2であった。
次に、第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層が形成された基板を洗浄し、第二窒化物半導体層上に、450μm×450μmの開口部を複数有するレジストマスクを形成した。次に、このレジストマスクを介して誘導結合プラズマ(ICP)エッチング装置を用いてエッチングを行い、メサ分離を行うことにより、ウエハ上に形成する複数の素子間を電気的に絶縁した。
次に、レジストマスクを除去した後、ICPエッチング装置内において、真空度2.0Pa、アンテナ160W、バイアス9Wの条件下において、BClガスを20sccm、SFガスを10sccm流しながら100秒エッチングし、捕獲準位を形成した。
次に、各素子に対して、第二窒化物半導体層上に、5μm間隔でソース電極及びドレイン電極をEB蒸着法により形成した。ソース電極及びドレイン電極は、第二窒化物半導体層側からV、Al、Mo、Auの順に堆積して形成した。このとき、各層の膜厚をV:20nm、Al:80nm、Mo:50nm、Au:40nmとした。
次に、レジストマスクを除去し、「赤外線ランプアニール装置を用いて700℃まで40秒で昇温した後、30秒保持を行い、その後降温する」というアニール工程を行った。これにより、V、Al、Mo、及びAuを含む合金からなるソース電極及びドレイン電極を形成した。次に、サファイアウエハをダイシングすることで、複数の紫外線受光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を以下の方法で測定した。
[光電流及び暗電流の値の測定]
光源として疑似太陽光光源を用い、分光器を併用した。そして、第二窒化物半導体層の上面に波長250nmの紫外光を照射強度10μW/cmで照射し、ソース・ドレイン電圧を5Vとした時のソース・ドレイン電極間に流れる電流の値を測定した。また、紫外線照射を行わない暗状態での電流(暗電流)の値の測定も、ソース・ドレイン電圧を5Vとして行った。なお、電流電圧測定には、パラメーターアナライザー及びプローブ測定器を用いた。
測定の結果、暗電流は1.0×10-10A/mmであり、光電流は7.0×10-5A/mmであった。光電流を換算して得られた受光感度は7.0×10A/Wであった。また、得られた暗電流の値に対する光電流の値(波長250nm紫外光照射時の電流値)の比S/N(光電流/暗電流)は7.0×10であった。このとき、紫外光の照射強度を1、2、5、7、10、20、30、50、70、100nW/cmと変化させながら時間に対する光電流の飽和までの時間を測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1011cm-2であった。
[実施例2]
ICPエッチング時のエッチング時間を150秒に変えて捕獲準位を形成した以外は実施例1と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1012cm-2であった。また、実施例2以降の各実施例及び比較例では、光電流及び暗電流の値、並びに受光感度は、後述する表1に記載する。
[実施例3]
ICPエッチング時のエッチング時間を200秒に変えて捕獲準位を形成した以外は実施例1と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1013cm-2であった。
[実施例4]
ICPエッチング時のエッチング時間を300秒に変えて捕獲準位を形成した以外は実施例1と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1014cm-2であった。
[実施例5]
ICPエッチング装置に代えて酸性溶液を用いてエッチングを行うことにより捕獲準位を形成した以外は実施例1と同様にして紫外線発光素子を得た。このとき、酸性溶液として硫酸と過酸化水素水とを1:1の割合で混合した溶液を用い、酸性溶液を80℃に加熱して第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層が形成された基板を10分間溶液に浸漬してエッチングを行った。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1012cm-2であった。
[実施例6]
酸性溶液を用いたエッチング時に用いる酸性溶液を100℃に加熱して捕獲準位を形成した以外は実施例5と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1013cm-2であった。
[実施例7]
ICPエッチングに代えてアニールを行うことにより捕獲準位を形成した以外は実施例1と同様にして紫外線発光素子を得た。このとき、水素雰囲気下において、第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層が形成された基板を1000℃でアニールを行った。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1012cm-2であった。
[実施例8]
アニールの温度条件を1100℃に変えて捕獲準位を形成した以外は実施例7と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1013cm-2であった。
[実施例9]
基板をAlN基板に変え、バッファ層の膜厚を0.5μmに変えた以外は実施例3と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1013cm-2であった。
[実施例10]
ソース電極及びドレイン電極の間の距離を2μmとした以外は実施例3と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1013cm-2であった。
[実施例11]
ソース電極及びドレイン電極の間の距離を10μmとした以外は実施例3と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1013cm-2であった。
[実施例12]
ソース電極及びドレイン電極の間の距離を20μmとした以外は実施例3と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1013cm-2であった。
[実施例13]
ソース電極及びドレイン電極の間の距離を30μmとした以外は実施例3と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1013cm-2であった。
[実施例14]
第一窒化物半導体層をAlGa(1-X)N(X=0.60)で、第二窒化物半導体層をAlGa(1-Y)N(Y=0.70)で形成した以外は実施例3と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1013cm-2であった。
[実施例15]
第一窒化物半導体層をAlGa(1-X)N(X=0.70)で、第二窒化物半導体層をAlGa(1-Y)N(Y=0.80)で形成した以外は実施例3と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1013cm-2であった。
[実施例16]
第一窒化物半導体層をAlGa(1-X)N(X=0.80)で、第二窒化物半導体層をAlGa(1-Y)N(Y=0.90)で形成した以外は実施例3と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1013cm-2であった。
[実施例17]
ソース電極及びドレイン電極の間の距離を10μmとし、ソース電極及びドレイン電極の間にゲート幅2μm、第二窒化物半導体層側からNi:10nm、Au:40nmの順に堆積して形成したゲート電極を設けた以外は実施例3と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1013cm-2であった。
[比較例1]
ICPエッチングを行わず、捕獲準位を形成しないようにした以外は実施例1と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×10cm-2であった。
[比較例2]
第一窒化物半導体層をAlGa(1-X)N(X=0.40)で、第二窒化物半導体層をAlGa(1-Y)N(Y=0.50)で形成した以外は実施例1と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定したが、光電流は暗電流との差がなく、飽和するまでの時間を見積もることが不可であった。そのため、捕獲準位密度を見積もることができなかった。
[比較例3]
第一窒化物半導体層をAlGa(1-X)N(X=0.90)で、第二窒化物半導体層をAlGa(1-Y)N(Y=1.0)で形成した以外は実施例1と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定したが、光電流は暗電流との差がなく、飽和するまでの時間を見積もることが不可であった。そのため、捕獲準位密度を見積もることができなかった。
[比較例4]
第二窒化物半導体層をAlGa(1-Y)N(Y=0.40)で形成した以外は実施例1と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定したが、光電流は暗電流との差がなく、飽和するまでの時間を見積もることが不可であった。そのため、捕獲準位密度を見積もることができなかった。
[比較例5]
第二窒化物半導体層をAlGa(1-Y)N(Y=0.50)で形成した以外は実施例1と同様にして紫外線発光素子を得た。
得られた紫外線受光素子の特性を実施例1と同様にして測定し、捕獲準位密度を見積もったところ、1.0×1012cm-2であった。
以下の表1に、各実施例及び比較例の評価結果を示す。なお、表1において、「V/Al/Mo/Au」とはV、Al、Mo及びAuが第二窒化物半導体層側からこの順に積層されて形成されていることを示す。
Figure 0007633034000001
表1に示すように、AlGa(1-X)N(0.45≦X≦0.8)で形成された第一窒化物半導体層と、AlGa(1-Y)N(X<Y≦1.0)で形成された第二窒化物半導体層とを含む積層体に1.0×1011cm-2以上1.0×1014cm-2以下の捕獲準位が形成された各実施例の紫外線受光素子は、高いS/N(暗電流の値に対する光電流の値の比)が得られた。
一方、積層体に1.0×1011cm-2以上1.0×1014cm-2以下の捕獲準位を形成しなかった比較例1の紫外線受光素子は、受光感度及び暗電流の値に対する光電流の値の比S/Nの双方が低かった。これは、捕獲準位による光電流の増加分を得ることができず、二次元電子ガスによる光電流以外の電流が得られないためである。
また、第一窒化物半導体層におけるAl組成比Xが0.45以上0.8以下の範囲外である場合、第二窒化物半導体層の緩和(比較例2)やコンタクトをとることができない(比較例3)ために紫外線受光素子に電流が流れない。また、第二窒化物半導体層におけるAl組成比YがX<Y≦1.0を満たさない場合、二次元電子ガスの代わりに二次元ホールガスが生成されて紫外線受光素子に電流が流れなかったり(比較例4)、二次元電子ガスが生成されず二次元電子ガスを介した電流が抑制される(比較例5)。このため、第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層のAl組成比が好ましい範囲にない場合、受光感度及び暗電流の値に対する光電流の値の比S/Nの双方が低かった。
以上から、第一窒化物半導体層及び第二窒化物半導体層のAl組成比と捕獲準位の密度とを適切に設定する必要がある事がわかった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の技術的範囲には限定されない。上述した実施形態に、多様な変更又は改良を加えることも可能であり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
11 基板
12 第一窒化物半導体層
13 第二窒化物半導体層
14 ソース電極
15 ドレイン電極
16 積層体
27 バッファ層
38 表面保護層

Claims (3)

  1. 基板上にAlGa(1-X)N(0.45≦X≦0.8)を含む第一窒化物半導体層を形成した後、前記第一窒化物半導体層上にAlGa(1-Y)N(X<Y≦1.0)を含む第二窒化物半導体層を形成して、前記第一窒化物半導体層及び前記第二窒化物半導体層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記第二窒化物半導体層の表面を、BClガスとSFガスとの混合ガスで200秒以上300秒以下プラズマエッチングすることにより、密度1.0×1013cm-2以上1.0×1014cm-2以下の捕獲準位を形成する捕獲準位形成工程と、
    前記第二窒化物半導体層上に、ソース電極及びドレイン電極を蒸着により形成する電極形成工程と、
    を備える紫外線受光素子の製造方法。
  2. 基板上にAlGa(1-X)N(0.45≦X≦0.8)を含む第一窒化物半導体層を形成した後、前記第一窒化物半導体層上にAlGa(1-Y)N(X<Y≦1.0)を含む第二窒化物半導体層を形成して、前記第一窒化物半導体層及び前記第二窒化物半導体層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記第二窒化物半導体層の表面を、硫酸と過酸化水素水とを1:2から2:1の範囲で混合した100℃の酸性溶液に10分間浸漬してエッチングすることにより、密度1.0×1013cm-2以上1.0×1014cm-2以下の捕獲準位を形成する捕獲準位形成工程と、
    前記第二窒化物半導体層上に、ソース電極及びドレイン電極を蒸着により形成する電極形成工程と、
    を備える紫外線受光素子の製造方法。
  3. 基板上にAlGa(1-X)N(0.45≦X≦0.8)を含む第一窒化物半導体層を形成した後、前記第一窒化物半導体層上にAlGa(1-Y)N(X<Y≦1.0)を含む第二窒化物半導体層を形成して、前記第一窒化物半導体層及び前記第二窒化物半導体層を有する積層体を形成する積層体形成工程と、
    水素雰囲気下において、前記基板及び前記積層体を1100℃でアニールすることにより、前記第二窒化物半導体層の表面に密度1.0×1013cm-2以上1.0×1014cm-2以下の捕獲準位を形成する捕獲準位形成工程と、
    前記第二窒化物半導体層上に、ソース電極及びドレイン電極を蒸着により形成する電極形成工程と、
    を備える紫外線受光素子の製造方法。
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