JP7777976B2 - 導電性高分子分散液、導電性積層体及びその製造方法 - Google Patents
導電性高分子分散液、導電性積層体及びその製造方法Info
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Description
[2] 遷移金属、金属酸化物、カーボンナノチューブ及び無機酸の各々の含有量が、前記導電性複合体の1質量部に対して、0.0001質量部未満である、[1]に記載の導電性高分子分散液。
[3] 前記接触角が40~70度である、[1]又は[2]に記載の導電性高分子分散液。
[4] 前記導電性高分子分散液は1種以上のテトラアルコキシシラン及び1種以上のトリアルコキシシランを含む、[1]~[3]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
[5] 前記導電性高分子分散液100g中に含まれる、前記1種以上のテトラアルコキシシランの物質量の総和を[A] mmol、前記1種以上のトリアルコキシシランの物質量の総和を[B]mmolとしたとき、モル比[B]/[A]の値が0.10~0.30であり、[A]+[B]の値が8.0~15.0mmolである、[4]に記載の導電性高分子分散液。
[6] 前記テトラアルコキシシランが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、及びテトライソプロポキシシランからなる群から選択される少なくとも1種を含む、[4]又は[5]に記載の導電性高分子分散液。
[7] 前記トリアルコキシシランが、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、及びプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種を含む、[4]~[6]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
[8] アセチレン系界面活性剤をさらに含有する、[1]~[7]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
[9] ジオール化合物をさらに含有する、[1]~[8]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
[10] 前記分散媒は水を含有し、前記導電性高分子分散液の総質量に対する水の含有量が、40質量%以上である、[1]~[9]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
[11] 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であるか、又は、前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、[1]~[9]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
[12] ガラス基材と、前記ガラス基材の少なくとも一つの面に形成された、[1]~[11]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液の硬化物からなる導電層とを備え、前記導電層の表面の水に対する接触角が30度以上である、導電性積層体。
[13] 前記導電層の表面抵抗値が100~5,000Ω/sq.である、[12]に記載の導電性積層体。
[14] ガラス基材の表面に、[1]~[11]の何れか一項に記載の導電性高分子分散液を塗布し、その塗膜を乾燥硬化させ、水に対する接触角が30度以上の表面を有する導電層を形成することを含む、導電性積層体の製造方法。
本発明の導電性積層体の製造方法によれば、ガラス基材の表面に導電層が形成された導電性積層体が容易に得られ、その導電層の存在によりガラス基材に充分な帯電防止性が付与される。また、その導電層は高温高湿暴露に対する耐久性と耐摩耗性に優れ、表面の水接触角が30度以上となる。
本発明の導電性積層体は、優れた帯電防止性を発揮し、高温高湿暴露に対する耐久性と耐摩耗性に優れ、表面の水接触角が30度以上となる導電層を備える。
本発明において、ガラス基材上に形成された導電層の表面の水に対する接触角(水接触角)は、JIS R3257(1999)の静滴法に準拠して測定された値である。
本発明の第一態様は、ガラス基材の表面に導電性高分子分散液を塗布し、その塗膜を乾燥硬化させ、水に対する接触角が30度以上の表面を有する導電層を形成することを含む、導電性積層体の製造方法に使用される用途の導電性高分子分散液である。
本態様の導電性高分子分散液は、後述する第三態様の製造方法に用いることができ、後述する第二態様の導電性積層体の材料として用いることができる。
導電性高分子分散液中の導電性複合体は分散状態であってもよく、溶解状態であってもよい。本明細書において、分散状態と溶解状態は特に明記しない限り区別しない。
本態様の導電性高分子分散液に含まれる導電性複合体は、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含む。導電性複合体中のポリアニオンはπ共役系導電性高分子にドープして、導電性を有する導電性複合体を形成している。
ポリアニオンにおいては、一部のアニオン基のみがπ共役系導電性高分子にドープしており、ドープに関与しない余剰のアニオン基を有している。余剰のアニオン基は親水基であるため、導電性複合体は水分散性を有する。
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であればよく、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン類及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、透明性の面から、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N-メチルピロール)、ポリ(3-メチルピロール)、ポリ(3-エチルピロール)、ポリ(3-n-プロピルピロール)、ポリ(3-ブチルピロール)、ポリ(3-オクチルピロール)、ポリ(3-デシルピロール)、ポリ(3-ドデシルピロール)、ポリ(3,4-ジメチルピロール)、ポリ(3,4-ジブチルピロール)、ポリ(3-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシエチルピロール)、ポリ(3-メチル-4-カルボキシブチルピロール)、ポリ(3-ヒドロキシピロール)、ポリ(3-メトキシピロール)、ポリ(3-エトキシピロール)、ポリ(3-ブトキシピロール)、ポリ(3-ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3-メチル-4-ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2-メチルアニリン)、ポリ(3-イソブチルアニリン)、ポリ(2-アニリンスルホン酸)、ポリ(3-アニリンスルホン酸)が挙げられる。
これらのπ共役系導電性高分子のなかでも、導電性、透明性、耐熱性に優れることから、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
導電性複合体に含まれるπ共役系導電性高分子は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
ポリアニオンは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、またはカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、スルホ基を有するポリアクリル酸エステル、スルホ基を有するポリメタクリル酸エステル(例えば、ポリ(4-スルホブチルメタクリレート、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリメタクリロイルオキシベンゼンスルホン酸)、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸等のスルホ基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸等のカルボキシ基を有する高分子が挙げられる。ポリアニオンは、単一のモノマーが重合した単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーが重合した共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホ基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万以上100万以下であることが好ましく、10万以上50万以下であることがより好ましい。質量平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィを用いて測定し、プルラン換算で求めた質量基準の平均分子量である。
上記範囲の下限値以上であると、導電性高分子分散液を塗布して形成する導電層の導電性をより向上させることができる。
上記範囲の上限値以下であると、導電性高分子分散液における導電性複合体の分散性を高め、均一な導電層を形成することができる。
本態様の導電性高分子分散液に含まれる1種以上のアルコキシシラン化合物は、ケイ素原子に酸素原子を介在させて結合したアルキル基(アルコキシ基)を1~4つ有する化合物である。前記アルキル基の炭素数は1~6が好ましく、1~3がより好ましい。前記アルキル基は直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
前記ケイ素原子には、前記アルコキシ基の他に、1~3つのアルキル基が直接に結合していてもよい。前記ケイ素原子に直接結合するアルキル基の炭素数は1~6が好ましく、1~3がより好ましい。前記アルキル基は直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
前記テトラアルコキシシランの各アルコキシ基を構成するアルキル基の炭素数はそれぞれ独立に、1~6が好ましく、1~3がより好ましい。前記アルキル基は直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
前記トリアルコキシシランの各アルコキシ基を構成するアルキル基の炭素数はそれぞれ独立に、1~6が好ましく、1~3がより好ましい。前記アルキル基は直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
前記トリアルコキシシランのケイ素原子には、アルコキシ基以外に水素原子又はアルキル基が結合していることが好ましい。ケイ素原子に直接結合するアルキル基の炭素数は、1~6が好ましく、1~3がより好ましい。前記アルキル基は直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
また、上記の好適なモル比の範囲において、前記100g中の[A]+[B]の値は、8.0~15.0mmolが好ましく、10.0~15.0mmolがより好ましく、12.0~15.0mmolがさらに好ましい。
上記の好適なモル比及び和の範囲であると、ガラス基材に優れた帯電防止性を付与することができ、高温高湿暴露に対する耐久性と耐摩耗性がより一層優れ、表面の水接触角が30度以上の導電層をより容易に形成することができる。
前記トリアルコキシシランは、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、及びプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
上記の好適なアルコキシシラン化合物であると、ガラス基材に優れた帯電防止性を付与することができ、高温高湿暴露に対する耐久性と耐摩耗性がより一層優れ、表面の水接触角が30度以上の導電層をより容易に形成することができる。
本態様の導電性高分子分散液は1種以上のアセチレン系界面活性剤を含むことが好ましい。アセチレン系界面活性剤を含むことにより、ガラス基材の表面に対する濡れ性が高まり、均一な厚さの導電層を形成することができる。その結果、優れた帯電防止性を付与することができ、高温高湿暴露に対する耐久性と耐摩耗性がより一層優れ、表面の水接触角が30度以上の導電層をより容易に形成することができる。
アセチレン系界面活性剤は、分子内に水酸基又はエーテル結合を構成する酸素原子を有することが好ましい。酸素原子を有すると濡れ性がより一層向上する。
上記の好適な含有量であると、ガラス基材の表面に対する濡れ性がより高まり、均一な厚さの導電層をより容易に形成することができる。その結果、優れた帯電防止性を付与することができ、高温高湿暴露に対する耐久性と耐摩耗性がより一層優れ、表面の水接触角が30度以上の導電層をより容易に形成することができる。
本態様の導電性高分子分散液は1種以上のジオール化合物を含むことが好ましい。ここで、ジオール化合物はアセチレン系界面活性剤以外の化合物である。
ジオール化合物を含むことにより、ガラス基材に優れた帯電防止性を付与することができ、高温高湿暴露に対する耐久性と耐摩耗性がより一層優れ、表面の水接触角が30度以上の導電層をより容易に形成することができる。
不飽和ジオール化合物が分子内に有する炭素数は10以下であることが好ましい。
上記の好適な含有量であると、ガラス基材に優れた帯電防止性を付与することができ、高温高湿暴露に対する耐久性と耐摩耗性がより一層優れ、表面の水接触角が30度以上の導電層をより容易に形成することができる。
上記の好適な含有量であると、ガラス基材に優れた帯電防止性を付与することができ、高温高湿暴露に対する耐久性と耐摩耗性がより一層優れ、表面の水接触角が30度以上の導電層をより容易に形成することができる。
本態様の導電性高分子分散液に含まれる分散媒としては、水、有機溶剤、水と有機溶剤との混合液が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、アリルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等の一価アルコールが挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン等が挙げられる。
有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本態様の導電性高分子分散液の総質量に対する水の含有量は、40質量%以上が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上80質量%以下がさらに好ましい。
上記の好適な含有量であると、ガラス基材に優れた帯電防止性を付与することができ、高温高湿暴露に対する耐久性と耐摩耗性がより一層優れ、表面の水接触角が30度以上の導電層をより容易に形成することができる。
上記の好適な含有量であると、ガラス基材に優れた帯電防止性を付与することができ、高温高湿暴露に対する耐久性と耐摩耗性がより一層優れ、表面の水接触角が30度以上の導電層をより容易に形成することができる。
本態様の導電性高分子分散液には、その他の添加剤が含まれてもよい。
添加剤としては、本発明の効果が得られる限り特に制限されず、例えば、界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。
ただし、添加剤は、前述したπ共役系導電性高分子、ポリアニオン、アルコキシシラン化合物、アセチレン系界面活性剤、ジオール化合物、及び分散媒以外のものである。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。また、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系界面活性剤を添加してもよい。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
本態様の導電性高分子分散液を製造する方法としては、例えば、導電性複合体の水分散液に、アルコキシシラン化合物、ジオール化合物、一価アルコール、アセチレン系界面活性剤、安定剤等の各成分を順次添加する方法が挙げられる。
本発明の第二態様は、ガラス基材と、前記ガラス基材の少なくとも一つの面に形成された、第一態様の導電性高分子分散液の硬化物からなる導電層とを備えた、導電性積層体である。
前記導電層の形成範囲は、基材が有する任意の面の全体でもよいし、一部でもよい。基材が有する面の一部のみに導電層が形成されている場合、例えば、当該導電層は回路や電極などの微細な導電パターンであってもよいし、導電層が設けられた領域と設けられていない領域とが同じ面に存在して大まかに区分けされただけであってもよい。
導電層の平均厚さが前記下限値以上であれば、高い導電性を発揮でき、前記上限値以下であれば、導電層の基材に対する密着性がより向上する。
本態様の導電性積層体の導電層の表面の水接触角は30度以上である。水接触角が大きいほど、導電層表面を水で洗浄した後に水を除去する処理が容易になるので好ましい。このように水を導電層表面から除去する観点から、本態様の上記水接触角は、例えば、40~70度としてもよいし、45~65度としてもよいし、50~60度としてもよい。
本態様の導電性積層体の導電層の表面抵抗値は、例えば100~5,000Ω/sq.とすることができる。このうち、100~3,000Ω/sq.が好ましく、100~2,000Ω/sq.がより好ましく、100~1,000Ω/sq.がさらに好ましい。
ガラス基材としては、例えば、無アルカリガラス基材、ソーダ石灰ガラス基材、ホウケイ酸ガラス基材、石英ガラス基材等が挙げられる。基材にアルカリ成分が含まれると、導電層の導電性が低下する傾向にあるため、前記ガラス基材のなかでも、無アルカリガラスが好ましい。ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ成分の含有量がガラス組成物の総質量に対し、0.1質量%以下のガラス組成物のことである。
ガラス板の平均厚みは、無作為に選択される10箇所について厚さを測定し、その測定値を平均した値である。
本発明の第三態様は、ガラス基材の表面に、第一態様の導電性高分子分散液を塗布し、その塗膜を乾燥硬化させ、水に対する接触角が30度以上の表面を有する導電層を形成することを含む、導電性積層体の製造方法である。
本態様の製造方法により、第二態様の導電性積層体を製造することができる。
塗膜を乾燥する方法としては、加熱乾燥、真空乾燥等が挙げられる。加熱乾燥としては、例えば、熱風加熱や、赤外線加熱などの方法を採用できる。
加熱乾燥を適用する場合、加熱温度は、使用する分散媒に応じて適宜設定されるが、通常は、50℃以上200℃以下の範囲内である。ここで、加熱温度は、乾燥装置の設定温度である。上記加熱温度の範囲における好適な乾燥時間としては、0.5分以上30分以下が好ましく、1分以上15分以下がより好ましい。
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。
得られたポリスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に、10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、得られたポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000mlの溶液を限外ろ過法により除去した。次いで、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去して、ポリスチレンスルホン酸を水洗した。この水洗操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸(PSS)を得た。
14.2gの3,4-エチレンジオキシチオフェンと、製造例1で得た36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液を20℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
次に、得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、固形分濃度1.2質量%のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)水分散液(PEDOT-PSS水分散液)を得た。
製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液25gに、[A]テトラエトキシシラン2.00g(9.6mmol、信越化学社製KBE-04)、[B]メチルトリエトキシシラン0.30g(1.7mmol、信越化学社製KBE-13)、ジオール化合物としてエチレングリコール5.00g(東京化成工業社製)、分散媒として純水30.00gとメタノール37.64g(東京化成工業社製)、界面活性剤としてダイノール604(アセチレン系界面活性剤、日信化学工業社製)を0.01g、安定剤としてビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン0.05g(東京化成工業社製)とビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド0.05g(東京化成工業社製)を加え、室温で3日間撹拌混合して導電性高分子分散液を得た。この分散液の含水率は約55質量%であり、アルコキシシランのモル比[B/A]は0.18、添加したアルコキシシランの総量は11.3mmol/100gであった。
製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液25gに、[A]テトラエトキシシラン2.40g(11.5mmol)、[B]メチルトリエトキシシラン0.60g(3.4mmol)、ジオール化合物として2-ブチン-1,4-ジオール2.00g(東京化成工業社製)、分散媒として純水30.00gとメタノール39.89g、界面活性剤としてサーフィノール420(アセチレン系界面活性剤、日信化学工業社製)を0.01g、安定剤としてビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン0.05gとビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド0.05gを加え、室温で3日間撹拌混合して導電性高分子分散液を得た。この分散液の含水率は約55質量%であり、アルコキシシランのモル比[B/A]は0.30、アルコキシシランの総量は14.9mmol/100gであった。
製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液25gに、[A]テトラエトキシシラン1.75g(8.4mmol)、[B]メチルトリエトキシシラン0.22g(1.2mmol)、ジオール化合物としてエチレングリコール5.00g、分散媒として純水30.00gとメタノール37.92g、界面活性剤としてダイノール604を0.01g、安定剤としてビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン0.05gとビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド0.05gを加え、室温で3日間撹拌混合して導電性高分子分散液を得た。この分散液の含水率は約55質量%であり、アルコキシシランのモル比[B/A]は0.14、アルコキシシランの総量は9.6mmol/100gであった。
製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液25gに、[A]テトラエトキシシラン2.20g(10.6mmol)、[B]エチルトリエトキシシラン0.35g(1.8mmol、東京化成工業社製)、ジオール化合物としてプロピレングリコール5.00g(東京化成工業社製)、分散媒として純水30.00gとエタノール37.34g(東京化成工業社製)、界面活性剤としてサーフィノール420を0.01g、安定剤としてビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン0.05gとビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド0.05gを加え、室温で3日間撹拌混合して導電性高分子分散液を得た。この分散液の含水率は約55質量%であり、アルコキシシランのモル比[B/A]は0.17、アルコキシシランの総量は12.4mmol/100gであった。
製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液25gに、[A]テトラエトキシシラン1.50g(7.2mmol)、[B]エチルトリエトキシシラン0.30g(1.6mmol)、ジオール化合物としてプロピレングリコール5.00g、分散媒として純水30.00gとエタノール38.09g、界面活性剤としてダイノール604を0.01g、安定剤としてビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン0.05gとビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド0.05gを加え、室温で3日間撹拌混合して導電性高分子分散液を得た。この分散液の含水率は約55質量%であり、アルコキシシランのモル比[B/A]は0.22、アルコキシシランの総量は8.8mmol/100gであった。
製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液40gに、[A]テトラエトキシシラン2.00g(9.6mmol)、[B]エチルトリエトキシシラン0.40g(2.1mmol)、ジオール化合物として2-ブチン-1,4-ジオール2.00g、分散媒として純水30.00gとエタノール25.49g、界面活性剤としてダイノール604を0.01g、安定剤としてビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン0.05gとビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド0.05gを加え、室温で3日間撹拌混合して導電性高分子分散液を得た。この分散液の含水率は約70質量%であり、アルコキシシランのモル比[B/A]は0.22、アルコキシシランの総量は11.7mmol/100gであった。
製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液40gに、[A]テトラエトキシシラン2.40g(11.5mmol)、[B]メチルトリエトキシシラン0.35g(2.0mmol)、ジオール化合物としてエチレングリコール5.00g、分散媒として純水25.00gとメタノール27.12g、界面活性剤としてダイノール604を0.01g、安定剤としてビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン0.06gとビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド0.06gを加え、室温で3日間撹拌混合して導電性高分子分散液を得た。この分散液の含水率は約65質量%であり、アルコキシシランのモル比[B/A]は0.17、アルコキシシランの総量は13.5mmol/100gであった。
製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液60gに、[A]テトラエトキシシラン2.60g(12.5mmol)、[B]メチルトリエトキシシラン0.42g(2.4mmol)、ジオール化合物として2-ブチン-1,4-ジオール2.00g、分散媒として純水20.00gとメタノール14.85g、界面活性剤としてダイノール604を0.01g、安定剤としてビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン0.06gとビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド0.06gを加え、室温で3日間撹拌混合して導電性高分子分散液を得た。この分散液の含水率は約79質量%であり、アルコキシシランのモル比[B/A]は0.19、アルコキシランの総量は14.9mmol/100gであった。
製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液25gに、[A]テトラエトキシシラン2.50g(12.0mmol)、ジオール化合物としてエチレングリコール5.00g、分散媒として純水30.00gとメタノール37.39g、界面活性剤としてサーフィノール420を0.01g、安定剤としてビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン0.05gとビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド0.05gを加え、室温で3日間撹拌混合して導電性高分子分散液を得た。この分散液の含水率は約55質量%であり、アルコキシシランのモル比[B/A]は0、アルコキシランの総量は12mmol/100gであった。
製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液25gに、[A]テトラエトキシシラン4.00g(19.2mmol)、[B]メチルトリエトキシシラン1.00g(5.6mmol)、ジオール化合物としてエチレングリコール5.00g、分散媒として純水30.00gとメタノール34.89g、界面活性剤としてサーフィノール420を0.01g、安定剤としてビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン0.05gとビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド0.05gを加え、室温で3日間撹拌混合して導電性高分子分散液を得た。この分散液の含水率は約55質量%であり、アルコキシシランのモル比[B/A]は0.29、アルコキシランの総量は25mmol/100gであった。
製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液46.67gに、[A]テトラエトキシシラン1.00g(4.8mmol)、[B]メチルトリエトキシシラン0.18g(1.01mmol)、分散媒としてジメチルスルホキシド4.2g、純水21.17gとメタノール26.67g、界面活性剤としてサーフィノール420を0.01g、安定剤としてビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン0.05gとビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド0.05gを加え、室温で3日間撹拌混合して導電性高分子分散液を得た。この分散液の含水率は約67質量%であり、アルコキシシランのモル比[B/A]は0.21、アルコキシランの総量は5.8mmol/100gであった。
各例で得られた導電性高分子分散液を、スピンコーター(ミカサ社製MS-B100、回転数700rpm)を用いて、無アルカリガラス(コーニング社製イーグルXG 75mm×75mm×0.7mm)に塗布して、塗布膜を形成した。その塗布膜を、乾燥温度120℃で30分間加熱乾燥し、導電性積層体を作製した。
以下の評価項目について、結果を表1に示す。
導電層の表面抵抗値は、抵抗率計(三菱ケミカルアナリテック社製ロレスタ)を用い、印加電圧10Vの条件で測定した。
導電層の水接触角は、接触角計(協和界面科学株式会社製ドロップマスターDMs-401)を用い、前記JIS規格に準拠し、導電層表面に液滴を形成してから30秒後の接触角を測定した。
導電性積層体の初期の(試験前の)表面抵抗値Xと、導電層の表面を200g荷重で不織布を10往復させた後の表面抵抗値Yと、をそれぞれ測定した。試験前後の表面抵抗値の変化率(Y/X)を算出し、耐摩耗性を評価した。その変化率が1に近いほど耐摩耗性が高いことを示す。
導電性積層体の初期の(試験前の)表面抵抗値Xと、高温高湿条件下(温度85℃且つ湿度85%RH)に導電層の表面が曝された状態で500時間放置した後の表面抵抗値Y’(高温高湿暴露後の表面抵抗値)と、をそれぞれ測定した。試験前後の表面抵抗値の変化率(Y’/X)を算出し、耐久性を評価した。その変化率が1に近いほど耐久性が高いことを示す。
導電性積層体の初期の(試験前の)表面抵抗値Xと、高温高湿条件下(温度85℃且つ湿度85%RH)に導電層の表面が曝された状態で500時間放置した後、さらに、導電層の表面を200g荷重で不織布を10往復させた後の表面抵抗値Y”(高温高湿暴露後にさらに摩擦した導電層の表面抵抗値)と、をそれぞれ測定した。試験前後の表面抵抗値の変化率(Y”/X)を算出し、耐久・耐摩耗性を評価した。その変化率が1に近いほど耐久・耐摩耗性が高いことを示す。表中、「剥離」は摩擦処理により導電層が剥離したことを示す。
なお、実施例1,3~5,7は比較例である。
Claims (13)
- ガラス基材の表面に導電性高分子分散液を塗布し、その塗膜を乾燥硬化させ、水に対する接触角が30度以上の表面を有する導電層を形成することを含む、導電性積層体の製造方法に使用される用途の導電性高分子分散液であって、
π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、アルコキシシラン化合物と、分散媒と、分子内に炭素原子同士の二重結合又は三重結合を1つ以上有する不飽和ジオール化合物と、を含有し、
アセチレン系界面活性剤をさらに含有する導電性高分子分散液。 - 遷移金属、金属酸化物、カーボンナノチューブ及び無機酸の各々の含有量が、前記導電性複合体の1質量部に対して、0.0001質量部未満である、請求項1に記載の導電性高分子分散液。
- 前記接触角が40~70度である、請求項1又は2に記載の導電性高分子分散液。
- 前記導電性高分子分散液は1種以上のテトラアルコキシシラン及び1種以上のトリアルコキシシランを含む、請求項1~3の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
- 前記導電性高分子分散液100g中に含まれる、前記1種以上のテトラアルコキシシランの物質量の総和を[A] mmol、前記1種以上のトリアルコキシシランの物質量の総和を[B]mmolとしたとき、
モル比[B]/[A]の値が0.10~0.30であり、[A]+[B]の値が8.0~15.0mmolである、請求項4に記載の導電性高分子分散液。 - 前記テトラアルコキシシランが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、及びテトライソプロポキシシランからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項4又は5に記載の導電性高分子分散液。
- 前記トリアルコキシシランが、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、及びプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項4~6の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
- 前記導電性高分子分散液の総質量に対する、前記不飽和ジオール化合物の含有量が、0.5質量%以上10質量%以下である、請求項1~7の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
- 前記分散媒は水を含有し、前記導電性高分子分散液の総質量に対する水の含有量が、40質量%以上である、請求項1~8の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
- 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であるか、又は、前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、請求項1~8の何れか一項に記載の導電性高分子分散液。
- ガラス基材と、前記ガラス基材の少なくとも一つの面に形成された、請求項1~10の何れか一項に記載の導電性高分子分散液の硬化物からなる導電層とを備え、
前記導電層の表面の水に対する接触角が30度以上である、導電性積層体。 - 前記導電層の表面抵抗値が100~5,000Ω/sq.である、請求項11に記載の導電性積層体。
- ガラス基材の表面に、請求項1~10の何れか一項に記載の導電性高分子分散液を塗布し、その塗膜を乾燥硬化させ、水に対する接触角が30度以上の表面を有する導電層を形成することを含む、導電性積層体の製造方法。
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