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趣味/Hobby
マンガ/アニメ★
アトム
で育った筋金入りのマンガ/アニメ好き.
アニメのマイベスト3を挙げれば,『うる星やつら』『機動戦士ガンダム』
『風の谷のナウシカ』『トップをねらえ!』だ.
(4つあるって? 3つに絞れなかったんだから,しゃーないやんけ)
最近面白かったもの:
- あずまきよひこ『よつばと』(現在4巻まで)★
無敵の“よつば”とまわりの人たちの日常を描いた“だけ”だが、
名作『あずまんが大王』のあずまきよひこが放った大ホームランかもしれない。
書評雑誌のマンガ特集で知って買いに走ったが、
もう4回も読んでしまった。
よつばが羨ましい限りである。
第1巻の帯が内容をよく表している
…<いつでも今日が、いちばん楽しい日>。
よつばとのカレンダーが研究室に掛かった。
- 太田垣康男『MOONLIGHT MILE』(現在11巻まで)★
まだ完結していないけど、一つのクライマックスが終わった。
月開発をめぐって大国の権謀術数の中、
孤軍(でもないなぁ;仲間と)奮闘する主人公の生き方を中心とした、
なかなかスリルとサスペンスとロマンのテンコモリ近未来SFコミックだ。
絵はあまり好みじゃないけど(笑)、ストーリーはすごくいい。
- 深見じゅん『くるみ』(現在2巻まで)★
萩尾望都や竹宮恵子や和田慎二など一部を除いて、
少女マンガはほとんど読まないのだが、
深見じゅんは、『悪女』や『ぽっかぽか』など以来、わりとファン。
ただ、最近ではあまり売れてないのかなぁ、ぼく的には面白いけど、
店頭で見つけるのが苦労するようになった。
この『くるみ』も1巻目は気づかずに2巻目を気づいたのだが、
そのときには1巻目が見つからなくって、結局、
マンガの専門店に行ったときに2巻合わせて買った。
パターン、同じなんだけど、やっぱ、面白いなぁ。
- 聖 悠紀『超人ロック 荒野の騎士』★
ロックとハントの探偵シリーズ、かな。
間が跳び跳びなので、前の方の話、忘れてしまった。
でも、今回は読み返す暇がなくって…。
なんか、ちょっと一区切りついたのかなぁ、
少し切ない終わり方ではあるが。
こういう終わり方は弱いなぁ。
- 聖 悠紀『超人ロック 冬の虹(全4巻)』★
去年の夏から1年ぐらいかけてやっと全巻揃ったので、
やっと読むことができた。
ロックの最初期の物語、地球黎明編だそうだ。
まだ、かなり人間に近い頃(笑)のロックが描かれている。
恋あり、悩みありで、強敵も現れてなかなか相変わらず面白い。
ん、そうそう、超人ロック全編にわたって流れているモチーフは、
とてつもない能力を有した永遠に生きる超人といえど、
恋にトキメキ、未熟さに悩み、不条理に憤る、という感じだ。
ましてや、有限の時間しかもたないぼくたちが、
未熟で経験値不足で力量が足らないのは仕方ないかもしれない。
50になって“天命”を知るはずなのに、
うーん、困ったことだ。
- 浦沢直樹『プルートウ(3巻)』★
1巻目の終わりでアトム、2巻目の終わりでウラン、
そしてついに3巻目の終わりでプルートウ。
なかなか演出がすごい。
浦沢直樹は、原作付きの『パイナップルARMY』や
『MASTERキートン』はとても楽しめたのだが、
単独で描いた『MONSTER』は暗すぎて救いがなさ過ぎで、
どうにも好きになれなかった(結局、最後まで買ったけど、
完結編を読んだら即売り飛ばした)。
で、この『プルートウ』。
もちろん手塚治虫『地上最大のロボット』のリメイクだが、
これがリメイクにもかかわらず、
暗すぎた『MONSTER』のテイストをもって、
まったく別の仕上がりで、めっちゃ面白い。
小学校時分に『地上最大のロボット』に熱中したものだが、
何十年も経って、こんなリメイクに出会えるのは幸せなんだろう。
4巻目が楽しみである。
- あずまきよひこ『よつばと』(第5巻発売)★
…<いつでも今日が、いちばん楽しい日>。
第4巻を読んでから、もうなんだか、無限の日々が経ったような気がする。
第5巻<おわらない夏のおわり>…
第5巻最大のイベント、ついに“やんだ”登場!
- 岩永亮太郎『パンプキン・シザーズ』(第4巻まで)★
新しいコミックに手を出すとき、マンガ書評誌を参考にすることもあるが、
表紙の絵柄や帯の言葉などが醸し出す匂いを参考にすることも多い。
この『パンプキン・シザーズ』は、その点、いい匂いがして、
予想通り、面白い作品だった。
作者によると、時代考証無用、軍事考証無用、その他諸々の考証無用なる、
どこかの国のどこかの時代の戦災復興ものがたり(笑)だが、
セリフや言い回しがかなりクールでいい。
久しぶりの掘り出しもんかもしれない。続きが楽しみだ。
1巻:陸情3課実働隊隊長アリス・レイ・マルヴィン少尉
「苦しむ民を見て、貪る悪を見て、貴様はなにも感じていないのか?
本当になにも感じていないのか?」
2巻:マーチス准尉「仲間を疑うには、まず仲間にならないと」
3巻:アリス少尉「やがて失うものに意味がないなら、
あなたの命もまた無意味でしょう。
時か病か刃か、いずれは奪われる。
ならば今すぐ死にますか?」
4巻:オーランド伍長「せめてその背中くらいは守る。
それが・・・、俺が3課を名乗る最初の仕事だ。」
5巻:セッティエーム姫「うむ! いかにも下衆らしい。
粗野にして美味である」…
「あの手のひらに… どれほどの対価を載せろというのじゃ…」
- 『ハウルの動く城』★
TV放映されたのを観たが、これがなかなかよかった。
さすがに宮崎アニメだな〜。
唯一、謎だったのは、
カルシュファーはソフィーにかけられた魔法をいつ解いたのだろうね。
- 谷川流原作/ツガノガク漫画『涼宮ハルヒの憂鬱』★
珍しく朝日新聞の書評が気になって、
めったに読まないライトノベル&コミックを買ったのだが、
これがもう、ぶっちぎりの面白さ。
高校入学時の自己紹介で、
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、
異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
と挨拶したのが、ヒロイン涼宮ハルヒ。
そのハルヒが、
無表情で無口な“宇宙人”長門有希、
メード服などを強制装着させられる“未来人”朝比奈みくる、
いつもクールスマイルの二枚目“超能力者”小泉一樹、
そして、おそらく、ただの男子高校生キョンを集めて作った、
“SOS団”すなわち“世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団”が、
縦横無尽に暴れ回るわけだが…。
なんというか、ハルヒの激烈に浮き沈みする感情と、
超理不尽ぶり超ワガママぶりが、ツボにはまってしまった。
- たかしげ宙原作/DOUBLE-S漫画『死がふたりを分かつまで(2巻まで)』★
原作が『スプリガン』のたかしげ宙で、DOUBLE-Sの絵もステキだったので、
とりあえず、中身も見ずに買っておいたのだが…
1巻目なんて去年ぐらいじゃないかな買ったの。
あらゆる物質を切り裂く日本刀を駆使する盲目の男・土方護。
彼に助けを求めた予知能力をもつ少女・遠山遥が告げた依頼期間は、
「死がふたりを分かつまで」。帯を短くするとこんな紹介だろうか。
面白そうなので取っておいたのを、とうとう読んだのだが、
これはイイ、文句なしにイイ感じだ。
原作がいいのか、絵がいいのか、おそらくどっちもいいのだろう。
主人公とヒロインがいいのはもちろんだが、
主人公の相方やら、仲間、そして刑事、悪役にいたるまで、
しっかりとキャラの個性があって、
絵にならない裏設定がきちんとしている感じがする。
ま、とにかく、ぼくも第2巻最後の遙のシーンで転んだ口なので(♪)、
打ち切りにならずに、連載、最後まで続いて欲しいな>スクウェア・エニックス
- GyaO『萌えよ剣』『Girl's-High』『幕末機関説いろはにほへと』★
少し前からパソコンテレビGyaOをちょくちょく見ている。
アニメはまるまる時間が取られてしまうし、
毎週、定期的な時間に放映されて(録画も面倒だし)、
最近はあまり見ていなかったのだが、GyaOだと、
空いた時間に見ることができるし、
小さ目の画面で仕事の傍ら観ることもできるので、
少し触手が出てしまった。
でも、あまりたくさん観ると、
やっぱり時間を食われるかなぁ。
しかし、オープニングアニメからは、
秋月耀次郎(あきづきようじろう)と
遊山赫乃丈(ゆやまかくのじょう)の今後は気になるぞ。
- BIGLOBE『神世紀伝マーズ』★
BIGLOBEストリームで流しているこいつも、
昔の『六神合体ゴッドマーズ』とは違って、
原作に忠実でなかなかいい。
- 『天保異聞 妖奇士』★
最近では珍しく原作なしのオリジナルアニメだそうだ。
うーん、いろいろ見出すとキリがないのが困るぞ。
- TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』★
HPを見て、OBの某T鍋くんが、お土産に持ってきてくれた。
これはヤバイ、ますますはまりそうだ。
少しずつ見ることにしよう。
やっとのこと全編14話を見たが、
これは近年まれに見るアニメの傑作かも知れない。
原作およびマンガから想像できる以上に、
よく動いているし声もピッタリだった。
いや、でも、実際、身の回りに涼宮ハルヒが一人いると、
人生まったく退屈しない気がする。
まぁ、常識で考えれば涼宮ハルヒみたいな人間はいないと思うし、
普通の人間にとっては取り扱い不可能で引いてしまうかもしれないけど、
案外と涼宮ハルヒみたいな人間は実在していたりして、
普通でない人間にとってはユニークすぎて面白かったりするだろう。
SF★
小学校の高学年から読み始めたSF
も大好き.
SFのマイベスト3は,アシモフ『ファウンデーションシリーズ』,
小松左京『果しなき流れの果に』,光瀬龍『百億の昼と千億の夜』かな,
とりあえずは.
最近面白かったSF:
- 『戦国自衛隊1549』(半村良原案・福井晴敏原作)★
今年は新年の5日から授業開始という企業も顔負けの正月休み状態で、
冬休みにやろうと思っていた宿題を片づけるために、
元旦も朝9時から普通に仕事していた(泣^2)。
というわけで(?)、元旦の午後は、
夏頃に見そびれていた映画のDVDなどを買いに初売りへ。
ポイントが結構溜まっていたのと1日から使える割引券があったので、
とりあえず、『戦国自衛隊1549』と『亡国のイージス』をゲット。
残念ながら、もう一つの『ローレライ』は見あたらず。
んで、早速、夕方に『戦国自衛隊1549』の鑑賞。
久しぶりの映画鑑賞である。
タイムスリップによって、
現代の自衛隊が戦国時代に飛ばされるというネタだが、
半村良の『戦国自衛隊』と福井晴敏のこれは、
基本を除いて、おそらく全然別な話と思った方がいいだろう。
もっとも、半村良のは、もう何十年(まじ)も前に読んだものなので、
ほとんど内容は覚えていない(笑)。
でも、半村良の自衛隊は戻って来れなかったんじゃなかったっけ?
さて、『戦国自衛隊1549』だが、最初に、一言だけ、
くそみそしておきたい。
タイムスリップの原因が、太陽磁場活動に対処するために行った、
磁場実験の暴走うんぬんのヨタはなんじゃありゃ!!
タイムスリップの仕掛けとしては、あまりにもお粗末な戯言だなぁ。
せめて、富士山麓の光子力研究所で
ワームホールの実験が暴走した、ぐらいのホラは吹いて欲しかった。
ま、それはそれとして、ストーリー自体は期待通りに面白かった。
タイムパラドックスもきちんと処理してあるし、
登場人物(たとえば藤介)の正体も納得させられた。
キャラもしっかり立っていて、
主人公の鹿島(江口洋介)と神崎(鈴木京香)は替えがきくとしても(笑)、
敵役の的場(鹿賀丈史)や救助隊の指揮官森(生瀬勝久)
たちはなかなか好演である。
でも、何よりもよかったのが、伊武雅刀演じる蝮の斉藤道三。
最後あたりの立ち回りの大ボケと、娘の濃姫への溺愛ぶりは、
すっごくよかった。
また蜂須賀小六や藤介、飯沼七兵衛らの脇も、
主役を食うほどにいい味を出していたと思う。
なかなか小気味いい映画だった。
- 『リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い』★
新年第2弾!(笑)。
正月2日も朝8時(驚)から仕事して宿題を一つやっつけた後、
昼に純米大吟醸を開けたら、午後はもう仕事にならない(当然)。
ということで、半年ぐらい前に安売りで買っていた映画を観ることになった。
この映画、ショーン・コネリーが出ているものの、
カバーの紹介からはB級の臭いがプンプンしていたが、
予想通り、メチャ面白いB級映画という感じ
(そういうのはA級というのだろうか?)。
これはもう、設定やストーリーはどうでもよくて、
伝説の7人のヒーロー(プラス最後に名前が割れる悪役1人)の
キャラクターを楽しむ映画だろう。
ぼくとしては、おそらくイギリスでは有名な小説なんだろうが、
『ドリアン・グレイの肖像』(だよな)を詳しくは知らなかったのが惜しまれる。
しかし、探検家クォーターメイン、ドリアン・グレイ、ノーチラス号の船長ネモ、
女バンパイア、透明人間、トム・ソーヤー、ジキル&ハイド、
そして最後に名前が割れる悪役と、
そっか、こういうやつらだったのか的に楽しめた。
SFXは、いまごろはもうあまり珍しくもないレベルだが、
ベニスを行くノーチラス号のバカでかさ加減と、
夏の別荘ならぬ悪の秘密基地のこれまたバカでかさ加減は、
なかなか笑えたかも。
正月早々スカッと爽やかになったことは間違いない。
- 『亡国のイージス』(福井晴敏原作)★
新年第3弾!(爆)。
正月に見切れなかったのを成人の日に見たが…。
うーん、キャスティングから予想通りかなぁ。
たしかに、如月行のキャラは原作のイメージに近いし、
宮津艦長(映画では副長;寺尾聡)やホ・ヨンファ(中井貴一)、
DAISの渥美(佐藤浩市)らも、だいたいイメージに近いが、
仙石先任伍長(真田広之)がなぁ、格好良すぎだわ。
これは、一言で言って、真田映画になっているなぁ。
ちゅうか、それ以上に、これは原作読んでいないと、
背景とか何とかが、全然わからんのではあるまいか。
ホ・ヨンファの動機や宮津艦長の動機とかもわかりにくいし、
ホ・ヨンファの妹の女工作員に至っては、
存在理由も(水中での)行動理由も意味不明だろう。
宮津艦長の妻芳恵の強烈なアッパーカットも削られているし。
厚めの文庫2冊を2時間に収めると、こーなっちゃうのかなぁ。
原作の重要なシーンはだいたい出ているけど、
その間のつながりがわかんなくなっている感じだった。
原作を読んだ後に復習のつもりで見るとよさそうな映画だ。
- 恩田 陸『ねじの回転(上下)』★
歴史改変SF。近未来、時間遡航装置の発明によって
崩壊に瀕した世界を救うため、国連は歴史に介入して、
過去を修復しようとする。介入ポイントに選ばれたのは、
昭和維新2.26事件!
歴史改変もの・タイムマシンものなんて、
出尽くしたような気もするが、
またまたこんな切り口があるのかと、
なかなか新鮮な内容だった。
類似のテーマでも、最終的には、やはり
キャラ設定とストーリーが重要だということだろう。
ところで、実は2.26事件は具体的史実をほとんど知らなかったのだが、
直前に、2.26事件を中心題材として扱った、
松本清張『昭和史発掘(全9巻)』を読んでいて、
そのままこの『ねじの回転』に進んだので、
面白さ倍増だった。
そっか、安藤大尉ってこんな人物だったのか、
栗原中尉はこんな美形カリスマだったのか、
石原大佐はこうだったのか…と、
イメージが膨らむこと請け合い。
- ウィリアム・C・ディーツ『帝国を継ぐ者』★
『天空の秘宝』に続く<ギャラクティック・バウンティ>シリーズの第2作目。
銀河系随一の凄腕バウンティ・ハンターのサム・マッケイドが活躍する
B級スペースオペラ。
それほどヒネリもシカケもガジェットもないけど、
割と気楽に読めるSFだった。
- エリザベス・ムーン『復讐への航路』★
『栄光への飛翔』に続く<若き女船長カイの挑戦>シリーズの第2作目。
お人好しだが熱血で冷静なニューヒロイン、カイが活躍する
B級ミリタリースペースオペラ。
これも気楽に読めるSFだった。
- 飛 浩隆『象られた力』★
2005年度のSFでかなり話題になった中篇集。
たしかに従来のSFとはかなりテイストが違うので面白いが、
ぼくの好みにはあまり合わないかも知れないなぁ。
4つの中篇の中では、「呪界のほとり」が
キャラがはっきりたっていて、なかなかに読めたが。
- 恩田 陸『蒲公英草紙 常野物語』★
昨年出版された<常野(とこの)物語>の第2作(だよな)。
恩田陸の作品で最初に読んだのが『光の帝国 常野物語』で、
それで一気に恩田ファンになっちゃったんだが、
この作品もよかったーーー。
- 恩田 陸『エンドゲーム 常野物語』★
常野物語の最新作。裏返されたらどうなる?
これも一気に読んでしまった。
とても面白かったが、最初に読んだ『光の帝国』のような、
ほんわかとした連作も再び読んでみたい。
- 林 譲治『ストリンガーの沈黙』★
ブラックホール・カーリーの周囲に建設された
人工降着円盤AADをめぐる物語で、
連作集『ウロボロスの波動』に続く最新長編。
AADのエネルギー転送システムによって、
太陽系のエネルギーバランスが激変し、
人工降着円盤開発事業団AADDと地球国連軍の対立が深まる中、
未知の知性体ストリンガーが太陽系に飛来する。
降着円盤をガジェットとして使っているが(嬉しい!!)、
本質的にはファーストコンタクトものといっていいだろう;
それも、異星人だけでなく、AIの知性化も含め。
女性キャラ(とくに美少女キャラ)が、
相互に微妙にかぶって、区別しにくい感じもするけど、
ストーリー自体は結構ひねってあって、面白いこと請け合い!
- 山田正紀『神狩り』★
そっか、『神狩り』って、こんな話だったっけ!!!
なんせ、20数年前に読んだっきりなんで、まったく忘れてて、
『神狩り2』を読む前に、も一度、買い直して、
読んだけど、まったく、中身を忘れていた。
どっちかっというと、『弥勒戦争』の方が、
ずっと、インパクトがあった気がするけど、
そっちも中身は忘れちゃった・・・
うーーーん、最近、本はたくさん読んでいるけど、
これでええのかなぁ・・・・・・・
- 山田正紀『神狩り2 リッパー』★
『神狩り』の主人公で唯一生き残った島津圭助は年老い。しかし。
新たな主人公が安永学。善圀生、邪龍道。
そして理亜(ゆりあ)とナオミ。
結局、天使とは神とは、うーーーん、
久方ぶりに難しいSFだった。
- 藤崎慎吾『レフト・アローン』★
佳作SFを集めた中篇集。
「星窪(ほしくぼ)」が専門的にちょっと面白かった。
実際に奄美大島にある隕石クレーター地形、赤尾木湾を舞台に、
天空から飛来した“石”との交流を描いたものだが、
その石の出自がらみで、超新星爆発の話が出てくる。
たまに超新星爆発が出てくるSFはあるけど、
大質量星が重力崩壊して爆発するタイプIIと、
白色矮星がチャンドラセカール質量を超えて爆発するタイプIaまで、
きちんと区別して描かれたのは、これがはじめてじゃなかろうか。
SN2129D(2129年に発見された4番目の超新星)という名前まで
付けられていて、ちょっとびっくり。
- ポール・アンダースン『地球帝国秘密諜報員』★
いやぁ、もうメチャクチャ懐かしい感じのスペースオペラだった。
ポール・アンダースンって、確か数年前に亡くなったよなぁ、
と思いつつ買ったら、事実、1965年、40年も前の作品だった。
でも、全然、色褪せた感じがしないで読める。
凄腕諜報員ドミニック・フランドリー、
ストイックなところもあって、ちょっと格好良すぎだが、
なかなかに、ほろ苦さもある読後感だった。
このシリーズ、今後も翻訳して欲しいなぁ(是非是非)。
- マイクル・クライトン『プレイ−獲物(上下)』★
ナノテクノロジーとバイオテクノロジーとコンピュータテクノロジーを、
クライトンが料理すると、まさにこんな感じかな、
クライトン風のパニックSFができあがり。
最後の締めも含め、ところどころ締めが甘いけど、
されどクライトン、一気に読める。
クライトンと言えば、一般には『ジュラシック・パーク』が超有名で、
また実際に原作も映画も面白かったが、クライトンの原点である、
『アンドロメダ病原体』が実は隠れた(?)傑作だと思う。
高校の頃に、大枚(笑)をはたいて初めてハードカバーのSFを買ったのが、
たしか『アンドロメダ病原体』だった。
30年は経ってるから、常にヒットを飛ばし続ける、息の長い作家ではある。
- 宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー(上中下)』★
ファンタジーはめったに読まないのだが、
宮部みゆきの書いたものなので、つい手に取ってしまった。
たしかにアニメ向きだと思う。結構、ずいずいと読んでしまった。
現世への帰還ポイントで時間調整をして欲しくなかったのと、
登場人物の後日譚をもう少し描いて欲しかったなぁ、
というのは欲かも知れないが、時間があればアニメも見てみたい。
- ニール・スティーヴンス『ダイヤモンド・エイジ(上下)』★
うーん、どーしてこれが、ローカス章とヒューゴー章をダブル受賞したんだか、
まったくわからん。
たしかに初等読本プリマーを偶然手にした少女の成長物語という点は面白いし、
ナノテクの行き着く先の社会状況もよく描けてはいる。
しかし、登場人物のいろいろな行動のモチベーションが希薄で必然性がないし、
ストーリーの進行にも必然性や論理性がないし、
さまざまに錯綜した話が整合していないし
(というか整合性があるかどうかもよくわからない作り)、
どうにも記憶に残りそうにないSFだった。
- ウィル・マッカーシイ『コラプシウム』★
“ハードSF+熱血スペース・オペラ”の帯は伊達じゃない。
たいがいハードSFには慣れていて、ブラックホールにも慣れているけど、
量子ドットやウエルストーンに、
マイクロ・ブラックホールから造ったコラプシウムなど、
ぶっとんだガジェットが出てきて驚いた。
(…ファックスは、これは古くからあるアイデアで、
たしか、ニーブンの『時間外世界』でも使われていたが。)
まぁ、でも、ストーリーはわかりやすくて、一気に読める。
最後は、ちょっとだけ、ご都合主義だが、まぁ、いいだろー。
話の派手さ加減は、ダーティ・ペア的である。
でも、個人的には、少し完璧的なタムラ女王よりも、
ヴィヴィアン・レイモン捜査局長の方がインパクトあったぞ。
- ジェフリー・A・ランディス『火星縦断』★
火星SFの決定版(!?)。
非常にリアリスティックで面白いっちゃ面白いけど、
逆に、少しロマンに欠ける、というか、
ドキドキ感、センス・オブ・ワンダー感がなかったかな。
まぁ、でも、宇宙に感心があれば、お勧め本だろう。
- ル=グィン『ゲド戦記I 影との戦い』(清水真砂子訳)★
ずいぶんと前にIII巻かそこらまでは読んでいたのだが、
ソフトカバー版が出たので、全巻揃えて読むことにした。
まずは第I巻−少年ゲド、魔法の学院に入る。
自分の力を過信して禁じられた魔法を唱えたゲドは、
名なき者を解き放ってしまう。
呼び出しの長の言葉から:
「そなた、子どもの頃は、魔法使いに不可能なことなど
ないと思っておったろうな。わしも昔はそうだった。
わしらはみんなそう思っておった。だが、事実は違う。
力を持ち、知識が豊かにひろがっていけばいくほど、
その人間のたどるべき道は狭くなり、
やがては何ひとつ選べるものはなくなって、
ただ、しなければならないことだけを
するようになるものなのだ。」
- ル=グィン『ゲド戦記II こわれた腕環』(清水真砂子訳)★
第II巻−青年ゲド、迷宮で少女に会う。
平和をもたらすエレス・アクベの腕環をもとめて
アチュアンの墓所に赴いたゲドは、
暗黒の地下迷宮を守る巫女アルハ(喰らわれし者)/テナーと出会う。
彼女が今知り始めていたのは、自由の重さだった。
自由は、それを担おうとする者にとって、実に重い荷物である。
それは、決して気楽なものではない。
自由は与えられるものではなくて、選択すべきものであり、
しかもその選択は、必ずしも容易なものではないのだ。
坂道をのぼった先に光があることはわかっていても、
重い荷を負った旅人は、ついにその坂道を
のぼりきれずに終わるかもしれない。
- ル=グィン『ゲド戦記III さいはての島へ』(清水真砂子訳)★
第III巻−壮年ゲド、死の国でたたかう。
魔法の力が衰えはじめた世界を救うため、
大賢人となったゲドは、アレン王子とともに、
見えない敵を求めて旅に出る。
アレンに対するゲドの言葉:
「過去を否定することは、未来も否定することだ。
人は自分で自分の運命を決めるわけにはいかない。
受け入れるか、拒否するかのどちらかだ。
ナナカマドは根のはり方が浅いと、実を結ばないものさ。」
- ル=グィン『ゲド戦記IV 帰還』(清水真砂子訳)★
第IV巻−初老ゲド、故郷の島に帰る。
魔法の力を使い果たしたゲドは、故郷ゴント島に戻り、
テナーと再会する。
やっと落ち着いたと思ったのもつかの間、
領主の館をめぐる陰謀に巻き込まれていくゲドたち。
太古の魔法を受け継ぐのは誰か?
ゲドに対するテナーの言葉:
「報酬だとか、報いだとか、贖いだとか、そんなものをこえてね、
取引や貸借勘定もみんなこえてね、
その先にこそ自由があるんだと思う。」
- ル=グィン『ゲド戦記V アースシーの風』(清水真砂子訳)★
第V巻−晩年ゲド、太古の風の中で。
故郷のゴント島でテナーやテハヌーと
静かに余生を送るゲド。
竜が暴れ出し、ふたたび緊張が高まるアースシー世界。
テハヌーは王宮に呼び出され、レバンネン王から重要な使命を与えられる。
テハヌーに対するテナーの言葉:
「あせらないの。待ってごらん、そのうちわかるから。
時が来ればわかるわよ、きっと。
自分が何をすればいいか、自分が何者か……。」
- ル=グィン『ゲド戦記 外伝』(清水真砂子訳)★
アースシーを映す5つの物語。
ゲドの時代より300年ほども前の暗黒時代の物語「カワウソ」。
どこにでも起こりうるラブストーリー「ダークローズとダイヤモンド」。
ゲドの師匠オジオンとその師匠の物語「地の骨」。
アースシーの大賢人時代のゲドのエピソード「湿原で」。
そして『帰還』の数年後に起こったアイリアンの物語「トンボ」。
「ダークローズとダイヤモンド」より:
Where my love is going, There will I go:
Where his boat is rowing, I will row.
We will laugh together, Together we will cry:
If he lives I will live, If he dies I die.
- ラリイ・ニーヴン『リングワールドの子供たち』★
30年ぐらいにわたって書き継がれてきた
<リングワールド>シリーズの4作目。
ニーヴンの<ノウンワールド>におけるパク人の謎も含め、
30年ぶりに、さまざまな謎が明らかにされた感じだ。
作者も全体の辻褄を合わせるのが大変だったのが、
文脈のアチコチに見て取れて面白かった。
<ノウンワールド>シリーズを全体を通して読み返したくなった。
しかし、それはともかく、ルイス・ウーご苦労さま(笑)。
本書だけで、何度大けがをしてオートドック(自動医療機)
に入ったことか。
でも、ルイス・ウーが**になって終わりかと思ったら、
ふたたび再生するとは。
起死回生の策でリングワールドは安全になったとはいえ、
ルイス・ウーの冒険は続くということだな。
- チャールズ・ストロス『シンギュラレティ・スカイ』★
うーん、これは何と形容したものだろうか。
とっつき悪すぎで乗れなかったが、
ガマンして読んでいくと、だいぶしてから、
やっと全体の世界観がわかってきて、
ある程度は読めるようになってきた。
訳者あとがきにあるように、
“イギリスらしいひねくれたユーモアのスパイスがきいた
新感覚スペースオペラ”として楽しむものなのだろう。
ちょっと疲れたけど、続編も読みたい気はする。
- 映画版『ローレライ』★
天文天体物理若手夏の学校の前の日に、
準備が一応終わって半日ほど時間が余ったので、
半年ぐらい前に買っていたDVDを観ることにした。
公開からは一年遅れぐらいかな?
映画にするためにだいぶアレンジがあったが、
最後あたりはなかなか感動的で、
基本的には原作的ないい映画になっていた。
でも、大人の責任か〜、痛い言葉だ。
- ウェン・スペンサー『ティンカー』★
SFとファンタジーがなかなか上手い具合にミックスされた作品。
このようなSF×ファンタジー作品は、いままでにもあったのかもしれないけど、
一気に読んでしまったから、とても面白かったのだろうと思う。
続編も早く読みたい気がする。
- 山本 弘『アイの物語』★
美しきアンドロイドTAIが不完全なる人類のために語り紡ぐ、
未来の千夜一夜物語。
7つの物語をマシンとヒトの会話からなる
インターミッションでつないでいるのだが、
そーだなぁ、どの物語もよかったけど、
第5話 正義が正義である世界
第6話 詩音が来た日
あたりが、なかなか感動もんだったかもしれない。
夏バテならぬ人生バテして、
どーんと落ち込むことが多い今日この頃、
少し人生の辛さを忘れさせてくれる一冊だった。
- ケン・マクラウド『ニュートンズ・ウェイク』★
これもイギリス発21世紀風スペース・オペラ。
帯には、
“読者諸兄に警告する。乗り遅れるな!”
“本書は最高速で突っ走る”
“21世紀型最新鋭スペース・オペラなのだ”
とあるんだけど、ぼくは、乗ったはいいが、
振り落とされてしまった口らしい。とほほ。
- マシュー・ライリー『アイス・ステーション(上下)』★
これは、ちょっと、いままでにないタイプで、
ジェットコースター的にノンストップアクションの面白さだった。
アメリカの南極基地そばの海中洞窟で、
氷に埋もれた“宇宙船”が発見されたのをきっかけに、
各国の最強部隊が入り乱れて、最新鋭の武器による白兵戦はあるは、
土竜(草ですなぁ)はいるは、最後には核ミサイルまで発射されるは、
もうとてつもなく大変状態。
主人公のスケアクロウ、普通ーの人だったら、
20回ぐらい死んでると思う。
続編も刊行予定らしいし、是非読まねば。
- 谷川流原作/ツガノガク漫画『涼宮ハルヒの憂鬱』★
珍しく朝日新聞の書評が気になって、
めったに読まないライトノベル&コミックを買ったのだが、
これがもう、ぶっちぎりの面白さ。
高校入学時の自己紹介で、
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、
異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
と挨拶したのが、ヒロイン涼宮ハルヒ。
そのハルヒが、
無表情で無口な“宇宙人”長門有希、
メード服などを強制装着させられる“未来人”朝比奈みくる、
いつもクールスマイルの二枚目“超能力者”小泉一樹、
そして、おそらく、ただの男子高校生キョンを集めて作った、
“SOS団”すなわち“世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団”が、
縦横無尽に暴れ回るわけだが…。
なんというか、ハルヒの激烈に浮き沈みする感情と、
超理不尽ぶり超ワガママぶりが、ツボにはまってしまった。
- 谷川流『涼宮ハルヒの溜息』★秋の文化祭ハルヒ仕様。
- 谷川流『涼宮ハルヒの退屈』★夏頃のエピソードが4つ。
- 谷川流『涼宮ハルヒの消失』★クリスマスハルヒ仕様。
あ、でも、なかなかまっとうな時間改変SFになっているぞ。
読んでいて、少しこんがらがってきたが、
ちゃんと辻褄は合っているようだ。
- 谷川流『涼宮ハルヒの暴走』★夏から冬にかけてのエピソードが4つ。
- 谷川流『涼宮ハルヒの動揺』★これも同じ時期のエピソードが5つ。
- 谷川流『涼宮ハルヒの陰謀』★真冬イベントハルヒ仕様。
時間改変もかなり複雑化してきて、
いろいろな勢力も顔見せを始めだして、
いろいろな意味で面白くなってきた。
また読み飛ばしてしまいがちだが、語り部キョンのモノローグが
とてもユニークだ。
曰く、進路指導を受けているだろうハルヒを評して
“…頭ごなしに言い聞かせたりしたら意地でも曲がらなくなる
クロム族元素のような性格をあいつは持っているからな。”。
曰く、8日先の未来から来た朝比奈さんを見て、
“…俺のイヤな予感が高度成長期の工場地帯から出る
煙突の煙のようにわき上がった。”。
曰く、その朝比奈さんと掃除用具入れに隠れて、
“…早くも俺の内堀と外堀は完全に埋め立て工事終了の
合図を待つまでになっている。
真田幸村がいなかった場合の大坂夏の陣なみにどうしようもない。
こんなツープラトン精神攻撃を喰らっては…”。
そして、悪巧みを思いついて満面の笑みを浮かべたハルヒを評して、
“SOS団団長のIa型超新星爆発のような瞳が向けられた先には…”
“ハルヒは両眼にプレアデス星団をまるごと押し込んだような
光を灯らせ…”
あれあれ、書き出していたら、
地の文を全部書かなくっちゃならなくなりそうだ。
全編こんな調子である。
この文章力は見習いたいものだ。
- 谷川流『涼宮ハルヒの憤慨』★ハルヒ第8弾:天上天下唯我独占、
対生徒会戦争ハルヒ仕様。
そうそう、文章もぶっとんだ面白さだが、
いとうのいぢのイラストがまた妙にはまった感があって、
イメージ的にもキャラを立たせていると思う。
- 梶尾真治『サラマンダー殲滅(上下)』★
かなり有名になった作品だが、つい読み落としていた。
復刊されて早速読んだのだが、あっれーーー、
SF宇宙冒険活劇ぐらいのイメージをもっていたのだが、
これはまぁ、なんというか、SFの服を着た純愛小説(笑)だなぁ。
そういう点では、『スターウォーズエピソード2』的な感じもあるが、
むしろ、ラスト的には(ちょっとネタバレ)
コミックの『キャッツアイ』を思い出してしまった。
どんでん返しも伏線もほとんどない、
非常にストレートな話なので、
安心して(?)読めるだろう。
- 恩田陸『夜のピクニック』★
うーん、今年は、なんだか、久しぶりに、
めちゃくちゃに乱読している気がする。
やっと文庫で出たこの本も、恩田陸の本なので、
SFっぽいのかなと思って何も考えずに買ったら、
いやいや、まっとうな“青春小説”だった。
でも、読んでて、ほんとに癒される感じの本で、
いやぁ、ぼくもちゃんと高校生しとけばよかったなぁ、と(笑)。
- 北村薫『スキップ』★はじめて北村薫と出会った。
最初、書評か何かで『リセット』を手に入れたのだが、
<<時と人>>3部作ということがわかって、
この『スキップ』から読み始めた。
とても不思議なテイストの小説である。
25年の時を“スキップ”して、
17歳の身体から42歳の身体へ心が移った一ノ瀬/桜木真理子。
たんなるタイムスリップではない、心だけのスキップである。
これは結構痛いかもしれないと思う。
残酷な時の仕打ちを前にして、
<わたし>はどう生きていくのか/生きていかなければならないのか。
心だけが時間をスキップする話だと、
ケン・グリムウッドの有名な『リプレイ』があるが、
まったく、全然、完全に異なる新鮮味があった。
ちゅうより、ほとんどSF臭はない。
しなやかで凛とした生き方を実感する物語だ。
- 北村薫『ターン』★
<<時と人>>3部作の2作目。
作者的には、こちらの方が先だったらしいが。
作者はSFを書いているつもりはまったくないようだし、
こちらもSFのつもりで読んではいないけど、
SF的な言葉の方が説明しやすい。
SF的に表せば、ヒロインの森真希は、
本来の身体は通常時空に取り残されたまま、
分離した実体が「閉鎖時間線CTL(closed time line)」に
閉じ込められてしまったのだ。
通常の時間線から切り離された閉鎖時間線の中では、
7月のある1日が繰り返される。
記憶だけはつながっていくのだが、
午後3時15分になった途端に、
物理的・物質的なあらゆる状況が1日前に戻ってしまうのである。
こういった状況設定はやはり新鮮で面白かったが、
途中からは、設定とかなんとかどうでもよくなって、
ヒロインの運命がすごく気になり始めて、
最後まで一気に読んでしまった。
作者の術中にはまってしまったといえるだろう。
ヒロインは、無限にターンを繰り返すのだろうか、
それともリターン(帰還)できるのだろうか。
- 北村薫『リセット』★
<<時と人>>3部作の3作目。
うーん、これは内容に触れてしまうと、
どう触れても面白さが半減してしまうだろうなぁ。
主人公たちの日常を綴っている大部分のところは、
たいして興味深くもないのだが、
何カ所かある山場だけ、全体で、10ページかそこらだけで、
感動的な本になってしまっていると思う。
春に五月は一度しか来ないけど、
ぼくも春は毎年やってくると信じたい。
- ダン・シモンズ『イリアム』★
あの『ハイペリオン』の作者のSFなので、
かさばるハードカバーだけど買ってしまった。
未来の“火星”のオリュンポス・モンスに住まうギリシャ神話の神々、
紀元前12世紀のギリシャに集うトロヤとギリシャの英雄たち、
未来の地球に残された人類の末裔イーロイたち、そして
未来の太陽系に散らばる半生物機械モラヴェック類、
さまざまな種族が未来を掴むために最終決戦へと突き進む。
と、おいおい、最終決戦、終わりの始まりが始まったところで、
続編『オリュンポス』へ続くか〜。
『ハイペリオン』シリーズに比べると、内容が希薄だし、
後は続き、ということで、ちょっと(かなり)消化不良気味だけど、
まぁまぁ、期待通りと言っていいかも。
- ライダ・モアハウス『アークエンジェル・プロトコル』★
これはだめだったぁ。
電脳空間のリンク天使の間はよかったが、
本物が出てきちゃぁ。
- 村山由佳『天使の卵』★
SFだけを読んでる訳じゃなくて、
結構いろいろなジャンルの本を乱読しているが、
ふだんはいちいち書かないけど、この本は出しておきたい。
純愛小説なんて、いまさら読む柄ではなかったけど、これはよかった。
続編の『天使の梯子』も一気に読んでしまった。
- 山本弘『神は沈黙せず(上下)』★
単行本のときはスルーしてたのを
文庫化されて読んだのだが、
期待以上に面白い内容だった。
基本構想自体はそれほど目新しいものではないけど、
人工知能の最先端の知識や可能性をとことん投入して、
広がりと奥行きのある非常に説得性の高いモノになっていると思う。
UFOや疑似科学など著者お得意のトンデモ系のネタを出し過ぎ感があるけど
(後半でそれらのネタを5割ぐらい削ったら、もっとぴりりとしまった気がする)、
“神”の正体、あるいは神と人間の関係性については、
すごくよくわかった(笑)。
そっか、ぼくたちは“●ー●の■■”だったのか。
それでなかなか人生って難しいんだなぁ。
ま、いっか。も少し気楽に生きるようにしよう♪
- スティーヴ・オルテン『蛇神降臨記』★
マヤ古代暦の4アハウ、3カンキン=西暦2012年、人類は滅亡する。
ピラミッドやナスカそしてマヤ、アステカなど、
超古代遺跡に秘められた謎を解いて人類の滅亡を阻止しなければならない。
壮大なスケールで繰り広げられる超伝奇ノンストップアクションSFだった。
これだけなんでもかんでも詰め込むと、
あっちこっち、ストーリーに破綻や無理があるんじゃないかと思うが、
それがわからない(気にならない)ぐらい、ぐいぐいと読まされてしまった。
- スティーヴ・オルテン『邪神創世記(上下)』★
三部作の第二部では、時空を超えたアクションになって、
またまたぶっとんだ方向に話が膨らんでいく一方、
マヤのククルカンやステカのケツァルコアトルの正体があきらかになる。
最後あたりはストーリーがぐちゃぐちゃになってきて、
こりゃ、第三部を読まないと、何が何やら状態であるなぁ。
- チャールズ・ストロス『アイアン・サンライズ』★
『シンギュラリティ・スカイ』の続編が出た。
従来のSFとはかなり味付けが違うので、前作のときはとまどったが、
本作はもう少しすっと入れた。
人工知能AIが進化して特異点<シンギュラリティ>に到達し、
超越知性エシャトンとなった後の未来世界を描いたSF。
エシャトンが行ったワームホールを通した強制移住と、
エシャトンがくれた何でも作れるコルヌコピア(豊穣の角)によって、
人類版図は数千光年?に拡がり、多様性に満ちている。
怒濤のように“専門用語”が出てくるので、途中までは読みにくいが、
ハード性よりはむしろサスペンスの要素が強いので、
後半はどんどん引き込まれてしまう感がある。
『シンギュラリティ・スカイ』とは独立して読めるとはあるが、
ヒロイン(?)の国連査察官レイチェルらは共通しているので、
やはり前作から(頑張って)読んだ方がより面白いと思う。
天文学
これは,もともと好きだったものが,SFやSFアニメと相互作用し,
趣味が高じて実益を兼ねてしまったもの.
- 金子務『アインシュタイン・ショック(上下)』★
今年の頭に岩波現代文庫で再刊されたのを買っていたのだが、
まぁ、世界物理年の間に読めばいいやと思っていたら、
いつの間にか11月に入っていて、やっと読み出した。
これがごっつ面白い。
アインシュタインの伝記はいろいろと読んできたが、
(1)日本滞在時の状況が非常に詳しく書いてあること、
(2)周囲への影響が深くまで掘り下げて調べてあること、
などなど、アインシュタイン伝記の中でも珠玉だと思う。
(まぁ、哲学的な面なんかは、かなり跳ばし読みしてしまったが)。
でも、それ以上に、ぼくにとって印象的だったのは、文章力の高さだったりする。
言葉表現の豊かさとか内容の奥深さだったりするわけだ。
ぼくには到底こんな文章書けないなぁ。
ぼくもレベル20ぐらいまではスキルアップしていたつもりだけど、
ぼくがレベル20なら、レベル50ぐらいの文章だ。
いい内容の本に出会うのはもちろん嬉しいけど、
いい文章に出会うのもまた嬉しい。
- 馬場錬成『物理学校』★
結構いろいろな雑学を仕入れているつもりだったが、
この話はまったく知らなかった。
明治時代に、大学を卒業したばかりの若き学徒たちが、
高い志で設立した、私立の理科学校の物語だ。
東京天文台初代台長となる寺尾寿も、
その中心メンバーである。
久しぶりに心沸き踊る科学ドキュメントだった。
オサケ★
お酒(とカラオケ)は嗜む程度.ほんとに.
…でも,たまに記憶が跳んでたりしてて,あれは結構コワイ.
ビールはキリンの生,日本酒はキンと冷やした吟醸,
ワインもキンと冷やした白,焼酎は<神の河(かんのこ)>のロック,
カクテルはウォッカベースやカルーアミルクが割と好き.
…最近は弱くなってきて、焼酎やウォッカはあまり呑まない。
またワインはどっしりした赤の方が好きになった。
…今年もビールにも凝っていて、
銀河高原ビールやヨーロッパのビールもよく呑む。
銀河高原は割と有名だから知っている人も多いだろうが、
小麦のビールでハーブ香がなかなかいい
(銀河高原、これから先、大丈夫かなぁ)。
また山口に帰省したときに小郡でお土産に買った、
“村塾”という萩の地ビールがめちゃ美味しいことを発見。
値は張るけど、あまりの美味しさに、ときどき注文している。
バイツェン、ペールエール、ブラウンエールの3種類があるけど、
やはり小麦ビールのバイツェンがお勧め。
日本でもこんなに美味しいビールが造れるんだから、
法律を変えて地ビールを振興すべきだと思う。
…銀河高原、ちゃんと続いていてよかった。
琥珀エビスやプレミアムはもちろん美味しいけど、
最近のマイブームは、とれたてホップ一番搾り、かな。
でも季節限定だから、そろそろなくなりそう。
琥珀エビスも限定でもうなくなるらしいが、
年が明けたら緑エビスが出るようだ。
…最近流行のカクテルはホワイトボート。
…2006年はあまりに忙しかったので、
たまには自分で自分にご褒美をあげようと(笑)、
クリスマスにかなり奮発して、
いいシャンパンを2種類ほど買ってみた。
値段ほどには美味しくないだろうと話していたのだが、
まったくの大間違いで、値段だけの味はした。
味というか、あまりに呑みやすくて、
まるで水かジュースのような感じで驚いた。
吟醸酒などでも大吟醸クラスのいいものになると、
やはり水のように呑みやすくなるが、
どうやらワインでも同じみたいだ。
少し飲み過ぎて翌朝までアルコールが残ってしまったが、
朝のゲ○プさえ、いい香りがした、ホントの話である。
もっとも、
クリスマスに呑んだのは、ほんとに信じられない味がしたが、
年越しで呑んだのは、案外とふつうだった。
ミュージック★
アニメソングを聴いて育ちフォークの洗礼を受けた世代.
現在でも,ニューミュージック系統や良質のアニメソングを好む.
最近の話題:
- 宇多田ヒカル『ULTRA BLUE』★
6/14発売なのは知っていて、
たまたま(笑)6/16に買い物に行ったときに手に入れた。
まともに音楽聴くのって、半年ぶりぐらいかな〜
- yozuca*『キラメク』、佐藤裕美『時代の無双花』、平野綾『冒険でしょでしょ?』★
最近ときどきAmazonを利用するようになった。
CDやDVDソフトなどは、たいていは欲しいものが決まっているので、
わざわざショップに買いに行くよりはAmazonの方が便利だとわかったのだ。
書籍の場合も、基本的には書店でいろいろ眺めて
美味しい匂いのする本を買うのが好きなのだが、
書評誌などで見て何冊か買いたい本が決まっているときには、
Amazonでまとめ買いすることもある。
新品の場合は割引はないけど、代引きの手数料が安いので、
交通費と時間も節約になるし。
ただ、注文が便利な分、無駄遣いしてしまいそうなのが少しコワイ。
- ZARD『Golden Best-15th Anniversary』★
朝日新聞に見開きで広告が出た日、
これは黙って買うしかないな、と思った。
ZARDはメチャクチャにファンと言うわけでもなくて、
だからアルバムもそんなに持っていないし、
写真集なんかも買うつもりもないんだけど、
シングルはどれも聞きやすい曲が多いし、
どういうわけだか思い出的な曲が多い。
うーん、いろいろ懐かしいぞ、これは。
- 平野綾・茅原実里・後藤邑子『ハレ晴レユカイ』、
YUUKA『荒野流転』、TAKAKO『愛の剣』★
AMAZONで買ったGYAOがらみのアニメソング第2弾。
とくに『幕末機関説いろはにほへと』の主題歌『荒野流転』が
詩的にも音楽的にもすぐれモンだと思う。
ゲーム★
大学院に入った頃にちょうどインベーダーが流行りで,
以来,アーケード,パソコン,ファミコン,スーファミ,
PS(プレイステーション),SS(セガサターン)に至るまで,
コンピュータゲームとは長いつき合いである.
…もちろん、PS2とGC(ゲームキューブ)も。
最近面白かった(あるいは面白くなかった)ゲーム:
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