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変なITエンジニアばかり出てくる夢を見た。
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2025-09-11

変なITエンジニアばかり出てくる夢を見た。

起きてから自分でもよく分からない気持ちになった。

思えば、自分も25年近くIT業界で生きてきた。

そろそろ卒業しようとしている矢先だった。

夢に出てくるエンジニアは、本当に「変」だった。

一見すると異常にも見えるコミュニケーション機械じみた自己管理無駄を極限まで削ぎ落とす妙な哲学。周囲からは煙たがられつつも、確実にシステムを回していた。あの人のような生き方に憧れたこともあったし、同時に絶対になりたくないとも感じた。

IT業界は変な人ばかりだと思った。

どこか皆、ちょっとずれているのだ。オフィスで昼飯時にLinuxカーネルバグを肴に盛り上がるやつ、Slackの通知音に過敏なやつ、パケットキャプチャ趣味のやつ、ROM焼きに命かけてるやつ。納期前の深夜のオフィス空気は独特だ。妙なテンション絶望と、根拠のない希望がぐるぐる回る。

自分にもそんな時期があった。

コーディング漬けの新卒時代、深夜に会社カップラーメンを啜りながら、先輩の叱責をポエムのように聞き流していた。バグバグを呼ぶプロダクト、人間関係のギスギスと、たまに奇跡のような成功体験が舞い込む。結局、最強のエンジニアとは変人であることを受け入れた奴だったんだと思う。

でも年齢を重ねて、変であることに疲れてきた。

あの頃なんであんコードの綺麗さにこだわっていたのか。なぜ誰も使わないCLIツールローカライズなんてやっていたのか。自分しか使っていないcronジョブ記述、美しい正規表現を夢見た夜。

IT卒業する今、思い出すのは、変さへの憧れと少しの羨ましさだ。きっと、変なことに全力を注げるやつこそがITを使いこなせたんだろう。自分は途中で他人の目を気にしてしまった。変なまま突っ走れる勇気が欲しかった。

変なITエンジニアの夢を見て、靄のかかったような気持ちになった。自分が過ごした時間が、他人から見れば奇妙な記憶だろう。でもその奇妙さこそが、IT業界風景の一部だった気がする。

たぶん、自分もどこかで誰かに「変なエンジニア」と呼ばれていたのだろう。笑い話になるかどうかは分からない。ただ、妙に優しい気持ちになった。これからは「普通」の世界で生きていく。だけど、あの変な夜更けや、無意味完璧コードと、愚直な情熱のことを、たまには思い出してみようと思う。

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