だから男は試してみた。
飲み会の場で、ある話題が出るたびに「そういえば、星新一のショートに似た話があったな」と口にする。
「へえ、やっぱり星新一ってすごいね」と皆がうなずく。
次の日も、職場で。
ニュースを見ては「これ、星新一のショートにあった」と言う。
誰も疑わない。
そのうち、彼の言葉が引用されるようになった。
「星新一も書いてたらしいぞ」と広まり、やがて本の解説にまで載った。
出版社は慌てて全集を調べるが、該当する作品は見つからない。
「紛失原稿か?」という噂が流れる。
学者まで巻き込んだ大騒ぎだ。
そして男のもとに問い合わせが殺到する。
「その作品を教えてください!」
「どの短編集に入っていたのですか?」
男は苦笑して言った。
「いや、あれは…
Permalink | 記事への反応(0) | 14:04
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だから男は試してみた。 飲み会の場で、ある話題が出るたびに「そういえば、星新一のショートに似た話があったな」と口にする。 「へえ、やっぱり星新一ってすごいね」と皆がうな...
っていうのもたしか星新一が書いてたな あらゆる文字の組み合わせが出尽くしてしまった未来の話
そりゃあんだけあればね