幼いTレックスを襲うナノティラヌスの集団。ナノティラヌスは幼いTレックスとする説もあったが、新たな証拠により別の種の恐竜であることが明らかになった。(ANTHONY HUTCHINGS) 小型でスリムなティラノサウルス類の化石は、はたして幼いティラノサウルス・レックスなのか、それとも別種の恐竜ナノティラヌス・ランケンシス(Nanotyrannus lancensis)なのか。40年にわたる激しい論争がついに決着するかもしれない。ティラノサウルス類の化石を200以上分析した研究結果が10月30日付けで学術誌「ネイチャー」に発表され、Tレックスとは別種の敏捷でスリムな恐竜ナノティラヌスであると著者らは宣言した。 「論争を終わりにするため、私たちはこの問題をあらゆる角度から検証することにしました」と言うのは論文の筆頭著者で、米ノースカロライナ自然科学博物館の古生物学者であるリンジー・ザンノ氏だ。