はじめに あえてどことは言いませんが、先日某サイトで「ネット速度を高速化する方法」としてDNSサーバの設定をpublic DNSサービスに変更する記事が出てました。その記事の結論としては「変更しても大差ない」というものでしたが、DNSでネットワークを高速化するというこのような記事は何年も前からときどき見かけます。いい機会なので、このあたりについてもう少し深く掘り下げて考えてみましょう。 ※この記事では、とくに明示しなければDNSサーバとはキャッシュDNSサーバ(フルサービスリゾルバ)を指すものとします。 DNS応答の速さ DNSの設定を変えることによりネットワークの速度が速くなるとすれば、(1)DNSそれ自体の応答が速くなるか、(2)その後のWebアクセスが速くなるか、のどちらか(または両方でしょう)。このそれぞれについて検討してみましょう。 前者が速くなると画像やJavascriptなど
LANケーブルから直接パケットを取得するワイヤタッピングプローブ:Black Hatでハードウェアハック!(1)(1/3 ページ) 筆者の今岡通博氏がハッカーの祭典「Black Hat」に投稿した、ハードウェアの改変を中心にしたハッキングの事例を紹介する本連載。第1回は、LANケーブルからのスニッフィング(パケット取得)を可能とする「LANケーブルから直接パケットを取得するワイヤタッピングプローブ」だ。 はじめに こんにちは、連載「注目デバイスで組み込み開発をアップグレード」の筆者の今岡です。今回は、それとは別に「Black Hat」をネタにした連載記事を企画しました。 Black Hatは年に3回、北米、欧州、アジアで開催されている最大級のハッカーの祭典です。名だたるハッカーが世界中から集まり、今のサイバーセキュリティの問題点などを議論する場です。筆者はこのBlack Hatで、ハードウ
2022/08/09 追記 「RFC 9293 Transmission Control Protocol (TCP)」として正式なRFCが出ました TCPのコア部分の仕様は1981年に発行された「RFC793 TRANSMISSION CONTROL PROTOCOL」で標準化されています。 この、RFC793の改訂版となる「Transmission Control Protocol (TCP) Specification」は、2013年からIETFのTCPM WGで議論されてきましたが、4月4日にIESGによって承認されました(参考URL)。現在はRFC出版の準備に入っています(新しいRFC番号はこの後正式に決まります) www.ietf.org 改めてTCPの仕様を読みたい場合はこのドキュメントを読むのが良さそう。 概要 この改訂版の仕様(通称 rfc793bis)は、RFC793が
この記事は、Supershipグループ Advent Calendar 2021の7日目の記事になります。 先日、sshを使用したファイル転送が回線速度と比べて異常に遅いという現象に遭遇したので、その際に行った調査を再現しつつ原因や対策について書いてみたいと思います。 要約 OpenSSHはデフォルトでinteractiveなセッションに af21 、non-interactiveなセッションに cs1 をDSCP値としてIPヘッダに設定する フレッツ網はIPヘッダのDSCP値を帯域優先サービスで使用しており、契約に応じて指定された優先度以外が設定されたパケットの転送は保証されない そのため、OpenSSHをデフォルト設定のままフレッツ網で使うと通信ができなかったり、速度低下などの悪影響を受ける可能性がある OpenSSHがDSCP値を設定しないようにするためには、IPQoS noneを設
NTT東西の提供するFTTHサービス「フレッツ・光ネクスト」では、「IPv6オプション」を利用(IPv6オプションは2012年のある時期以降に新規開通した回線ではデフォルトで利用可能な状態になっている)することにより、NTT東日本、NTT西日本それぞれのエリア内でインターネットを経由しないフレッツIPv6網内折り返し通信が可能であることは、本ブログの読者の多くはご存知かと思います。 IPv6網内折り返し通信は、遅延やパケットロスが極めて少ないことや、PPPoEでのインターネット接続と比較して、スループットが高いこと、ISP契約が不要であることなどにより、安価で高品質なベストエフォートなVPN構築用回線として利用されることがあります。AS59105(HOMENOC)でも、拠点間の回線は Ether over IP トンネルやGREトンネルなどをIPv6網内折り返し通信の上で構築して利用してい
2021年時点、Amazonで購入できるLANケーブルのカテゴリ別スペックをまとめました。 使用できるケーブルの長さや、伝送周波数帯域など。上記以外に細かいスペックがカテゴリ別に決められていますが、話を分かりやすくするため要点のみをスペック表に入れています。 基本的にLANケーブルのカテゴリが高いほど、高性能です。インターネットが速くなる、テレワークにおすすめなどとアピールされる傾向が強い「CAT7」だと最大10 Gbpsの通信速度に対応します。 注意点:蛇口が高性能でも元栓がダメなら意味なしカテゴリが高いほど、対応している最大通信速度が高いため、「CAT7以上のLANケーブルならインターネットが速い」と思われがちです。 残念ながら、どれだけLANケーブル(= 蛇口)を高性能にしても、肝心のインターネット回線(= 元栓)の性能が遅いならまったく意味がありません。 日本のインターネット回線は
欲しいデータ/コンテンツを取得する際に「場所(IPアドレス)」を指定して取りに行くのではなく、データ/コンテンツの「名前」を指定して取りに行く新しいネットワーク技術と、既存のインターネットが共存するための国際規格が発行されました。 この国際規格により、Society5.0 を支える重要な基盤要素であるIoTにおけるデータ通信が効率化され、様々な産業分野でデジタル化が促進されることが期待されます。 1.背景 現在の通信方式は、通信相手となるサーバの場所(IPアドレス)を指定し、常にそこまでデータ/コンテンツを取りに行くプロセスによって成立しています(図1参照)。この仕組みは、サーバ・端末の位置が変わらず、「一対一」の通信であることを前提として構築されたため、現在のようにサーバ・端末が移動し、「一対多」「多対多」の通信となる場面には十分に対応することができないことがあります。このようなケースで
はじめに どうも、情シスの徳道@上越オフィスです。今回はネットワークネタです。 唐突ですが、会社を代表するグローバルIPアドレスって多くの場合は本社の固定グローバルIPアドレス(プロバイダに依存)ではないでしょうか。 ゼロトラストが叫ばれて久しいですが、弊社のようにお客さまの環境を保守するサービスを行っている場合、やはり境界防御として接続元のグローバルIPアドレスを指定して許可されることが多いです。 地方オフィスが増えてくると特定の環境への接続許可をしてもらうIPアドレスの登録も増えてきます。VPN接続で本社など特定拠点経由での接続を行っていたとしても、プロバイダに依存することになったり冗長化が大変だったりしますね。 弊社では数年前からAWSのElastic IP経由で変化しない&冗長化されたグローバルIPアドレスからAWSに接続する社内ネットワークを構築してきました。 今回はクラスメソッ
現在のインターネットの基本をなしているIPv4というプロトコルには、広く知られた大きな欠点がある。パケットのアドレスフィールドの幅が32ビットなので、ネットワークに接続可能なホスト数の上限が2³²(約43億)になってしまっているのだ。その欠点を修正するために、1990年代後半にIPv6という新たなプロトコルが設計されたのだけど、いまだにインターネットではIPv6は少数派で、主流ではいまだにIPv4が使われている。 1990年代当時は、IPv6は規格を策定すれば比較的すぐに普及するはずで、それによってインターネットが抱えているアドレス枯渇の問題が解決されるという雰囲気だったように思う。1998年にタイムトラベルして、20年たってもまだIPv4を置き換えることに成功していないと当時の人のIPv6推進者たちに教えたら、多分すごくびっくりされるだろう。一体どうしてこんなに普及が遅れてしまったのだろ
※ 以下、フィクションです。 はじめに: こんなサーバ(↓dstat) (裏バッチによりiowaitとLAが高いのは一時的な仕様とする) 気付けばログに・・・ Mar 29 18:08:02 hostname kernel: printk: 48843 messages suppressed. Mar 29 18:08:02 hostname kernel: TCP: time wait bucket table overflow Mar 29 18:08:07 hostname kernel: printk: 54962 messages suppressed. Mar 29 18:08:07 hostname kernel: TCP: time wait bucket table overflow Mar 29 18:08:12 hostname kernel: printk: 648
(追記) 実際に6/8〜9を終えて、想定していたようなトラブル問い合わせは(少なくとも自分のところでは)ほぼありませんでした。 利用しているルータの設定条件がいろいろ揃わないと起きないのですが、ある程度対応が進んだということだと思います。あとやはり、大手のところはAAAAフィルタ利用していたところあったので、それで問題が起きなかったというのもあると思います。 でも、もっと多くの人に影響出るように思ってそう書いてしまっていたので、申し訳ありませんでした。 (/追記) ちょうど1週間後、2011年6月8日の9:00〜9日の9:00までの24時間、World IPv6 Dayという、インターネット関連の会社が多数参加するIPv6対応の実証実験が行われます。 これはGoogleやYahoo!、Facebook等々の大手のWebサービス各社が、6月8日という時限的にIPv6での接続が出来るようにする
諸事情で、WindowsのPCを使わざるをえない状況だったので・・・。簡易な感じで。 > for /l %i in (1,1,254) do ping -w 50 -n 1 192.168.1.%i && arp -a 192.168.1.%i >> ping.log↑を実行すると、192.168.1.1 〜 192.168.1.254に対して連続してping(ICMP echo)を実行して、ログファイルに結果(応答があったノード)を書き込みます。タイムアウトは念のため50msecにしました。LAN内だったら、もっと小さくても良いと思います。 (対象IPアドレスは"dynamic"とか"動的"とか書かれている行になります。←でgrepしてやるとIPアドレスの一覧が取れます。ちなみに余談ですが、arpの実行結果なので、MACアドレスも記録されます。) # Windowsのコマンドプロンプトな
印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます 12月10日更新:本記事の項目4と項目6について、IPv6分野の最新状況を追記した。詳しくは各項目を参照されたい。 ここ数年、IPv6は徐々に主流の技術になりつつある。しかしIPv6はIPv4と大きく違っているため、多くのITプロフェッショナルは、IPv6への移行と言ってもどこから手を付けていいかわからないのが現状だ。この記事では、IPv6のアドレッシングの仕組みを理解するのに役立つ、10のポイントを紹介する。 1.IPv6アドレスは128ビットの16進数 われわれが見慣れているIPv4は、4つの10進数からなっており、これが合わさって32ビットのアドレスを構成する。しかしIPv6アドレスは、IPv4のアドレスとは似ても似つかない。IP
iPhoneもGmailもなかった2000年頃、たとえばメールであれば、一般ユーザーはOutlook Express、ハイエンドユーザーはBecky!を使う、といった習慣があった。Outlook Expressはデフォルトのメッセージ形式がHTMLメールだったので「Outlook Expressにはセキュリティ上の問題があるため、必ずテキスト形式に設定を変更してから使いましょう」というのが雑誌の定番解説だった。MB単位のファイルを添付して送ったら瞬時に送り先から電話がかかってきて、激怒されたこともある。瞬時に届いているのに。 当時HTMLメールを毛嫌いしていた人はいつごろWebメールを受け入れたのだろうか。いまではGmailのようなWebメールは、テキスト形式で送られてきたメールでもHTMLで表示するし、iPhoneの3G回線でMB単位の添付PDFファイルを普通に客先で表示している。どうや
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今回は、前回予告した通り、筆者が経験したことのある修羅場について書いてみます。なかなか微妙な内容で、セミナーとかパネルディスカッションとか(飲みの席とか)では話したことはあるのですが、字にするのはたぶん初めてです。 普通修羅場というと、技術的なトラブルに関するものだと思うのですが、ある程度の経験値を積むと、対処できない技術的なトラブルというのはなくなるものです。もし対処できない技術的なトラブルがあるとすると、もうそれは誰にもどうにもできないので諦めるしかないとかになります。ここであえて「技術的な」と書いたのは、意味があります。筆者が経験した修羅場は技術的なものではなく、法的というか金銭的なものでした。 [Case1]ネットワーク機器差し押さえでルータ13台→4台に まず1つめは、あるデータセンターの運用をサポートというか代行していたときのことです。そのデータセンターは実は購入しているネット
パケットキャプチャ術で秘密もちょっぴりこぼれた?:セキュリティ・ダークナイト(4)(1/5 ページ) Wiresharkのコマンドライン版「tshark」で知る、平文通信の危険性。膨大なログから狙った1行を検索するテクニック、身をもって体験せよ!(編集部) 新社会人の皆さんは、そろそろ通勤ラッシュにも慣れてきたころだろうか。配属先が決まった方、目下研修中といった方、すでにお客様先に行っている方、さまざまだろう。筆者も新社会人のころは、毎日が発見で新鮮だったと記憶している。筆者は幸い、「5月病」にはならなかったが、新しい生活にも慣れてくると、ふとした瞬間に気が抜けると知らず知らずのうちにたまっていたストレスが一気に出ることもある。皆さんがこの記事を読むころには、すでに6月も後半を迎えていることと思うが、引き続き気を付けていただきたい。 筆者は社会人になる前も、なってからも、そしていまでも「さ
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