7人が殺害され、10人が重軽傷を負った2008年の東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、殺人罪などに問われた元派遣社員加藤智大被告=青森市出身=に死刑の判決が言い渡された。判決は犯行の背景に「家族や友人、仕事を失い、居場所がないという強い孤独感があった」と指摘、再発防止には何が必要なのかを考えさせている。 加藤被告は事件直前、携帯電話サイトの掲示板に「秋葉原で人を殺します」「車で突っ込んで、車が使えなくなったらナイフを使います」と予告し、犯行に及んだ。 当時25歳の若者が、なぜ凶悪で残虐な無差別の通り魔殺傷事件を起こしたのか。判決は「日本全体が震撼(しんかん)した」と表現したが、それほど深刻な影響を与えた。 事件が起きた場合、犯人を捜し出し、処罰すると同時に、再発防止の対策を立てなければならない。そのためには犯行の動機や方法、影響などを究明し、問題点を明らかにすることが必要だ。 この事件