国際収支発展段階説 [Theory of Development Stages of Balance of Payments] 「新入社員の頃はお金がなくて、毎月赤字だったなぁ…」。定年退職を迎えた知人が振り返る。20代後半には給料が増え始めて赤字は解消、腕利きの営業マンとなった30代半ばには収入も貯金も増加、株式投資による配当などの副収入も得られるようになった。しかし、定年後の収入は年金だけ、貯金を取り崩しながらの生活になるという。 サラリーマンの典型的な家計の変遷だが、国際収支も同じような変遷をたどると考えられている。「国際収支発展段階説」だ。国際収支は「国家の家計簿」であり、輸出と輸入の差を示す「貿易収支」、海外との間で生じた所得や利払いなどをまとめた「所得収支」、それらを合算した「経常収支」などがあり、これらが経済の成長に応じて段階的に変化していくと考えられている。 第1段階は「未