山口県萩市の里山で撮影されたツキノワグマ。アライグマの生息調査カメラに映った=令和4年9月(山口県農林総合技術センター提供) 東北など東日本を中心にクマによる人身被害が相次ぐ中、九州にクマがいないことが話題になっている。九州では昭和62年にツキノワグマが捕獲されたのが最後で、環境省が平成24年に絶滅を宣言した。ただ、今年は海峡を挟んで山口県でも多数の目撃情報があることから、九州に移動する可能性を巡ってさまざまな声が飛び交う。一方、生息数がわずかな四国では生物多様性の観点から保護活動が行われており、クマとの向き合い方は地方によって大きく異なっている。 固有は昭和32年が「最後」九州は東北と同様に深い山が広がり、熊本県もあることから、クマがいる印象を持たれるが、実は「森」の環境は大きく異なる。 クマの生態に詳しい森林総合研究所東北支所の大西尚樹・動物生態遺伝チーム長によると、東北はクマが好む実