デヴィッド・スタックラー&サンジェイ・バス『経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策』のレビュー。あまりにも読み応えのある本だったので久しぶりに連ツイ。 2018/05/07 追記:原著は2013年に発行された本のため、現在ではIMFも各国の状況もまた変わっている可能性があります。
米朝首脳会談が突然決まった。この背景には何があるのか? かねてから体制崩壊の危険性を感じさせるレベルの異次元制裁の必要性を唱えていた、国際政治学者・篠田英朗氏が北朝鮮政策の現状とこれからを考察する。 金正恩が持つ現状認識アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩党委員長との米朝会談が5月までに開催される見込みになった。まず私が強い印象を受けるのは、金正恩氏が世界各国の情勢分析者と同じ現状認識を持っていることが確認できたことだ。 先月も書かせていただいたが(北朝鮮への武力行使を「やる気」のアメリカが、決してやらないこと)、北朝鮮がアメリカ本土攻撃能力を持つまでに数ヵ月の猶予しかないと言われる中、平昌オリンピック/パラリンピックが終わり、延期されていた米韓合同軍事演習が実施される3月下旬以降の時期に、非常に大きな山が来ることが自明視されていた。 金正恩氏も同じ見方を共有していた。だからピタリとそ
北朝鮮の工作員が日本に多数いるとか、彼らは国際的に活動しているとか、「まあ、そんなの常識として知っていますよ」と言いたくなるが、本書を読んでみると、なんというのだろう、うなだれてしまう。ある種、絶望感のようなものも感じる。ここまで実態はひどいのか。あえて「私たち」と言いたいのだけど、私たちはこの問題に実際は目をつぶっていたのだなと後悔する。 本書『北朝鮮 核の資金源(古川勝久)』(参照)は副題に『「国連捜査」秘録』とある。著者は国連安保理の下に置かれた北朝鮮制裁担当の専門家パネルに2011年10月から2016年4月まで4年半所属し、北朝鮮の国際的な暗躍を詳細に調べ上げてきた。日本国内はもとより各国に足を延ばし、国連による北朝鮮制裁を北朝鮮がどのように違反し、またどのように、ミサイルや原爆の開発部品の調達や技術収集、さらにそのための資金調達を行ってきたか、それを丹念に調べた記録が本書である。
欧州で南部鉄器の代名詞となった「イワチュー」は、いかにして販路を開拓したか。欧米市場で主力製品の急須はカラフルでデザインにも工夫を凝らす 年間100万点生産し半数が海外へ 欧州で南部鉄器の代名詞となった会社 南部鉄器と言えば、約400年の歴史を持つ岩手県の伝統工芸だ。かつて、日本の家庭には鋳物の鉄瓶や急須が1つはあったものだが、いまでは姿を見かけなくなった。 と思ったら、日本伝統の鉄瓶や急須が欧米や中国・東南アジアで人気になっている。それが日本に逆輸入されて、いま若い女性や主婦などが伝統の良さを再発見しているのだ。 その古くて新しい南部鉄器を生み出したのが、盛岡市に本社を置く岩鋳だ。いまやヨーロッパで「イワチュー」と言えば鉄器の代名詞である。 「海外に出て行ってなかったら、今の岩鋳はなかったでしょうし、技術の向上もなかったと思います。海外で売れるようになったからこそ社員の士気も高まったし、
昨晩見たテレビ東京「ガイアの夜明け」の内容が酷かった。番組のクオリティは高いんだけど、出てくる連中がみんなヒドイ。 現代の奴隷制度「技能実習生」 中国人技能実習生を時給400円で働かせたり、実習生が働く会社が計画倒産的なことを行い給料の未払いしたりと無茶苦茶。問題となった職場は縫製工場の話だったので、発注側のセシルマクビーを作っている、株式会社ジャパンイマジネーションに番組スタッフが取材に行くも、その後弁護士を通じて「我が社ってブランドがバレたらBPOに訴えるぞ、法的処置をとるぞ!」と書面で恫喝。 番組内では、CECIL McBEE、Fabulous Angela、BE RADIANCE、rid.dle from...、a.g.plus、Ank Rouge、sophilaの7ブランドを全国で展開している株式会社ジャパンイマジネーションの場所やロゴは全部ぼかしが入っていたけど、ネット民のおか
15日早朝、Jアラートが再び鳴り響く。国連による制裁決議が採択された直後にもかかわらず、北朝鮮はミサイルを発射した。大胆かつ不可解な北の行動をどのように読み解くべきか。軍事戦略研究、安全保障論の専門家であり、ホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーを歴任したエドワード・ルトワック氏による最新の情勢分析。 ◆◆◆ 北朝鮮への脅し トランプ大統領が習近平国家主席と4月に首脳会談を行ったことは皆さんの記憶にも新しいはずだ。私も当時の様子を間近で見ていたが、ワシントン(と東京)の政界では、「北朝鮮はすぐに核実験をするはずだ」と考えられていた。 この会談の席で、トランプは習近平に対して「もし北朝鮮が核実験をして、それでも中国が普段通りにビジネスを行うのであれば、アメリカは中国からの輸入に規制をかける」と述べていた。 このトランプの要求を受け入れた習近平は、すぐに北朝鮮に連絡をとって核実験の停止を求
このへんの話。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170907/k10011129891000.html http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20170908/p2 事情に詳しくない人からすると「なんでそんなにカタルーニャは熱くなってるの?」って感じだろうと思うので、簡単に解説したあとで補足説明をつけます。 5分でわかるまとめ今のスペインには「民族(ネーション)」をめぐって2つの対立軸がある 「スペインは単一民族(ネーション)からなる国だよ(だから地方の独自色はなるべくなくしていくのが望ましいよ)派」と「スペインはたくさんの民族(ネーション)からなる国だよ(だからもっと地方分権して独自の言語を守っていこうよ)派」 今の中央政府(国民党)はゴリゴリの単一民族派で、最大野党もどっちかというと単一民族派寄り、全国政党で多民族国家派なのは急
陸上自衛隊など各国の部隊が参加する世界最大規模の国連のPKO=平和維持活動の訓練がモンゴルで行われています。このうち、現在のPKOの柱となっている避難民などを守る「文民保護」の任務を自衛隊が支援する訓練が公開されました。 29日は、避難民などを守る「文民保護」の場面を想定した訓練が公開され、陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の隊員、合わせて40人が紛争地でのパトロールを想定した演習に臨みました。 パトロールの途中、子ども2人を連れ去ろうとしていた現地の武装勢力が発砲してきたため、アメリカ海兵隊が撃ち返し、子どもたちを救出していました。 自衛隊は、安全保障関連法の施行でPKOの際に現地の市民などを守る「安全確保業務」ができるとされましたが、この任務はこれまで付与されたことはなく、今回、自衛隊の隊員たちは後方で小銃を構え、周囲の警戒にあたっていました。 このほか、道路脇の草むらに小型の爆発物が仕掛けら
各国首脳の慰留を完全無視トランプ米大統領によるパリ協定からの正式な離脱表明に世界的な批判が広がる中で、6月12日に2日間の日程を終えて閉幕した主要7ヵ国(G7)環境相会合(イタリア・ボローニャ)は、米国批判を封印した弱腰の共同声明を採択するにとどまった。 世界第2位のCO2排出国である米国が、世界的な温暖化ガス排出削減の枠組みから離脱するのは、京都議定書からの離脱に続いて今度が2回目だ。 中国やインド、ロシア、ブラジルといった他の温暖化ガス排出大国の追随を誘発しかねないだけでなく、オバマ前米政権が国際公約した温暖化ガス排出削減のための資金援助(30億ドル)が拠出されず、多くの発展途上国の対策が実現しないおそれもある。 影響の大きい国際的な信義則違反に対して、なぜ、G7加盟の日本とEU諸国が批判の声をあげなかったのか、その背景を探ってみよう。 発端は、今月1日のトランプ大統領の声明だ。 同大
このドメインは お名前.com から取得されました。 お名前.com は GMOインターネット(株) が運営する国内シェアNo.1のドメイン登録サービスです。 ※表示価格は、全て税込です。 ※サービス品質維持のため、一時的に対象となる料金へ一定割合の「サービス維持調整費」を加算させていただきます。 ※1 「国内シェア」は、ICANN(インターネットのドメイン名などの資源を管理する非営利団体)の公表数値をもとに集計。gTLDが集計の対象。 日本のドメイン登録業者(レジストラ)(「ICANNがレジストラとして認定した企業」一覧(InterNIC提供)内に「Japan」の記載があるもの)を対象。 レジストラ「GMO Internet Group, Inc. d/b/a Onamae.com」のシェア値を集計。 2024年5月時点の調査。
春の番組改編で、NHKBS1の国際ニュース番組もいろいろ変わった。NHKBS1の各種の国際ニュース番組は、国際情勢を見る上で必須のツール。 時間はスポーツなどで変わることがあるけれど(←やめてほしいです。ニュース・チャンネルとスポーツ・チャンネルは分けてください、NHKさん。特に、オリンピックやワールドカップがある期間には国際ニュース番組がぐっと減るというのは困ります。まさにその陰で毎回世界で大事件が起こっているじゃないですか)、私が特に重視しているのは以下の番組。 「ワールドニュース」(朝6:00~6:50) 「キャッチ!世界の視点」(朝7:00~7:50) 「ワールドニュース・アジア」(午後2:30~2:50) これだけのために受信料を払っても安くない、というか個人的にはこれだけのために払っているとすら思っている。それに加えれば深夜12時からのBS世界のドキュメンタリー。 これらの番組
合法的な革命 トランプ氏が米国の第45代大統領に就任しました。立場の差を超えて「歴史」が我々の前で展開しているという感覚を持った方も多かったでしょう。選挙を通じた合法的な革命であるという言葉がしっくりくる一日だったように思います。8年前、若者に熱狂的に支持され、多様性を象徴する大統領が就任したのが、合法的な革命であったのと同様に、米国が大きく変わろうとしています。 就任演説について、全体的な印象はシンプルであったこと。そして、闘いの演説であったということです。黒人初の大統領として就任したオバマ大統領には、自身の当選そのものに大きな象徴性があり、その象徴性を格調高く表現することに力点が置かれました。対するトランプ大統領は、闘いに突入しようとする部隊を鼓舞する部隊長のような演説という印象を持ちました。簡単な言葉が選ばれ、仕事をするための演説であったと。 ケネディー大統領の就任演説のように、名演
山本七平bot @yamamoto7hei 1】前略~この会話の結論は一言でいえば「日本で言われるアジアなるものはない」ということであろう。「アジアはない」そう、確かに「アジアはない」。~略~だが、この言葉は、誰にも注目されず消えてしまったように思われる。<『一下級将校の見た帝国陸軍』 2012-05-29 11:27:18 山本七平bot @yamamoto7hei 2】そして相変わらず横行しているのが「アメリカはアジアの心を知らなかった」といったような言葉である。だがそういう言葉を口にする人は「アジア」という語の意味内容を、その内心で真剣に検討したことがあるのであろうか。 2012-05-29 11:57:25 山本七平bot @yamamoto7hei 3】「アジアはない」この言葉にはすぐ反論が出るだろう。これは日本人のタブーに触れる言葉だから、激烈な反論かもしれない。では次のように
大岡昇平の小説などでも知られる、フィリピンでの日米決戦。日本軍はフィリピンで何をしたのか。そして両国の友好の道筋と、今後の課題とは。アメリカ・フィリピン・日本の3カ国にわたる国家・社会関係史の専門家、一橋大学社会学部教授の中野聡氏が解説する。TBSラジオ荻上チキSession-22 2016年01月27日放送「天皇・皇后両陛下がフィリピン公式訪問。戦時中、日本軍は何をしたのか?」より抄録。(構成/住本麻子) ■ 荻上チキ・Session22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きます。あなたもぜひこのセッションに参加してください。番組ホーム
ブログのタイトルに関わらず、リベラリズムの話をします。 これから2回にわたり、商業的平和論について簡単な紹介をします。商業的平和論とは、経済発展が世界を平和にするという理論です。 商業的平和論の思想的起源 貿易や商業の発展が、世界を平和にするという考えは昔からあり、多くの大学者がこれを説いてきました。 モンテスキューやアダム・スミスは、市場は戦争を嫌うと説きました。戦争になれば、交戦国の間では自由な商取引ができなくなるからです。トマス・ペインは「商業は、愛国心と国防の2つの気運を減退させる」としています。 マンチェスター派の台頭 わけても有名なのはコブデンとブライトの「マンチェスター派」。1839年に結成され、自由貿易を強力に推進した集団です。 指導者たるコブデンとブライトは、貿易の経済的メリットだけでなく、思想的な正義を訴えました。貿易こそ平和への道だというのです。 それ以前の英国は、植
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同著は、それらの論文を一般の人にも分かるように書き下ろしたものだ。しかし、素人向きとはいえ、中身は十分科学的で、しかもショッキングで、これを読むと、ギリシャの人々が過酷な緊縮財政に抗議して立ち上がった理由もよく分かる。 一般的には、不況はうつ病や、自殺や、アルコール依存や、感染症などを引き起こすと考えられている。しかし実際には、ひどい不況でも、国民の健康状態や死亡数に変化のない国もある。 それどころか、そういう国では、お金がないのでお酒や煙草が買えないことが幸いして、アルコールやニコチン由来の疾患が減ったり、あるいは、車を売って歩くようになったため、国民がより健康になったりということさえ起こっている。 この差は、ひとえに経済政策の違いからくるという。国民の健康状態の良し悪しには、いろいろな要素が関わっているが、この2人の学者が発見した確かなことが一つある。それは、経済危機にも関わらず、国民
イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件は、日本社会に、テロと向き合う厳しさを改めて突きつけた。イスラム国は今後どうなっていくのか。日本はどのような姿勢を取るべきなのか。今月、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)を出版し、中東情勢や国際政治に詳しい東京大学の池内恵准教授(41)=イスラム政治思想=に聞いた。 --イスラム国の現状をどのように分析するか 「日本人人質事件で公開した映像が従来と比べて貧弱であるなど、これまでの様式と異なっている。イスラム国は、ヨルダン人のザルカウィ容疑者(2006年に米軍の空爆で死亡)が作った『イラクのアルカーイダ』が母体であり、今も中核となっている。拠点が攻撃されるなど、その集団の勢力が劣っているのではないか。他の組織から孤立化している可能性もある」 --ヨルダン政府の対応が注目されている 「そもそも『イラクのアルカーイダ』は、イラクとヨ
「シャルリー・エブド」誌襲撃事件の後、フランスと日本のメディアによる報道を追っていて、この事件への反応や解釈が両国でまったく異なっていることに気がついた。 大まかに言えば、フランスの場合は、「シャルリー・エブド」の編集方針に賛成でない人、あるいは同誌を読んだことがない人でもほぼ全員が、同誌への抗議の手段として殺人という最大の暴力が行使されたことに激しく怒りを覚えたのに対し、日本の場合には、「テロは良くないが」というただし書き付きで、「でも表現の自由と騒ぐのは西欧中心主義ではないか。表現の自由にも、他者の尊厳という制限が設けられるべきでは」と表明することが少なからず存在した。 ここではその点については触れない。それとは別に、取り急ぎ指摘するべき問題が一つあるからだ。 1月13日付読売新聞の夕刊、国際欄に出ていた記事のことだ。今日14日水曜日、襲撃事件後初めて発行される「シャルリー・エブド」最
本稿では、戦後フランス外交史のなかで消えた「傷跡」の話をしたい。 最近、総力戦の時代を振り返る機会が多くなった。それは、2014年が第一次世界大戦の開戦から100年の節目の年であり、また来年には、第二次世界大戦の終焉から70年を迎えるからだろう。 両大戦とも当事者として過ごした日本だが、今日まで引きずっている「傷跡」は、言うまでもなく第二次大戦の方が多い。そして、こうした「傷跡」は、現実外交とからむことによって、「古傷」として痛みが再発する場合すらある。今の日中関係がその典型例であろう。 しかしここでは、そうした今でも目につきやすい「傷跡」の話はしない。史料の公開状況にもよるが、「戦後補償問題」が何らかのかたちで解決され、「傷跡」が消えると、時としてそうした「傷跡」があった歴史まで風化してしまう場合がある。ところが、過去の「傷跡」を調べてみると、歴史的に重要な争点があったりする。あるいは、
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