諏訪湖は、ただの湖ではありません。 この地は、日本列島を貫く巨大な二つの地殻の裂け目「断層」が交わる要となる場所であり日本のへそと言われ、古来より特別な力が宿る聖地とされてきました。 また、伊勢神宮、高野山、高千穂といった名だたる聖地が、この断層の上に点在しているのも偶然ではありません。 冬の厳しい寒さが訪れると、湖面が凍結し巨大な氷の裂け目がせり上がる「御神渡り」が現れます。 これは、諏訪大社の神が湖を渡る道とされ、古来より神秘的な現象として人々に崇められてきました。 また、7年に一度執り行われる「御柱祭」も、この地の神秘性を象徴する壮大な祭事です。 巨大なモミの木を山から切り出し、氏子たちが命懸けで曳き下ろし、社殿の四隅に立てる─これは、神と人がつながる神聖な儀式。 諏訪の地には、今もなお、神々と共に生きる文化が息づいています。 悠久の時を超えてつむがれてきた神秘の力に、心を澄ませて触