第十二話 インパール作戦 ・・・いよいよ、世界の戦史上最も愚劣と言われるインパール作戦について書か... 第十二話 インパール作戦 ・・・いよいよ、世界の戦史上最も愚劣と言われるインパール作戦について書かなければなりません。 さて、1944年初頭に入ると、戦局の趨勢は誰の目からも明らかになっていました。アメリカの大艦隊は、いまやマリアナ諸島(サイパン、グアム、テニアン)を目指し、日本軍はこれを待ち受けて、伸るか反るかの大決戦を行なおうとしていたのです。東条首相は、マリアナ諸島を「絶対国防圏」と名づけて、日本の国運をこの一戦に賭ける決意だったのです。 しかし、日本軍は、全力でこの国難に当たろうという態勢にはなっていませんでした。どうしてかといえば、この期に及んで、お役所の詰まらぬセクト意識が幅を利かせていたからです。 既述のとおり、日本陸軍の主要敵国は、あくまでも中国でした。彼らにとって、アメリカとの戦いは副次的なものでした。アメリカが日本本土に迫っても、それはあくまでも海軍の責任であるから、彼
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