(CNN) 南極の氷河がわずか2カ月で50%近く縮小したという新たな研究結果が発表された。これは近代史において最も速い後退であり、世界の海面上昇に甚大な影響を与える可能性がある。 ペンシルベニア州フィラデルフィアとほぼ同じ大きさのヘクトリア氷河は、南極半島に位置している。南極半島は、南米大陸に向かって南極大陸から細長く突き出た山脈地帯で、地球上で最も急速に温暖化が進んでいる地域に分類される。 ヘクトリア氷河のように海底にとどまり浮かばない氷河は、通常、年間数百メートルしか後退しない。しかし、ヘクトリア氷河は2022年11月から12月の間に約8キロも後退した。ネイチャー・ジオサイエンス誌に3日に掲載された研究で明らかになった。 より大規模な氷河が同様の速度で後退すれば、「海面上昇に壊滅的な影響を与える可能性がある」と、著者らは報告書に添えた声明で述べている。南極には世界の海面を約58メートル