「先の見えない時は先を見ず足元だけを見る」。伊藤忠商事の経営を15年以上率いる岡藤正広・会長最高経営責任者(CEO)は2026年のかじ取りについてこう語る。国内の物価高やトランプ米大統領の動向、日中関係といった不確実性が渦巻く中、岡藤氏が打ち出す「ほふく前進経営」とは。 伊藤忠は25年、社員の年収上限を大幅に引き上げました。 岡藤正広・伊藤忠商事会長CEO(以下、岡藤氏):僕が常に言っているのは「定性と定量の両面で輝く企業であることが大事だ」ということ。ものすごく利益を上げても、働き方がブラックではいけないですよね。一方で、働き方改革によって社員にものすごく優しい会社だけど利益はそんなに出ていない。これもダメです。もっと働きたいという社員も多い。行き過ぎた働き方改革は成長の芽を摘むことになります。両方のバランスを取ることが大事でしょう。 輝く企業とは、一言で言えば、親や兄弟、親戚がその会社