はじめに AIは、あなたが聞いたことにしか答えない。 聞かなかったことは、永遠に教えてくれない。あなたが何を知らないのか、AIは知らない。 2026年だ。AIに聞けば何でも教えてくれる。コードを書いてもらい、設計を相談し、ドキュメントを要約させる。便利だ。では、なぜ本を読むのか。300ページもある本を、最初から最後まで読む必要があるのか。 本は違う。本は、聞いていないことを語りかけてくる。知らなかった世界を見せてくる。持っていなかった問いを、手渡してくる。「そんなこと、考えたこともなかった」。そういう瞬間が、本にはある。AIとの対話では、たぶん起きない。 AIは効率的だ。知りたいことに、最短距離でたどり着ける。でも、最短距離で歩いていると、道の脇にあるものが見えない。著者が失敗した話、遠回りした話、「今思えば間違いだった」という告白。そういう「寄り道」が、不思議と頭に残る。正解は忘れる。で