今年6月に出版された藤井聡の『トランプ・ディールで日本復活!』を読んでみたが、例によっていい加減な記述が溢れていたので、何点か指摘する。 今回は「アベノミクスは積極財政だった」の誤りについて。 日本でも、積極財政を掲げるアベノミクスが2012年から始まりました。そして、安倍首相が退任した後も、積極財政を唱える党派が増え、その国民的支持が拡大し、今日においては積極財政を唱える右派においては国民民主党が、左派においてはれいわ新選組が大きな支持を得る状況となっています。 p.69積極財政と言うからには、 政府の支出が金額と対GDP比で増える 財政赤字が金額と対GDP比で増える はずだが、第二次安倍政権期(2012年12月26日~2020年9月16日)の国と地方の歳出は横ばいで、財政赤字も減少減少していたので、積極財政だったとは言えない。 総務省「地方財政白書」より作成総務省「地方財政白書」,内閣