- 1シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/18(水) 22:18:01
襲来した異星人!
侵略されるエネルギー資源!
存亡の危機に晒されてなお人類は……
未だ一つになり切れず、壮大な内ゲバを繰り広げ続けていた!!
【出来れば読んでいただきたい世界観および初期設定集(テレグラフ)(各種ページへのリンクあり)】
ここだけ3勢力入り乱れ惑星外性生物と戦うリアルロボットSFな世界あらすじ(とりあえずこれだけ読んでくれたなら最低限大丈夫な筈の簡潔にまとめた世界観)その1:どういう世界なの?
特殊なエネルギー鉱石「コア鉱石」を動力源とする人型歩行兵器「バディフレーム(通称:BF)」が兵器として一般化した高度な機械文明が築かれている、地球に酷似した惑星が舞台だよ!
元々は人類同士で細かい諍いとかはありつつもそれなりに穏やかな世界だったんだけど、本編から20年くらい前に惑星外性生物「インベイド」が隕石に乗って地表に飛来、どうやら上述のエネルギー塊「コア鉱石」がインベイドにとっては食糧として美味しくてたまらないらしくて、人類に敵対行動を取り始めたんだ!
必死に抵抗したんだけど、現在では地表のおよそ3~4割程が完全にインベイドがうようよ闊歩している危険地帯になっちゃって、そこから時々インベイドが攻め寄せて来る油断できない状況なんだよ……。
その2:で、今どうなってるの?
インベイドとの緒戦により人命を多く失いながらも、結果として「クロノス・インダストリー(通称:K.I社)」が世界を主導、地表や地下に「コロニー」と呼ばれるいくつかの居住拠点を制定してそこを中心にインベイドに対抗する様になったんだ!…00m.in次スレは>>190の方が
- 2シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/18(水) 22:20:22
前スレはこちら
【R-18】ここだけ3勢力入り乱れ惑星外性生物と戦うリアルロボットSFな世界【part29】|あにまん掲示板襲来した異星人!侵略されるエネルギー資源!存亡の危機に晒されてなお人類は……未だ一つになり切れず、壮大な内ゲバを繰り広げ続けていた!!【出来れば読んでいただきたい世界観および初期設定集(テレグラフ)(…bbs.animanch.com【禁止事項】
・無敵ムーブ(戦闘でダメージを受けない、回避し続ける、など)
・必要性の認められない確定ロール
・相手PLが嫌がっていることを強要する行為(特にR-18関連はデリケートなところなので扱いには気を付けて、事前相談忘れずに)
【世界観やパワーバランスを保つ上での禁止事項】
・版権設定の利用
・「地形を変えられる火力」を個人で設定し所有すること
・3勢力(K.I社、人自連、デスペラード)+インベイドよりも立場や規模が大きい勢力を設定すること
・なんでも高い水準で出来るキャラ、なんでも高い水準で出来る機体禁止(他の人の活躍機会を奪いかねないため)
・メタネタ禁止(「この世界は作り物だ~」や背後さんへの言及をキャラの目線で発言させるなど)
- 3シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/18(水) 22:22:00
Q1:参加してぇ!けど事前のキャラ登録って必須なの?テンプレはある?
A1:キャラシはあった方が色々スムーズだとは思うけど、無くても規約的なNGムーブさえしなけりゃ参加はOKだぜ!
テンプレらしいテンプレは特に無い(めんどうくさかった)からテレグラフなりで各自好きな様に書きたいこと書いてくれ!
↑の初期設定集から飛んだ先にあるスレ主のキャラシからテンプレとして項目を引用しても大丈夫だぜ!
Q2:キャラは1参加者につき何人まで?
A2:何人でもOKだぜ!複数陣営あるし下手に制限設けたらスカスカになるのが目に見えてるから……好きな様に作ってくれ!
Q3:コテハン(トリップ)は必須なの?
A3:必須じゃないぜ!でもトリップが無いってことはなりすましや乗っ取りが出ても判別方法が無いってことでもあるから、自衛手段としてコテハンを持っておくのは無難だぜ!
Q4:スレタイにR-18表記があるけどエロスレなの?
A4:一般誌のエロ描写とか元ネタ一般作品のエロ同人好き? 俺は好きなの……
エロメインじゃないけど「エロいことも割と自由に描写して良い」スレだから苦手な人がミスッて踏まない様に一応表記しているぜ!
「猥談耐性はあるけど自キャラにエロルさすのはなぁ……」って人でもOK、「自分は露骨なエロやりたくないです」って言っておけば良いぜ!
Q5:設定集に目通したけどなんか既視感ある設定ばっかりだな?
A5:へへっ - 4シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/18(水) 22:23:04
【テレグラフ(設定やキャラシート、R-18な文章を書いたりにどうぞ)(※URLのhとttpsの間のスペースを消して検索してください)】
h ttps://x.gd/Z5SAZ
【URL短縮用サイト(テレグラフのデフォルトURLだとあにまんのNGワードに引っ掛かってしまうのでこちらでURL短縮してから投稿してください)】
- 5シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/18(水) 22:29:41
どうもシンカイです。あ、ゼリーレーションどうですか?いらない?...そうですか…
(。´・ω・)?<おいしいのに… - 6シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/18(水) 22:36:53
え?ゼリーレーションはどう好きなのか?
【思案中…】
…眠気覚ましのクエン酸ベースの酸味とキシリトール由来の後を引かない甘さが...?それだと到底美味しそうに思えない?
やっぱりクエン酸系の酸味のせいか? - 7シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/18(水) 22:40:08
....!(ニュータイプの音)
まさか僕の味覚がおかしい⁈ - 8シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/18(水) 22:47:10
あ、今回のカメラの目的はそうゆうのじゃない...しかしゼリーレーションのいいところなんて化学合成生成物100%なので保存期間がほかのレーションより長く、半固形食なので形を気にせず輸送できるってことくらいか?
- 9シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/18(水) 22:52:09
レーションとしては最適なのですが、如何せんほかの兵士からの評判が良くないらしく、そろそろ戦闘糧食から無くなるとかで。
- 10シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/18(水) 22:55:34
意見書出して遅延させようかな...
- 11エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/18(水) 23:45:14
前スレ199
『はぁ....まぁ、良い薬にはなったでしょうが
エリナ?起きていますか?意識は....ありますね』
『ぁ、あ......ごめんなさーーーーーい!!!』
我に返ったエリナは真っ赤に顔を染め上げ、
目にも止まらぬ速さで駆け出していった
そして、教会はしーんと静まり返る
『エリナには後で釘を刺しておきますよ....
それとしてシェディ。またここに来たのは、
私の部下を揶揄いに来た訳ではないのでしょう?
....その要件を、お聞かせ願えますか?』
一線を越えてからというもの、それなりに
逢瀬を重ね....凡そ来た理由は分かるものの、
一応確認のためにシェディへ質問する
気が付けば、外はすっかり夕暮れが近づき
また夜の帳がじわじわと降り立ち始めている - 12シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/18(水) 23:49:25
前スレ198
「お得意の拉致でありますか?」
棘のある言い方になってしまった。
ラングレー大尉から聞いたキルケーを死霊していた男という情報が彼の評価の邪魔をする。
「...失礼します。」
終わった。極東方面軍と関係死んだかなー
まぁ…そうなってもどうせ補充として呼ばれるからいいや。
ケータイを出して連絡した。
「あ、オペレーターさん?回収ヘリお願いします。」 - 13ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/18(水) 23:59:08
前200
「ゎ…」
【話題の切り替えは上手くいったようだが、予想以上に活気を取り戻した女子高生に手を引かれてついていく】
【情緒の転換も、話題の転換も、場所の転換も、すべてが目まぐるしく、超音速を捉える視力すらもここでは無力なのだ。しかし不快感はなく、引っ張られるままに連れられるのは、不思議と悪くない】
【ユスティーナの手を軽く握り返しながら歩いていると、すぐに書店は見えた。マルタは何故か暗い顔をするが、理由は別の部分にあるらしい】
「ん…よろしく」
【どうやら今度もユスティーナがある程度は見繕ってくれるようで、ウルヴィはそれに甘えることにした】
【それは傭兵の信用というよりも、友人に向ける信頼に近いものかもしれない】 - 14ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/19(木) 00:03:46
- 15ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/19(木) 01:02:18
- 16ルノアール◆Fd5AlHEdkk25/06/19(木) 01:11:32
- 17ユスティーナ◆KPwoT407kA25/06/19(木) 01:13:06
【3人が訪れたのは“大割堂書店”という看板を携えた少し小ぶりな書店。どうやら地下階層があるらしく、見かけによらず広いスペースを有しているようだ】
紙の本ってこの自治区の外じゃあんまり取り扱われてないんだったかしら?
「電子資料の方が使い勝手がいいって人が多いのかも。まぁどっちにしろあたしは文字の羅列見てると吐き気してくるけ゛ど゛…漫画コーナー行ってくる」
いいわ!後で合流しましょう!
【青ざめた表情で漫画フロアに足を運んでいくマルタを見届けると、ユスティーナは下唇に手を当てながら思案を重ねる】
自叙伝のリバイバル翻訳版か、昔のグラビア娼婦の写真集か……うーん…ウルヴィには合わなそうね。ここは映画の方に添わせてみるのもアリかしら…?
【ライトノベルコーナーへと足を運ぶ。………ここで問題だったのが、ウルヴィ自身が興味を示した“シャークタイフーン”にユスティーナが引っ張られてしまったことだ】
…これとかどうかしら?『デスペラードの俺が実は世界を救うチェーンソー勇者だった件〜チートチェーンソーで成り上がりまくり〜』
【…正直、ユスティーナ自身も“しまった”と思った。B級映画につられてライトノベル界の玉石混交ジャンル───────所謂“しよう系”の明らかにB級な小説をオススメしてしまったのだから】
- 18ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/19(木) 01:36:55
【手を振って青ざめたマルタを見送る。文字に吐き気がするというのは誇張ではなさそうだ】
【書籍についての知見はウルヴィには無いので、特に意見を挟まなかった。契約書については未だに紙を信用する者も多いのだが、そういう話とは異なるだろうとの判断である】
「歩兵向けは、チェーンソー……」
【自叙伝にも写真集にもやはり反応を見せなかったウルヴィだが、あからさまにB級と言える説明口調のタイトルが書かれた表紙には興味深そうな反応を示す。“しよう系”というジャンルについての知識が無いこともあるのだろうが、理由は呟きとして全て洩れている】
【先程の映像作品、そして今手に取った書籍。両方に共通する“チェーンソー”という固有名詞こそ、その装備の名前だと、ウルヴィは理解したのだろう】
【表情こそ変わらないが、その瞳にはあからさまにも過ぎる興味が宿っていた】
- 19ミゾレ◆KPwoT407kA25/06/19(木) 01:57:43
- 20二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 02:11:58
このレスは削除されています
- 21ユスティーナ◆KPwoT407kA25/06/19(木) 02:14:02
(目の色が違うわ…え、これアタリなの!?)
【まさかの食いつきに驚きを隠せないユスティーナだったが、本人が興味を示したのならそれを拒む理由もなく】
ウルヴィがいいならいいけど…もし読んで後悔したら金ふんだくっていいからね?
【せめてもの気遣いも程々に該当小説をカートに入れていく。そんなこんなのうちに未だ顔色の悪いマルタが2人のもとに帰還し】
「おまたせ〜…“butsu”最新刊とー……こっちはウルヴィさん用のやつ」
【マルタのカートの中には、“チェインソーレディ”という漫画雑誌が20冊積まれていた】
「あ、でも流石にこの量は嵩張っちゃうかー…ここもダウンロード対応してるから持って帰れなさそうならそっちにする?」
早まらないでよマルタ、まずウルヴィが食いつくかどうかでしょ?
「ユスティーナに“早まるな”って言われたくねぇー…」
なにぉう!?こやつめー!
「あっちょっ揺らさないで音で揺らさないで、堪えてるいま」
- 22ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/19(木) 02:48:54
「ん、大丈夫」
【つまらなかったらその時はその時である。何よりもウルヴィにとっては、“対惑星外生物用規格外二連突撃剣”を歩兵用に拵えたような武器が目を引くのだ】
「…持って帰る」
【そして当然のように、帰還したマルタの持ってきた“チェインソーレディ”もウルヴィの琴線に触れたらしい。特に生身の右腕が丸ごとチェーンソーになっている表紙には、かなりの食いつきを見せ、全て持ち帰る気になっていた】
【何度も考えたことがある。愛機に懸架された規格外の兵器。外殻を抉り肉をズタズタに引き裂き、命を破壊するためだけの刃を、自身の手で人間に突き刺したいと。許されないと思っていたそれが、実在して存在して、扱うことが許される兵器であるならば、なんと心躍るだろうか】
【それは伝説の剣に憧れを持つのに似て、しかし比べようも無い程に血に塗れた欲求。だが戯れ合う生徒ニ名を眺め、ウルヴィは一度深呼吸をする。ここは人の施設だ。場にそぐわない獣は、控えさせておかねばなるまい】
「出る?」
【最終的な破滅を迎えそうなマルタの様子を見て、ウルヴィは早々に会計へと進んでこの場を後にすべきかと考える。いや、本当に、彼女は大丈夫だろうか…?】
- 23シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/19(木) 07:28:05
- 24サンフラワー◆fDey8JUvvk25/06/19(木) 08:12:42
>>前194
「相変わらず素直なお方です」
【胡乱げな声色ながら否定せず、何かと波乱が多いからと口に出す相手に嬉しそうに応える】
「嬉しいですよ」
【嬉しそう、ではなく嬉しいと笑った】
「ありがとうございます。では観てみましょう」
【そして捲られた運命の札を一瞥する】
【そこに描かれているのは石の玉座に座す、王冠を戴いた威厳ある男の姿】
【エイダンから見れば逆さ向きになっている】
「『皇帝』のカードの逆位置ですね」
「先ず、『皇帝』のカードの要素としては情熱や行動力、決断力、統率力を意味します。」
「それが貴方から見て逆向きなので逆位置、つまりは悪い意味で、空回りや元気不足、圧政圧力等を示唆します。良くも悪くもクロノス・インダストリーみたいなものです」
【かなり際どいことを平然と話す】
「ですから、『天才一人分の仕事をしましょう』とお伝えします」
【天才は凡人より仕事ができる。けれど天才一人分のそれより多くも少なくもない】
「また、『身分立場に依らない友人を大切に』とも。」
「ふふっ。以上、勝負への助言です。」
【挑む貴方に幸あれ、と】
- 25ユスティーナ◆KPwoT407kA25/06/19(木) 10:43:05
「……なにもかもが活字に見えてきた…わぁー、ウルヴィさんとユスティーナってそんな字だったんだねぇぇ……あははー………」
…あ、ホントにヤバそう!ゴメンウルヴィ、会計にダッシュよ!
【何やら見えてはいけないものを視認しているマルタからカートを受け取ると、微細な揺れすら致命傷になりかねない彼女を放置して速やかに会計を済ませ、ライトノベルと多量の単行本を包装してもらいマルタを書店から連れ出す】
「…………………はっ!!!ここはどこ?あたしは…マルタ・アーネル!」
アンタの文字アレルギーもここまで来ると筋金入りね…そんなんでカリキュラムどうしてたのよ
「どうにも出来なかったから留年しかけてロスヴァイセに乗ることになったんだが?」
ゴメン
「許そう───────」
【軽い漫才も程々に、ユスティーナがウルヴィを見遣る。マルタへの気遣いの直前に見せた“不自然な深呼吸”を見逃していた訳ではない…“チェーンソー”が何かを喚起した?単純な趣味嗜好だと思っていたが、違う…?】
(さっきの件も含めて、後でまとめて話せばいいことね)
【ともあれ、今は自治区を堪能することが先決だ。ノイズは隅に追いやり、ユスティーナは次の施設はどこにするかの思慮を始めた】
- 26龍影◆9BZ6kXGcio25/06/19(木) 10:55:26
- 27ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/19(木) 11:33:09
【ユスティーナに頷きを返して会計を済ませ、足早に書店から出る。紙の匂いから離れ、外の空気へと当てれば少しは回復したのか、魂を取り戻したようなマルタはユスティーナと軽快なやり取りをしていた】
【それにしても、戦場で単位と口にしているのにそんな理由があったとは。金のため、名誉のため、生きるため。色々な理由を見てきたが、改めてBFに乗る者とは三者三様を越えるそれぞれの目的があるのだと思い知る】
「…?」
【自身への思索が含まれてるとは知らず、ユスティーナの視線へとウルヴィは首を傾ける。次に行く場所でも考えているのだろうか?と】
【“チェーンソー”に惹かれるウルヴィは、しかし兵器そのものに浪漫を感じているわけではない。調味料のようなものだ。美味な命にはスパイスを加えてより引き立たせた方が深く味わえる。物足りない薄味な命でも、凄惨に残虐に味わい尽くせば、腹を誤魔化しやすくなる】
【ウルヴィが求めるのはより血に酔える狩りの夜、ただそれだけなのだ】
【人形めいた無表情は、そんな本能があることなど一抹も漏らさずに、マルタとユスティーナへと手を一つずつ差し出す】
「ん」
【何処に行くのかを問うような仕草は、とても年上がするものではない。身長差も相まって、傍から見ればマルタとユスティーナの方が先輩らしく見えるだろう】
- 28シェディ◆PPyRfvMZl625/06/19(木) 11:44:31
「彼女、癖が感染っていると気付いていた、気を付けないと、あまり詮索されて好い関係じゃないだろう。
何を言ったって、どうしたってボクはデスペラードなんだから」
【忠告なんて嘯いて、けれども口ぶりは愉しそうに、卓上に残されたティーカップはほんの少し寒々しく結露の雫を纏っている】
【指先で掬って、神父の口元へとカップの縁を宛がう、……シェディの重ねたルージュの色合いが、映っていた】
・・・・
「浮気な女は嫌いかい?……ボクは元々娼婦だよ」
【売りもする、抱かれもする、誘いもする、取り入りもする、それが生業】
・・・・
「……これも営業努力、大事なお得意様のご機嫌伺いはしに来なきゃ、元気にしていたかい、神父様」
【窓枠、射し込む夕明かりに、橙に染まった頬を差し出して】
【伸ばした腕は、終ぞ迂遠な言い回しと共に、神父の首元に絡むのだ】
- 29ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/19(木) 11:55:50
- 30グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/19(木) 12:10:46
『───....ふむ、その言い方では私が
まるで貴女のパートナーのような言い方になる
貴女こそ、その言い草は詮索されるのでは?』
カップに残ったルージュの色が唇へと重なり
妙に鮮やかに、そして艶やかに目に映る
微かに目を細めるようにして笑いながら、
"心に留めておきます"と神父はそう答えて。
『ええ....その努力は実っていますよ
確かに貴女は、私にとって"お気に入り"だ』
胡散な彼女の営業努力は、
しっかりと身を結んでいるらしい。
『貴女こそ、声の嗄れは治ったようですね』
橙に染まった頬をそっと撫で、また背中の
掠れた傷跡のあった箇所へと手を添えながら
絡まった彼女の手が襟を歪ませ、その首にある
白い歯形状の跡がちらりと見え隠れする
『....では、話は自室でゆっくりと』
神父はそう、そっと娼婦へと囁いた
- 31エイダン◆Fd5AlHEdkk25/06/19(木) 12:51:36
「なるほどね、ありがとう。頭の隅に留めておくよ」
【皇帝という物々しい似姿を添えて告げられた助言は、至ってシンプルだった】
【できることを熟して、できないことは人に頼る。自分がいつも心がけていることだ】
【まさか、ここでそのスタンスを再認識させられるとは思わなかった】
【気を抜くな……いや、気張りすぎるな。か】
【傍に置いていた緑茶の爽やかな苦味で喉を潤しながら、そう解釈する】
「けど、友人云々は活かす機会がなさそうだなぁ。何せ、相手がいないし」
【苦笑を浮かべながら、些か気恥ずかしそうに肩を竦める】
【信を置く同僚と部下、尊敬できる先達や同業者に、背後を任せられる戦仲間】
【人間関係には恵まれている方だと自負しているが、友人だけは終ぞできなかった】
【今まで気にしたことも無かったが、せっかくのアドバイスを無碍にしたようで、少しだけ申し訳ないなと思う】
- 32名前不定◆XGxCas/OAU25/06/19(木) 13:07:35
【空がまっかに染まり、帰る人たちで賑わう道の側に、時代錯誤の塊みたいなラーメン屋台が停まっていた。そこに1人、駆け寄ってくる人物がいる】
「おっちゃん、いつもの大盛りで!」
【丸眼鏡をかけた青年が息を切らせながら奥の男性に話しかける。その声はどこか嬉しそうだ。】
「おうよ。お前さん、なんかいい事あったな?」
「え、分かった?」
「嬉しくも無いのにそんなにハキハキした声で、いつもより豪華なやつ頼む奴なんかいねぇさ。」
【そう言いながらコンロを点火させて湯を温め始める。】 - 33アネット◆j28rRKKOSY25/06/19(木) 13:42:22
- 34シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/19(木) 14:08:54
「(撃墜スコアに小型種を加えなきゃ箔もつかない)大佐が自分なんかに気遣いなどしなくても。こちらこそ先程は失礼いたしました。」
何とか棘を飲み込んで言葉を出せた。
向かったラウンジは他の戦線から派遣されて生き残ったエース達も訪れている。しかし作戦開始前の活気はどこか遠い所に置いてきたのか、調理スペースで食器を洗う音が聞こえる程に静かであった。
この船は珍しいことに「ラウンジ」から飛行甲板を見ることが可能である。
シンカイはそのラウンジの窓から見えた、炎上痕が残るスレイガンだったものを指さす。
「あの寒冷地塗装がされたスレイガン。あれは北極資源地域で防衛任務をしているハスキー連隊(200機1個連隊)機で、それの第4中隊機です。僕の友人が所属していました。今回の作戦でわざわざここに派遣されて自分の随伴になる…『予定でした』。」
シンカイは静かに左胸のオリーブリーフ勲章を撫でる。
「上陸前に撃墜。あそこにあるのは揚陸艇と共に海に沈んだのを引き上げられたものです。」
視線を特務大佐へ向ける。
「大佐、貴方には盟友…いや、悪友とも呼べる友人は訓練同期にいますか?」
彼は何処か自分とは違うところにいる。しかしあれ程のエースならば旧国営、現クロノス軍BFパイロット訓練校で伝統の候補生シゴキを受け、バディもいる事だろう。そんな物で少しでも会話を広げられれば。
- 35ユスティーナ◆KPwoT407kA25/06/19(木) 15:27:20
腹ごしらえと買い物を済ませた後は…ボウリングよ!
【次にユスティーナ達が訪れたのはスポーツ施設。広く取られたエリアには複数のツルツルとしたレーンが並び、その奥には10本の棒が正三角形に配置されている】
このボールを使って、奥にあるピンを一度にどれだけ沢山倒せるかを競うゲームよ!
ま、複雑な事は置いといてまずは好きなように投げましょ!1人基本2回投げたら交代で、それを10回繰り返すの!
それでは助手のマルタさん、手本をお願いします
「なんかいつの間に助手になってるし…」
【3つの穴が空いたボールに親指、中指、薬指を突っ込み、マルタがレーン正面に構える。構え方から察するにボールはそれなりに重みのある素材で出来ているようで、それを腕全体を振り子のように振りつつ…】
「…!」
【ボールの重量に任せてレーンを滑らせていく。走るボールはピンの群体の正面…から少し右に逸れ、左端3本を倒し損ねながらレーンの最奥に飲み込まれていった】
「あっちゃー…ストライク決めてかっこいい所見せたかったのに。ちなみに1回で10本のピン全部を倒し切るのが“ストライク”で最後の順番以外だとすぐに他の人と交代になるよ」
【程なくしてレーンの奥に飲み込まれたボールが3人の付近に置かれていたボールリターンから姿を表す。余った3本を2投目にて倒しきったマルタはガッツポーズを見せながらウルヴィのもとに駆け寄る】
「それじゃ次はウルヴィさんの番!まずボール選びからなんだけど、重さに違いがあるからとりあえずどのボールが丁度いい感じか比べながら選んでいくといいかも!」
- 36ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/19(木) 16:12:34
「分かった」
【色とりどりのボールは、どうやらそれぞれ決まった重量をしているらしい。重いほどパワーは強くなるだろうが──】
・・・・
(飛ばない)
【軽ければ接地させず、威力のロスなく直接的に並んだ棒を叩けるだろう】
【傭兵は、そう考える】
【ユスティーナの説明や、マルタの手本。それは周囲に合わせようとできる社会性を持ち、ルールを察せる『人間』相手であれば、間違いなく完璧だった】
【人であれば、ボールの重さから地面を滑らせるものだと判断するだろう。マルタの披露したモーションを真似て、周囲のプレイヤーに倣って、ボールの穴へと指を通しただろう】
「…ん」
【程なくして、黒と赤の12ポンドのボールを持って、ウルヴィはレーンの前に立つ。一度は穴に指を通すも、首を傾けてから、ボールを握るように持ち直して頷く】
【イメージするのは、引き千切った頭部。狙うのは、脛の高さ】
【ウルヴィは一切の躊躇いなく、遠心力を肩の力で制御し横殴りのような構えで───】
【砲弾が、放たれた】
【カァッン!!ドゴン…ッ!!】
【中央に並ぶピン達を貫く高い音と、直後の鈍い衝突音が重なって響くのを気にもせず、両端に残ったピンを見たウルヴィはただ残念そうに呟く】
「…残った」
【ボールの安否と、ピンデッキの奥に広がる暗闇の無事は、まだ伺えない】
- 37ユスティーナ◆KPwoT407kA25/06/19(木) 16:40:35
「「ちょっとぉぉぉーーーーッ!?!?!?」」
【流石に“強化人間の埒外の身体能力による事故”の想定はしていたのか、思い切りピンへと“投げ”られたボールは程なくしてボールリターンから多少の小傷のみを表面に刻んで戻ってきた…それまでの間、2人は気が気でなかったが】
レールゥ!?レールを使ってウルヴィ!!??投げ飛ばすんじゃなくて地面を滑らせて転がしてピンを倒すの!?!?!?
【足元の材質が変わる境目をキュッキュッと撫でて事細かく説明するユスティーナ。その傍らでは大きな音に驚いて現れた店員をマルタが顔パスで宥めて持ち場に戻らせる様子があった】
ここがめちゃくちゃ滑る材質になってるから空中に飛ばさず地面を擦らせてぶつけるのよ!今の投球フォームは絶対厳禁!!いいわね!?
【凄まじい剣幕で注意喚起をする。ユスティーナ自身の為でもあるが、文字通りのパワープレイを連発されてウルヴィが出禁にならないようにという心配もあった】
…と、それはそれとしてピンが綺麗に両端に残っちゃったわね。流石にスペアは厳しいかしら…?
- 38ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/19(木) 17:06:13
- 39サンフラワー◆fDey8JUvvk25/06/19(木) 17:16:42
「ふふっ。」
【占いなんて他愛もないことだ。頭の片隅におくくらいが丁度いい】
【─他愛もない会話だが、それでも失礼のないよう留めておくのだろう、と確信する】
「そのバランス感覚、やはり天才的です。意識しているのでしょう?これからもお大切に。」
【だからこそ簡単な言葉で只々称賛した】
「おや。」
【しかし、苦笑には心底意外そうな顔を見せる】
「貴方のように機知にとみ、礼節を重んじ、適度に緩やかなお方なんて友人が大勢かと思いましたが」
【ままならぬものですね、と意味もなく右手の手首を回す】
【だが、手首を回すのはピタリと止まった】
「では、私がお友達に立候補しましょう。お互い多忙ですからそう時間はとれませんが、濃い時間は過ごせます」
【要は話が早い、ということを実例めく】
「いかがです?」
【そして手を差し出した】
- 40ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/19(木) 17:26:24
「…?」
【共鳴するマルタとユスティーナの声に、はて何か問題だろうかとウルヴィは振り返る】
「れーる…」
【確かに摩擦を極力減らした、滑りやすい素材が使われているらしい。ユスティーナと並んで、指でレーン内を改めて得心していると、凄まじい剣幕で迫る彼女から注意を受ける】
【悪いことをしたのだろうとは理解できたのか、表情こそ相変わらずだが、注意喚起を受けるウルヴィは申し訳なさそうに頷いていた】
【周りには何事かと集まったプレイヤーも居たが、マルタに説明を受けた店員が問題ないと伝えた事で散っていくだろう】
【さて、軽傷で戻ってきたボールを手にしながら、確かにアレを倒し切るのは難しいなとウルヴィは悩む】
【注意を受けた手前なのもあり、二つ目のボールを取りに行くなどのイレギュラーをする様子は無い。今度はちゃんと、指穴に指を通している】
(…)
【投げたボールなどで揺らして倒すのは、多分ダメだろう。投げるな、と言われたのだから】
【しかし転がしても倒せる図がイメージし難い。両端の溝があるから、ボールを跳弾させるのも───】
(そのための、穴?)
「ん!」
【整いました、と言わんばかりにウルヴィが歩み出す。慣らすように数度、腕を振り子のように振ってから、先程とは打って変わって、脱力した動作でボールを右端で放った】
【そうあるべきかのように地を這うボールには、強力な回転がかけられていて】
【右端のピンを避けるように曲がってしまい、ド真ん中を通過していった】
【倒れた本数は当然、ゼロである】
「ん………」
【ピンに当たった後に、減速したボールがもう一本へと当たる。そんな儚い初心者の幻想は射干玉の闇に呑まれて、消えていく】
【能面のような無表情から感情の色は見えないが、小さな鳴き声だけが、彼女の落胆を語っていた】
- 41ユスティーナ◆KPwoT407kA25/06/19(木) 18:25:27
2投目でここまで順応できただけでも一流よウルヴィ……………ううっ…!
【サムズアップと共に、我が子の成長を喜ぶ親と言わんばかりの感涙を零しながらウルヴィを称える。事実、2投目でスピンの片鱗を見せたのは急成長と言っていいだろう。誰だって初めは初心者なのだからこういうこともあろう…ウルヴィの場合はスタートラインの遥か後方から律儀に走りだしていただけであって】
さて…次はユスティーナの番ね
【14ポンドのボールを選び、右腕を折りたたむようにボールを構えると】
…ちょっと違うか、もうちょい……いきすぎた……ここはこう…で………
【ポジションを摺り足で微調整しつつ、納得のいく位置取りが取れたのか今度はじっとピンを見つめ───────】
……………ふっ!!!
【流麗なスローイング。三角形の正中線をピッタリと捉えた投射物はその重みを感じさせる速度を以てレーンを滑り………全てのピンを薙ぎ倒すに至った】
ストライク。一度に全部倒したらその時点で交代だから、次はまたマルタの番ね!
【───────そうして、楽しい時間はあっという間に過ぎ去っていくだろう】
- 42ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/19(木) 19:03:50
【一般的なスタートラインの遥か後方、ルールの一ミリすらも理解していなかったとこらから始まったウルヴィのボウリングは、悍ましい速度の上達という追い上げを見せていた】
【手首の捻りに頼るのではなく、指でスピンをかけられたボールは、5フレームから9フレームの全てにおいて、“寸分違わない、全く同じカーブの軌道”を描いてストライクを成していた。まるでそれ以前は手を抜いて遊んでいたかのように】
【しかし4フレームまでのウルヴィを見ていた者なら、彼女がドのつく初心者だったことは疑いようもない。特に3フレーム目など、二投の両方がガーターへと飛び込んだゼロ点である】
【その暫定スコアはお世辞にも高いとは言えないだろうが、黒衣の傭兵はそれを気にする様子もなく、淡々とした表情で、ユスティーナの9フレーム目が終わるのを眺めていた】
【その視線は次に、順番を待つマルタへと向けられる】
- 43二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 20:21:54
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- 44ユスティーナ◆KPwoT407kA25/06/19(木) 20:31:13
「なんかすっげぇ上達見せられて自信クラッシュしてきたけど…よし!」
ちなみに最終フレームはそれまでのフレームと違って、1投目でストライクを決めれば更に2投が確定、2投目でスペアを決めれば追加でピンを再配置した上での1投が可能となる特別なルールになっているわ!ちなみに2投目で倒しきれなかった人はその時点で交代ね!
【つまり、一投目は2人とも当然ストライク狙いになる訳だが…】
「…………………あっちゃー」
【マルタの放ったボールは第一フレームの再現と言わんばかりに右に逸れ、ストライクを逃す結果となった】
「まま、2投目で残りを処理れ…っ!?」
・・・・・・・・
【指がすっぽ抜けた。ボウリング場側が用意してくれる、ハウスボールの穴は不特定多数の人間が使えるように広く取られている為こういう事故もままある。自重をレーンに叩きつけたボールは低摩擦のままに横に流れ、ゆっくりとガーターとなっていった】
……………マルタ。
「ツギ、ウルヴィサン、ドゾ」
【なんとも言えない表情のまま、マルタは固まり気味の声音でウルヴィの最後の投球を促す】
- 45エイダン◆Fd5AlHEdkk25/06/19(木) 20:59:19
「まあ、それ以外の縁は充分に結べているし、不満はないけどね」
【実際、こうして飾らない批評を述べてくれる相手と親交を深められている】
【友が付く関係は持ち得ずとも、同じくらい尊いものを築いてきたつもりだ】
【惹かれはするが、自分から手を伸ばすほどじゃない】
【だから、驚いた。サイバーグラスの画面中央に映し出された機会-チャンス-と、その差出人を、丸くなった目で交互に見やる】
「……これは嬉しいな。君のように素晴らしい人物が、僕の初めての友人だなんて」
【知識でしか知らなかった、事実上の未知を、これ以上ない者を相手として体験できる】
【本当に喜ばしいことだ】
【そんな歓喜を噛み締めながら、握手を交わす。力は最小限に。けれど想いは最大限に込めた握手を】
- 46ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/19(木) 21:06:02
「………かたきはとる」
【なんとも声をかけ辛い結果となってしまったマルタの肩にぽんと手を置いて、ウルヴィはそう宣言する。もっとも…ボウリングはそういうゲームでは無いのだが】
【そうして任せろと言わんばかりにボールを手に取ったウルヴィは中央からやや右に逸れた位置に立って、スピンをかけたボールを放つ】
【ショートフックの軌道を描いたボールは10本をピンを袈裟斬りにするように襲って、ストライクの形となった。それはやはり再現のようで、違う点があるとすればピンの転び方に多少のズレがある程度】
【続く二投目もまた、気持ち悪いほどに同じ軌道でのストライク。それが自らを人ではないと公言するようなものだとも、生憎とウルヴィは気がついていないらしい】
【そして三投目。ふと思いついたように、ウルヴィはコピペ投げの位置をやめて、ポジションを摺り足で調整する】
「借りる」
【意味深な言葉と共に行うのは、端麗なスローイング。そのボールはレーンの中央を、導かれるように真っ直ぐに突き進んで、9本を薙ぎ倒すに至る】
「…軽かった」
【それを比較できる者であれば、或いは気付くかもしれない】
・・・・・・
【ユスティーナが見せた1フレーム目に酷似した再現であると】
【しかしボールの重さか、或いは力の抜きすぎか、パワー不足故にストライクには至らず、ウルヴィの三投目は終了となった】
【精度の高い模倣に人が覚える不快感など、バケモノは考えたことも無いのだろう。ただ結果を受け入れたように、ウルヴィは席へと戻っていく】
- 47サンフラワー◆fDey8JUvvk25/06/19(木) 21:34:16
「感情豊かですね。よく言われませんか?」
【サイバーグラスの奥の丸くなった瞳に気付いたかは分からないが、そんなことまで口にする】
【だが、次の瞬間にはその余裕がどこかに消えた】
「初めての……」
【友人】
「それは、何とも面映ゆい。」
【白い肌がほんのりと染まることもないが、はにかむ】
【唯我独尊。自分が素晴らしいということはみじんも揺らぎないが、相手にとって初めてなのはなんだか恥ずかしかったのだ】
【握手を交わした。感覚はないが、最大限に込められた想いが交差するのを『感じる』ことができた】
【だから、常に軽薄で淡白な態度を崩さず、自らの好奇心と浪漫心を満たすために動く奇人に対してサンフラワーはこう告げる】
「退屈させはしませんよ。」
【人差し指を立て、天井に向かって手を上げる】
「私、面白いヤツですから。」
【誠意であり、自負であり、友人に対してのちょっとした茶目っ気である】
- 48ユスティーナ◆KPwoT407kA25/06/19(木) 21:50:26
「…今のフォームは」
【ユスティーナの完全模倣を試みた、という意図は2人も察した。ひどく理にかなった攻略法だ。ことボウリングにおいて、ユスティーナとマルタという見本しか持ちえない彼女にとってのある種の極致とも呼べるものだろう。ただ、精度がバケモノじみているだけなのだ】
ウルヴィ。アンタの技前、しかと目に焼き付けたわ
【で、あるならば】
今度はユスティーナが、その返礼をするだけよ
【全力を以て応えることこそが礼儀だろうと、眼帯を取る】
【一投目と二投目は代わり映えのない正中線を貫くストライクであった。狙撃手の性なのか、第1フレームから第9フレームまでの全てを一投にて終わらせたそれはほどほどに遊んでいたマルタや途中でボウリングをものにしたウルヴィとの圧倒的な差をスコアボードに叩き出していた】
【…が、途中までズブの素人であった相手と馬鹿正直にスコアを比べてどうなると言うのだ。目の前の傭兵は、とうに自分達と同等…いや、それ以上の熟達を果たしている…それを、超えるのならば】
「!あのフォームは…!」
【右に逸れた位置から指先でスピンをかけ緩いフックを描くその軌道は…5フレーム目からウルヴィが見せたコピペ投法そのもの】
【───────ただ1つ、差異があるとすれば】
「違う!まさか…わざとピンを!」
・・
【敢えて9つのピンを倒すように回転にアレンジをかけた事だろうか。本当の意味でボウリングを会得したいまのウルヴィと、彼女が最後に叩き出した3投目の同時模倣。それを餞別としてこのゲームを終わらせようと…】
…………いや
【したものの。空気の微細な乱れが最後のピンを倒してしまい、“残念ながら”ストライクと相成ってしまった】
ユスティーナもまだまだね…
【パーフェクトゲームを達成したにしてはどこか悔しさを滲ませた表情を浮かべながら、1つのゲームが終わりを告げた】
- 49ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/19(木) 22:10:24
「あの寒冷地塗装がされたスレイガン。あれは北極資源地域で防衛任務をしているハスキー連隊(200機1個連隊)機で、それの第4中隊機です。僕の友人が所属していました。今回の作戦でわざわざここに派遣されて自分の随伴になる…『予定でした』。上陸前に撃墜。あそこにあるのは揚陸艇と共に海に沈んだのを引き上げられたものです。」
【無意識で感傷を和らげたかったのか、シンカイは窓を見たまま一瞥もせずに勲章を撫でる】
(友との……)
【彼に示された方を向いていた金龍は、横目で人間の心情(過去)を想像する】
【同じように、羽織っただけのコートに佩用された勲章に手をかざして……】
「大佐、貴方には盟友…いや、悪友とも呼べる友人は訓練同期にいますか?」
……どう……だろうな……
少なくとも俺はそう思っていても、向こうはそうじゃないってのが多いのかもしれないな……
(実際、最初の数ヶ月は良かったけど、そこからは皆どこかそっけなくなってたし……)
だから、俺はメビと2人だけで幾多の戦場を渡り歩いて、数多の敵を倒してきたよ……
- 50ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/19(木) 22:21:52
【同じピンを全く別の、しかしストライクを狙う投げ方で意図的に残す。その難易度を理解できないほどウルヴィは愚かではない。しかし感嘆のため息を釣られるように、残念ながら10本がキチンと倒れてしまった】
【華々しいパーフェクトゲームも、今のユスティーナにはきっと意味が無いのだろう】
「次は、わたしが合わせる」
【しかしその意思はしっかりと伝わった。今回のゲームは終わりだが、次があれば自分が“パーフェクト”に合わせようと、ウルヴィは約束する】
【そうして一行はシューズの返却等を済ませ、ウルヴィが支払いを行った】
【外に出れば、いつの間にか空は夕焼けと夜闇の間のグラデーションに染まっており、あっという間にそれなりの時間が過ぎていたと知るだろう】
- 51ユスティーナ◆KPwoT407kA25/06/19(木) 23:19:23
ふぅ…ウルヴィと遊べるっていうからつい張り切っちゃったけどもう夕暮れね
「そろそろ自治区案内もお開きかな、ウルヴィさん独立傭兵だから夜が更ける前に寝床探さなきゃだろうし…あ!」
【忘れてた、というような表情でマルタが通信端末を取り出す】
「これあたしの連絡先!また自治区に来ることがあったら何時でも呼んでよ!それじゃーねー!」
【そうして、手を大きく振り続けていた朗らかな生徒の姿も程なくして人混みに掻き消され。】
ユスティーナはまだ用事があるわ。けど…ここじゃなんだし、場所を移しましょ
【そう言って、ユスティーナがウルヴィを連れ出した最後のスポットはそれまでの喧騒が嘘のように静まり返った、人気のない裏通りだった】
…ここなら、頭ソレについて咎める人もいないし。落ち着いて話しができるわ
【意を決した様子で、ユスティーナは今回の道案内で溜まっていた疑問を一つずつ口にしていく】
ウルヴィってさ、チェーンソーが好きなの?それとも───────
・・
…殺しが、好きなの?
【いつか、外の世界の傭兵と友達になった時。ユスティーナがその相手に問いかけようと】
……………ユスティーナは……………
【ずっと昔から抱いていた疑問を。この機に乗じて解きほぐそうとしていた疑念を】
嫌い、じゃないわ。たぶん…………かなり
【暴露する。】
- 52シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/19(木) 23:44:28
『俺はメビと2人だけで幾多の戦場を渡り歩いて、数多の敵を倒してきたよ……』
その言葉には一切のウソも含まれていなかった。脚色されているとはいえ戦歴はおおむね間違ってもないということなのだろう。そうか…この人は一人で出来てしまう人種なんだ。だから上層部は扱いに困ってバベル大隊なんかを議題に上げる。
「特務大佐殿、貴方は抱え込み症なんですね。」
だから周りとの足並みが乱れ、邪推され、疑念が生まれて、複雑骨折を起こす。ピ○ゴラ○イッチのゴールが美味しくない。だが、今からでも修正はできるだろう。
「今回の損耗的にしばらくは極東に居ます。世間話をする仲として、しばらくはよろしくお願いいたします…と言っても指揮系統は別になりますので私用でのBF使用は出来ませんが。」
シンカイはその茶黒の瞳で金龍を見る。疑念はない。だが信頼したわけでもない。ただ、ラウンジのような場所で会ったら挨拶をしてくる程度の距離感のものであった。
- 53ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 00:29:56
>>51 (1/2)
「ん、わかった」
【飾り気のない端末に連絡先を登録して、小さく手を振ってマルタを見送る】
【彼女の連絡先を“連盟”のグループに登録しかけたものの、なんだか違う気がしてキャンセルした】
【どうやらまだ用事のあるらしいユスティーナに付いていくと、次第に表通りから離れ、光を背にして影へと進んでいくことになる】
【ついに立ち止まった彼女は、何かを決心したようにウルヴィと向き合って】
【疑念を、曝け出した】
「………ん」
【何故そんなことを問うのかは、ウルヴィには分からない。しかし質問を、肯定するように頷く】
【ウルヴィは、殺しを、狩りを、奪うことを。本能から求めてしまうバケモノだから。それを否定することなど、出来ようはずもない】
【次第に陽が暮れて、沈黙を闇が覆う中で、ウルヴィは脈絡もなく口を開く】
「バーサーカー」
【かつて、“狂戦士”と呼ばれるに至った、戦の申し子】
「月桂樹」
【かつて、“空の変革者”と呼ばれるに至った、大空を塗り変えた翼】
「スカーフェイス」
【かつて、“悪魔”と呼ばれるに至った、死の商人】
「刃狼」
【かつて、“バケモノ”と呼ばれるに至った、血塗れの刃】
- 54ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/20(金) 00:30:56
- 55ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 00:33:33
【ある意味では伝説、しかし人々が目を逸らす、血で書かれた過去の登場人物たち】
【彼らの仕事は、正々堂々とした戦いではなかった】
【技量を競う戦いではなく、ましてや命を賭した死闘ですらない。抵抗する力の無い者を、まとめて蹂躙して都市そのものを殺した】
・・・・・・・・
【殺しは、勝負とは限らない】
【そして作業のような殺戮すらも、バケモノにとっては飢えを満たす歓びがあった】
「ユスティーナは─────」
「アリを踏むの…も、たのしい?」
【吹き抜けた夜風が覆いを取り払って、人外の諸相を顕にし、荒廃を感じさせる灰が闇を舞う】
【赤く、朱く、紅い瞳。血肉を浴びるほど啜り続けたように濁った双眸が、柔らかく抱擁するような殺意で、ユスティーナの身を蝕むように向けられていた】 - 56ルノアール◆Fd5AlHEdkk25/06/20(金) 00:49:06
- 57シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/20(金) 01:01:07
- 58ユスティーナ◆KPwoT407kA25/06/20(金) 01:47:18
【疑念を抱えたのは、ごく最近のことだった】
【異常に優れた視覚を持つユスティーナにとって、鉄砲の扱いはお手の物であり、百発百中は殆ど当たり前。いつしかそれは“作業”となり、その空虚さを埋める為にいつの間にか“作業”を楽しむようになっていた…事実、インベイドを撃ち抜くのは楽しいものであるし、咎める者など居ようはずもない】
【それと同じ感覚をBF相手にも感じた時、ユスティーナは自分を異常な人間ではないかと思うようになっていった。ウルヴィの仕事人ぶりに度々感心していたのだって、インベイドだろうが人間だろうが等しく殺意をぶつける事が許容されるデスペラードへ内心、憧れていたから。自分もそうなれると信じていたからだ。だが…】
…はは
【嗚呼、そうか】
敵わないな、ウルヴィには…
【自分は、勝手に彼女を見下していたのだ。デスペラード“だから”手を血で汚すしか、娯楽を享受する余裕が無かったのだろうという、見当はずれの哀れみを向けようとしていたのだ…解体戦争の、英雄(バケモノ)相手に】
【殺戮を。破壊を。蹂躙を。ウルヴィは自らの意思で選んだというのに。アカデミーの仲間や自治区といったユスティーナの大事なものにあたるものこそ】
【────“殺し”。ただそれ一つだけだというのに】
アリなんか踏んだって何も楽しくないわよ…!
…そっかぁ…!だから…………
【同列に語れる筈がない。今ユスティーナを取り囲む全てを殺し尽くさなければウルヴィの境地には至れないし、当然ながらそんな事は出来るはずもない】
ウルヴィは強いのね……
【申し訳なさそうな自嘲の笑みを、獣を顕にした殺意へと向けた】
【自分と彼女は決して相容れない存在であるということを改めて確信した。同時にその在り方をどうしても尊重したくなってしまったのは…】
【自分から遠く掛け離れたモノに対する、新たな憧れ故だろうか】
- 59ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 02:41:46
「っ…いや、わたしは」
【ハッと我に返ったように、ウルヴィはフードを深く被って顔を隠し、ユスティーナから目を逸らす。殺意に浸された空気も、既に霧散していた】
「『強い』わけじゃ、ない…」
【頭を抱え抑えつけ、まるで何かに耐えるように、引き千切れんばかりにフードを引っ張って、瞳を覆い隠そうとする】
【殺したい。殺したい、殺したい、殺したい殺したい】
【有象無象ではなく、今この場で目の前に居るユスティーナの首を絞め、臓腑を引き摺り出し、瞳を抉って喰らいたい】
【でもそうすれば、次はない。また遊べない。それは、嫌だったから】
「……ただ、殺したい、だけ」
【獣欲に突き動かされるだけの自分は、きっとどんな人間よりも『弱い』。自身の行動に疑問を持ち、何かを知ろうとした彼女の方がきっと──】
「私より、『強い』」
【呼吸を整えて顔を上げたウルヴィは、燃え滓をどうにか掻き集めたような、儚く小さい、本当に微かな笑みを返した】
【けれどもそれは一瞬で、蜃気楼のようにいつもの無表情へと戻るのは、高難度の間違い探しとも言えるだろう】
- 60ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/20(金) 03:26:59
ハ……ハハ……『プライベートが無くなる』以外はそちらの方で訂正してもらえて良かったよ……
【かつてアダムスから聞いていた噂と比べてあまりにも本当の自分と乖離していたため、緩やかに上がっていただけの口元が小刻みに震えた】
俺には愛する妻が居るし、子供だって2ヶ月後に産まれる予定だからな
そんなのが軟派者ってのは……2人にとって嫌なはずだろう?
【シンカイに同意を求めるその声は、一聴してただおちゃらけているようだが、どこか己の見聞を元にしているようにも感じられる物であった】
それに、身体だけの関係はどうにも苦手でね
交わりを1度でも持ったのなら、最後まで責任を取るのが仁と義ってヤツなんじゃないのか?
- 61シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/20(金) 08:57:41
「情報局も知らない未知の方法で情報を調べられて訳知り顔で話しかけてくる。なんて恐ろしい言われようですけど、これはおそらく大佐が生まれ育った風土の価値観のせいで、突然友好関係の過程をすっ飛ばして「マイブラザー!」みたいに振舞ったのが原因な感じがしますね。」
シンカイは苦笑した。
「性事情については本当にプライベート且つデリケートな話題なのであまり詳しく聞くことは控えますが、貴方のように国家に似た組織を統治している地位の高い人間は総じて子孫を残すために産めよ増やせよを体現している。なんて話を聞いたことがありまして。」
彼を見る限り、誠実よりは純朴。言葉を敢えて悪くするなら世間知らずに近い。中途半端な認識のズレも齟齬の原因なのだろう。
「自分は宗教上そういった複数人との関係を持つ。みたいなことが推奨されていませんが、人的リソースを異星生物との戦争で消費している現状、宗教という1つの観点のみでそれを否定するのもまた難しいものですよ。」
腹の下に響く双発ローターの重低音が聞こえる。ラウンジの窓から外を見ると、BF輸送用のヘリ(チヌーク型)がちょうど甲板に降りようとしているところだった。モルフォ蝶のペイントがされた機体。シンカイが呼んだ迎えである。
「しかし、話してみると聞いていたモノとはまるで違いますね。」
裏表がない。というよりは光を透かしてしまうほどに薄くて、謀り事なんて後ろめたいことが得意ではない直情的な男。佐官よりは現場の尉官として陣頭指揮をとる方が向いている。まぁおそらくは〈それだと動きが読みにくく、あまりにも厄介だから役を与えて監視をしやすくした。〉というところだろうか。
- 62ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 10:59:58
【ガチャ、ガチャ。ガラスビンとアルミ缶が擦れ合い、ぶつかり、物々しさすら感じる衝突の音楽を鳴らし続ける】
【多種多様な栄養ドリンクとエナジードリンクが、ビニール袋の中へ所狭しと押し込まれていた】
【それを右手に提げるのは、欠伸を噛み殺す少女。眩い光で地表を炙る天上の星へと、不満を隠さない瞳で睨んでいる】
【───ネスト攻略からはや数日。ユスラはコロニー内の商業施設で、久々の燃料補給を行っていたのであった】 - 63エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/20(金) 11:25:40
- 64ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 11:46:20
「む…?」
【声をかけられて振り向くと、窮屈そうな不健康の楽器が高い音を鳴らす】
「うお……あ、合ってるけど、おねーさんに何か〜?」
【女性の声だから油断していたのもあるだろう。頭二つか三つほど見上げねばならない恵体に、思わず気圧される】
【ユスラとて自身が童女体型である自覚はあり、他者と話す時は大抵首を持ち上げねばならないのだが、それでも彼女は…デカかった。なんかもう、全てが】
【そんな巨人の知り合いなどユスラの記憶にはない。わざわざオフのユスラに声をかける者は少なく、初対面なら尚更だ】
【巨体を見上げる首にかけた紫のヘッドホンからは、外見には不釣り合いにも映るハードな激音が、僅かに漏れ出していた】
- 65エイダン◆Fd5AlHEdkk25/06/20(金) 11:46:59
- 66エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/20(金) 11:55:58
- 67ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 12:12:23
- 68ユスティーナ◆KPwoT407kA25/06/20(金) 12:21:50
……………ふふ、変なの
【己の中にある“何か”を堪えながら浮かべたか細い微笑みを、ユスティーナの眼は逃さなかった】
【…その“殺したい”という衝動にはきっと、“自分”も含まれているのだろう…今向けられた殺意は間違いなく真に迫っていて。こうして会う機会も多く、共に遊んだ間柄であればあるほど………】
【これ以上交流を深めれば、いつか彼女に殺されるかもしれない───────それでも】
…これ、ユスティーナの連絡先よ。今度は正門前待機じゃなくてこっちで呼び出してよね?
【ユスティーナ・ハクリという人間は、ウルヴィという獣を放っておくことがどうしても出来なかった】
【あまりにも乖離している2つの“生き物”は奇妙にも互いを称え合い、再会を望むことを選択した】
- 69ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/20(金) 12:22:53
- 70エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/20(金) 12:25:52
【そんなユスラを抱えて着いた先は、
クロノス直営の診療所(今日は休み)だった】
『ユスラ大佐....初対面なのは承知ですが、
敢えて言わせて頂きます.......!』
シーンとした診療所内にエリナの声が響く
・・・・・・・・・
『不健康が過ぎますよ、大佐。
貴女はクロノスを支える大事な人材であり
身体を労わる義務がある地位に居るのです、
そんな方が義体とはいえエナジー飲料を
こんなに飲用しようとするなど言語道断!
医療班として見過ごす訳には行きません!』
まぁ要するに、『大佐とかいう重役なのに
何無理をしようとしてるんだコラーッ!』
と言いたいのであろう。とはいえ今の彼女には
そうそう口答えの出来ない迫力があった。
『すぐに身体の検診をさせていただきます。
ご安心を、義体の診察心得はありますので』
- 71ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 12:43:04
- 72ウルヴィ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 13:00:17
「…し、指定医薬部外…ひっ……ひゃい…」
【指定医薬部外品であるから問題ない、と言おうとしたのだろう。実際、袋の内七割を閉めるビン容器は、適量ならば健康を保つのに一役買う、効果効能を謳うのが許された商品だ】
【…つまるところ残り三割は、言い訳のしようもないケミカルドリンクだということなのだが】
「し、知ってるなら、診察とか…要らな……いと、思いマース……」
【小さく震えながら、義体だと知るのであれば診察など不要ではないかと声を絞り出す】
【なお義体と言えど、神経系の一部はそのままであったり、脳などの部位はそもそも置換できない。この大量の不健全な薪は、僅かな血肉の残り火を焚べて、灰とするのにも等しく】
【義体であるが故に表面化していないだけで、ユスラは生身であれば、慢性疲労症候群と診断されてもおかしくはなかった】
・・・・
【サボり魔と呼ばれるほどに惰眠を貪る姿からは、きっと誰もが想像もしなかったことだろう】
- 73ユスティーナ◆KPwoT407kA25/06/20(金) 13:03:50
…ええ!何時でも来なさい!
【その自信に満ちた別れの挨拶を最後に、自治区から去ろうとする影を引き止める事はなかった。コックピット内で見慣れたパーソナルマークが記されているカードをじっと見つめる】
…ようやく最後まで鼻血を垂らさずに済んだわね
【日常での邂逅なのだから当然なのだが…鉄と血の匂いに満ちた場所以外で彼女と会えたという事実がユスティーナにとっては嬉しいもので、見当違いの偉業にさえも思わず心が踊ったのだ】
【それが望まぬ結末を招きかねない甘い服毒だったとしても。ユスティーナの心に決意の火が灯った瞬間だった】
- 74名前未定◆XGxCas/OAU25/06/20(金) 13:28:44
- 75エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/20(金) 13:35:21
『そうですね、確かにこれは容量を守り
"それ単独で"使用するなら咎めませんが...
短スパンで他商品と併用するのは話が違う。
それは紛れもなく不健全な使用法です!』
サボり魔、と言われる程の短時間睡眠を
何度も取る理由は"慢性疲労"であると断定し
精神が休息を無意識に求めていると仮定する
・・・・
『駄目です。この様子では大佐、
貴女はこんな事を複数回していますね?
治療の為...診察と検査を実行させて頂きます』
それからの流れは早かった。
服をひん剥かれ、入院着に着替えさせられ
みっちり時間を掛け診察と検査をさせられ...
気付けば数時間くらいは過ぎていた
『ひとまずこれでカウンセリングですね
大佐....検査の結果は今見られるだけでも、
義体とはいえ酷いものですよ?』
- 76ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 13:53:56
- 77シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/20(金) 14:01:10
答え。言わなくても例の諜報を使って辿り着くだろう。なら僕の答えで大丈夫だろうな。
「Eye have you.(馬鹿な真似はするなよ。)」
シンカイはその薄っぺらくもちぎれることのない理想を持った男へ答え、一礼してからラウンジを後にする。
甲板では固定翼の回収機が収容作業をしていた。対象はもちろん寒冷地塗装の大破したスレイガン。
シンカイはそれを見ながら、胸ポケットから犬笛を取り出す。
そしてその息絶えた猟犬(スレイガン)に向かってそれを吹いた。
長拍の高音。犬ソリを送り出すときに使う符牒である。
『モルフォよりフェンサー、よろしいのですか?』
ヘリに取り付けている拡声器から聞こえる。
シンカイは機体正面に移動してサインを送る。
〈問題ナシ。格納ノ確認終了。乗リ込ミ次第離陸。〉
モルフォは頷いた。
シンカイは口を開けた後部ハッチからヘリに乗り込むと、ゆっくりと閉じられ、内部灯が灯る。
2発のメインローターは緩やかに回転数を上げ、機体を甲板から浮かし上昇。地上基地(地球で言う対馬)に向けて飛んでいった。
- 78エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/20(金) 14:08:47
- 79ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 14:46:34
【どれだけ見せないのが上手くとも、医療のプロであれば症状という明確な事実から、真実それが何ものかを拾い上げることができたのだろう】
【患者として連行し、強制的な検査を受けさせたこと。そこまでしてようやく、ユスラの歪みは露呈した】
「……あったかいね〜?」
【深く息を吸って、吐き出す。数度の深呼吸を終えて、ユスラは力無く笑う】
【歪み捻れた内面は、誤魔化す事でしか保てないのだろう。そうしていなければバラバラになって、壊れてしまうから。欠けて溢れる残骸から『ユスラ』を組み上げるには、足りない部分を埋める接着剤が必要だったのだ】
【そうしていつしか接着剤ばかりが『ユスラ』を構成し、元の形など分からなくなってしまうとしても】
「…別におねーさん、辛くはないんだけどなぁ」
【造り物の身体で、溜息をつく】
【置換するしかなかった肉体、造り直すしかなかった心】
誤 魔 化 し の
【虚構だけで構成された存在には、真実など何処にも無いと言うように、落ち着きを取り戻した空っぽの瞳が、エリナを見つめ返していた】
- 80エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/20(金) 15:15:40
- 81エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/20(金) 15:16:47
『貴女は自分を"偽りであり仮初のもの"と
思っているかもしれません....でもね、大佐
人間は皆そうなのです。何が嘘で何が本当か、
分かっている人なんて....一握りも居ません。
きっと、貴女は誤魔化して笑うしか無かった
辛い時もどんな時も何かを演じ続けてきて、
いつしか演じていた自分だけになってしまって
その思い出せなくなった本当の自分ですら、
何もない、ただの空っぽのものなのだと
そう思ってしまうのも....無理はありません』
エリナは淡々と言葉を紡ぐ
静かに流れ落ちる雫と共に。
『なら....せめて今だけは口に出して欲しい
"自分には何もない"というならそう言って、
"空虚さが腹立たしい"というなら怒って、
"空虚である事が怖い"というなら嘆いて....
誤魔化さないで言って下さい大佐。これを、
診察をした私からの"命令"とさせて頂きます』
- 82アネット◆j28rRKKOSY25/06/20(金) 15:46:27
- 83ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 16:10:19
「…っ!?」
【流石に涙を流してしまうとは予想だにしておらず、しかし原因が己であるとは分かり、喫驚と胸を刺す罪悪感で目を丸くする】
【続く言葉は、真摯な願いであり、押し付けがましい強引な荒療治であり、きっとそれこそが彼女の優しさそのものでなのだろう】
【粒となって溢れた雫を、小さな手のひらに受け止めながら】
「残念だけど、おねーさんには…分からなくてさ」
【だから軍法会議に上げれば間違いなく首のすっ飛ぶ“命令”を、軍人ではなく一人の個人として】
「もう、分からないんだよ」
「…ごめんね」
【ただ笑いかけて、謝ることしかできなかった】
【誤魔化さない自分なんて、見つけられなかったから】
【その涙はユスラ以外に向けて、使ってあげて欲しいと願って。そうして微笑んで謝る以外には、なにも出来なかったのだ】
- 84エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/20(金) 16:28:53
- 85ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 16:45:17
- 86エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/20(金) 16:58:50
『聞こえなかったようですので、もう一度。
・・・・・・・・・ ・・
少し休みましょうね、大佐』
してください、ではどうやらこの人には
響かない....と悟ったのであろう
しろ。有無は言わせない。という風に、
最初から断れないように質問する....
その方向性にシフトしたようである
『貴女がこんな状態でなければ、
普通に一人で寝かせたところですが....
いけませんね。という訳で、大佐?
少々強引な方法で申し訳ありません』
部屋にあった備え付けのベッドへと、
ユスラを放り込み....自分も添い寝する
勿論だが襲っている訳ではなく、ユスラが
こっそりと逃げない為の監視兼湯たんぽ....
と言った所だろうか。ユスラと正反対な
恵体は柔らかく、そして反発力もあり
押し付けられて尚不快感が無い感触である
『ここで強引にでも休息を取らせます
ちなみに、拒否権はありませんので。』
むぎゅ、とユスラを抱き締めながら
至って真面目な顔でエリナはそう言った
- 87ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 17:23:47
「わちょ%¿℉#@§※」
【これが敵意ならば、憂うことなく迎撃できただろう】
【これが害意ならば、迷うことなく抜け出せただろう】
【しかし目を逸らそうとする最中に、またしても取られた強引な手段には、何故か身体が動かなくて、強制的にベッドへと放り込まれてしまう】
「その……おねーさん、これは流石に…恥ずかしいかな〜?」
【女性的な柔らかさを帯びた、しなやかな肢体。30センチメートルに及ぶ身長差は、人間布団と言っても過言ではなく、ユスラは彼女に容易く埋もれてしまう】
【そうして密着などされれば、ユスラの壁とは比較にもならない山が押し付けられてしまうし、何よりも幼子のように抱えられるのは、流石に恥ずかしいのだ】
「それに、え〜〜っと……ほら、お互い何も知らないし…そういうのは早いと思うんだよ〜?ふ、不純異性交友だよっ。ね?」
【それにユスラからすれば、エリナは今日初めて知った相手である。異性では無いのだが、冗談めかしての発言には、『知らない相手とベッドなんか入っちゃダメだよぅ!』という、年長者から女の子を気遣う心の声が込められていた】
- 88エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/20(金) 17:33:11
- 89ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 17:56:13
「何も大丈夫じゃないよ〜…?悪い人は…キミみたいな優しー子を、ぱくんと食べちゃうんだよ〜…!」
【純粋すぎる、とユスラは思った。誰にでも優しく出来ること、それは確かに素晴らしいと思うが、こんなことを無自覚に繰り返していれば、いつ彼女の身に“何か”あってもおかしくない】
【豊満な胸は溺れるほどに、人の理性など蕩けさせてしまうような香りがして、その自覚など一切無いだろう彼女にますますユスラは危機感を覚える】
「おねーさんの子守唄ならBPM240は欲しいかな〜…じゃなくて!気安く人に当てちゃダメなんだよ〜、その、えっと、身体…!」
【流石に部位名そのまま伝えるのは憚られて、ユスラはオブラートに包んだ表現をする】
【恥ずかしさ以上に、名も知らぬ彼女への心配が膨らんでいたのは】
・・・・・・
【偽りない身体を、大事にしてほしいと思うからこそだった】
- 90サンフラワー◆fDey8JUvvk25/06/20(金) 18:03:43
「妙なことを仰いますね。」
【大げさにも見えるくらい、こてんと首を傾けた】
「貴方はもう頑張っていますし、私はそんな貴方が好きなのですが。」
【傲岸不遜。スポットライトを浴び慣れた貴重品は唯々ありのままを語る】
「ああ、成程。」
【しかしその銀眼は直ぐに一つの結論を見出す】
【──目の前の少年は、初めての友人に良いところを見せたいのだと】
「ふ、ふふっ。」
【可愛いところもあるじゃないかとこらえきれない笑みが零れた。何とも健気なことだと目を細める】
・・・・
「であればその情熱、楽しみにしています。」
【完全な友人関係とやらは、この理解によってもう構築できている気がした。けれど】
「この高貴なる嵐の王は、人の心にも聡いものですから。」
- 91エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/20(金) 18:17:56
『ああ、そういう事を心配して下さると....
護身術や武道はしっかり覚えておりますし、
もしもの時は....まぁ、諦めくらい出来ますよ
まず、それを覚悟しないで入軍していません』
そんな事を心配する性分だったなら、
軍隊に入ってはいない。エリナという女は
最初からその辺に関しては割り切っている
『それに。心配をしているのは私もです
貴女の精神はあまりに危うい....だからこそ
後々私が床で一人反省会を開催しそうな程
かなり強引な手段を取っているのですよ?
今、貴女が私の事を今心配しているように
私も貴女の事をこうして心配していたのです
少しは自分の言動が如何に的外れな返答で、
雲を掴むような返答なのか....分かりましたか?』
ぎゅっ、と更に強くエリナは抱き締める
流石にまぁこのレベルまでは治療と言えど、
そうそうしないのはそろそろ分かるだろう
つまりは、抱き締めるのは彼女の為なのだ。
- 92ミゾレ◆KPwoT407kA25/06/20(金) 18:34:03
- 93ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 18:57:27
【心配を受け取られないとはそういうことだ、と言わんばかりのミラーリングめいた言葉によって、因果応報のブーメランがユスラへと突き刺さる】
「で、も────?」
【それでも往生際の悪く口応えしようとしたところを、より強く抱き締められて塞がれる】
【“精神が危うい”など、自身では考えたこともなかった。ユスラにとってこんなメンタル状況は当たり前だったのだ。しかし他人が自ら意識してない危うさを抱えること、それへの心配は…どうしても、分かってしまった】
【思えば最初からずっと、抵抗する気になれなかったのもそういうことなのかもしれない。他人ばかり見て、自身を顧みずに生きてきたからこそ、ユスラは彼女の向けてくれた“心配”を、理解せずには居られなかったのだろう】
【エリナの体温に包まれて、ユスラの意識が融解していく。今すぐ身を任せてしまいたい、脱力を誘う浮遊感が全身を引っ張る】
(…起き……な…きゃ…………)
【思えば誰かと眠るなど、いつ以来だろうか。造り物の身体になる前の記憶など、最近は思い出そうともしてなかった】
【作業用BFの事故に巻き込まれた日。両親の片方か、または子供か。一人なら救えるだけの金が、家族にはあったらしいが───】
【生き残って欲しいという両親の願い、ただそれこそ、少女を独りにする呪いだったのだ】
「…うぁ………」
【暗闇に落ちかけた意識を取り戻すように、エリナの抱擁から脱出しようとするも、最早その脳は半分ほど眠っているのに等しいのだろう。少し身動ぎをさせる以上に、身体を動かすことはできなくて】
【残された抵抗は、瞼を閉ざさないように耐えることだけだった】
- 94エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/20(金) 19:17:40
- 95ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 19:51:14
【深く、深く。底の無い海へと沈むのを受け入れるように、目を閉じて──】
「い…ぁ……わた、し…は……」
【頭に触れられるのと同時に、ビクリと身体を跳ねさせる】
【遠い記憶に重なるような手。だからこそ、少女が埋めてしまった、呪いに触れてしまったのだろう】
「ひとり……じゃ、な…い……と……」
【今にも泣き出しそうな怯えきった声は、孤独を訴えていた】
【だというのに、言葉は孤独を望んですらいる】
【二律背反、矛盾する『本心』】
【失いたくない。寂しい想いをしたくない】
【だから、独りがいい。そうでなくては、耐えられない】
【けれどもそこで、限界を迎えたユスラの身体が力を失う】
【深い呪いと底の無い海へと、意識はどこまでも、沈んでいった】
- 96エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/06/20(金) 21:00:25
- 97エイダン◆Fd5AlHEdkk25/06/20(金) 23:09:19
- 98名前未定◆XGxCas/OAU25/06/20(金) 23:18:55
- 99二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 23:47:49
このレスは削除されています
- 100ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 23:55:10
>>96 (1/2)
「…う…………」
【半日ほどは軽く眠っていたユスラの目覚めは、翌日の払暁】
【やはり一人か、と。ため息をつく。そこに含まれるのは安堵か、寂寥か。何方にせよ、眠る寸前の事は覚えておらず。ただ子供のように眠ってしまった気恥ずかしさと──】
「……ん〜?」
【まず、違和感】
【手を握って、開く。もう一度、握って、開く】
【そして、自覚】
【この日、この時。彼女の脳は数十年ぶりの『睡眠』から目覚め、十数年ぶりに『薬物』から解き放たれていた】
【殺風景な生活感の無い、その癖に空きビンと空き缶を入れたゴミ袋だけは存在感を主張する社員寮、その窓へと歩んで、カーテンを開け放つ】
【薄明の空、引き窓をスライドさせて、澄んだ風を吸い込むと、視界の端で紙切れが舞う】
「エリナちゃん、か。なるほどなるほど…」
【くすくすと小さく笑って室内へと戻ったユスラは、燃料が没収されて居なかった事を安心しつつ、モーニングルーティンと化した朝食代わりの一本…は、取り出さないで家を出て】
【自覚を、確信へと変える】
- 101アネット◆j28rRKKOSY25/06/20(金) 23:56:08
- 102ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/20(金) 23:58:00
>>100 (2/2)
「これはいつか、お礼しなきゃな〜」
【トン、と軽く靴を鳴らして、四階にあたる自室を出たユスラは】
・・・・・
【転落防止の柵を飛び越えた】
(…昨日まで)
【人気の無い黎明の通り。小さな身体は、コンクリート質の地面へと引き寄せられていく】
【あわや追突──とはならず、羽毛のように着地した彼女は、病の完治した子供の心地で、歳柄もなくはしゃいでいた。なぜならば】
(身体、こんなに軽くなかったから…ね!)
【霧崎ユスラ、34歳】
【義体に不慣れだった、子供の頃とは違い】
【不摂生を続けていた、大人になってからとも違い】
・・・・・・
【人生初の、すこぶる快調────!!】
「……あっ。誰も見てない、よね〜?」
【我に返ったユスラが周囲を見渡すも、人影は無し。夜は眠っていて、朝もまだ起きてこない。境目の時間だったお陰で、目撃者はゼロ】
【その事に安堵しながら、これでいつもの150%を出せば、失った昨日の半分も余裕で取り戻せるだろうと、軽快に歩き出す】
【そんな一時の快調はきっと、もって一日二日だろう】
【キャパシティが増えた分だけ、誰にも見えないところで働こうとするのが、ユスラという人間だった】
- 103サンフラワー◆fDey8JUvvk25/06/21(土) 07:37:51
【あらあら、過分でもないのですけれど。そんな言葉が浮かび、そう指摘することこそ過分だと笑みに替える】
・・・・・・
「善きに計らいなさい。」
【だから右手の掌を見せるように小さく挙げて、鷹揚に応えた】
「さて……」
【連絡先は、調べれば直ぐに分かる。交換の必要もないだろう】
【公私は分けてくれ。そんなことは言うまでもなく、目の前の友は分けないだろう。個人的興味でここまで上り詰めた方だから。それでも周りに益を齎す能力があるのだから】
【何ということだろう。結論が出てしまって会話が続かない】
「ふ、ふふっ。」
【回転が早いのも困りものだ。それがなんとも可笑しくて噴き出すように笑う】
「ああ、今のは自らの能力に思わず苦笑したのです。」
【言葉足らずの説明をして、ラウンジのドアを見た。ドアは静かなモータ音と共に開く】
「さて、そろそろ再出撃の時間です。丁度お迎えも来ました。」
【入室してきたのは担当の兵士だ。エイダンに規律正しく礼をし、そしてバアルの中核を車椅子で運送しょうとする】
「計算通り、ということ……あっちょっと待ってください!カード仕舞えて無いので……!!」
【最後の最後で少しだけ締まらなかった。手伝っていただけるならその手も遠慮なく借りて片付け】
「……こほん。ではまた。」
【なんでもないようにその場を後にしていくだろう】
- 104名前未定◆XGxCas/OAU25/06/21(土) 08:38:54
- 105エイダン◆Fd5AlHEdkk25/06/21(土) 12:23:18
「どうも。……あゝ手伝うよ」
【模範的な礼を向ける兵士に、こちらも規範に則った答礼を返す。次の出撃に向かうため、慌ててカードを片づけ始めた友人を手伝い、最後に皇帝の札を重ねた束を箱に入れた】
「こほん……。ではまた」
「ふふっ……いや、失礼。またね」
【先ほどまでの可愛らしい振る舞いを誤魔化すような咳に、つい吹き出しながらも、箱と一緒にまたの再開を願う言葉を贈る】
「……さて、行くか。もしもし、僕だよ。Syringe'sの調整は終わった?」
【車輪がドア枠を超えるまで小さく手を振って見送ったあと、わずかに残っていた緑茶を飲み干して、自分も席を立った】
- 106アネット◆j28rRKKOSY25/06/21(土) 13:02:52
- 107名前未定◆XGxCas/OAU25/06/21(土) 15:10:59
- 108アネット◆j28rRKKOSY25/06/21(土) 15:53:13
- 109二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 16:26:26
このレスは削除されています
- 110名前未定◆XGxCas/OAU25/06/21(土) 16:27:49
- 111アネット◆j28rRKKOSY25/06/21(土) 17:12:31
「そうですね……、いただきます」
【会話が中断された事に若干安堵しつつ食事に移る、美味しいと言われたスープをまずは一口味わい、モヤシはスープの中に浸して先に麺を啜る、少し濃いめの味が空腹にはちょうど良い】
(時々食べてるのとは全然違う、ちゃんと味がある……)
【味卵を頬張りつつ地元の味を思い出す、ラーメンというには太すぎる麺と大して味の無いスープ……というよりはお湯だけのヌードル、その辺に生えたキノコでも入っていれば上等だった】
【味卵を平らげ、スープに浸ったモヤシを口に運ぶ、たっぷりと汁を吸ったモヤシからスープが滲み出る感触を口内で楽しみながら残りの麺も口に含む、食事を開始してから完食するまでは数分、空腹の成せる技だった】
- 112ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/21(土) 17:19:52
「Eye have you.(馬鹿な真似はするなよ。)」
【彼に返ってきたその答え(目)は、かつてのダチのようで】
(じゃあな……少尉……)
【潮風に混ざる讃美を横に、金龍も悠然とラウンジを離れた】
(さぁてと……面倒くせぇ書類を片付けるとするか)
【カタンカタンカタン】
【行ってた時と同じテンポで通路を鳴らしていると、ブリーフケースを前側に持つメビと遭遇する】
『金龍様』
おぉ、メビか
今さっき部屋から出てきたって事は……
『はい、シンカイ様と話されている間にこちらの方で提出できる書類はひとつと余さず。残りも剣龍に乗っている間で終わらせられるかと』
……タイガーも含めて、何から何までありがとうな
『私は召し使いですから。シンカイ様と心ゆくまで話せられたのなら何よりです』
……んじゃ、姐ちゃん達も帰ったし、長い間ここにお邪魔するのもアレだから俺達も家に帰るか
『承りました』
- 113アダムス◆C01O2YJoxg25/06/21(土) 21:39:46
【任務が無事に完了したという報告を聞き、発狂するように喜んでいた】
【喜び過ぎだとオペレーターに怒られて部屋で静かにする】
【───事なんて出来ない!】
「流石はクロノスの皆だ!俺も頑張らなきゃな!」
【ベッドに寝転がりながら暴れており、ベッドもギシギシいうようになってしまった。】
「……それにしても大佐は無事なのか?いや大佐の事だから平気か!」
【上官であり友人の金龍の安否が気になるが信頼を置いている為平気だと考えている、まぁその信頼は正しいのだが。】
「まぁ後で電話してみればいいか!訓練訓練!」
【そして勢いよく立ち上がり、興奮を殺せぬまま訓練をしに走った。】 - 114◆Fd5AlHEdkk25/06/21(土) 22:34:52
【《A-1 コロニー》】
【クロノス・インダストリーがお膝元にして、常に遮るものの無い空を仰ぐ高層ビルが立ち並ぶ超未来都市。広大な筐体を華やかに飾る超技術の煌めき、その中心に聳え立つは、天から差し込む陽光を冠として戴く摩天楼】
【これなるはK.I社 本社ビル。世界の半分を手中に収める傑物達の本城である】
【そんな最重要拠点の心臓を担う部署の一つ、情報システム課にて】
「はい!これでラストのファイアーウォールを突破して計測終了!記録は49分03秒51でした!」
【老若男女様々な同僚達に囲まれながら、意気揚々と胸に手を当て、勝利宣言をする女が一人】
「Fooo!よっ、さすがQueen.RTA!」
「あ''ーーッ!!今度こそ一時間いくと思ったのにィィ!!!」
【周りから花束代わりに寄越される、同僚の称賛とセキュリティ課の叫びを胸一杯に受け取って、女は様式美に則った言葉を紡ぐ】
「完走した感想ですが、前回の38分49秒05より大幅な延長ということで、セキュリティの目覚ましい向上が見られましたね。なぜ突破されたかは、明日までに考えておいてください。次のプレイを楽しみにしておきます!」
【立板に流れる水の如く流暢に言い切られた長台詞のあと、偉業を讃える声と悔しさにハンカチを噛む音がいっそう大きくなる】
【こうして、情報部主催の定期イベント《コードネーム:Leakageによる 本社メインサーバー攻略RTA。提供:情報部セキュリティ課 スポンサー:K.I社首脳陣》は、いつもの流れで幕を閉じた】 - 115ノイン◆fDey8JUvvk25/06/21(土) 23:45:44
(1/3)
【逆巻重工エースパイロットの旅館での護衛任務を終え、その足で5代目マルガリータペペロンチーノは東方大陸・南部の半島に向かった】
【依頼内容は半島インベイド占領地域を南下しての先行調査。依頼者はとある中小企業。僚機なし。報酬は、低めの基本報酬に持ち帰った情報に応じて加算される】
【正確ではない任務内容。それでいて内容は過酷。言ってしまえば安い基本報酬で使い捨てられる類の依頼だし、依頼主もそのつもりだっただろう】
「……」
【依頼を受けた独立傭兵もその内容を再確認し、自らの甘さを再認識していた】
「……そもそも航続距離が出ないな。」
【乗機、R/W-N01S『スクルド』。ヴァルハラテック社ヴァルキリーフレームカスタム機であり、ビームキャノンを脚部とする大胆な発想で軽量化。当然装甲も最低限として機動力と高火力を両立させた機体ではあるが】
【継続能力はどうしても同世代機に劣る部分がある】
「どうしたものか……。」 - 116ノイン◆fDey8JUvvk25/06/21(土) 23:50:07
(2/3)
【半島の空を機械仕掛けの戦天使が舞う】
【ぼんやりとした光を纏い、その翼を、腰部のバウンドスタビライザーをはためかせ、射撃級の斜線を抜けていく】
「加減が利くのは良い」
【バウンドスタビライザー。予め入力した本体周辺の粒子散布領域目掛け可動肢の質量移動を実行することでその場に推力を発生させ、さながら空間を叩くような三次元的機動を取る事を可能とする装備であるが】
【質量移動の速度や移動量を調整することで、あえて推力を絞り、空間を泳ぐような動きを取らせていた】
【だが機体は時折大きく、はじかれたように機動する。十全に使いこなすのはまだまだ先だろう】
「しかし気難しいな!」
【まるでシグレ・イェンネフェルトのようだ。そんな感想を抱きながら突き進む】
「くっ!!」
【横蹴りの姿勢。スタビライザーと合わせ、空を横滑りしつつ機体が半身になった】
【重装兵級のビームを躱しつつ右足先からのビーム射撃が射出孔を突き刺し爆散させる】
【蹴りにも似た射撃モーションの勢いを殺さず回り、滑りながら次は回し蹴りへと連携】
【左足先からビーム射撃を薙ぎ払い射撃級の一団を沈黙させていく】
「流石に見積もりが甘かった……!!」
【航続距離が出ないなら粒子消費を節約するしかない。だがこうもビームを使うことになってはスペック通りの稼働時間しか発揮できないだろう】
「新型!?」
【叫んだ次の瞬間には、左腕に当たる部位が存在せず、右腕の肘から先がカタナを思わせる反りのある振動刃を肩に担いでいたインベイドが、高速移動でスクルドへ一閃を放つ】
【そして、叫ぶと同時に後方宙返りしていたスクルドを捉えることはできず、サマーソルトキックの要領で放たれた足先のビームによって胴体から頭にかけて裂かれた】
「なんて踏み込みだ……後方部隊への接近を許せば大きな被害が出るぞ」
【着地はしない。前傾姿勢に戻り群れへと突き進む。腕部一体型サーベルがアイドリングする】
「ひとまず生きて帰らねばな……!」
【蒼の粒子が煌めいた】 - 117ノイン◆fDey8JUvvk25/06/21(土) 23:54:17
(3/3)
『依頼お疲れさまでした………そ、その……』
「申し訳ありません。あまり奥まで調査することは不可能でした。」
『被弾は……?』
「投射機級のビーム射撃へ反応が遅れ、表面装甲に少々削れが。メンテナンスの必要があります。」
【オペレーターはそれだけなのかと絶句しそうになるが、代わりとばかりに質問が口をつく】
『つかぬことをお伺いしますが、もう少し仕事は選べたはずでは……?』
「……高級なものが、すなわち良いとは限りません。」
「ガーリックとオリーブオイル、赤唐辛子のパスタが至高であるように。」
『はい?』
「私はマルガリータ・ペペロンチーノ。世界中のペペロンチーノを味わうのが生きがいなのです。」
『………』
「失礼。ペペロンチーノをご存じでなければ調理も含めてご紹介いたしますが……」
【報酬は無事振り込まれたが、ペペロンチーノの紹介は断られたそうな】 - 118シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/22(日) 07:57:03
『イラストリア少尉、フライトが予定より遅いようですが、何か?』
オペレーターから通信が入った。
「例の特務大佐と少し会話を」
『どうでした?』
「...まあ意思疎通ができないほどの世間知らずというよりは、含ませた言葉選びのせいで多大な誤解を招くって感じですね。」
『擁護でもするのですか?』
「まさか⁈あんなのを守ってもアルテミスに迷惑しか掛からないですよ‼」
『....あまり入り込みすぎないように。リストにはまだ仮想敵として登録しておりますので。』
「わかってますよ。指示があれば後ろから。ですもんね?」
『反徒の始末などあなたにやってほしくないので個人的には介入してでも止めたいですね。』
「釘は刺したからないとは思いますけど…それは彼次第…ですかねぇ」
『クロノスが国をわざわざ残している理由を正しく理解してくれれば彼は成長するのですが...あ、イラストリア少尉、本日の慰安官はどなたにします?』
「...慰安は要らない。休みたいんだ。」
『わかりました、手配はキャンセルしておきます。』
「すいません…ありがとうございます。」
『...お疲れ様。通信終了。』
通信が切れた後、大きくため息をつく。
「アルテミスは貴方の考えてるほどキラキラしていなんだ、大佐。」
シンカイは一人呟いた。
- 119レイナード◆PPyRfvMZl625/06/22(日) 09:55:33
(なんだ、この騒ぎは?)
【レイナード・ハルト少佐は困惑していた、堅牢な自動ロックに阻まれた扉の向こうから漏れ聞こえる喧噪は、彼の理解の範疇から逸脱した、言葉を選ばなければ莫迦騒ぎであった】
【情報システム課、と言えば、高度に形態化されたクロノス・インダストリーにあってその心臓とも言えるあらゆるデータが集積される血液の匣である、例えばそれは各地の戦場で観測されたインベイドの生態に関する情報であるとか、試作されたBFの実戦記録であるとか、常に流動的な各種部隊の運用報告であるとか】
【そうしたデータバンクはクロノスの躍進を支えた要因の重大な一つであり、当然、それに関わる人間には誰よりも優れた能力こそが求められる、謂わば、エリート集団だ】
【その、筈だ】
「……ぅっ……」
【────────────いや、レイナードとてこの場を訪れるのは初めてのことではない、ここに集う人間達が事実として優秀であることはきちんと理解している、理解した上で……それ以前にあまりに癖の強い空気には面食らうことの方が多いのだ】
(分かっている、分かっているさ、今のはつまり、自分達の構築したセキュリティシステムが問題無く働いているかを試すデバッグ作業の一環の様なものだ)
・・・・・・・・・・・・・
【決して、決して、……クロノスの心臓で遊んでいる訳ではない筈だ】
「ふーーーーーーっ……」
【深く深く呼吸をして、扉横の端末に社員証を翳しロックを外す傍ら肩を落とすその姿からは、軍部の佐官にまで上り詰めたエリートらしい覇気は微塵も感じられなかった】
- 120◆Fd5AlHEdkk25/06/22(日) 14:34:29
【さて、祭りが終わったら、後は片付けの時間だ。先ほどまでの乱痴気騒ぎで生じた興奮を鎮め、シームレスに仕事人の顔に戻った者たちは、各々の職務を務めはじめる】
【外でロックが外れた頃には全員が所定の位置に付き、静かなモーター音を伴って扉が開けば、訪問者の眼には真面目な姿勢でキーボードを打つ社員達の姿が映ることだろう】
「はい、CNS課です。ご用件をどうぞ。……プロジェクターが不調?わかりました、すぐ向かいます」
【一人の男性社員がノートパソコンを抱え、レイナードへ会釈してから、入れ違いに廊下へ出ていく。その空いた席の隣では、側頭部に蓮の花をあしらった女性が手を挙げて上司を呼んでいた】
「セキュリティ復旧終わりました。これ、改善点と、改修した部分のレポートです」
「はいよ。……うん、今回も良い出来だな。ただ、改修はセキュリティ課の仕事だから、あまり取るなよ」
「片手間で済む範囲にしか手は出してませんよ。重要な部分はあちらに任せます」
【オブラートに包んではいるが、要は時間が掛かる部分だけを投げたのだ】
【この部下にとって、プログラムの改修はジグソーパズルの穴埋めも同然であることを、彼はよく知っている】
【なんなら本人が言っていた。『他陣営のサーバーがA4パズルなら、クロノスのメインサーバーはB1パズル』らしい】
【それを聞かされたセキュリティ課の主任は、ちょっと何言ってるか分からないという顔をしていた】
「……うん、そうか……って、レイナード少佐!」
「え、レイナード少佐!?」
【柔らかな苦笑が似合う上司と、その原因である部下が異なる表情でレイナードを見る】
【片方は気まずそうな汗を垂らし、片方は星型にデザインされた瞳孔をキラキラと輝かせて】
- 121レイナード◆PPyRfvMZl625/06/22(日) 15:06:53
・・・・
「今日も賑やかだな情報システム課、管理状況は良好な様で何よりだ」
【嫌味も混じり、だが強ち本心では無いとも言い切れない、彼らが余裕を持って職務に当たれる状況は冷静になって考えれば悪いことでは無いのだ】
【とはいえ余裕の持ち方には多少考えて欲しいことが無くもない、眉間の皺を指先で伸ばしながら、溜息と共に吐いた】
「だがくれぐれも、扱いには気を付けてくれ、ここにはコロニー住民の個人情報だって登録されているんだからな。
・・・・・・・・・・・
まぁ、俺の様な部外者に言われなくとも理解はしているとは思うんだが……」
【情報管理については間違いなく己よりもプロフェッショナル、門外漢に口出しをされるまでは無いだろうが、と】
【小脇に抱えたファイルに挟んだUSBを引き出しながらぼやいた】
「中東戦域の小隊運用データだ、識別番号は二百三十四から二百四十二まで、纏めて上に挙げておいてくれ」
- 122名前未定◆XGxCas/OAU25/06/22(日) 16:37:22
(…どんだけお腹空いてたんだ…?かなり疲れてるのかな…?だとすれば少々悪いことしたな…)
【麺を咥えたまま、声には出ないタイプの驚嘆の声が心の中に流れる。】
【少し遅れて男が自身の頼んだものを食べ終わった。】
「ふぅ。やっぱりここのが一番旨いね。おっちゃん、勘定!」
「はい、じゃあ(日本円で150円×2ぐらいの金額)ね。」
【それから少し間を開けて、男が財布から小銭を出して店主に渡す。】
「…よし、ちょうどピッタリ。…あ、それとお嬢ちゃん、これ。」
【店主がアネットの前にタッパーを置く。中で濃い茶色の液体に幾つかの味玉が浮いていた】
「持っていきな。それなら片手間で食えるだろうし。そのタッパーは返さんでいいよ。」
- 123二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 16:41:38
このレスは削除されています
- 124リンゼイ◆Fd5AlHEdkk25/06/22(日) 17:39:30
「いえ、確と胸に刻んでおきます。『初心、忘れるべからず』ですからね」
【差し出されたUSBを受け取り、丁重に抱えていたファイルへレポートと一緒に仕舞いながら、情報部部長のジム・アンドレはレイナードの言葉に頷いた】
【この祭りは個人情報を始めとした重要データを、あらかじめ予備のメインサーバーに丸ごと移動させてから開催される】
【また、移動時は専用保護システム《Aigis》によって守られるため、生半可な情報屋が覗こうものなら即座に発狂死だ】
「リンゼイ、たしか休憩時間だったよな。お見送りを頼む」
「わかりました。少佐、短い間ですが、お供しますね」
【しかし、何事にも例外は存在する。今、二人の間で恭しく立ち上がった部下……リンゼイがそうだ】
【齢17で引き抜かれた、根っからのハッカー。そして若干20で《Aigis》を開発した天才プログラマー】
【彼女と類似した才能を持つ者が相手なら、抜き取られかねない】
【おまけに最近は例の誘拐事件のせいで、G-3で橋が架けられるかと思われていた二陣営の溝が更に離れた。気を引き締めるに越したことは無いのだ】
【大拙なことを改めて気づかせてくれたレイナードに、ジムは感謝を込めた敬礼をすると、自分の仕事をこなすために席へ向かった】
- 125二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 17:40:58
このレスは削除されています
- 126アラウンド◆fDey8JUvvk25/06/22(日) 18:53:20
「金龍大佐。」
【貴方が聞き取れるギリギリの範囲から声が聞こえてくる。足音もだ】
「今、お時間ございますか?印象改善及びこれからの身の振り方について少々ご提案いたしたく。」
【足音が近づく。ベランダの出入り口の前で止まった】
「アラウンドです」 - 127ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/22(日) 18:59:42
- 128アラウンド◆fDey8JUvvk25/06/22(日) 19:07:03
- 129ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/22(日) 19:14:25
- 130アラウンド◆fDey8JUvvk25/06/22(日) 19:36:22
【洗面器とコップが用意されるのを待ち、一息入れて話し始める】
「まず、コネで成り上がったと揶揄されるのを防ぐべく大佐らしい言行を身につけてはいかがでしょう。」
「人前に出る際は今の私みたいに常にスーツか、軍服をお召しになり、直属の部下以外と話される際は敬語を用いることです。」
「今の大佐に対する大半のクロノスの方々の視点は、喩えるなら『自軍で爆発するかもしれないミサイル』だと思われます。」
「戦果自体は確かにあるが、近寄りたくない。願わくば配備されなくなって欲しい。そういう扱い辛い存在ですね。」
【この自称参謀、陳言こそが自らの存在価値だと確信しているのか瞬きせず淡々と語る】
「ですから、安全装置がきちんと装備されていることを、態度で示す必要がございます。過剰なほどに。」
「まず、ここまで奉ります。」
【一旦区切った】
- 131ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/22(日) 20:01:30
- 132一つの終端◆OXAm1h6odk25/06/22(日) 20:11:47
「──────────── ローラシア・ウォート上級中将」
【暗い地下牢で、その男は一人の人間の名前を口にしている。憎悪を込めた呟き。或いは弾劾する様な調子の言葉を吐き捨てた】
・・・・・・・・・・・・・・
「失敗は断じてあってはならない、だと?」
・・・・・・・・
【失敗しただろうが、と男は憎々しげに言葉を口にした。甚大な損害だった。得られた戦果と比較した時に、“釣り合う”とは思えない消耗だった】
【機体-スレイガン-は再生産されるから問題ない?阿保か。人命が『最も高価な部品』なのだ。歴戦のエースを育成するのにどれだけの費用と時間と戦場が必要になる?育成する間にどれだけインベイドが進化する】
「無能め、無能め、無能め、無能めッ!!!断じて許し難い愚行だ…………ッ!」
【G-3コロニー奪還戦とは違う前提条件だ。時間が限られていた訳ではない。クロノス軍は『攻める』側だったのだ。準備を整えられた。敵の脅威を事前に予測し、戦術パターンを組み上げられた】
・・・・・・・・・・
【その上でこの損害だと?情報不足が原因だとしても、其れはつまり『敵を過小評価した』か『慎重さが足りなかった』という事だろうが】
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「何が故郷の大地をもう一度踏みしめる為に、だ」
【彼の同期は死んだ。再び生まれ故郷の極東列島の地を踏む事を願っていた男は、歩兵としてネストの攻略に付き合わされてラット『如き』に殺された】
【そんな死に方をして良い男ではなかった。故郷に帰る事を望む、平凡だが誠実な男だったのだ───だから、こんな裏切りを働いた】
【“今の”クロノスでは、“あんな”男に重要な作戦を任せる軍組織では、インベイドを駆逐するのは無理だと見限ったからだった】 - 133フィンセント◆5Q4kt6Q.kc25/06/22(日) 20:18:12
- 134アラウンド◆fDey8JUvvk25/06/22(日) 20:29:58
「恐れ入ります。継続してくださると、ご夫人のためにもなるかと存じます。」
【いけしゃあしゃあと他人の名を出し、それを理由にする】
「しかし、まず一つ訂正をいたします。大佐はつまはじきにされているのではありません。」
「事実として──あなたは非常に恐れられております。」
「正体不明の行動役、それも人自連のトップエースという超重要人物を誘拐できるだけの能力もしくは数のある行動役を抱えられており、銃弾ごときでは殺せず、しかし貴方は瞬きする間に素手で人をトマトの様に殺傷することが可能です。能力から分析いたしますと、ね」
「大佐はお強いですが、その周りの皆様はどうです?仮に『突拍子もない行動をしがちだが能力と権力はあり』『超重要人物を誘拐できるだけの能力もしくは数のある行動役を抱えられており、銃弾ごときでは殺せず、しかし瞬きする間に素手で人をトマトの様に殺傷することが可能な相手』に会わせたいとお思いになりますか?」
【酷な事を聞く。だがこれを自分の口で答えてもらわなければ意味がない】
- 135一つの終端◆OXAm1h6odk25/06/22(日) 20:31:19
・・・・・・・
「───────「明星作戦」での上官殿の御働きをじっくり見させて貰ったからな」
【不遜に胸を張りながら、男はケッと吐き捨てた。強襲級すら討伐した経験のあるエース級パイロットとしてコロニーでの不自由ない暮らしを約束されながら裏切った理由が、其れだった】
・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・
「準備段階の、そのまた準備段階の、その更に準備段階だぞ?」
「惑星全体を解放する目標を果たす上で海洋を奪還する必要があり、その海洋を奪還する上で極東列島を奪還する必要があり、その極東列島を奪還する上で極東半島を奪還する必要があった───────断じて失敗は許されないだと?当然だ。前座も前座の作戦なんだからな」
・・・・・・・・
「其の失敗を許した。随分と“賢い”中将様だ。どうやらあのボロニアスでも後進の育成は苦手だった様だな?」
- 136フィンセント◆5Q4kt6Q.kc25/06/22(日) 20:47:59
『へぇー、成程成程....まとりあえず書き留めて....
成程ぉ?これは"反省の色無し"という事....?
それなら、ウフフッ、それならぁ....!
"仕事"に取り掛かって良いって事だぁ....!!!』
拷問官は社交辞令程度に言い分を書き取り
そのまま、だらんとしたニヤニヤ笑いで
縛られたパイロットへと這い寄ってくる
『じゃあ....ひとまず猿轡を噛ませてぇ....♪
ごめんなさい、って言いたくなったら、
首を全力でブンブン振って下さいねぇ....♡』
ガラガラと手で引き音を立てて持って来たのは、
手術用具やら何やらが沢山入ったセットであり
この先の未来を暗示するのに相応しい物品は
冷たい灯りを反射して、ギラギラと光っていた
- 137一つの終端◆OXAm1h6odk25/06/22(日) 20:54:51
- 138ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/22(日) 21:02:36
- 139フィンセント◆5Q4kt6Q.kc25/06/22(日) 21:09:24
『それじゃあまずはどうしましょう.....?
痛みには半端に我慢出来る訓練くらいは
やってそうですからねぇ────ンフフ♡
折角ならでも、やっぱり?派手なのが....♡』
取り出したのは、何やら細い器具だった
説明するなら歯医者が薬を歯にかける時に
使ってくる、先の細いアレに似ている
『今からぁ....貴方の指を一本ずつ、
液体窒素で凍らせて行きますよぉ....?
それをコレでこう!こう!!こう!!!
バッキーン!!!って砕いていきます....♡』
片方の手には何の変哲もない金槌がある
そして間髪入れず、親指へ器具を合わせて
ブシューーッ!!!と液体窒素が噴射され、
瞬く間にパイロットの親指は凍ってしまった
『──────よいしょお!!!』
バキッ、と思ったより普通の音を立てて
第二関節からポロッと親指が剥がれ落ちる
まだ凍っているから出血は無いのだが、
解凍が進んだら大量出血は免れないだろう
そしてご丁寧に指を目の前に並べ、再び問う
『何処の誰に情報を渡そうとしましたか?
すぐ言わないと、失血しちゃいますよぉ....♡』
- 140アネット◆j28rRKKOSY25/06/22(日) 21:18:29
【差し出されたタッパーに目を丸くする、一見の客へのサービスにしては過剰とも言える、再び顔を出した疑惑の念を頭を振って掻き消すと支払いの為に肩掛けしたカバンから財布を取り出す】
「これでお願いします、少し多いですが卵の分も……あっ!」
【年季の入った古い財布から札を取り出そうとした瞬間、口が開いたまま閉じなくなっていたカード入れ部分から一枚の名刺が零れ落ちる、使われる事無く死蔵されていたそれを空中で掴み取るとポケットに仕舞い込む】
「あはは……すいません……」
(見られた?私の名刺……)
【愛想笑いで誤魔化しながら出来るだけ平静を装って代金には少し多い額の札をテーブルに置く、一瞬の出来事ではあったがある程度目の良いパイロットなら名刺に描かれていた彼女のエンブレムを見逃さないだろう】
- 141一つの終端◆OXAm1h6odk25/06/22(日) 21:19:25
- 142アラウンド◆fDey8JUvvk25/06/22(日) 21:26:37
「人生経験ですよ、大佐。これが"大人のやり方"というものです。」
【特に調子は変わらず、しかし最低限のジョークには乗る】
【又そうやって茶化す、と目くじらでも立てればそれこそ"大人げない"ことだろう】
「しかし……そういう元気があるということは、もう少し追い込む余裕はありそうですね。」
「大佐。貴方は自分がコネでその位置についた、貴方の言葉で言うなら『ボンボンのお坊ちゃま』という自覚をお持ちでしょう。」
【しかし、マジレス攻撃は続く】
「甘えないで頂きたい。特務"大佐"なのです。貴方は。生まれ、事情、そんな物に関係なく……大佐という階級は大佐という階級なのですよ。」
「恵まれて育った分周りにもそれを分けてやる?父親としては素晴らしいと少将も仰るでしょう。」
「軍人としては落第です、貴方は!!そんなこと言われなくても分かってるよみたいな顔は禁止!!」
【クワッ、と引き締まり、微妙にフワフワした言葉で詰める】
「貴官はコネでのし上がったお坊ちゃまではなく、500万殺しでゴモラ落としの、クロノスの大佐でしょう。」
【そして、事実を羅列する。自覚を促すために】
「じゃあどうしろと言いますと、まず初対面の相手に軽妙なトークは禁止です。格下だろうと。礼儀正しいコミュニケーションをしようとしなさい。メビさんなんか完璧ですよ。」
【もちろん初歩の初歩として一例を示すのも忘れない】
- 143フィンセント◆5Q4kt6Q.kc25/06/22(日) 21:31:24
- 144レイナード◆PPyRfvMZl625/06/22(日) 21:33:12
【来た時だって一人だ、見送りが必要な環境でもない、だから情報システム課を後にして、帰りの廊下を進む間も特段こちらから会話を振ることは無い】
・・ ・・・・
【いや、出来ない、パンクスタイルの彼女を傍らに置いたレイナードの胸中には得も言われぬ居心地の悪さが渦巻いていた】
(二人きりで俺に何を話そうと言うのだ……!)
【そもそも普段の繋がりがあまり無い、会話を交わしたことなど仕事に必要な時に簡単に、こちらが現場で得た情報などはデータにして渡すのだからわざわざ言葉にするまでもなく、かと言って自分は情報管理については、専門的な話など不可能だ】
【現場の人間と後方支援の人間、共通の話題と言える話題が全くもって思い浮かばず、故に道中】
【レイナードはずっと眉間に皺を寄せたまま、小難しい表情で階下へと降るエレベーターに乗って】
「……はぁ、まったく、折角の休憩時間だろうに。
俺の様なつまらん人間に付き添う必要など無いんだ、暇があるなら、心身を休ませることにその時間を使うのが良い」
【ゆっくりと落ちる二人きりの密室、溜息と同時にようやく破った沈黙は、世間話とも呼べないボヤき】
「悪いな、着いたら俺一人降ろして良い、自分の時間に戻るんだ」
- 145ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/22(日) 21:38:36
- 146一つの終端◆OXAm1h6odk25/06/22(日) 21:43:01
【─────────パイロットの眦が歪む。コレで医療器具を忘れるような間抜けなら、一定時間を耐えれば失血死で死に逃げ出来たろうに】
【クロノスにとっては幸運な事に、或いはその男にとっては不運な事に残虐な“だけの”無能ではない様だ】
(上等だ)
【また新たに指を凍結されて、再び砕かれる。筆舌に尽くし難い苦悶が脳神経を駆け巡る。激痛。脳髄に針を差し込んだかの如き痛み】
・・
【───────だが、其れは単発の痛みだ。同じ指を再び凍結して砕くのは不可能だ。手足合わせて二十回。回数には限りがある】
・・・・・
【指の隙間に細針を差し込む様な、使い回せる痛みではない。目標が明確に定まっているのならば、男はまだ耐えられる】
(そうだ。こんな痛みじゃない筈だ。生きながらにインベイドに喰われる痛みは、この程度で済む訳がない……………ッ!)
【使命を果たし、夢を諦め『させられた』友人の顔を思い出す。憎悪が再燃する。憤怒が心火を灯す。狂躁で苦痛を紛らわせる】
- 147アラウンド◆fDey8JUvvk25/06/22(日) 21:52:21
「ご理解、ありがとうございます」
【二人に、その通りだと礼をする】
「大佐。この問題、貴方の印象に関してですが短絡的な解決は不可能と考えております。」
「緩やかに、危険で独断専行しがちでボンボン仕草が拭いきれていない状態を払拭しましょう。まずはそこからです。」
【また事実。事実とはかくも残酷だ】
「……ですが、一つご提案もございます。」
【だから構想を語る】
「グリーン少将が、最近NA社と接近を試みていること、耳に入っているかもしれませんが……そこに大佐も1枚噛んでくださいませんか?」
「大華建人国──"その国家理念は所持している技術にも表されているように、資源を最大効率で使う事に関して他に類を見ない物となっている。"」
「"それもあって、大量の資源が用いられるBFを製造する場合は他企業などと比べてどうしても一歩劣るが、その潜在的素養を引き出す事に関してもまた上等とも言えよう。"─私の調査結果です。」
「しかし効率向上の技術は、やはり10を12にするより100を120にしたほうが"効率的"でしょう?」
「大華建人国の食料生産に関する技術をグリーン少将経由でNA社に流し、食料生産性のさらなる向上を図ります。」
「素晴らしい。500万のインベイドを滅ぼした男が今度は500万の飢えを満たす訳です……」
【これは事実ではない。仮定の話だ。けれどあからさまに囁いている】
「大佐は大華建人国の農業に関する技術をクロノスに再度献上くださればいい。あとはこちらで整えます。」
「……詳しいことは後程文章にて提出いたしましょう。メビさんの眼がお険しくなりました。」
【囁くだけ囁き、希望を見せるだけ見せて一度は引く。これが[駆け引き]であった】
- 148フィンセント◆5Q4kt6Q.kc25/06/22(日) 21:53:56
- 149アラウンド◆fDey8JUvvk25/06/22(日) 21:55:29
- 150一つの終端◆OXAm1h6odk25/06/22(日) 22:08:49
- 151名前未定◆XGxCas/OAU25/06/22(日) 22:17:26
- 152フィンセント◆5Q4kt6Q.kc25/06/22(日) 22:19:33
『あ、今...."死ぬ事が出来る....!"って
思いましたかぁ?駄目ですよぉ、まだ....』
腕に半ば強引に差し込んだ装置は、
義体手術に使う血液の循環装置であり
血が吹き出すのを防ぎ、循環させ
また静脈に戻す事が出来る優れものだ
....ただ。唯一の難点として
意識のある状態で使ってしまうと、
絶えず針で突き刺されるような痛みが
腕の傷全体を襲うという難点があった
『あぁ....っ♡真っ赤な血、溢れて....♡
ダメ、ダメぇ....♡興奮、しちゃうぅ....♡』
へたり込んで股座を抑える手は、
ぐぢょぐぢょと湿った音を立てていて
だらだらと涎が口の端から垂れていた
- 153ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/22(日) 22:44:20
- 154アラウンド◆fDey8JUvvk25/06/23(月) 06:50:38
- 155アネット◆j28rRKKOSY25/06/23(月) 08:49:33
「名刺ですか……?わざわざ名乗る程の企業では無い……ですよ」
【痛恨のミスだ、先程の会話から彼の職業は分かっていた、自分がパイロットという事が分かればそれを聞いてくるであろう事も】
(うぅ……どうしよう……)
【指名手配中の極悪犯罪者というわけでも無い以上逃走する理由も無い、デスペラードのパイロットなどありふれているのだから名刺を渡してしまうのが最も穏便な解決法だろう】
(これ以上お仕事が増えるのは嫌……)
【敵対勢力への襲撃に東へ西へ、護衛任務で北へ南へ、今の時点であちこちへと走り回らされているアネットの心は少しでも仕事が増える可能性は消しておきたいと訴えた】
「それに名前を聞くなら……まずはそちらから名乗るべき……じゃないですか?」
【だからこそせめてもの抵抗を選んだ】
- 156龍影◆9BZ6kXGcio25/06/23(月) 08:52:42
- 157ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/23(月) 09:17:31
- 158ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/23(月) 10:24:19
- 159龍影◆9BZ6kXGcio25/06/23(月) 12:42:45
- 160アラウンド◆fDey8JUvvk25/06/23(月) 12:50:12
- 161東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/06/23(月) 13:01:45
- 162ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/23(月) 13:07:05
- 163ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/23(月) 13:36:51
- 164クロウ◆KPwoT407kA25/06/23(月) 13:38:44
【その日。傭兵稼業を一通り済ませたクロウ・レッドフードは青天市街を散策していた】
色々なとこが支店出してる分、眺めてて飽きねぇよなぁ、ここ…
【今となっては根無し草のデスペラードだが、彼の両親はBF技師であった。企業の紡ぐ最新鋭の技術に目を光らせる程度の少年の心は未だ根付いており】
偵察特化BFか…中々思い切っちゃいるがオレの性には合わねぇかな
【ヴァルハラテックから先日ロールアウトされた新型量産機“レーヴァン”の広告を眺めぼやく。紅月以外に自分に合う機体は存在しないという自負からくる発言だが、辛辣な口ぶりに反してその口角は上がっていた】 - 165アラウンド◆fDey8JUvvk25/06/23(月) 13:44:02
- 166ソラウ◆5Q4kt6Q.kc25/06/23(月) 13:45:26
- 167クロウ◆KPwoT407kA25/06/23(月) 14:09:19
そんじゃそろそろ別企業の───────っ
【聞き覚えのある声、聞き覚えのある首筋の輝き、そして───────聞き覚えのある香り】
(ソラウ・ダビッドソン!?なんで青天市街に…まさかンな所でまた逢えるとは思わなかったが)
【“ハチミツ草”を直に嗅がなければ、多少の甘ったるさ程度では崩落しない筈の理性がいま、下腹部で崩れかけている】
(この状態で声掛けようだなんてどう考えても幻滅されるぞ…!?)
【このまま相手が気付かないようであればこちらもそう振舞ってやり過ごそうかとも考えた…が】
…なぁ、アンタ!
【マフラーで口元を隠して、声を掛ける事をクロウは選んだ。こうすればハチミツの匂いを遮断して隆起を回避できるし、あからさまな狼狽えの残った表情も悟られずに済む】
………こないだぶり、だな。オレだ。クロウだよ
【工夫を重ねて平静を装う。ここで見過ごせば本当にそれきりの縁になりそうで…それだけは、どうしても嫌だった】
- 168ソラウ◆5Q4kt6Q.kc25/06/23(月) 14:16:58
- 169クロウ◆KPwoT407kA25/06/23(月) 14:46:47
えっ?あー…その…クセってやつだ!
こうしてると気分が落ち着くんだよ!
【前半は嘘だ。気分の沈静化、という意味では現在進行形で大いに役立っているが普段からしょっちゅう顔を埋めている訳ではない。そもそもマフラーは、自律神経の崩壊に起因する低体温症対策の一環である】
人自連企業からの依頼を片付けてヒマしてたからちょっとな。探すっていうよりは、眺めてる
ミュールとかの企業統一前提のヤツだとそもそも“紅月”には合わねぇし…仕入れるとしたら他所になるが、向こうにゃ景観の良さってもんがねぇしよ
【他所というのは“スーク”やドーサー等の闇市場の事だ。デスペラードかつ実利を求めるのであればあれらの方が分がある…のだが、特にスークには依頼やBFのパーツ以外の“余計なもの”も多く目にするから居るだけで息が詰まるのだ】
ま、変装してるってことはそういう事か。仰せのままにっと
【どうやら名前で呼び止めないで正解だったようだ。最悪、他人のフリをされて流されるのではないか…というネガティブな考えを振り切れていなかったので、安心で緊張が緩む】
- 170ソラウ◆5Q4kt6Q.kc25/06/23(月) 14:59:13
- 171クロウ◆KPwoT407kA25/06/23(月) 15:30:07
あ…ああ。オレも特に予定がある訳じゃねぇし…付き合うよ
【マフラーに埋めた顔がより深くなる。至近距離では即興のマスクもあまり意味を成さなくなってきたが、どうしても其方に向かおうとしてしまう意識を理性でどうにか押し留める】
【あまり派手に動けないであろう彼女の為に、NA社のファーストフード支店で一旦距離を置きつつ2人分の注文を…などという企ては、魅力的な提案に掻き消される。ここで余計な気を回してしまうと彼女は蜃気楼のように消えてしまうのではないかと考えると、目を離すことすらできなかった】
(って何考えてんだ、話すだけ、話すだけ…!)
【顔を隠した不審者2人組で街中を歩くのは却って怪しまれるし、実際この提案は有難い。が…】
で、肝心の場所はどうすんだ?アンタが聞き耳立てられない所に心当たりがあるって言うんならそっちに合わせるが…
【人自連側にとっても色々と“都合がいい”からか、その手のスポットが幾らか存在する事についてはクロウの知るところでもある。だが彼女とてデスペラードだ。事情の理解に乏しいこちら側からは最低限の助け舟を出して様子を伺う事が最適解だろう】
- 172潜れない睡魔◆xZJxX8ZGsA25/06/23(月) 15:43:21
(1/2)
【正午は既に遠く、しかし日暮れにも早い頃。昼食を終えた者は仕事と向き合い、それぞれに与えられたタスクを消化する。企業勤めとはそういうものであり、生涯から労働を切り離せない生き物、そのはずだが───】
「…はぁぁ……」
【使用者を大ロッカールームに取られ、存在意義を見失った小ロッカールーム。存在しながらに無いもの扱いをされる忘れられた一室で、大きなため息が一つ】
【ロビーベンチの硬いクッションに横たわり、天井を仰ぐのは、言わずとしれた小さなサボり魔。一人の女性としても、企業戦士としても、落第点は確実なだらけきった姿は、その渾名に相応しいだけの所以だろう】
【しかしそれを咎められないのは、彼女が与えられた仕事を過不足なくこなしている為であり、少なくない妬心もまた、その仇名を呼ぶ者達にはあるのかもしれない】
「や〜っぱダメだ〜…」
【くぁ、と大きく口をあけて欠伸をすると、眠気に抗うように瞼を擦る。それはいつも通りの所作だが、しかし要因に関して言えば、いつも通りとはやや異なる】
「なぁんで、眠いのかな〜…」
【意図しない睡魔の蓄積。いくら横になっていても、それが拭いきれず、頭を霞のように覆っている】
【以前ならば、眠気を自覚してから二時間も意識を閉ざせればそれで十分だったはずだ。そして睡眠時間を増やそうにも、長くても四時間もすれば意識が覚醒してしまい、一度目覚めれば二度寝は絶望的。睡魔だけは確かにあるのに、意識が一向に落ちてくれない】 - 173潜れない睡魔◆xZJxX8ZGsA25/06/23(月) 15:44:24
(2/2)
【それに対する例外は二つ。一つは気絶だ。疲労感の兆候を感じた時、たとえそこに眠気が無くとも、栄養ドリンクによって疲労を緩和しても、しばらくすると意識が突然ブラックアウトした経験が、ユスラには何度かある。その時は決まって、七時間から十時間ほどが経過してしまっていた】
【そしてもう一つは、先日のこと。ベッドに放り込まれ、エリナによって半ば強制的に寝かしつけられた時だ】
【寝ようとしても眠れない今とは真逆に、起きようとしても眠ってしまったあの日】
【泥濘に足を取られ沈むように抗えず、深海で窒息するように意識を保っていられなかった。けれども不快感はなく、彼女からは柔らかい蠱惑的な香りがして、押し付けられた身体もふわふわであったかくて───】
(これじゃ思想のセクハラだよぅッッ!!!)
【ガン、と。ユスラは自らの額を殴りつける】
【侵攻以前から生きるユスラは、昨今の情勢にやや適応しきれていない部分がある。“考えただけでセクハラ”という前時代に煮詰まっていた思想警察のような言葉を知っているのも、その理由のひとつなのだろう】
【そうして悶々とした心地を抱えてしまったサボり魔は、眠るのを諦めて起き上がる。欠伸を噛み殺してヘッドホンをつけた彼女は、ひっそりと端末を立ち上げて】
サ ボ り
【管轄外の業務を始めるのだった】 - 174ソラウ◆5Q4kt6Q.kc25/06/23(月) 16:00:56
- 175クロウ◆KPwoT407kA25/06/23(月) 16:44:32
あっ、はい!
【身体を寄せられたことで少々上擦った声になりながら答える。どうやら“どこで落ち着けるか”の選択の猶予は貰えたようだ】
(…って初デートなのはオレもなんだが!?ノープランだぞ!?きゅ、及第点ってなんだ…なっ…何をどうしたら!?)
【ありもしない甲斐性を見せようとして墓穴を掘りかけた事を少し後悔しながら】
とっ、とりあえずここに向かおう!
【端末のマップをソラウに見せる…ただのデートならいざ知らず、彼女の事情を考慮すると今回向かえるのは“都合のいいエリア”限定。目の動きは明らかに焦っており…その焦る様は狼と言うより犬…というより小動物のようであった】
【クロウがどうにか知恵を搾って指したのは喫茶店。一見何の変哲もないが個室制でプライベート性が高く、クロウもアングラな依頼を聞く際に時折世話になっている施設である。ある程度の飲み物のメニューは揃っているし、オーダーすれば紙製の漫画書物も借りられるらしい】
【…お察しの通り、ムードなんて欠片もないが】
(話すだけ、話すだけ、話すだけ…!)
【少々ぎこちない動きで足早に喫茶店へ向かう。その隣で此方のエスコートに期待を寄せる少女に対して緊張を続ける少年は…そこが別の意味でも“都合が良い”事に、未だ気がついていなかった】
- 176二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 16:56:17
このレスは削除されています
- 177リンゼイ◆Fd5AlHEdkk25/06/23(月) 17:07:00
【一方から発せられる気まずい沈黙を挟みながら、リンゼイは悩ましげな表情で隣を歩く男をじっと見ていた】
【癖なくまとめられたオールバック、皺一つ寄っていない軍服、冴え冴えとした蒼い目。全体的に隙を感じさせない人だな。というのが感想だった】
【生じる足音さえ、規則正しく響いているように聞こえるのは、さすがに気のせいだろうか】
(……ネットでファンアートがたくさん描かれそうなキャラだな〜)
【30人が乗っても余裕のある、2人ではいささか広すぎるエレベーターの中でかけられた言葉に、ゲーミングな頭は失礼な感想を述べる】
【しかし、優秀な義体は品の良い微笑を浮かべ、上手に態度を取り繕った】
「つまらない?いいえ、全く。私、少佐には興味があるんです。何せ、お世話になっている人がお世話になっている人ですもの」
【宇宙からの恐怖に怯えて竦むばかりだった自分を、隅っこの影から手を引いて剥がしてくれた恩人が、確かな信頼を寄せて、後を任せられると言う相手】
【食卓を挟んだ彼の口からレイナードの名があげられるたびに、話してみたい、会ってみたいという好奇心が沸いていた】
【そのため、今回の見送りは願ってもないことだったのだ。だから、気を遣わなくても大丈夫ですよと言外に仄めかす】
- 178ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/23(月) 17:29:47
だったら……その気持ちで子供の腹は膨れても、その他大勢の腹はどうなるのかな?
【白いリクライニングチェアから立ち上がり、リビングへのドアを前にして、青空とアラウンドに背を向ける】
俺には今、もてなそうとするつもりは無い
アラウンドちゃんのアイデアは良いけど、先までの説明で俺が把握できるのは量だけ
質も保証できなけりゃ、頭数の無い家畜の餌になっちまうのがオチさ
【金龍は振り向き、一点を見つめるその眼を、彼女の輝く翠色の義眼に合わせた】
まぁ聞き方が悪かったのはすまなかったし、だから改めて言わせてもらおう……
(こういう時にも義体って触れ辛い物だから、ロマンあるけどあまり熱中できねぇんだが……)
君のその身体、何だかんだ言ってハイグレードなんだろう?
今から料理ではなく、プチトマト、マンゴー、そしてその他諸々、生野菜とか果物を用意するから、それ食って意見を聞かせてくれ
大衆にウケるかどうかのな
- 179アラウンド◆fDey8JUvvk25/06/23(月) 18:05:28
【瞳孔の収縮のように義眼のレンズがキュイ、と絞られ、そして広がる】
「……思考にバイアスがかかっており、また歓待されるのだと決めつけておりました。申し訳ありません。」
【先ずは深く頭を下げる】
「そういうことでしたら、試食、承りました。味覚が存在していないわけではございませんので。」
【頭を上げ、己の過ちを悔い、そして申し出を受ける】
「ただ、その。『その気持ちで子供の腹は膨れても、その他大勢の腹はどうなるのか』というのはどういう意味でしょうか?私が気持ちだけで十分と申し上げたのは私に対する食事をお断りするためなのですが、子供のお腹に話が波及される理由がいまひとつ分りません。」
「私の主張といたしましては、私より子供を優先しろ、というものですが……」
「……もしかして、『子供たちに食料を送るより先にそれが美味しいかどうか確認して、その他大勢が美味しく食べられるのを確認してくれ、それが大勢のお腹を満たすことにつながる』、と解釈すればよろしいのでしょうか?」
【控え目に伺う。しかし誤解したまま終わる、ということこそ参謀としてあるまじき行為である、と追及する】
- 180レイナード◆PPyRfvMZl625/06/23(月) 18:50:42
「……エイダン部長か、アレもそうだが、優秀な個人の勝手な行動にはいつも辟易させられているんだ。
兵士としては、まぁ……戦力になるから良いが」
【底から絞り出した様な声には複雑な心情が滲み出ていた、奔放な同僚へのうんざりとした悪感情と、そんな同僚からの心からの信頼を悟った、何処か、誰かを真っ向から憎みきることの出来ない生真面目さ】
【高層階から滑り落ちる静けさの匣の中で、レイナードは己の心の置き場も分からぬ様子で、両手を包み込む黒い布地の皺を伸ばす様に手遊んだ】
・・ ・・ ・・
「……こんな世で、より多くの人間を守る為に必要なものは強さ、そしてそれ以上の規律と信頼だ。
そういった点に於いて現在のクロノス・インダストリーは他のどの陣営よりも優れたものを持っていると言える。
だがそれを維持するには、何者にも乱されない高度なシステムが必要なんだ、一人の人間の逸脱した行動が組織というシステムを乱しては意味がない」
【レイナード・ハルトという男は、完成されたシステムの信奉者にして、何者の影響も受けず常に一定の成果を吐き出し続ける歯車の様な公務員であった、組織の一部として働くことに異を唱えず、それこそが世界をインベイドが襲い来る以前の元に戻す為の最善策であると信じている】
・・・・・・
「と、こういうことをあまり口煩く、表立って言っているとな、まったく人間の感情というものからは恨みを買う。
知っているだろう、俺はあまり部下からの評判が良い上司じゃない」
【だがそれでいて、あくまでも人間的な感性を失うことが出来ない、提出されるゴミ袋に積み重なった空いた薬瓶の数々が、彼が完全に理性のみで己の感情を制御出来る訳ではない、未完成な人間であることを同時に示している】
【そう、人間関係というのが、目下彼の悩みの一端であり】
・・・・・・・・・・・・・
「俺の下で戦うと出世が遅れるそうだ、まったく、新兵の教育制度ももう少し見直すべきだな」
- 181ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/23(月) 18:53:01
- 182ソラウ◆5Q4kt6Q.kc25/06/23(月) 20:18:42
- 183クロウ◆KPwoT407kA25/06/23(月) 20:41:52
(好感触だけどこれ以上どうしろって言うんだぁぁぁ……ッ!!)
あ、じゃあ、こいつ…
【そう言って取り出したのは、この喫茶店に入る途中で買っておいた小包。揚げたポテトの匂いと共に中から取り出したのはハンバーガーやフライドポテトなどのジャンクフードだ。モバイルオーダーであれば事前に注文して店に来て受け取るだけでいいのでお忍び中の彼女を危険に晒さず手軽に受け取れるという訳である】
個室制だからこういう他所の店からの持ち込みも融通が効くんだよココ。ほい、アンタの分だ
【なるべく飽きさせない為に短い時間で可能な限りの注文をしておいたのでそうそうジャンクフードが無くなる危険性はない…と願いながら、フライドポテトを1つ、ひょいっと取って口に放り込む】
(…って、そんな事しに来たんじゃねぇだろオレ…!!!何か話、何か話……!)
【…ちなみに、個室に入った時点でマフラーに顔を埋める事は辞めている】
【座って猫背で屈めば屹立にも気付かれにくいだろうという判断だ。公衆の面前という社会的な死を伴う場面では手放せなかったが、なんだかんだ密室空間故にクロウもガードが甘くなっていた】
- 184ソラウ◆5Q4kt6Q.kc25/06/23(月) 21:00:44
- 185クロウ◆KPwoT407kA25/06/23(月) 21:23:14
(ウソだろもう無くなった!?どうする…会話デッキもまだ纏めきれて………)
【ソラウに失望されないように思考を巡らせている最中であろうと、容赦なく壁際に追い詰められる。いよいよ不審な様子を悟られてしまったが、ここで姿勢を正してしまえばきっと引かれ───────】
(…………あ)
【そこまで辿り着いて、ようやくここが“密室”ということに考えが至る。同時に…デスペラードや人自連がやんごとない密談を行う為にプライベートが厳守される場所であるということも】
…サイテーの人間だよ。オレは
【観念したように、腰をソファにもたれかからせてズボンの盛り上がりを顕にする。この際引かれた所でだ。きっと彼女は…】
あの夜の事がどうしても頭から離れなくて、もう一度…アンタとあんな風になれたらいいな、なんて事考えながら声をかけたなんて言ったら───────
引くだろ。そんな節操なく発情するような奴…
【承知の上で入ってくれたであろうと。バツの悪そうな表情で少しだけ欲を出すことにした】
- 186ソラウ◆5Q4kt6Q.kc25/06/23(月) 21:36:45
- 187アラウンド◆fDey8JUvvk25/06/23(月) 21:41:09
「承知しました。待機しております。」
【得心のいった調子で質問を終了し、よくできた犬のようにその場で待機を選んだ】
【仮にメビに案内されればその通りに従うだろう】
【その内心に特別なものはない。臣下の礼を尽くすのみである】
- 188クロウ◆KPwoT407kA25/06/23(月) 22:28:30
なっ…!?
【劣情をあっさりと肯定され、鳩が豆鉄砲を食らったような表情になる。酒の勢いで抱いてしまったあの夜の事は…自分はともかく、彼女はてっきり無かった事にするだろうとばかり思っていたので、それが意外だったらしい】
…ハチミツ草、アレから食えなくなったんだよ。“こうなる”から
【そう言って下半身を指差す。布地をはち切らんとばかりに屹立したそれは、蜂蜜の香りの錯覚でで更なる膨らみを見せようとし、正直痛い】
親父とおふくろとの思い出が、アンタとの一晩で一瞬で塗り替えられたんだ…ああクソッ!大人気ないと思って黙っていようと思ったのによ…!
…決めた。アンタが止めるつもりがないならオレは幾らでも調子づいてやる
【そう言って、ズボンのベルトへと手を掛け───────】
密室の狼と鴉R-18(G)パート⚠️注意事項⚠️
・ベッドシーン(または過激なゴアシーン)が苦手な方は閲覧しないでください!
・本文章はエロ(グロ)を多分に含み、場合によってはキャラ崩壊が起きます。
・行為のシーンは必ずしも閲覧者の望み通りに行かない場合があります。
――――
【───────そのままズボンをパンツごと下ろし、脈打つ怒張を顕にした】
…フェラってやつをやってくれよ。口でやるとどう変わるのか、少し…気になる
【未だ気恥しさは消えないが、もう欲望は止まらない。止められる筈がなかった】x.gd - 189ソラウ◆5Q4kt6Q.kc25/06/23(月) 22:58:05
- 190クロウ◆KPwoT407kA25/06/23(月) 23:47:40
- 191クロウ◆KPwoT407kA25/06/24(火) 00:25:37
- 192龍影◆9BZ6kXGcio25/06/24(火) 14:07:20
- 193ソラウ◆5Q4kt6Q.kc25/06/24(火) 21:26:34
- 194東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/06/24(火) 21:46:42
- 195クロウ◆KPwoT407kA25/06/24(火) 22:11:41
- 196二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 23:13:17
このレスは削除されています
- 197ベルリ◆EY2wfgakAQ25/06/24(火) 23:15:40
「高度六千三百...有視界良好。」
パイロットは一切の誇張がされていないカメラ映像を映す棺桶型座席で広い空を眺めていた。
【機体計器からの警告音】
「ん?ヘッドオン...不明機か?これなら120秒後に交差軌道...って加速した⁈」
【IFF UNKNOWN】
ドュオは機体を滑らす様に流して不明機の正面から逸れる。
『Attention.This is airspace owned by KronosIndustries. We request that you leave the airspace immediately.』(ここはクロノスインダストリー所有の空域である。即時空域からの離脱を求む。)
警告を出してきた機体は高度を上げる。ドュオのケツを取るつもりだろう。
「おいおい!やる気かよ!」
ヘルメットのバイザーを閉じて戦闘に備えた。
【被ロックオン警報】
「くそっ!FCSアンロック、エンゲージ!」
ガクンとコックピットが揺れて翼の先端で白線を引いて大回りしながらドュオは敵戦闘機を振り切る軌道を取る。
だがロックオンは途切れない。
『FCSをロックしろ。戦闘はしたくない。』
もう一機が頭を押さえてきた。ドュオは観念したのか速度を落として高度を下げる。
「...スタンドオフ。」
直後、戦闘機がBFになりながら不明機の後ろをとった。
「一つ!」
86mmリニアライフルで主翼をたたき折る。
もう一機はアフターバーナーを炊いて逃げようとしたが、ドュオの構える20mmガトリング砲の掃射をもろに受けた為、真っ黒な煙を吐きながら高度を落とした。
「どう考えても今のはクロノス機だろ...」
ただ不思議がるしかなかった。 - 198名前未定◆XGxCas/OAU25/06/25(水) 01:36:16
「俺の名前?」
(…ずかずかとこっちから聞いたんだし、言うのが筋か。それに名前なんて言っても大丈夫だろう。世界中に2~3人は同じ名前の人がいるって親父も言ってたし。)
「『グッドスピード・カロ』…カロが名字。そっちは?」
【無遠慮に聞く。】
- 199リンゼイ◆Fd5AlHEdkk25/06/25(水) 09:58:29
「そうですね。……人事の方にお話ししておきましょうか? こちらも、無鉄砲な人が減ると安心できますし」
【控えめな問いかけだが、肯と頷かれれば戻ってすぐに実行するつもりである】
【常日頃から死を恐れ、そのために身体を頑丈な物と交換した彼女からすれば、戦場で斃る者が減るに越したことはないからだ】
「あと、これは余計なお節介かもしれませんが、部長にも。あの人、私たちをまとめるだけあって交流上手なんです。少佐のためと言えば、きっと有効な接し方を教えてくれますよ」
【彼は今でこそ癖の強い同期や部下に振り回されているが、インベイド襲来前は経済スパイとして見事な暗躍をしたと噂される人物だ。コミュニケーションを教わるのに、これほどうってつけな人材もないだろう】
【……ちなみに、噂の真偽を確かめようとする試みは現在まで失敗に終わっている。データを漁っても、当時の記録はアナログ管理されているのか何も出てこなかった。残念】
・・・・・
「少佐の隊は二階級特進される方が少ないですから、情報部は尊敬してるんです。……あ、着きましたね」
【リンッと到着を知らせるベルが鳴り、音も無く開いた扉の向こうに足を踏み出す。同じスーツに身を包んだ人々のザワザワという雑踏が2人を迎えた】
- 200NG◆MKae.Eo0FU25/06/25(水) 10:31:27
「あの機体…いつかに評価試験で空中分解したやつか…」
オーディヲムは遥か上空で戦っていた戦闘機モドキへピントを合わせて眺めていた。
「…ん?色が違うな…改修機か?」
その時、レーダーに機影が映る。AGTの識別だった。しかし空に該当するのはB/FXしかいない。
「まさかレーダー圏内までアイツが高度を落としてる!?馬鹿な!?どんな操作をしてるんだ!」
姿勢を崩さずにストールマニューバだなんて理解できない。