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JP3900466B2 - 遊技機用化粧板 - Google Patents
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JP3900466B2 - 遊技機用化粧板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機用化粧板に関する。更に詳しくは、透明樹脂シートに絵柄層を設け、その上に絵柄層を含む全面を覆ってシリカインク層を設けて、優れた絵柄の色合いを有し、透明樹脂シートと台紙との密着性を向上させ、更に導電性を向上させた遊技機用化粧板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、透明な樹脂シートに、色彩模様を印刷により設け、該色彩模様に接して台紙、次いで基板を接合して得られる遊技機用化粧板において、色彩模様の印刷方法として、UVインキを用いるオフセット印刷、溶剤型インキを用いるスクリーン印刷、グラビア印刷による方法等が知られているが、UVインキを用いてオフセット印刷後、UV照射して硬化させて色彩模様等を印刷する方法が、短時間で印刷、硬化(乾燥)を行うことができることで広く行われている。
【0003】
しかしながら、上記オフセット印刷方法には、薄く均一な印刷層を形成することができ、更に段階的に色相を変化させたり、色をぼかしたりする印刷を行うことができることに特徴があるが、深みの有る色彩が得られ難いという問題がある。また、蛍光インクや金銀の粉や箔を含むインクを用いてオフセット印刷を行った場合には、蛍光の発色が弱く思うような蛍光色が得られなかったり、金銀の粉や箔による反射光が弱く、華麗さや豪華さのない量感に欠けた絵柄や色相になるという問題がある。
【0004】
また、従来上記透明樹脂シートには、セルロイド、酢酸繊維素系プラスチック及び合成樹脂が用いられている。酢酸繊維素系プラスチックとしては、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等が、また、合成樹脂製シートとしては、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート等が知られている。
【0005】
しかしながら、セルロイドは引火し易く、上記のUVインクを用いて印刷時の紫外線照射による硬化の際に、熱変形したり、引火する危険性があり、また、オフセット印刷時の熱変形後の熱収縮により印刷した像が歪み、表面には波を打ったりして表面形状が一定しない等の問題があり、他の樹脂に転換されている。
【0006】
上記酢酸繊維素系プラスチックは、セルロイドと比較して引火の危険性はなく、UVインクを用いてオフセット印刷した時の熱による変形、熱収縮は小さいが、印刷した時に像が歪んだり、表面形状が一定しないという問題がある。そのため台紙に平滑で均一な面となるように貼着するには、手間と困難を伴うという問題がある。
また、上記酢酸繊維素系プラスチックは、表面固有抵抗値、1010〜1014、吸湿率、2〜7%(65%RH)の性状を有している。
【0007】
他方合成樹脂製シートは、透明性、強度、耐久性に優れているが、絵柄層を設けた透明樹脂シートと台紙との接着後の密着性が劣り、剥離したり、カールしたり、また凹凸が生じたりして、表面形状に問題があり、また、鮮明な絵柄や色相が得られ難いという問題がある。また、表面に帯電した静電気が放電され難く、弾球や遊技機施設に帯電して、該弾球の動きや遊技機の制御等に影響を及ぼし誤作動を生じたりするという問題がある。
【0008】
上記合成樹脂製シートの中で、上記性状の優れた樹脂としてポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という。)が用いられているが、PETは、上記セルロイドや酢酸繊維素系プラスチック製のシートと比較して、印刷において鮮明で、深みのある絵柄や色相が得られない難いという問題がある。特にUVインクを用いてオフセット印刷を行った時に、その問題が大きい。また、PETは台紙と接合した後の密着性が悪く、剥離してカールや表面に凹凸が生じて表面形状が一定しないという問題がある。また更に、PETは、上記シートと比較して吸湿性が低く(吸湿率0.5%)、表面固有抵抗値が高く(1016〜1018)、帯電した静電気が放電され難いと言う問題がある。
【0009】
上記化粧板に帯電した静電気を除去するには、(1) 遊技機用化粧板に導電層を設ける方法、▲1▼特開平10-99491号、▲2▼特開2000-140231号、(2) 島ユニットの遊技機に対し、電極に高電圧を印加して放電させて発生したイオンを含む空気を送風ファンによって送風する方法、▲3▼特許第2525720号、▲4▼特開平9-306690号等が知られている。
【0010】
上記▲1▼には、透明フィルム、装飾印刷層、裏打ち紙及び導電性塗料層が順次積層された装飾フィルムが、また、▲2▼には遊技盤の基板と装飾用シートの少なくとも一方の表面又は及び内部に、導電層が設けられた遊技機が、各々示されている。▲1▼は、装飾印刷層を設けた透明フィルムと裏打ち紙とが直に接合されているが、その密着性に問題がある。また、▲2▼は、絵柄層を設けた透明フィルムに白色裏打ち層を設けて裏紙層と接合しているが、上記同様に密着性に問題がある。
【0011】
また、最近遊技機用化粧板を保持する枠が、資源保護と再生利用の観点から木製枠から合成樹脂製の枠に代替されて再使用されるようになっている。それに伴い上記化粧板の表面に帯電した静電気は、木製枠に比較して放電され難くなり、弾球、弾球誘導レール(以下、「レール」という。)や釘等の金属部に帯電して弾球の動きに影響を与えたり、或いは制御用ICの機能にも影響を及ぼしてその作動に異常を起こさせる虞がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決することを目的とするもので、UVインクを用いてオフセット印刷を行った後に、蛍光色素及び光輝性顔料のいずれかを含んだインクを用いてスクリーン印刷を行って、上記したオフセット印刷した時の絵柄や色相の欠点を解決して、鮮明で深みのある絵柄や色相が得られると共に、蛍光の発色や光輝性顔料による反射光が鮮明に得られて華麗さや豪華さを持った量感のある絵柄層が得られるようにし、更に該絵柄層を設けた透明樹脂シートと台紙との間の密着性を向上させて平滑で凹凸のない、表面形状の優れた遊技機用化粧板を提供することを目的とする。
更に、本発明は透明樹脂シート表面に帯電した静電気を速やかに放電するようにした遊技機用化粧板を提供するものである。
【0013】
【課題を解決する手段】
本発明は、(1)透明樹脂シート、絵柄層、台紙及び基板を順次積層してなる遊技機用化粧板において、透明樹脂シートに、UVインクを用いてオフセット印刷を行ってUV印刷層を形成し、次いで蛍光色素及び光輝性顔料のいずれかを含むインクを用いてスクリーン印刷を行ってスクリーン印刷層を形成してUV印刷層とスクリーン印刷層とよりなる絵柄層を設け、更にシリカを含有するインクを用いてスクリーン印刷を行って、絵柄層に接し上記透明樹脂シートの全面にシリカインク層を設けてなることを特徴とする遊技機用化粧板、(2)透明樹脂シートが、ポリエチレンテレフタレートである上記(1)記載の遊技機用化粧板、(3)上記(1),(2)記載の遊技機用化粧板において、台紙の裏面、又は表面に導電層を設けてなることを特徴とする遊技機用化粧板、及び(4)導電層が、カーボンブラック、グラファイト、スズ−アンチモン合金、アンチモンドープ酸化スズ、スズ酸化物、銀粉、金粉、パラジウム粉及び銅粉のうち、少なくとも1種を含有してなる上記(3)記載の遊技機用化粧板、を要旨とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。図1、2は、本発明の遊技機用化粧板1の一実施例を示す断面図である。
【0015】
図1に示す遊技機用化粧板1は、透明樹脂シート2に厚み0.22mmのCABを用い、該シート2にUVインクを用いてオフセット印刷により図柄を印刷し、紫外線(UV)を1秒照射して硬化乾燥させてUV印刷層3を形成し、次いでその上に蛍光染料を含むインクをスクリーン印刷により図柄を印刷してスクリーン印刷層4を形成してUV印刷層3とスクリーン印刷層4とよりなる絵柄層5を設けた。次いで絵柄層5の上に透明樹脂シート2の全面を覆って、シリカを含有するインク(以下、「シリカインク」という。)を用いてスクリーン印刷を行い、乾燥後20mμの厚みにシリカインク層6を設けた。該シリカインク層6に接して台紙7、基板8を順次接着剤9、10を用いて接合して遊技機用化粧板1が得られる。
【0016】
図2には、図1と同様に、透明樹脂シート2に厚み0.188mmのPETを用い、該シート2に、上記と同様にUVインク層3とシルクインク層4を形成して絵柄層5を設け、次いで上記同様のシリカインクを用いてシリカインク層6を設けた。次いで台紙7の基板8と接する面の全面に、カーボンを含有するインクを用いてスクリーン印刷を行って導電層11を設けた。上記透明樹脂シート2、上記導電層11を設けた台紙及び基板8を、順次接着剤9,10を用いて接合して他の本発明の遊技機用化粧板1が得られる。
【0017】
本発明で用いる透明樹脂シート2は、その裏面に印刷される絵柄層5及びシリカインク層6の絵柄や色相を鮮明に表出するために透明であるのが望ましく、無色透明な樹脂シートが好ましいが、薄い色で着色した透明な樹脂シートであってもよい。その場合には絵柄層5の絵柄や色相及びシリカインク層6に影響を与えない程度の着色であるのが好ましい。また、透明樹脂シート2の裏面には部分的に、後に印刷する絵柄層5に合わせて金属蒸着によって絵柄を設けて用いることができる。
【0018】
透明樹脂シート2の材質としては、セルロースアセテートブチレート(以下、「CAB」という。)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、トリアセチルセルローズ等の酢酸繊維素系プラスチック及びPET、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の合成樹脂が挙げられるが、CAB、CAP、PET等が好ましい。
【0019】
上記透明樹脂シート2には、帯電防止剤が添加されていないものを使用することができるが、上記樹脂に練り込み、又は塗布によって帯電防止剤を添加したものを使用することもできる。また、合成樹脂製シートについては、コロナ放電によって帯電防止処理を施した樹脂を用いることもできる。
【0020】
また、上記樹脂シート2には、接着性や接着強度が改善された易接着性シートを用いることができる。該易接着性シートとしては、プライマー、接着促進剤及び可塑剤等の使用によるものが挙げられ、シラン化合物等の塗布により表面性状を改善したもの、可塑剤等の練り込みにより改善したもの等が挙げられる。上記易接着性シートの使用により、UV印刷やスクリーン印刷におけるインクやシリカインクとの接着性が向上し、しっかりとインクが固着して印刷層を形成し、更に台紙7との密着性も向上させることができる。
【0021】
上記透明樹脂シート2の表面は、平滑で光沢ある面に仕上げられているのが好ましく、裏面は印刷を行うので平滑で光沢な面である必要性はなく、無光沢で若干の凹凸があってもよいが、透明性を損なわない程度のものか、絵柄の印刷用インクやシリカインクによる印刷後において透明性が保たれる程度であるのが好ましい。また、透明性を損なわない程度にエンボス加工が施されていてもよい。
上記シート2の厚みは、特に限定されないが、通常190〜450μm程度が好ましく、200μm程度であるのがより好ましい。
【0022】
透明樹脂シート2に設けられる絵柄層5は、該樹脂シート2の裏面、絵柄を見る反対側の面、つまり絵柄層5に接してシリカインク層6等が設けられる面に設けられる。絵柄層5は、透明樹脂シート2の裏面に、先ずUVインクを用いてオフセット印刷を行い、紫外線を照射して硬化させてUV印刷層3を設け、次いでその上に蛍光色素及び光輝性顔料のいずれか1種を含むインクを用いてスクリーン印刷を行ってスクリーン印刷層4を設けることによって得られる。
【0023】
上記UV印刷層3とスクリーン印刷層4は、各々の絵柄が部分的に印刷されて設けられるものでいずれも透明樹脂シート2の全面に印刷されている必要性はなく、また、両印刷層は重合して印刷されている必要性もない。つまり、UV印刷層3のない透明樹脂シート2に接してスクリーン印刷層4が設けられていても良く、UV印刷層3の上にスクリーン印刷層4が設けられていない部分があっても良く、また、両インク層が設けられずに透明樹脂シート2が露出している部分があっても良い。
【0024】
上記のようにして設けられた絵柄層5の上には、該絵柄層5に接し透明樹脂シート2の裏全面を覆ってシリカインクを用いてスクリーン印刷を行なってシリカインク層6を設けることが必要である。シリカインク層6は、透明樹脂シート2の絵柄層5が設けられている部分及び設けられていない部分の区別なく、透明樹脂シート2の絵柄層5が設けられている面の全面に設けられる。
【0025】
上記絵柄層5の印刷に用いるインクについて説明すると、
UVインクは、紫外線の照射により硬化する樹脂に、各種顔料を加えてなるもので、硬化する樹脂としては、重合性不飽和結合やエポキシ基を有する樹脂等が用いられ、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート樹脂及びこれらの樹脂のオリゴマー、プレポリマー又はこれらにモノマーを加えたもの等が挙げられる。樹脂としては、上記オリゴマー、プレポリマーにモノマーを加えたものであってもよい。これらの樹脂には硬化を促進する目的で重合開始剤を添加するのが好ましい。該重合開始剤としては、アセチルフェノン類、ベンゾフェノン類等が挙げられる。また、顔料としては、有機顔料、カーボンブラック、無機顔料(チタンホワイト等)、体質顔料(艶消し顔料、炭酸カルシウム等)等から求める色相に応じて選択し、組み合わせて用いることができる。
【0026】
UVインクの印刷には、通常オフセット印刷機が用いられ、厚みが0.1〜100μm(乾燥時)となるように印刷される。紫外線照射には、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が用いられ、紫外線を0.5〜5秒間程照射して塗工膜を硬化させる。塗工から硬化までの工程は、連続して行われるのが好ましい。
【0027】
スクリーン印刷層3に用いるインクは、蛍光色素及び光輝性顔料のいずれかよりなる着色剤、ビヒクル及び溶剤等からなる。蛍光色素には蛍光染料、蛍光顔料が用いられる。光輝性顔料としては、金、銀、銅、真鍮、アルミ等の金属粉や金属箔、上記金属を金属蒸着した合成樹脂フィルムの裁断片、真珠光沢や干渉光沢を与えるパール顔料が挙げられ、これらは1種、又は、2種以上を混合して、用いることができる。上記金属粉としては粒径10〜100μmの大きさのものを、また、金属箔、金属蒸着フィルムとしては、50〜100μmの大きさのものを用いるのが、望ましい反射光が得られるので好ましい。
【0028】
ビヒクルとしては、通常塗料、インク等に用いられるアマニ油等の乾性油、大豆油等の半乾性油、ボイル油、脱水ひまし油等の合成乾性油、ロジン等の天然樹脂及びロジンエステル、マレイン酸樹脂等の合成又は半合成樹脂等が挙げられ、また、溶剤としては、イソプロピルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤、ヂブチルエーテル等のエーテル系溶剤、トルエン等の石油系溶剤等の有機溶剤が挙げられる。
【0029】
シリカを含有するインク(以下、「シリカインク」という。)に用いるシリカは、二酸化ケイ素を主成分とするシリカゲル、コロイダルシリカ等が挙げられ、粒径0.1〜10μmのものを用いるのが好ましい。シリカインク中のシリカの量は、乾燥後のインク中に2〜50重量%含有するよう加えられているのが好ましく、3〜30重量%含有するのがより好ましい。また、上記シリカには、シリカ同様の粒径のガラス粉を上記シリカの添加量の範囲で加えて用いることができる。
【0030】
シリカインクには、シリカの外にビヒクル、有機溶剤、白色無機顔料、体質顔料、可塑剤等が含まれる。ビヒクル、有機溶剤としては、上記シルクインクに用いたものが用いられるが、ビヒクルとしてセルロースナイトレート、アルキド樹脂、有機溶剤としてジアセトンアルコール、ジブチルエーテル、トルエン等が好ましい。また、可塑剤としてアセチルクエン酸トリブチル、白色無機顔料及び体質顔料としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ等を用いることができる。
【0031】
シリカインクには、通常透明又は白色に着色したインクが用いられるが、白色以外の薄い色に着色したインクを用いることもできる。シリカインクは、上記顔料を用いることにより、透明な、又は艶消しした塗膜を形成しうるが、本発明では、背景にあって絵柄や発色、反射光等を浮き出させて鮮明に見せるように働き、更に台紙7との密着性の向上を目的とするものであって、特に透明で、艶消しの効果を必要としていない。シリカインク層6は、透明樹脂シートの絵柄層5を設けた側に該透明樹脂シート2の全面に厚みが、乾燥時にて20〜30μmとなるようにスクリーン印刷を行なって得られる。
【0032】
上記のようにシリカインク層4を設けることにより、シリカインク層4を印刷した透明樹脂シート2を台紙7、基板8に接合して透明樹脂シート2側から見ると絵柄層5は鮮明に浮き出て見えるようになり、絵柄の色調にも優れ、更に蛍光色や反射光が随所に得られて、絵柄とその色調が更に華やかで華麗に見えるようになるという効果が得られる。
【0033】
また、シリカインク層6を設けたことにより、絵柄層5を設けた透明樹脂シート2を台紙7に接着剤9を用いて接合した時、台紙7との密着性が向上する。つまり、透明樹脂シート2を接合した台紙7を基板8に釘打ちした後、透明樹脂シート2が浮いて表面に凹凸が生じたり、周囲の接合面が剥離したりすることがなくなり、平滑で均一な表面形状が得られるようになる。更に透明樹脂シート2の表面から釘打ちした時の孔から派生する透明樹脂シート2に裂け目が発生するのが防止されて強度が向上し、基板8にしっかりと固着される遊技機用化粧板1が得られる。
【0034】
透明樹脂シート2にCABとPETを用いた時の性状を比較すると、台紙7と接合した時に、CABは台紙7との密着性が十分ではないが、かなり良いほうであるのに対し、PETは台紙7との密着性が極めて劣っている。これは上述したようにCABが吸湿性が高く(2〜7%)、表面固有抵抗がかなり低い(1010〜1014)のに対し、PETは殆ど吸湿性を有せず(0.5%)、表面固有抵抗が高い(1016〜1018)ことと関連しているのではないかと考えられる。
【0035】
このような状況に対しシリカインク層4を設けて接合を行なうと上記密着性が改善される。CABにおいては、台紙7との密着性が更に改善され、優れた表面形状が得られるようになると同時に、密着性の向上により台紙7が、透明樹脂シート2の補強材として働き、切り裂き等が起に難くなり、表面の強度も向上される。
他方、PETにおいては、台紙7との密着性が著しく改善されて透明樹脂シート2が浮いたり、表面に凹凸を生じたり、更に剥離したりすることがなくなり、平滑で均一な表面形状が得られるようになる。また、シートの強度も向上する。
【0036】
また、シリカインク層4を設けることにより透明樹脂シート2の表面に帯電した静電気の放電を助けるという効果が得られる。CABは比較的放電性が良い方ではあるが、それでも帯電防止剤を練り込んで用いられることが多いが、最近のプラスチック製枠の使用や、IC板の使用に対しては、静電気の放電が十分ではない。また、PETの場合は、従来放電率が極めて低く、そのため帯電防止剤を用いたり、コロナ放電処理が施されているが、放電が十分に行なわれない。
【0037】
これに対しシリカインク層6を設けることで静電気の放電性を向上させることができる。その理由は不明であるが、透明樹脂シート2との密着性が改善されることとの関連性が考えられる。また、密着性の向上がシリカインク層6の存在によるとすると、上記でCABとPETを比較したように、台紙7との密着性が向上すると密着面での吸湿性、親水性が増大して静電気の放電のし易くなるのではないか。しかし完全に放電するには、導電剤を含む導電層11を設けることが望ましい。
【0038】
シリカインク層中のシリカの添加量は、乾燥後のインク層中に2重量%未満であると密着性の向上が得られ難くなり、50重量%を超えると密着性が低下すると同時にインク層が固くなりシートの柔軟性を損なう虞があるので好ましくない。また、上記シリカ添加量は、上記用途によって変えることができる。つまり、上記した絵柄や色相の鮮明さを出し、台紙7との密着性を得ようとする時には、添加量は2〜10重量%程度で十分に得られ、3~8重量%であるのがより好ましい。また、導電性の向上を補助することのみを目的とする場合には、添加量は8〜10重量%以上の多いほうが好ましいが、多くなると密着性の低下やシートが固くなるので、8〜30重量%であるのが好ましい。
【0039】
透明樹脂シート2の表面に帯電した静電気を素早く放電して該シート2表面の帯電を防止するには台紙7の裏面、つまり基板8側に導電層11を設けるが、台紙7の表面、つまり透明樹脂シート2側に設けることもできる。つまり、導電剤が濃色に着色している時には、導電層11を台紙7の表面に設けた場合に、絵柄層5の背景が着色して絵柄や色相の表出に影響を与えるので裏面に設けるのが好ましいが、絵柄や色相の表出に影響を与えない時には、表面に設けることができる。また、銀粉を用いた場合には、その金属色や反射性を利用して導電層11を台紙7の表面に設けることもできる。導電層11は、基板8の表面側に、つまり、台紙7側に印刷して設けることもできる。
【0040】
導電層11は、導電剤としてカーボンブラック、グラファイト、スズ−アンチモン合金、アンチモンドープ酸化スズ、スズ酸化物、銀粉、金粉、パラジウム粉、銅粉等を含むインク又は塗料(以下、「導電塗工材」という。)を形成し、それを台紙7上にスクリーン印刷によって設けられる。上記導電剤は、1種、又は2種以上を加えて用いることができる。導電剤は通常粉末状であり、粒径10〜100μmのものが用いられ、その添加量は、導電塗工材の乾燥時重量にて10〜60重量%であるのが好ましい。
【0041】
導電塗工材には、導電剤の他にビヒクル、有機溶剤、可塑剤等が添加される。ビヒクル、有機溶剤、可塑剤には、上記絵柄等の印刷インク、シリカインクにて挙げたものが用いられる。可塑剤は、導電剤の混錬が容易に行なわれ、均一に分散するように、3〜10重量%程度添加するのが好ましい。また、導電塗工材には、導電性が発揮しやすくなり、導電性の向上に寄与するることで、シリカインク層に用いたと同様のシリカを導電剤の添加量の範囲で添加して用いることができる。
【0042】
導電剤にカーボンブラックやグラファイトを用いた場合には、導電層11の地色が黒となり絵柄層5及びその背景の地が黒くなり、絵柄が暗く、地味に見えるようになるので台紙7の裏面に設ける方が好ましい。また、スズ−アンチモン合金を用いた場合には、地色が灰色となり絵柄や色相の妨げにならない程度の時には台紙7の表面に設けることができるが、裏面に設けても良い。また更に、銀粉を用いた時には、地色を利用して台紙7の表面に、利用しない時にはその裏面に設けるのが好ましい。
【0043】
上記のように導電層11を台紙7の表面に設けた時には、透明樹脂シート2側に設けられたシリカインク層6は、台紙7の導電層11と接合されるが、両層の密着性は、シリカインク層6と台紙7が直接接合した時と変わらず、剥離したり、透明樹脂シート2の表面が浮いたりするもことなく、極めて平面で均一な表面が得られる。更に導電層11を台紙7の表面に設けた場合に、静電気の放電性は、導電層11を台紙7の裏面に設けた場合と比較して、変わらないか、反ってシリカインク層6と導電層11が接している状態の方が良く放電される傾向がある。
【0044】
絵柄層5及びシリカインク層6を設けた透明樹脂シート2と台紙7、又は台紙7と基板8の各々を接合する時に用いる接着剤9、10は、いずれにも同じ接着剤を用いることができる。これらに用いる接着剤としては、ウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、アクリル系接着剤等が挙げられるが、これらには導電剤を添加した導電性接着剤を用いることもできる。そうすることで更に放電性を向上させることができる。導電性接着剤の導電剤には、上記導電層11に用いた導電剤を用いることができる。
【0045】
上記台紙7には、紙製又はプラスチック製の台紙7が用いられる。紙製の台紙7としては、表面は平滑で光沢を有するものが好ましく、鏡面処理を施したものが好ましい。裏面は鏡面処理等の処理が施されている必要性はなく、接合に際し接着剤がのり易いように無光沢で表面に小さい凹凸がある方が好ましい。表面は着色されていてもよいが、絵柄層5、シリカインク層6に影響の無いのが望ましく、白色であるのが好ましい。鏡面処理紙としては、例えば、商品名「エスプリコート」(日本製紙社製)が挙げられ、米坪110〜140g/mのものが好ましく、129〜140g/mのものがより好ましい。その他ケント紙、上質紙、コート紙及びキャストコート紙、若しくはこれらの紙に合成ゴムラテックス又は合成樹脂エマルジョンをコーテイング又は含浸させた紙等が挙げられる。
【0046】
プラスチック製の台紙7としては、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の発泡体をベースとし、それらの表面に白色顔料等を塗工したり、或いは、上記した樹脂に炭酸カルシウム等の充填材を添加して発泡して得られる合成紙が挙げられる。
【0047】
基板8には、板状に形成されたものが好ましく、木板、木製合板、合成木材、合成木材合板等が挙げられ、反り等が少ないベニヤ板等の合板が用いられる。基板8の厚みは、16〜22mmのものが好ましく、18〜20mmのものがより好ましい。合板の接合に用いる接着剤には、上記導電性接着剤を用いて接合したものを用いることができ、そのほうがより高い導電性が得られるので好ましい。
【0048】
以上のように絵柄層5とシリカインク層6を設けた透明樹脂シート2を台紙7に接合して得られる積層体を、接着剤を用いて基板8に接合して図1に示す第1発明の遊技機用化粧板1が得られる。また、上記台紙7に導電層11を設けた台紙7を用い、該台紙7を上記同様に基板8に接合することにより、図2に示す第2の遊技機用化粧板1が得られる。上記台紙7と基板8の接合に用いる接着剤には、導電性接着剤を用いて導電性を付与することもできる。
【0049】
上記第1の遊技機用化粧板1は、透明樹脂シート2に絵柄層5を印刷し、次いでシリカインク層6を設けて台紙7に接合し、更に上記積層体を基板8に接合することによって、絵柄が鮮明に浮き出て見えると共に色調も優れた絵柄層5が得られるようになる。更に透明樹脂シート2と台紙7との接合後の密着性が向上するので、透明樹脂シート2が台紙7から浮いて表面に凹凸が生じたり、剥離することがなく、平滑で均一な表面形状を有する遊技機用化粧板1が得られる。
【0050】
上記化粧板1の表面には、該化粧板1を枠に固定するため、また、弾球の通路を変えたり、弾球を妨げるために多数の釘が打たれるが、これらの釘は透明樹脂シート2、絵柄層5、シリカインク層6及び台紙7を貫通して基板8に打ち込まれる。透明樹脂シート2の表面に帯電した静電気は、釘を通ってシリカインク層6を経由して若干放電されるが、放電を確実にするためには上記釘や弾球の通路、取りつけ金具等にアース線12を連結して接地することが好ましい。
【0051】
また、上記第2の遊技機用化粧板1は、図2に示すように透明樹脂シート2に絵柄層5、シリカインク層6を設けた後、導電層11を設けた台紙7に接合し、次いで基板8に接合される。打ち込まれた釘13は、透明樹脂シート2の表面に帯電した静電気を釘を通しシリカインク層6を経由して導電層11に導電され、釘13その他の弾球の通路、取りつけ金具等の金属部に連結し、アース線12に流れて速やかに接地点に放電される。
【0052】
本発明では、上記例では台紙7の裏面、つまり台紙7の基板8に接する側に導電層11を設けているが、台紙7の表面、つまり絵柄層5が設けられている透明樹脂シート2側に設けられていてもほぼ同様に静電気の放電が行なわれる。静電気は釘13を通りシリカインク層6を経由して導電層11に伝達され、アース12を経由して放電される。更に速やかに静電気を効果的に放電するためには、台紙7の両面に導電層11を設けることもできる。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、透明樹脂シート、絵柄層、台紙及び基板を順次積層してなる遊技機用化粧板において、透明樹脂シートに、UVインクを用いてオフセット印刷を行ってUV印刷層を形成し、次いで蛍光色素及び光輝性顔料のいずれかを含むインクを用いてスクリーン印刷を行ってスクリーン印刷層を形成してUV印刷層とスクリーン印刷層とよりなる絵柄層を設け、更にシリカを含有するインクを用いてスクリーン印刷を行って、絵柄層に接し上記透明樹脂シートの全面にシリカインク層を設けることにより、鮮明で深みのある色彩の絵柄が浮き上がって見えるようになり、更に蛍光色素を用いた時には蛍光の発色が強く鮮やかになって絵柄が一層浮き出て華やかに見えるようになり、また、金銀粉や箔等の光輝性顔料を用いた時には良く反射して絵柄が浮き出て華麗で、且つ豪華に見えるようになるという効果が得られると共に、絵柄層を設けた透明樹脂シートと台紙との密着性が向上して、上記透明樹脂シートが剥離したり、表面に凹凸が生じたりせず平滑で一定した表面形状が得られるという効果が得られる。
【0054】
また、本発明は、上記のように透明樹脂シート、絵柄層、シリカインク層、台紙及び基板を順次積層してなる遊技機用化粧板において、台紙の裏面、又は表面に導電層を設けることにより、上記したように絵柄層及び色相が浮き出て鮮明に、且つ華麗で豪華に見えるようになり、更に台紙とを接合した後の透明樹脂シートの密着性が向上して、該シートが剥離したり、表面に凹凸が生じたりせず、平滑な一定した表面形状が得られると共に、透明樹脂シートの表面に帯電した静電気は、シリカインク層、導電層を導通して釘や金属製部品を経由して素早く効果的に接地点に放電されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遊技機用化粧板の1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の遊技機用化粧板の1実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 遊技機用化粧板
2 透明樹脂シート
3 UV印刷層
4 スクリーン印刷層
5 絵柄層
6 シリカインク層
7 台紙
8 基板
11 導電層
12 アース

Claims (4)

  1. 透明樹脂シート、絵柄層、台紙及び基板を順次積層してなる遊技機用化粧板において、透明樹脂シートに、UVインクを用いてオフセット印刷を行ってUV印刷層を形成し、次いで蛍光色素及び光輝性顔料のいずれかを含むインクを用いてスクリーン印刷を行ってスクリーン印刷層を形成してUV印刷層とスクリーン印刷層とよりなる絵柄層を設け、更にシリカを含有するインクを用いてスクリーン印刷を行って、絵柄層に接し上記透明樹脂シートの全面にシリカインク層を設けてなることを特徴とする遊技機用化粧板。
  2. 透明樹脂シートが、ポリエチレンテレフタレートである請求項1記載の遊技機用化粧板。
  3. 請求項1、2記載の遊技機用化粧板において、台紙の裏面、又は表面に導電層を設けてなることを特徴とする遊技機用化粧板。
  4. 導電層が、カーボンブラック、グラファイト、スズ−アンチモン合金、アンチモンドープ酸化スズ、スズ酸化物、銀粉、金粉、パラジウム粉、及び銅粉のうち、少なくとも1種を含有してなる請求項3記載の遊技機用化粧板。
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