JP6107162B2 - 洗浄媒体、乾式クリーニング筐体及び乾式クリーニング装置 - Google Patents
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Description
このクリーニング装置は、洗浄媒体を循環飛翔させる内部空間と、内部空間で飛翔している洗浄媒体を洗浄対象物に衝突させるための開口部とを有している。
さらに、外部からの空気を内部空間へ通す通気路と、掃除機等の吸気手段に接続される吸気口と、洗浄対象物から除去された除去物を吸気口側へ通過させるパンチングメタル等の多孔手段とを有している。
吸気手段とフレキシブルホースで連結されたクリーニング筐体に、上記内部空間、開口部、通気路、吸気口及び多孔手段が一体に形成されている。
クリーニング筐体を手で持って移動させることにより洗浄位置を容易に変更することができる。
この負圧状態で開口部から所定量の洗浄媒体を吸い込むと、洗浄媒体は多孔手段に張り付いてクリーニング筐体の内部に保持された状態となる。
かかる状態で開口部を洗浄対象物の洗浄したい部位に当てて塞ぐと、開口部よりも断面積の小さい通気路から外部空気が高速で流入し、内部空間で旋回気流が生じ、多孔手段に張り付いていた洗浄媒体が飛翔する。
内部空間で循環飛翔し続ける洗浄媒体は、通気路から高速で流入する気流に乗って高速で直線的に開口部に向って飛翔し、開口部に露出した洗浄対象物に衝突して汚れを除去する。
一方、洗浄媒体は衝突を繰り返すうちに磨耗や破壊(折れ)が進行して小さくなり、除去物と共に多孔手段を通過して吸気手段側に回収される。
したがって、洗浄時間の経過とともに内部空間で飛翔する洗浄媒体の量は減少する。洗浄媒体の量には「洗浄対象物の汚れの除去に適正な飛翔数量」が存在し、少なくなると洗浄能力が低下する。
良好な洗浄能力を維持した状態で洗浄動作(洗浄プロセス)を続けるには、適宜洗浄媒体を筐体内部に補給する必要がある。
洗浄媒体を補給する場合、特許文献1記載のクリーニング装置では、洗浄対象物から筐体を離して一旦洗浄動作を中断し、開口部から所定量の洗浄媒体を吸引した後、開口部を洗浄媒体に当てて洗浄動作を再開するようになっている。
しかしながら、所定量の洗浄媒体を例えば漏斗状の部材で通気路に投入する必要があり、煩わしさを否めない。
洗浄媒体は薄片状で小さいため、飛散し易く、取り扱いが面倒であり、補助者を必要とする場合もあり得る。
特許文献2には、洗浄媒体が収容されたカートリッジを筐体に装着して弁開閉により内部空間に洗浄媒体を供給する方式が開示されている。
しかしながら、この方式によれば、予め秤量された洗浄媒体を確実に供給することができるが、筐体の構成の複雑化を避けられず高コスト化を来たす。
しかしながら、この方法では切断片の量が一定ではないため、洗浄媒体の適正量を供給することが困難である。また、包装部材の種類によっては容易に切断できず、洗浄媒体として飛翔させにくい材質もある。
また、完全に切断できなければ洗浄対象物の汚れを十分に除去可能な洗浄媒体の量を確保できず、適正に洗浄媒体を供給することが困難であった。
このため、洗浄能力の向上は望めなかった。
また、洗浄動作を中断することなく洗浄媒体を容易且つ確実に供給でき、洗浄作業の能率向上を図ることができる。
図1乃至図18に基づいて第1の実施形態を説明する。本発明に係る洗浄媒体を説明する前に、まず本実施形態に係る乾式クリーニング装置の構成及び洗浄メカニズムを簡単に説明する。
図23に示すように、内部に多孔手段としてのメッシュ状の分離板10Cを有する乾式クリーニング筐体10は、吸気口10Jを介してフレキシブルな吸気ダクト20Bにより吸引装置20Aに接続されている。
上部筐体10Aの内方中心部には、旋回気流の旋回軸を規定する円筒状の内筒部材10Dが設けられている。
上部筐体10Aの円筒形状となっている部分には、矩形状の開口部10Eが形成されているとともに、通気路としてのインレット10Fが形成されている。
入り込んだ空気は分離板10Cを通して吸引されるため、上部筐体10Aの内筒部材10Dで区画される円環状の内部空間は負圧となる。
従来はかかる状態で開口部10Eから洗浄媒体PCを吸い込んで筐体内に取り込んでいた。吸い込まれた洗浄媒体PCは、負圧により分離板10C上に吸着保持される。
洗浄媒体はインレット10Fからの高速気流で加速されて直線的に飛翔し、開口部10Eに露出する洗浄対象物に衝突する。この動作が繰り返されて洗浄対象物の汚れが除去される。
除去された除去物(汚れ)は分離板10Cを吸気口側へ通過する。
従来のように、洗浄媒体を補給する都度、洗浄対象物から開口部10Eを離して洗浄動作を中断すると、洗浄作業の効率が低下する。
本発明では、この問題を解消すべく、予め秤量された所定量の洗浄媒体を一群ないし一塊の状態を維持するように形成し、その状態で筐体の内部空間へ投入することとした。
ここで、「ラッピング」とは、洗浄媒体が任意の重量で包含されている袋状のものを表し、袋内に複数の洗浄媒体を収容ないし充填後、完全に密閉したもの、折り畳んで簡単に解体できるものなど、種々の形態を含む意味である。
図1に示すように、洗浄媒体を内部空間に補給する場合、洗浄対象物COに開口部10Eが当接した状態で、ラッピングWRPをインレット10Fに投入する。
ラッピングWRPは、図2に示すように、任意重量(所定量)の洗浄媒体PCと、この洗浄媒体の集合体を包むラッピング材(包装材)30とから構成されている。
なお、洗浄媒体PCは略同じ大きさであるが、分かりやすくするために、図によっては同一筐体内で大きさを異ならせている。
ラッピング材30は、厚さ0.02mmの乾燥でんぷん(ふくろオブラート;山元オブラート製)で構成されている。
ラッピング材としては、厚みが0.1mm以下のシート状部材が望ましい。
洗浄媒体PCを所定量秤量後、ラッピング材30に充填し、ラッピング材30の開口先端部を水で濡らして封をする。図3にラッピングWRPの実際の形状を示す。
図示しないが、インレット10Fの内壁は、ラッピングWRPがインレット10Fへの投入が完了する前に不意に破けて洗浄媒体が飛散しないように、二硫化モリブデンで低摩擦コーティングが施されている。
すなわち、ラッピングすることにより、複数の洗浄媒体PCを一群ないし一塊の状態で内部空間に導入可能である。
オブラートからなるラッピング材30は、導入後に気流圧力やインレット10Fを移動するときの摩擦等の外力の作用により瞬時に破れる。
包まれていた複数の洗浄媒体PCは、図4に示すように、内部空間でラッピング状態から解放されるが、インレット10Fから流入する高速気流により一群の状態で初速を付与されているために、一群の状態のまま洗浄対象物COに衝突する。
以下、この一群による洗浄対象物COへの衝突を「ファーストアタック」と称する。
ファーストアタック後の洗浄媒体PCの一群は一気にばらばらにならず、段階的に群量が小さくなる。
すなわち、ファーストアタック後も群状の洗浄媒体PCによるアタックが繰り返される。
ラッピング材30自体は破裂して玉状に小さくなる。
あるいは、破裂したラッピング材30はクリーニング終了後、小さく、粉々になり分離板10Cを通過して排出される。
上記のように、ラッピング材30は、筐体内への導入時のこぼれや飛散を防止するのに作用するとともに、洗浄媒体を一群で加速飛翔させるために作用する。
ラッピング材30は役目を終えた後は壊れて自動的に排出されるので、内部空間に残留して飛翔し続けることもなく、洗浄媒体による洗浄を妨げない。
複数の洗浄媒体PCはばらけた状態でインレット10Fから吸引されるため、洗浄対象物COへの初期衝突は個々的となる。
また、この供給方式では、インレット10Fの隙間に洗浄媒体が挟まってしまうケースが見られた。
挟まった洗浄媒体は筐体内部の旋回気流を乱す要因となり、汚れの取り残しを発生させる場合がある。
図8は、ワックスの剥離における深さと位置との関係における剥離プロファイルを示す図、図9は、総平均深さと最大深さの比較を示す図である。
図8、図9において、「薄片供給」は洗浄媒体がばらばらの状態での供給を意味する。
洗浄媒体PCは、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム片である。
ラッピング材30は厚み0.04mmのティッシュペーパーであり、所定量の洗浄媒体PCを充填後、開口先端部を折り曲げて袋状とした。
いずれもインレット10Fから内部空間へ導入した。
この実験結果は、洗浄媒体PCの供給量が同じでも、ラッピングして供給した場合洗浄能力が高いため、同じ洗浄面積を短い時間で洗浄できることを意味する。
また、剥離深さが大きいということは、洗浄対象物COの種類の適用範囲の拡大にも寄与することを意味する。
そしてこれにより、洗浄対象物COの汚れ面に切り口が形成されやすいからであると考えられる。
ファーストアタックにより一旦切り口が形成された後は、洗浄媒体PCの個々的な衝突でも汚れ面の除去ないし剥離が加速的に進行する。
従来のばらけた状態で供給する方式では、初期段階から洗浄媒体PCが個々的に衝突するため、切り口が形成されるまでに時間がかかる。
したがって、ラッピングにより一群ないし一塊の状態で供給することにより、硬くて粘着力の大きい汚れでも迅速な洗浄が可能となる。
図10(a)は、開口部10Eが開放され、且つ、吸引装置20Aを作動させない状態で、筐体を傾けて筐体内に複数の洗浄媒体PCをばらけた状態で投入した状態(従来例)を示している。
この状態では、各洗浄媒体PCは一群の状態で存在している。
図10(b)に示すように、開口部10Eを洗浄対象物COに当てて塞ぎ、吸引装置20Aを稼動させると、洗浄媒体PCは筐体の内周面に接触していない側、すなわち、拘束力の小さい側から飛翔を開始する。
各洗浄媒体PCがほぼ同じ速度で飛翔するまでには、ある程度の時間がかかり、ロスとなる。
開口部10Eが開放されているので、ラッピングWRPを旋回させるほどの気流は生じておらず、ラッピングWRPは筐体内の投入箇所に気流で揺動しながらも留まっていることが観察された。
図11(b)に示すように、かかる状態で開口部10Eを洗浄対象物COに当てて塞ぐと、旋回気流RFによってラッピングWRPは急旋回し、途中で破裂する。
ラッピング材の破裂によって開放された複数の洗浄媒体PCは一群のまま洗浄対象物COに衝突し、ファーストアタックが生じる。
このため、筐体に洗浄媒体を補給するための特別な機構を付加することなく、且つ、洗浄動作を中断することなく洗浄媒体を容易且つ確実に補給することができる。
PTFE表面は滑り性が良いので、ラッピングの飛翔開始速度および飛翔速度が向上し、洗浄対象面の汚れを効率的に、短時間で除去可能となる。
また、同様の理由により、内部空間の壁面を二硫化モリブデン、黒鉛(グラファイト)等の固体潤滑剤がコーティングされた構成としてもよい。
図12(a)は、吸引装置20Aを稼動した状態で開口部10Eから粒状の洗浄媒体PCをラッピングして投入した状態を示している。
洗浄媒体PCの形状は、破砕機によって破砕されたランダムな突起形状を有する粒形状であるが、ここでは分かりやすくするため球形として表示している。
勿論、球形の洗浄媒体PCを用いてもよい。
図12(b)に示すように、かかる状態で開口部10Eを洗浄対象物COに当てて塞ぐと、旋回気流RFによってラッピングWRPは急旋回し、途中で破裂する。
ラッピング材の破裂によって開放された複数の洗浄媒体PCは一群のまま洗浄対象物COに衝突し、ファーストアタックが生じる。
[実験1]
厚さ0.02mmの乾燥でんぷんをラッピング材としてメラミン樹脂(TPS12;粒径約2mm;ポッターズ・バロティーニ社製)6gを充填後、開口先端部を折り曲げてラッピングし、開口部10Eから内部空間に導入した。
瞬時にラッピングが破裂して洗浄媒体が一群で飛翔開始し、ワックスを剥離できた。
図13、図14において、「粒供給」は洗浄媒体がばらばらの状態での供給を意味する。
ラッピングの場合は、その能力の確実性を確認するために「ラッピング1」と「ラッピング2」とに分けて2回行った。
ラッピングして導入した場合の方がワックスを大きい重量で剥離でき、深く剥離する性能に秀でていることが確認できる。
また、破裂した薄い袋は旋回停止後分離板に貼り付いており、容易に除去可能である。
厚さ0.02mmの乾燥でんぷんをラッピング材としてメラミン樹脂(XH16-20;粒径約0.8mm;IKKショット社製)7gを充填後、開口先端部を折り曲げてラッピングし、開口部10Eから内部空間に導入した。
実験1と同様の機能、効果が確認された。
厚さ0.02mmの乾燥でんぷんをラッピング材としてメラミン樹脂(TT12-20;粒径約1.2mm;USテクノロジー社製)6.5gを充填後、開口先端部を折り曲げてラッピングし、開口部10Eから内部空間に導入した。
実験1と同様の機能、効果が確認された。
この場合も開口部10Eから供給したときと同様の機能、効果が得られた。
図16は、粒状の洗浄媒体PCをばらけた状態でインレット10Fから供給した例を示している。
この場合には図7で説明した例と同様に、洗浄媒体PCが個々的に衝突し、強い洗浄機能は得られなかった。
この供給方式では、洗浄媒体の粒径が大きくなると、インレット10Fの隙間に洗浄媒体が挟まってしまうケースが多く見られた。この場合、洗浄品質が安定しなくなる。
この場合には図10で説明した例と同様に、洗浄媒体PCが個々的に衝突し、強い洗浄機能は得られなかった。
一塊の大きさは、インレット10F又は開口部10Eから供給可能な大きさである。
洗浄媒体GPCは、軽度の付着力で集合した「緩凝集体」であり、投入後、気流等の外力でばらけるようになっている。
図18(a)は薄片状の洗浄媒体PCを一塊とした例を、(b)は粒状の洗浄媒体PCを一塊とした例を示している。
上記実施形態では、ラッピングWRPのラッピング材30が気流圧等の僅かな衝撃で破れたり、包装形状が崩れる例を示した。
本実施形態ではラッピング材がある程度の強度を持っていても洗浄媒体を迅速に解放・拡散させることができる例を示す。
本実施形態におけるラッピングWRPのラッピング材は、薄肉のプラスチックシートで構成されている。
ラッピング破裂手段32は、図20に示すように、内筒部材10Dの外周面に周方向及び高さ方向に配設された複数の刃(突起)34から構成されている。各突起34は旋回気流RFの向きに対向するように配置されている。
通常、洗浄媒体は内部空間における最外周を飛翔し続けるので、仮に内部空間の最外周に複数の刃を配設すると、飛翔する洗浄媒体が複数の刃と干渉し、洗浄媒体の旋回が乱れ、効率よく洗浄対象物の汚れ除去ができなくなる。
解放された洗浄媒体は内部空間の最外周を飛翔し続けることで、効率よく洗浄対象物の汚れ除去が可能となる。
オブラート等の僅かな衝撃で破れるラッピングWRPの場合、作業者の不用意な動作で内部空間への導入前に破れて洗浄媒体がこぼれる可能性があり、取扱いがデリケートである。
薄肉のプラスチックシート等で包装した場合にはこのような懸念がない。すなわち、在庫管理が容易となる。
本実施形態では、複数の突起を有するラッピング破裂手段36をインレット10Fの中に配置したことを特徴とする。
本実施形態ではラッピングWRPは内部空間に入る前に破裂するので、第2の実施形態に比べて洗浄媒体を早期に解放・拡散させることができる。
ラッピング破裂手段としては、インレット10Fの内周面から径方向に突出するように突起を設けてもよく、あるいは対向方向から向い合うように突起を設けてもよい。
上記実施形態では、ラッピング破裂手段によってラッピングWRPのラッピング材を強制的に破裂させる構成としたが、本実施形態ではラッピング材自体が破れを生じさせる構成を有していることを特徴とする。
図22に示すように、ラッピング材としての薄いシート38には、内部空間で容易に破裂するように、縦横の切れ目38a、38bが入れてある。
具体的には、ミシン目などを入れる。薄いシート38に洗浄媒体を収容して包み込み、ラッピングWRPを構成する。
インレット10Fから内部空間へ導入されたラッピングWRPは、ミシン目に沿って容易に破裂することで、そこから解放された洗浄媒体は内部空間の最外周を飛翔し続けることで、効率よく洗浄対象物の汚れ除去が可能となる。
図23は、本実施形態に係る乾式クリーニング装置の一形態を説明するための図である。図23において、符号10は乾式クリーニング筐体を示している。
以下、乾式クリーニング筐体を単に「筐体」と称する。
筐体10は、図23の上下の図から明らかなように、円錐形状の中空体を、互いに逆向きにして、その底面側で合わせた形態となっている。
図23の下図に示す符号10Aで示す部分を「上部筐体」、符号10Bで示す部分を「下部筐体」と称する。これら上部筐体10Aと下部筐体10Bとは一体として形成されている。
上部筐体10Aの内部には、上部筐体10Aの円錐軸を共通の軸とするように、円筒状の内筒部材10Dが筐体10の一部として設けられ、内筒部材10Dの、図における下の部分は分離板10Cに当接している。
下部筐体10Bの頂部側(図で下方の部分)は筒状に開口して吸気口10Jを構成し、フレキシブルな吸気ダクト20Bを介して吸引装置20Aに連結されている。
吸引装置20Aと吸気ダクト20Bとは吸気手段を構成する。吸引装置20Aとしては、真空モータや真空ポンプ、空気流や水流により低圧を発生させるタイプのものなどを適宜用いることができる。
上記円筒状部分は、中空シリンダ10Fにより貫通され、この中空シリンダ10Fは上部筐体10Aに一体化されている。以下、中空シリンダ10Fを「インレット10F」と称する。
インレット10Fの態位は、分離板10Cに略平行であり、その長手方向は、上部筐体10Aの円筒状部分の半径方向に対して傾いている。
また、インレット10Fの長手方向は、内筒部材10Dの周面の接線に略平行であり、上部筐体10A内に開いた出口側は、開口部10Eに対向するように位置している。
インレット10Fの内部は通気路をなしている。
図23の下図に示すように、下部筐体10Bと上部筐体10Aとの境目の部分に設けられて、上部筐体10A内と下部筐体10B内とを隔てている。
図23の上図に符号PCで示すのは薄片状の洗浄片であり、この洗浄片PCの集合体が洗浄媒体をなす。以下、PCを洗浄媒体としても表示する。
図24の上下の図は、図23に即して説明した乾式クリーニング装置を、図23に倣って示している。
図24(b)は、開口部10Eを解放した状態で吸気手段による吸気を行っている状態、図24(a)は、開口部10Eをクリーニング対象物COの表面で塞いだ状態を示している。
上部筐体10A内に取り込まれた洗浄媒体は、図24(b)下図に示すように、多孔手段である分離板10Cに吸い付けられて上部筐体10A内に保持される。
上部筐体10A内の空気は吸気手段により吸気され、上部筐体10A内は負圧状態となっているので、筐体外部の空気がインレット10Fを通して上部筐体内に導入される。
このときのインレット10F内の流れは流速・流量ともに小さいので、筐体内に発生する旋回気流RFは洗浄媒体を飛翔させる強さには至らない。
開口部10Eがクリーニング対象物COの表面で塞がれると、開口部10Eからの吸気が止まるので、上部筐体10A内の負圧は一気に増大する。
インレット10Fを通じて吸い込まれる空気量・流速ともに増大し、インレット10F内で整流され、インレット出口から上部筐体10A内に強い空気流となって吹き出す。
吹き出した空気流は、分離板10C上に保持されている洗浄片PCを「開口部10Eを塞いでいるクリーニング対象物COの表面」に向けて飛翔させる。
上記空気流は、旋回気流RFとなって、上部筐体10Aの内壁に沿って円環状に流れつつ、一部は分離板10Cの穴を通って吸気手段により吸気される。
このようにして上部筐体10A内に安定した旋回気流RFが形成される。
洗浄媒体をなす洗浄片PCは、この旋回気流により上部筐体10A内で旋回し、クリーニング対象物COの表面(の汚れ)に繰り返し衝突する。
この衝突による衝撃で、上記汚れがクリーニング対象物COの表面から微小粒状あるいは粉状となって分離する。
分離した汚れは、分離板10Cの穴を通って吸気手段により乾式クリーニング筐体10の外部へ排出される。
このため、旋回気流は分離板表面に吸い着けられた洗浄片PCに、横方向から吹き付けて洗浄片PCと分離板10Cの間に入り込む。
これにより、分離板10Cに吸い付けられている洗浄片PCを分離板10Cから引き剥がして再度飛翔させる効果が生じる。
また、開口部10Eが塞がれて上部筐体10A内の負圧が増大して、下部筐体10B内の負圧に近くなるため、洗浄片PCを分離板10C表面に吸い付ける力も低下して、洗浄片PCの飛翔がより容易になる効果が生じる。
また、旋回気流は多孔手段から吸い出されるまでに、内部で何周も循環するため、旋回気流の流量は通気路から流れ込む流量の5〜6倍に達することが気流シミュレーションにより確認されている。
流量が大きいため、より多量の洗浄媒体を飛翔させることができる。高速で旋回移動する洗浄片PCは、分離板10Cに吸い付けられにくく、洗浄片に付着した汚れが、遠心力により洗浄片から分離され易い。
クリーニング対象物は、フローはんだ槽工程で用いられるディップパレットであり、符号100で示す。
ディップパレット100には、マスク開口部101、102、103が開口しており、これらマスク開口部の穴周辺にフラックスFLが堆積・固化している。この堆積・固化したフラックスFLが除去すべき汚れである。
開口部10Eが被クリーニング部位に押し当てられる以前は、上部筐体10A内は吸気され、洗浄媒体の洗浄片PCは、分離板10Cに吸い付けられている。
このため、開口部10Eは図25に示す如く下方を向いているが、上部筐体10A内から洗浄片PCが外部へ漏れることが無い。
勿論、開口部10Eが被クリーニング部位に押し当てられた以後は、筐体内が気密状態となり、洗浄媒体の漏れ出しはない。
旋回気流RFは分離板10Cに吸い付けられた洗浄片PCを飛翔させ、ディップパレット100の被クリーニング部位に付着固化したフラックスFLに衝突させてフラックスFLを除去する。
クリーニング作業者は、上述の如く筐体10を手HDに持ち、ディップパレット100に対して移動させて、被クリーニング部位を順次移動させ、付着・固化したフラックスFLを全て除去することができる。
図25の状態では、ディップパレット100のマスク開口部101の周辺部がクリーニングされ、マスク開口部102の周辺部がクリーニング途上である。
このため、洗浄媒体を構成する洗浄片PCの数が維持され、洗浄媒体量の減少によるクリーニング性能の低下は生じない。
繰り返し使用により洗浄媒体が汚れた場合は、図26に示すように、分離板10Cの一部に設けた開閉可能な洗浄媒体排出口58を図示しないハンドル機構で開き、筐体内に残存している使用済みの洗浄媒体を吸引装置側へ回収する。
洗浄媒体排出口58は、通常の洗浄動作時は閉じている。
分離板10Cを通過せずに保持される洗浄媒体は、使用可能な洗浄媒体ではあるが、汚れが付着してエッジによる汚れへの食い込み機能が低下している場合には、新しい洗浄媒体と交換した方が洗浄機能は高くなる。
このような場合には、洗浄媒体排出口58を開いて汚れた洗浄媒体を回収し、ラッピングWRPを投入して洗浄媒体を入れ替える。
開口部10Eの周囲には、図27に示すように、クリーニング対象物との密着性を高めるために、ゴムパッキンなどの柔軟部材60を配置するとより効果的である(上記実施形態において同じ)。
図27において、符号62は洗浄対象物20上の汚れを、64は洗浄対象物20を置いたゴムシートを示している。
クリーニング対象物が凹凸や開口部のある形状であっても、柔軟なゴムシート等で開口部を塞ぐことで筐体内の負圧を高め、洗浄媒体が漏れ出すことなく洗浄することができる。
本例においても上記実施形態と同様に洗浄媒体の供給をラッピングされた形態で行うことができる。
10C 多孔手段としての分離板
10E 開口部
10F 通気路としてのインレット
10J 吸気口
20A、20B 吸気手段
30 ラッピング材
32、36 崩壊手段としてのラッピング破裂手段
CO 洗浄対象物
PC 洗浄媒体
RF 旋回気流
WRP ラッピング
Claims (7)
- 内部空間で複数の洗浄媒体を旋回気流により飛翔させ、前記洗浄媒体を洗浄対象物に当てて前記洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング装置に用いられる洗浄媒体であって、
前記内部空間に一群ないし一塊の状態で導入可能で、導入後に外力の作用によりばらけるように形成されており、
前記複数の洗浄媒体がラッピング材でラッピングされており、
前記ラッピング材が、前記内部空間の気流又は外部から前記内部空間へ入り込む気流、あるいはこれらの気流を案内する部材との接触により自ら破裂ないし崩壊する構成又は材質を有していることを特徴とする洗浄媒体。 - 請求項1に記載の洗浄媒体において、
前記ラッピング材が、厚みが0.1mm以下のシート状部材で形成されていることを特徴とする洗浄媒体。 - 請求項1又は2に記載の洗浄媒体において、
前記複数の洗浄媒体が薄片状又は粒状であることを特徴とする洗浄媒体。 - 複数の洗浄媒体を気流により飛翔させ、前記洗浄媒体を洗浄対象物に当てて前記洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング装置に用いられる乾式クリーニング筐体であって、
前記洗浄媒体を飛翔させる内部空間と、
前記洗浄対象物に当接して前記内部空間で飛翔している前記洗浄媒体を前記洗浄対象物に衝突させる開口部と、
外部からの空気を前記内部空間へ通す通気路と、
前記通気路を介して前記内部空間に導入された空気を吸引することにより前記内部空間に旋回気流を生じさせる吸気口と、
前記洗浄対象物から除去された除去物を前記吸気口側へ通過させる多孔手段と、を有し、
一群ないし一塊の状態で前記内部空間に導入される前記洗浄媒体をばらけさせるための崩壊手段を有していることを特徴とする乾式クリーニング筐体。 - 請求項4に記載の乾式クリーニング筐体において、
前記崩壊手段が、前記内部空間における前記旋回気流の内周側に設けられていることを特徴とする乾式クリーニング筐体。 - 請求項4に記載の乾式クリーニング筐体において、
前記崩壊手段が前記通気路に設けられていることを特徴とする乾式クリーニング筐体。 - 請求項4〜6のいずれか1つに記載の乾式クリーニング筐体と、該乾式クリーニング筐体の前記吸気口に接続される吸気手段とを有していることを特徴とする乾式クリーニング装置。
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