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JPH0669368B2 - 酢酸菌の形質転換方法 - Google Patents
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JPH0669368B2 - 酢酸菌の形質転換方法 - Google Patents

酢酸菌の形質転換方法

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JPH0669368B2
JPH0669368B2 JP58116150A JP11615083A JPH0669368B2 JP H0669368 B2 JPH0669368 B2 JP H0669368B2 JP 58116150 A JP58116150 A JP 58116150A JP 11615083 A JP11615083 A JP 11615083A JP H0669368 B2 JPH0669368 B2 JP H0669368B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、酢酸菌の形質転換方法に関するものである。
更に詳細には、本発明は遺伝子関連DNAを導入させて酢
酸菌の形質を転換する方法に関するものである。
従来、酢酸菌の形質転換については接合伝達を利用した
方法(Journal of Bacteriology,145(1),358-368,19
81)以外は全く知られていない状態である。
本発明者らは、酢酸菌において遺伝子操作的に形質転換
ができれば、よりすぐれた酢酸菌が得られるとの発想か
ら鋭意研究を行つたところ、プラスミド、プラスミド断
片、染色体断片のすべてにおいて酢酸菌への導入を確認
するに至り、本発明を完成することができた。
本発明は、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選択さ
れた少なくとも1つ以上の金属を含有する溶液中でプラ
スミド及び/又はプラスミド断片及び/又は染色体断片
を酢酸菌に導入することを特徴とする酢酸菌の形質転換
方法に関するものである。
本発明において形質転換のために用いられるDNAは、プ
ラスミド、プラスミドの断片、染色体の断片などいずれ
でもよい。プラスミドとしては菌体から分離されたまま
のプラスミド、またプラスミドから誘導した各種キメラ
プラスミド、などいずれも使用することができる。ま
た、プラスミド断片や染色体断片としては溶菌や機械的
処理によつて生成したプラスミド断片などを使用するこ
とができる。
また、本発明において形質が転換される酢酸菌としては
アセトバクター属、グルコノバクター属の菌すべてが対
象となるが、本発明におけるDNA供給菌及び形質転換菌
の例示菌としてアセトバクター・アセチNo.1023が示さ
れる。
アセトバクター・アセチNo.1023は酢酸発酵醪から単離
されたものであり、後述するプラスミドpTA5001(A)
及びプラスミドpTA5001(B)を含んだまま微工研にFER
M P-7122として寄託されている。
アセトバクター・アセチNo.1023は菌学的性質において
バージイ第8版のアセトバクター・アセチの菌学的性質
の記載とよく一致し、更に酢酸耐性及びエタノール酸化
能を有することで特徴的であり、Acetobacter aceti N
o.1023(Acer,Eth++)と表示されることもある。
アセトバクター・アセチNo.1023は、例えば通常的には
下記のYPG培地で培養され、また形質転換株の検出にはY
PG培地に抗生物質等の薬剤を適当な濃度となるように、
例えばアンピシリンを50γ/mlの濃度となるように、添
加したもの、または下記の最少培地を用いても培養され
る。
(YPG培地) イーストエキストラクト 0.5% ポリペプトン 0.2% グルコース 3.0% 寒天(固体培地の場合) 2.0% pH=6.5 (最少培地) K2HPO4 0.01% KH2PO4 0.05% MgSO4・7H2O 0.025% KCl 0.01% CaCl2・2H2O 0.01% FeCl3・6H2O 0.0005% Na-グルタメート 0.4% グルコース 3.0% 寒天(固体培地の場合) 2.0% pH=6.5 アセトバクター・アセチNo.1023はYPG液体培地で、30℃
で24〜36時間振とう培養し、培養液を遠心分離処理して
集菌される。菌体は緩衝液で十分洗浄し、緩衝液に懸濁
され、これにリゾチームが添加され、溶菌される。溶菌
液には界面活性剤及び食塩が添加され、静置後遠心分離
し、上清にポリエチレングリコールが添加され、静置後
遠心分離し沈澱物を得る。この沈澱物は緩衝液に溶解
し、エチジウムブロマイドを加え、更に塩化セシウムを
加え、密度を1.57に合わせ、密度勾配遠心分離をおこな
う。遠心分離後、遠心チユーブに紫外線でランプ365nm
の紫外線照射により、染色体バンドの下に出たバンドを
分取する。
ここに得られるバンドにはプラスミドpTA5001(A)と
プラスミドpTA5001(B)が混在している。
混在する2つのプラスミドは制限酵素による解析の結
果、はじめて2種類のほぼ同一分子量のプラスミドの混
在物であることが明らかとなつたものである。
プラスミドpTA5001(A)の分子量は23.5Kbで、制限酵
素開裂地図は第1図に示される。
また、プラスミドpTA5001(B)の分子量は22.5Kbで、
制限酵素開裂地図は第2図に示される。
第1図及び第2図に示される略記号の意味は次の通りで
ある。
E:EcoRI:Escherichia coli RY13給源の制限酵素 S:SalI:Streptomyces albus G給源の制限酵素 X:Xho I:Xhanthomonas holcicola給源の制限酵素 プラスミドpTA5001(A)及びプラスミドpTA5001(B)
はいずれもXhoIによつてただ1ケ所のみ切断されること
によつてきわめて特徴的であつて、この切断部位に他の
プラスミド断片や染色体断片を導入して、キメラプラス
ミドを作成するのがきわめて容易である。
プラスミドpTA5001(A)及びプラスミドpTA5001(B)
はそれぞれ単独もしくは混在物で酢酸菌ベクターとして
使用されるものである。
即ち、プラスミドpTA5001(A)及び/又はプラスミドp
TA5001(B)にプラスミド断片又は染色体断片を導入し
たキメラプラスミドは、本発明の形質転換に有効に使用
されるものである。
また、親株であるアセトバクター・アセチNo.1023、FER
M P-7122より100μg/ml濃度のニトロソグアニジン(N
TG)変異処理によつて得られたプロリン要求性(Pro-
の親株であるアセトバクター・アセチ10−8(Acer,Eth
++,Pro-)、及びこれから自然変異によつて得た酢酸耐
性およびエタノール酸化能が低下欠失し(Acess,Et
h-)、かつ、ストレプトマイシン耐性(Strr)の菌株で
あるアセトバクター・アセチ10-80S1(Acess,Eth-,Pr
o-,Strr)などをDNA受容体として,親株を染色体断片の
供与体として形質転換を実施することができる。
この場合、染色体断片の調製は、基本的にはプラスミド
の調製法に準じて行なわれるが、親株アセトバクター・
アセチNo.1023の菌体を懸濁する緩衝液中にはシユクロ
ースが含まれず、また界面活性剤添加後食塩は添加せず
に65℃5分間加熱した後フエノール処理、エタノール沈
澱、真空乾燥を経て調製されたDNAを、再びプラスミド
の調製法の場合と同様にして塩化セシウム−エチジウム
ブロマイド密度勾配超遠心分離にかけ、生じたDNAバン
ドを分取する。
ここで得られたDNAバンドは染色体断片及び/又はプラ
スミド断片を含んでおり、これをそのまま変異株含有液
に添加してDNA導入処理を行えば、染色体断片及び/又
はプラスミド断片が菌体に入り、変異株菌体内での断片
の組み込み乃至は組み換えが起つた時に形質の転換が起
ることになる。このようにして親株のプロリン合成遺伝
子などが容易に変異株に移入され、形質が転換されるの
である。
このように酢酸菌の形質の転換はプラスミド及び/又は
プラスミド断片及び/又は染色体断片によつて溶液中で
生起させられる。
本発明において、まず、菌体が溶液によつて処理され
る。ここに用いる溶液としては、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属から選択された1つを含有する塩溶液である
のが好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カリウムの
塩化物があげられる。
塩化カルシウムでは50〜100mM、塩化マグネシウムでは1
0〜50mM程度で、pHを6〜7の微酸性にしておいてこれ
に形質転換すべき菌体を浸漬処理するのがよい。
また、形質転換すべき菌体は、対数増殖期中期から静止
期初期にかけて集菌されたものを用いるのがよい。
溶液によつて処理された菌体には、溶液に浸漬された状
態で、プラスミド及び/又はプラスミド断片及び/又は
染色体断片が溶液で添加される。
DNAの導入は0℃で約1.5時間ゆるやかに撹拌し完了す
る。
DNAの導入処理の完了した菌体は最少培地(固体)また
は抗生物質等の薬剤を適当な濃度となるように、例えば
アンピシリンを50γ/mlの濃度となるように、添加した
YPG培地(固体)で30℃、5〜10日間培養し、コロニー
を分離する。
得られた菌体の形質を確認したところ、存在しなかつた
各種形質が導入されているのが分る。
形質転換に際しては、プラスミドもしくはキメラプラス
ミドの場合は細胞にとりこまれてそのまま形質が発現す
るが、プラスミド断片又は染色体断片の場合は細胞にと
り込まれた後細胞内で組換えが起り、形質の発現が生起
するものと考えられる。
次に本発明の実施例を示す。
実施例1 DNA受容菌体の調製 アセトバクターアセチNo.1023(Acer,Eth++,pro+,str
s)、FERM P-7122からNTG変異処理及び自然変異処理に
よつて分離されたアセトバクター・アセチ10-80S1(Ace
ss,Eth-,pro-,strr)を500ml坂口フラスコに入れた100m
lYPG液体培地に接種し、30℃で20時間振とう培養した。
培養液は0℃で、6,000×gで、10分間遠心分離し、集
菌する。菌体は100mM NaCl及び5mM MgCl2を含有する5mM
トリス塩酸緩衝液(pH7.6)の0.5倍容量で2回洗滌す
る。再び0℃で、6,000×gで、5分間遠心分離し、集
菌する。
この菌体には0.4倍容量のCaCl2の溶液(100mM CaCl2、2
50mM KCl、5mM MaCl2、5mM Tris-HCl、pH7.6)が加えら
れ、0℃で、6,000×gで、5分間遠心分離し、集菌す
る。
菌体には0.004倍容量の上記CaCl2溶液を添加し、DNA受
容菌体懸濁液とした。
実施例2 プラスミドpTA5001(A)とプラスミドpTA50
01(B)の混在物の単離 アセトバクター・アセチNo.1023,FERM P-7122を40mlのY
PG培地に植菌し、30℃で一晩振とう培養した。
その後新らしいYPG培地4lに1%で植え継ぎさらに30℃
で36時間振とう培養した。
集菌後、TE緩衝液(20mM EDTA,50mMトリス塩酸、pH8.
0)で2回菌体を洗浄した。
得られた湿菌体2gあたり7mlのTES緩衝液(50mMトリス塩
酸、20mM EDTA、25%シヨ糖、pH8.0)を加え、菌体を懸
濁し、4mlのリゾチーム液(0.25Mトリス塩酸、リゾチー
ム2%、pH8.0)をさらに加え、0℃で5分静置した。
次に0.25M EDTA液(pH8.0)を4ml加え、0℃で5分静置
した後、37℃で20分間反応させた。反応後、3mlの10%
ラウリル硫酸ナトリウムを加え、37℃で20分間静置後、
5mlの5M食塩水を加え、0℃で一夜静置した。
48,200×gで60分間遠心分離をかけ、上清を分取した。
次にこの上清に最終濃度で10%になるようにポリエチレ
ングリコール6,000を加え、4℃で一夜静置した後、3,0
00×gで10分間遠心分離し、沈澱物を得た。この沈澱物
を7mlのUC緩衝液(50mMトリス塩酸、5mM EDTA、50mM Na
Cl、pH7.8)に溶解させた後、最終濃度で500μg/mlに
なるようにエチジウムブロマイドを加え、さらに、塩化
セシウムを加えて密度を1.57に合わせた。この溶液を15
℃、100,200×gで40時間密度勾配遠心分離をおこなつ
た。遠心分離後、遠心チユーブに紫外線ランプで365nm
の紫外線を照射することにより、染色体バンドの下にあ
らわれるバンドをプラスミド分画として分取した。次い
で、分画液をイソプロパノール処理し、エチジウムブロ
マイドを除去した後、TE緩衝液(10mMトリス塩酸、1mME
DTA、pH7.5)に対して透析した。これをプラスミド混在
溶液とした。
得られたプラスミド混在溶液中には2つの環状プラスミ
ドが混在しており、制限酵素による解析の結果、第1図
に示すプラスミドpTA5001(A)と第2図に示すプラス
ミドpTA5001(B)であることが明らかとなつた。
すなわち前記で調製したプラスミド混在溶液に対し、少
なくとも5倍量過剰の制限酵素(EcoRIおよびSalIは宝
酒造社製、XhoIは、ベセスダ・リサーチ社製を使用し
た。)を常法に従がつて各各制限酵素の至適条件下で反
応させた。反応後、垂直型アガロースゲル電気永動で分
析した。即ち、1%アガロースゲルを用い、トリス酢酸
緩衝液(40mMトリス、20mM酢酸、2mM EDTA、pH8.1)中
で泳動させた。その後、ゲルをエンジウムブロマイドの
1μg/ml液に浸して染色した。このゲルに紫外線を照
射し、生成断片の数を判定し、各断片の泳動距離から、
各々の分子量を算出した。分子量は、同一アガロース上
で同時に泳動したラムダフアージDNAのHind III切断で
生成する分子量既知の各断片の泳動距離から作成した標
準線のもとに算出した。
各種制限酵素を単独で用いて得られた各断片及び各制限
酵素の2種以上を組合わせて用いた処理によつて得られ
た各断片の断片数及び分子量などからpTA5001(A)及
びpTA5001(B)の第1図及び第2図に示した制限酵素
開裂地図が決定された。
実施例3 プラスミドpTA5001(A)とプラスミドpTA50
01(B)の混在物のベクターとしての利用 実施例2で得られたプラスミド混在溶液(DNA量10μ
g)中に、大腸菌薬剤耐性ベクターであるpACYC 177
(カナマイシン耐性及びアンピシリン耐性;Journal of
Bacteriology,134(3),1441−(1156,1978)を持つ大
腸菌(Escherichia coli C600)から得たプラスミドpAC
YC 177(第3図に示す。DNA量2μg)を添加し、少な
くとも5倍量過剰の制限酵素XhoIを常法により至適条件
下で反応させ、反応終了後、等量のフエノールを加え激
しく撹拌して制限酵素を失活させた後、さらにエーテル
抽出を充分行なつてフエノールを除去し、さらに2倍量
のエタノールを加えて−80℃に1時間保持した後、15,0
00×gで5分間遠心分離を行なつてDNAを沈降させ、さ
らに真空乾燥してエタノールを除去した後、次に沈澱を
水に溶解後、常法によつて、T4 DNAリガーゼによる反
応を21℃で2時間行ない、さらに前記と同様にしてエタ
ノール沈澱、真空乾燥を行なつて得られた沈澱をTE緩衝
液0.1mlに溶解してキメラプラスミド含有溶液を得た。
それぞれのキメラプラスミドはいずれもプラスミドpACY
C 177を含有している。しかし、プラスミドpACYC 177の
カナマイシン耐性部位にXhoI切断点があつて、そこが切
断されているためにカナマイシン耐性は発現せず、アン
ピシリン耐性のみが発現することになる。
実施例4 染色体断片溶液の調製 実施例2に示した方法においてTES緩衝液の代わりにTE
緩衝液を用いて調製した5M食塩水を加える前の溶菌液を
65℃で5分間加熱し、さらに滅菌水を3倍量加えた後、
それと等量の水飽和フエノールを加えて激しく撹拌後7,
000×g10分間の遠心を行なつてフエノールを分離し、フ
エノール上層の水溶液層を分取し、分取した水溶液の2
倍量のエタノールを加えて−80℃2時間放置後7,000×g
30分間の遠心を行ない、得られた沈澱を真空乾燥した
後、UC緩衝液に溶解して、以下再び実施例2と同様にし
て塩化セシウム−エチジウムブロマイド密度勾配遠心分
離によつて得られたDNAバンドを分取し、エチジウムブ
ロマイドを除去した後、TE緩衝液に対して透析すること
によつて染色体断片溶液を得た。
染色体断片溶液には染色対断片及びプラスミド断片が混
在しており、形質転換の際は適宜、希釈あるいは濃縮も
しくはそのままで使用された。
実施例5 キメラプラスミドを用いた形質転換 実施例1で得たDNA受容菌体懸濁液0.2mlを用意し、これ
に実施例3で得たキメラプラスミド含有溶液0.1mlを添
加し、0℃で90分間ゆるやかに撹拌しつつ、キメラプラ
スミドの直接導入を行なつた。
ここに得られたキメラプラスミド導入菌体を含む液を3m
lのYPG培地に移し、30℃6時間振とう培養を行なつた
後、アンピリシン50γ/ml添加したYPG培地(固体)上
で30℃で5日間培養し、9株のコロニーを得た。これら
を10-80S1-Al〜−A9と命名した。このうち10-80S1-Alを
アンピシリンを30γ/ml添加したYPG液体培地で30℃、2
4時間振とう培養し、実施例2の方法に従つてプラスミ
ドを分離したところ、プラスミドpTA5001(A)とプラ
スミドpTA5001(B)の混在物以外にこれらよりやや分
子量の大きいプラスミドが得られた。このプラスミドは
先に導入したキメラプラスミドのうち、pTA5001(A)
とpACYC 177がXhoI切断部位を介して連結したキメラプ
ラスミドと認められた。また、アセトバクター・アセチ
10-80S1はアンピリシン耐性を有しないが10-80S1-A1は
アンピシリン耐性を持つていることなどからもキメラプ
ラスミドが導入され、形質転換が行なわれたことが確認
された。
同様にして、少なくとも10-80S1-A2〜−A6はpTA5001
(B)とpACYC 177が制限酵素XhoI切断部位を介して連
結したキメラプラスミドが導入されていることが確認さ
れた。
また10-80S1-A1〜−A6の持つキメラプラスミドを再度10
-80S1に前記と同様の方法で導入したところ、10-80S1-A
1〜−A6の各キメラプラスミドにおいて、1μgDNA量当
りに換算して105個前後のアンピリシリン耐性の形質転
換株が得られた。
実施例6 染色体断片を用いた形質転換 実施例1で得たアセトバクター・アセチ10-80S1(Aces
s,Eth-,Pro-,Strr)のDNA受容菌体懸濁液0.2mlを用意
し、これに実施例4で得たアセトバクター・アセチNo.1
023(Acer,Eth++)の染色体断片溶液0.1mlを添加し、0
℃で30分間ゆるやかに撹拌し、次いでこの反応液を42℃
で3分間ヒートシヨツクし、更に0℃で60分間ゆるやか
に撹拌し、DNAの導入を行なつた。
反応物は最少培地(固体、ストレプトマイシン50μg/
ml添加)で30℃、7〜10日間培養し、生育したコロニー
を検出した。
対照として、DNAを含まない同一緩衝液を添加し、同様
の処理をし、同一培地で同様に培養し、生育したコロニ
ーを検出した。また、DNA受容菌体を添加しない場合も
対照とした。
その結果は次の表に示される。
上表から明らかなように、溶液中で染色体断片及び/又
はプラスミド断片の導入が行なわれ、形質転換が起つた
ことが分る。
得られた形質転換株はすべてプロリンを要求しなくなつ
たアセトバクター・アセチ10-80S1(Acess,Eth-,pro+,s
trr)であつた。
実施例7 実施例6における42℃、3分間のヒートシヨツクを行つ
た場合と行なわない場合を比較した。
比較方法は実施例4と全く同様である。
その結果は次の表に示される。
この表から、この条件では、ヒートシヨツクの影響はほ
とんど認められなかつた。
実施例8 有効細胞の懸濁液の塩溶液を100mMのリチウム、ナトリ
ウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウ
ム、カルシウムの各塩化物に置きかえる以外はすべて実
施例6と同じに形質転換を行い、コロニーを検出した。
その結果は次の表に示される。
種々のアルカリ金属、アルカリ土類金属が有効であり、
なかでもリチウム、ルビジウム、マグネシウム、カルシ
ウムがより良い効果を示した。
実施例9 有効細胞の懸濁液は塩溶液をNaCl、KCl、MgCl2、CaCl2
において濃度を変化させる以外はすべて実施例6と同じ
形質転換を行い、コロニーを検出した。
その結果は第4図に示される。
第4図からマグネシウムの場合は10〜50mM、カルシウム
の場合は50〜100mM、ナトリウムとカリウムの場合は100
mM以上が好ましいことが分る。
実施例10 有効細胞の懸濁液の塩溶液にpH6.0〜9.5の塩化カルシウ
ム100mM溶液を使用する以外はすべて実施例6と同じに
形質転換を行い、コロニーを検出した。
その結果は第5図に示される。
第5図から塩化カルシウム100mM溶液のpHは酸性側に高
い活性があることが分る。
実施例11 有効細胞の培養液からの採取を培養全期間の各時期で行
う以外はすべて実施例6と同じに形質転換を行い、コロ
ニーを検出した。
その結果は第6図に示される。
第6図から対数増殖期中期から静止期初期にかけて集菌
されたものが形質転換率においてすぐれているのが分
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はプラスミドpTA5001(A)の制限酵素開裂地図
を示し、第2図はプラスミドpTA5001(B)の制限酵素
開裂地図を示し、第3図はプラスミドpACYC177の制限酵
素開裂地図を示す。 E……EcoRIによる切断部位、S……SalIによる切断部
位、X……XhoIによる切断部位、Km……カナマイシン耐
性遺伝子、Am……アンピシリン耐性遺伝子。 第4図は、実施例9における、各種塩の濃度変化と形質
転換率の関係を示すグラフであり、第5図は、実施例10
における、塩化カルシウム溶液のpHの変化と形質転換率
の関係を示すグラフであり、第6図は、実施例11におけ
る、有効細胞の採取時期と形質転換率の関係を示すグラ
フである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対数増殖中期から静止期初期に集菌した酢
    酸菌を用い、少なくとも、10〜50mMのマグネシウム及び
    /又は50〜100mMのカルシウムを含有し、pHが6〜7で
    ある溶液中でプラスミド及び/又はプラスミド断片及び
    /又は染色体断片を酢酸菌に導入することを特徴とする
    酢酸菌の形質転換方法。
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