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JPH07116105B2 - 独立粒子状α晶テトラキス〔3―(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタンおよびその製造方法 - Google Patents
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JPH07116105B2 - 独立粒子状α晶テトラキス〔3―(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタンおよびその製造方法 - Google Patents

独立粒子状α晶テトラキス〔3―(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタンおよびその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリオレフィンなどの酸化防止剤として有用
なα晶の結晶構造を有するテトラキス〔3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル
オキシメチル〕メタン(以下、化合物−Aということも
ある。)の新規な独立粒子状結晶、さらに詳しくは化合
物−Aのα晶構造を有する実質的に立方体または直方体
およびそれらの集合体からなる独立粒子状結晶およびそ
の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
現在市販されている化合物−Aの製品は、微粉末で嵩比
重が小さい、流動性が悪い、取り扱い時に飛散しやすい
等いわゆる粉体特性に劣り作業性、計量性および環境衛
生上に重要な問題を有しその改良が望まれている。
化合物−Aは結晶学上、多形とよばれる性質があり同一
の化学構造式でありながら、多種の安定なまたは準安定
な結晶形が存在し、これまでにα晶、β晶、γ晶、δ晶
等で定義される数種の結晶形が知られており、前述の市
販品はβ晶の結晶構造を有する。各々の結晶形と化合物
−Aの純度および粉体特性との間には密接な関係があ
り、種々の方法により目的の結晶形が得られている。
従来より、特定の結晶形の化合物−Aを得ることによ
り、あるいは特定の結晶形と特殊な粒子形を組合せて化
合物−Aを得ることなどにより、市販品の欠点を改良す
る提案がなされている。たとえば、(1)特公昭60-130
18号、同60-13017号公報には、準安定な結晶形であるδ
晶にすることでα晶や、市販品β晶の欠点である粉体特
性を改良すること、また、(2)特開昭62-258343号公
報には、結晶形は準安定なβ晶で市販品と同じであるが
特定の条件下で再結晶して、独立粒子状晶で表現されて
いる結晶を得ることにより市販品の欠点を改良すること
が開示されている。
一方、α晶は安定な結晶形に属し、特公昭42-18617号、
同42-19083号、特開昭60-156645号公報等で開示されて
いるように、n−ヘプタン、n−ヘキサン、メタノール
などから再結晶することにより得られるが、純度、粉体
特性ともに最も劣り製品としての価値が小さいのが現状
である。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、従来の方法は、粉体特性の良好な化合物−
Aを得るために純度および粉体特性の劣るα晶を避け
て、結晶構造としては不安定なδ晶や独立粒子状β晶と
することにより改良する方法が提案されているが、工程
数を増やしたり、または不純物を多量に存在させる必要
があるなど、いずれも経済的方法とはいえない。すなわ
ち、特公昭60-13017号および同60-13018号の方法ではエ
ステル交換反応の際に式(1) (式中、R1,R2はそれぞれ炭素数1〜6個のアルキル基
を示す。) により表わされるジカルボン酸エステルの添加が必要で
あること、および化合物−Aとイソプロパノールとの分
子付加物の単離が必要であるため、工程数が増える等、
経済的方法とはいえない。また、特開昭62-258343号で
は、再結晶精製の前に原料の3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルまた
はエチルおよび式(2) により表わされる反応未了中間体である、トリス置換体
を多量に含有させる必要があるため(同明細書にも書か
れているように反応終了時に目的とする化合物−Aの含
量が高くなりすぎた場合は、わざわざ原料またはトリス
置換体(2)を混合しなければならない)、得られる製
品の純度が低くなりやすいく、同時に再結晶歩留りも悪
くなり経済的方法とは言えない。
本発明は、高純度で粉体特性に優れ、かつ安定な結晶構
造に属するα晶化合物−A、すなわち実質的に立方体ま
たは直方体およびそれらの集合体からなる独立粒子状の
α晶化合物−Aおよびその製造方法を提供することを目
的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、化合物−Aの結晶構造、特にそのα晶に
ついて鋭意検討を重ねたところ、驚くべきことに従来知
られているα晶とは異なる粒子形の、すなわち粉体特性
が良好でかつ新規な粒子形状のα晶化合物−Aを見出
し、本発明を完成した。
本発明は3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオン酸メチルとペンタエリスリトール
とをエステル交換反応することにより得られるテトラキ
ス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシメチル〕メタンまたはその市
販製品を炭素数8〜10の脂肪族飽和炭化水素溶媒および
少量のメタノールとの混合溶媒を用いて再結晶すること
により得られる実質的に立方体または直方体およびそれ
らの集合体からなる独立粒子状α晶テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオニルオキシメチル〕メタンに関する。
本発明に使用される炭素数8〜10の脂肪族飽和炭化水素
溶媒の具体例としては、アイソパー(エクソン化学商品
名)、シェルゾール(シェル化学商品名)、IPソルベン
ト(出光石油化学商品名)などが挙げられる。メタノー
ルの添加量は前記溶媒に対し、1〜4重量%でよい。ま
た、晶析前の化合物−Aの含有量は85〜98%程度であ
る。さらに、晶析温度は70℃から20℃の範囲である。
本発明の独立粒子状α晶化合物−Aは、その結晶粒子径
が0.1mm以下である結晶粒子の割合が5重量%以下であ
り、より好ましくは結晶粒子径が1mmより大きい結晶粒
子の割合が1重量%であり、0.1〜1mmの結晶粒子の割合
が94重量%以上で、かつ0.1mmより小さい結晶粒子の割
合が5重量%以下であり、粒度分布が均一である。
〔作用〕
本発明により得られる化合物−Aは、第1図で示したX
線(Cu-Kα)回折スペクトルおよび融点が122〜124℃を
示すことからα晶の結晶構造と判断され、第5図の顕微
鏡写真で示したように実質的に立方体または直方体およ
びその集合体からなる結晶粒子であり、微粉末をほとん
ど含んでおらず、第6図の顕微鏡写真で示した従来法で
得られるα晶とは明確に区別される粒子形であることが
分かる。
さらに、本発明により得られるα晶化合物−Aは、従来
知られているα晶とは異なり、本質的に独立粒子状結晶
であるため、再結晶で容易に高純度に精製され、かつ粒
度分布が均一でその幅が狭く、また嵩比重が大きく、乾
燥および輸送時において破砕されにくい等の、いわゆる
粉体特性に優れるという大きな特徴を有し、作業能率お
よび作業環境の向上を図ることができるという点で非常
に有利である。このように本発明のα晶化合物−Aは、
従来知られているα晶にはない高純度で優れた粉体特性
を持ち、かつ製造も容易である。
〔実施例〕 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
参考例 市販されているテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
ル〕メタン(この製品の形状は第7図の顕微鏡写真で示
したように微粉末で、融点112〜114℃および第2図で示
したX線回折スペクトルからβ晶構造を有するものであ
る。)150gおよびアイソパーE180g(エクソン化学から
市販されている炭素数8〜10の脂肪族飽和炭化水素溶
媒)を500mlの4口フラスコに加え、95℃まで加温して
完全に溶解した。攪拌下、徐々に冷却し70℃で少量のα
晶を種晶として加え、60〜50℃で4時間攪拌を続けると
大部分の結晶が析出した。さらに、30℃まで冷却して晶
析を完結した。生成したスラリーを吸引濾過により濾別
後、乾燥すると、流動性のよい白色結晶146gを得た。こ
の結晶は融点(122〜124℃)および第1図で示したX線
回折スペクトルからα晶であることを確認した。
得られた結晶の性状を市販品および従来法で得られるα
晶等と対比して第1表にまとめて示した。
実施例1 参考例1の方法において、溶解時にメタノール3.7gを新
たに追加したこと以外は全く同一の操作を行った結果、
流動性のよい白色結晶145gを得た。この結晶は融点(12
2〜124℃)およびX線回折スペクトルからα晶であるこ
とを確認した。
実施例2 攪拌機、還流冷却器、温度計および減圧調整弁を備えた
1の4口フラスコに3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル479.5g、ペ
ンタエリスリトール54.5gおよびジブチル錫オキサイド
0.25gを加え、195℃/大気圧下で2時間反応し、副生す
るメタノールを留去した。引続き195℃/40mmHgの減圧下
で2時間、さらに195℃/2〜5mmHgの減圧下で12時間反応
し、副生するメタノールを留去し反応を完結した。窒素
で大気圧に戻した後の反応物重量は483gで、HPLC分析の
結果、目的物89%を含有していた。
この反応物150g、アイソパーE170gおよびメタノール6.2
gを500mlの4口フラスコに加え、85℃に加温して均一な
溶液にした後、攪拌下徐々に冷却し55℃でα晶の種晶を
少量加えて50〜45℃で8時間晶析した。その後、さら
に、25℃まで冷却し晶析を完結させて結晶を濾取した。
得られた結晶を冷アイソパーE100mgで洗浄後、乾燥する
と、流動性のよい白色結晶126gを得た。この結晶は融点
(122〜124℃)および第3図で示したX線回折スペクト
ルからα晶であることを確認した。
比較例1 実施例2で得られた反応物150gを用いて、アイソパーE
の代わりに特開昭60-156645号の実施例1で使われてい
るメタノール170gを使用し、68℃まで加温し均一な溶液
にした後、実施例3に記載した通りの方法で晶析した。
得られた結晶を冷メタノール100mlで洗浄後、乾燥する
と、白色粉末120gを得た。この結晶は融点(122〜124
℃)および第4図で示したX線回折スペクトルからα晶
であることを確認した。
比較例2 比較例1の方法において、メタノールの代わりに特公昭
42-18617号の実施例2で使われているn−ヘプタンを使
用した以外は同じ操作を行い、微黄色粉末118gを得た。
この粉末は融点およびX線回折スペクトルからα晶であ
ることを確認した。
比較例3 比較例1の方法において、メタノールの代わりに特公昭
42-19083号の実施例1で使われているn−ヘキサンを使
用したこと、および晶析温度を40℃としたこと以外は同
じ操作を行い、微黄色粉末125gを得た。この粉末は融点
およびX線回折スペクトルからα晶であることを確認し
た。
試験例1 参考例、実施例1〜2、比較例1〜3および市販品の結
晶の性状を第1表にまとめた。嵩比重および安息角はパ
ウダーテスター(ホソカワミクロン製)で測定した。ま
た、落下速度は第8図に示したステンレス製ホッパーか
らの落下速度で、数値が小さいほど流動性がよいことを
示す。市販品はチバ・ガイギー社製品である。
試験例2 実施例2で得られた化合物−Aの結晶粒子の機械的強度
を振盪攪拌法によって試験した。試料100gを1000mlのフ
ラスコに入れ、7時間振盪し、試験の前後の粒度分布の
結果を第2表に示した。試験の前後における粒度分布が
ほとんど変わらないことから、この結晶粒子の機械的強
度が高いことが分かる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1により得られる本発明化合物のX線回
折スペクトル; 第2図は実施例1に使用した市販品のX線回折スペクト
ル; 第3図は実施例3により得られる本発明化合物のX線回
折スペクトル; 第4図は比較例1により得られる化合物のX線回折スペ
クトル; 第5図は本発明により得られる独立粒子状α晶の結晶の
構造の顕微鏡写真; 第6図は従来法により得られるα晶の結晶の構造の顕微
鏡写真; 第7図は市販品の結晶の構造の顕微鏡写真;および 第8図は落下時間の測定に使用したホッパー(1は円筒
部、2は円錐部、3は試料出口を表す)を示す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α晶の結晶構造を持ち、かつ実質的に立方
    体または直方体およびそれらの集合体からなる独立粒子
    状結晶であるテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル
    −4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
    ル〕メタン。
  2. 【請求項2】結晶粒子径が0.1mm以下である結晶粒子の
    割合が5重量%以下である請求項(1)記載の化合物。
  3. 【請求項3】結晶粒子径が1mmより大きい結晶粒子の割
    合が1重量%以下であり、0.1〜1mmの結晶粒子の割合が
    94重量%以上で、かつ0.1mmより小さい結晶粒子の割合
    が5重量%以下である請求項(1)記載の化合物。
  4. 【請求項4】上記結晶を破砕してなる請求項(1)記載
    の化合物。
  5. 【請求項5】テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル
    −4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチ
    ル〕メタンを、炭素数8〜10の脂肪族飽和炭化水素溶媒
    および少量のメタノールとの混合溶媒を用いて晶析させ
    ることを特徴とする実質的に立方体または直方体および
    それらの集合体からなるα晶独立粒子状テトラキス〔3
    −(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
    プロピオニルオキシメチル〕メタンの製造方法。
  6. 【請求項6】添加するメタノールの量が、炭素数8〜10
    の脂肪族飽和炭化水素に対し1〜4重量%である請求項
    (5)記載の方法。
  7. 【請求項7】晶析前のテトラキス〔3−(3,5−ジ−t
    −ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキ
    シメチル〕メタンの含有量が85〜98%である請求項
    (5)記載の方法。
  8. 【請求項8】晶析温度が70〜20℃の範囲である請求項
    (5)記載の方法。
JP1057353A 1988-09-07 1989-03-08 独立粒子状α晶テトラキス〔3―(3,5―ジ―t―ブチル―4―ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタンおよびその製造方法 Expired - Fee Related JPH07116105B2 (ja)

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