Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
Jun's Home Page
Welcome to Jun's HP.
You are the
-th visitor
(since 01/01).
[English Page]
[2006]
[2005]
[2004]
[2003]
[2002]
[2001]
[2000]
[1999]
[1998]
[1997]
[1996]
96/08/00開設◇
07/01/01新年更新◇
07/03/03桃の節句◇
07/05/05端午の節句◇
07/07/07七夕◇
07/09/09中秋◇
07/11/11紅葉◇
08/01/01新年更新◇
サクっと知りたい人は
HPダイジェストへどうぞ.
|
トピックス/Topic
|
|
|
−今後の目標− 【人生の達人
master of lifeをめざそう】
|
|


趣味/Hobby
マンガ/アニメ★
アトム
で育った筋金入りのマンガ/アニメ好き.
アニメのマイベスト3を挙げれば,『うる星やつら』『機動戦士ガンダム』
『風の谷のナウシカ』『トップをねらえ!』だ.
(4つあるって? 3つに絞れなかったんだから,しゃーないやんけ)
最近面白かったもの:
- TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』★
HPを見て、OBの某T鍋くんが、お土産に持ってきてくれた。
これはヤバイ、ますますはまりそうだ。
少しずつ見ることにしよう。
やっとのこと全編14話を見たが、
これは近年まれに見るアニメの傑作かも知れない。
原作およびマンガから想像できる以上に、
よく動いているし声もピッタリだった。
いや、でも、実際、身の回りに涼宮ハルヒが一人いると、
人生まったく退屈しない気がする。
まぁ、常識で考えれば涼宮ハルヒみたいな人間はいないと思うし、
普通の人間にとっては取り扱い不可能で引いてしまうかもしれないけど、
案外と涼宮ハルヒみたいな人間は実在していたりして、
普通でない人間にとってはユニークすぎて面白かったりするだろう。
- BIGLOBE『神世紀伝マーズ』★
BIGLOBEストリームで流しているこいつも、
昔の『六神合体ゴッドマーズ』とは違って、
原作に忠実でなかなかいい。
…と思って最後まで観たが、最後がなんじゃこれって感じだった。
違和感満載。
全面戦争で滅んだ故郷の惑星を再興するって帰っちゃったが、
マーズ一人でどうするっちゅうねん。
- 皆川ゆか『評伝シャア・アズナブル』(上下)★
ガンダム本は山ほどあるし、名セリフ集も岡ほどあって、
最近ではほとんど買っていなかったのだが、
この本は“いい匂い”がして、手に取ってしまった。
予想通りに、数多のガンダム本の中では、
非常によくまとまった出来だと思う。
ちょっと嬉しかったのは、朝日の書評に出たときには、
すでに上巻を読み終えた後だったことかな。
最近はあまりに出版点数が多いので、
“ハルヒ”みたいに書評や書評誌を参考に本を買うことは多いのだが、
それでも、自分がいいなっと思った本が、
後で書評に出たりすると、うんうん、と思ってしまう。
下巻も読み終わったけど、これはほんとによくできた評伝だ。
シャアの人物像が非常に深く掘り下げてあるだけでなく、
言動の背景にある人間関係や社会構造も詳細に分析してある。
でも、シャアの年齢を見てみると、
1年戦争当時でシャア・アズナブルを名乗っていたときが20歳、
Zでクワトロ・バジーナを名乗っていた頃が27か28ぐらい、
逆シャアのネオ・ジオン総帥時で33歳。
いまならわかるけど、これらの年齢の言動ではない。
どう見ても、10歳から20歳足した人間の言動だったんだなぁ。
- 『機動戦士ガンダムI、II、III』★
昨年、新訳『Zガンダム』3部作がDVDで出て、
正月に観ようと思っていたのが、まったく時間が取れなかった。
上の評伝が出て、じゃぁ、やっぱ、最初から観るかと、
DVDの中古を探してきた。
でもって、文章の手直しをしながら、図の変換をしながら、
ときに電話をしながら、画面の左隅で観ている(笑)。
DVD動画ソフトと同時に、
ワープロソフトや画像処理ソフトやTEXなども立ち上げているので、
かなり重い。
TEXのコンパイルをするときなど、音声がギクシャクなるので、
どうでもいい場面でコンパイルする(爆)。
でも、久しぶりに観たが、シャアはもちろんランバ・ラルにスレッガー、
やっぱみな格好ええわぁ。
シャアとスレッガーはキャラ的に無理だが、
せめてランバ・ラルを目指すことにしよう。
- 『機動戦士ZガンダムI、II、III』★
つづいて、新訳『Zガンダム』。
まずはパートI「星を継ぐ者」。
しかし、しかし、展開が速い、速すぎ。
ふつうの展開の“3倍”の速さだ!
もともとがごっつわかりにくかった話だったから、
これじゃ、バックグラウンドを知らないとまったく話が見えないだろう。
それにこの速さじゃ、他の作業をしながら、画面の片隅で見るなんて無理だ。
仕事にならんなぁ。
でも、画面がすごく綺麗になっているし、
モビルスーツ戦もヨーダのようによく動く。
“新訳”らしい流れや新しい場面はいっぱいあるが、
たんにTVシリーズを忘れたためかも知れない。
でもパートIIになると、旧作シーンと新作シーンがかなり違うので、
よくわかる、というか、わかりすぎて、少しぎごちない感はある。
でも、旧作シーンも懐かしいので、全編新作よりは、
これはこれでいいのかも。
しかし、Zって、パートIIの時期は、こんなに色恋沙汰多かったんだ。
アムロやシャアはもちろん、カミーユにカツにシロッコにヘンケンまで、
みな忙しそうである。
たしかに、サブタイトルの「恋人たち」も“伊達じゃない”。
そしてパートIII「星の鼓動は愛」。
あれ、キリマンジャロなくなったんだ???
ちょっと混戦・混乱しすぎ感はあるが、ま、こんなもんか。
でも、フォウの出番やエンディングを見る限り、
たしかに、かなり“新訳”になったようだ。
どっちがよかったのかなぁ。
- 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』★
これも何年ぶりだろう、1988年だから、ほぼ20年ぶりか。
『評伝シャア・アズナブル』とサイコフレーミングしながら、
懐かしく観た。
逆シャアまでで完全にまとまっていて、文句はないのだが、
Zのような新訳版も観たい気はする。
- 映画版『ダ・ヴィンチ・コード』★
アニメじゃないけど、まぁ、映画つながりでいいか。
原作も映画も有名だが、原作が文庫化されたときに、
前作も含め、シリーズを読んだら、たしかに面白かった。
シオン修道会とかテンプル騎士団とか陰謀モノにはまりそうになったぐらいだ。
たまたま招待券が手に入ったので、湯川朝永記念展に行くのをやめてまで、
祇園会館へ行ってしまった(学徒にあるまじきヤツである)。
映画館に行ったのはSWIII以来だから1年半ぶりぐらいだろうか。
原作は文庫で3冊にもなる長い作品だったが、
暗号解読を一部スキップするなどして、
映画版は上手にまとめられていたと思う。
原作を読んでいなくても楽しめる感じだったし、
原作を読んでいてもとても面白かった。
逆さピラミッドや最後の晩餐や羊皮紙を収めた装置などが、
きちんと映像化されていて、よくできた作品だと思う。
ルーブルやエッフェル塔などパリのシーンはもちろん、
テンプル教会やニュートンの墓所などロンドンのシーンもよく撮れていた。
ジャン・レノの刑事やヒロインや暗殺者や黒幕などの配役も
原作ピッタリのイメージだった。
強いて言えば、主人公のトム・ハンクスが中年太りしてて、
原作の教授のイメージとは一番合っていなかったかな。
- 羽海野チカ『ハチミツとクローバー(全10巻)』★
あちこちで名前を見かけていて気になっていたが、
全巻揃いを古市で見つけてゲット。
“なるほど!”、これはたしかにヒットするわけだ。
めったやたらに面白い上に、どうしようもなく切ない。
なにせ<全員片思い>逆送ラブストーリーだそうだし。
でも、そこがツボにはまるんだろうなぁ。
竹本:
ずっと考えていたんだ
実らなかった 恋に 意味はあるのかなって
消えてしまったものは
初めからなかったものと
同じなのかなって
先読みができなくて、最後の最後までハラハラする展開だった。
でもゲハゲハ笑いながら読んでいたら家族に白い目で見られた(笑)。
あんまり面白かったし、伏線が複雑だったので、即座に、
再読して復習してしまったが、再読なんて久しぶりである。
というか、4回ほど読んで、伏線などの繋がりがやっとわかった感じ。
最初から相当に緻密に構成してあったのか、
最終的に伏線が上手く繋がったのかしらないけど、
最近読んだコミックや小説の中で、
ここまでガチっと組み上がったものは覚えがないなぁ。
たとえば、(***ネタバレ***)、
エンディング条件はすでに2巻のchapter14で出ている。
これは結構、強烈だ。
それから、5巻chapter30に3つの選択肢が出てくるが、
修司:
努力するか
諦めるか
どっちかしかないよ
3つ目の一番辛い選択肢もちゃんと書いてあったが、
出てくるのは8巻だったりする。
アニメも出ているのか、困ったなぁ。
- 高橋留美子『1ポンドの福音(4巻;完結編)』★
やっと完結した感。
『めぞん一刻』の数分の1くらいのパワーしかないけど、
それでもすごく面白いから、いかに、
往時の高橋留美子が“超天才”だったかがわかる。
結末はわかっているのだが、完結編はなかなかに感情移入できた。
- 太田垣康男『MOONLIGHT MILE(14巻)』★
絵、あまり綺麗くないくせに(笑)、毎回、なんとも感動させてくれるもんだ。
今回も、ハラハラドキドキだったが、最後に、しっかり盛り上げてくれた。
中国も表舞台に出てきて、いよいよ、面白くなりそうだ。
- DVDアニメ『灼眼のシャナ』★
小説版がよかったので、結局、DVDも揃えてしまった。
細かいところはかなり省いてあるが、エッセンスはうまく入れ込んである。
とくに第15話「炎の生まれた日」なんかは珠玉のできだと思う。
ただ、アニメ版だけではさすがにわかりにくいだろうから、
小説を読んだ後にアニメを観るのがベストだろう。
新学期までに見終わらなければ…
かろうじてガイダンス前日に観了。
小説本編がどんなエンディングになるのか知らないが、
アニメ版は上手にクライマックスさせていた。
まぁ予定調和かもしれないけど、
最近のアニメは本当に作り方が上手いなぁと思う。
- 柳沼 行『ふたつのスピカ(12巻)』★
これも結構長く続いている宇宙コミックだけど、
ずーとホノボノ感で進んできていたのに、
あれっ、12巻の最後、いったいこれからどうなんの?
- GyaO『幕末機関説いろはにほへと』★
いよいよ最終回を迎えた。
覇者の首と永遠の刺客の対決はどう決着がつくか。
秋月耀次郎と遊山赫乃丈の運命はどうなる。
落としどころが難しそうだったけど、
まぁ、納得できるエンディングだったといえよう。
- アニメ版『アップルシード』『APPLESEED』★
久しぶりにVHSビデオを観た。
士郎正宗の名作コミックを原作として、
10数年前にアニメ版『アップルシード』ができて、
数年前にできたのがリメイク版『APPLESEED』だ。
ネットの中古販売でリメイク版が手に入ったので、
旧版と合わせて観たわけである。
第3次世界大戦後の地球で、
コンピュータガイアによって管理され、
クローン人間バイオロイドによって運営される
実験理想都市オリュンポスが舞台で、
<アップルシード>の鍵を握るデュナン・ナッツと
サイボーグ兵士ブリアレオス・ヘカトンケイルが主人公で、
キーパーソンのヒトミや都市防衛兵器の多脚砲台が出てくるのは同じだが、
ストーリーは相当に違っている。
だいたいが士郎正宗の作品は背景世界が複雑で隠し設定も多く、
ストーリーもかなり複雑なのだが、それでも、
旧版はまだストーリーがシンプルな方で、
リメイク版の方が複雑だったかも知れない。
もっともリメイク版を観れば、オリュンポスの背景設定がよくわかるが。
また映像的には、前者は往年のセルアニメでかなりシンプルな絵柄だが、
後者は3Dライブアニメとしてデジタル化されていて光が多く、
映像的な印象もまったく違う。
一挙に観ると数倍に楽しめた。
- アニメ版『ハチミツとクローバー』★
ソフマップの中古コーナーで発見してゲット。
なかなか観る時間が取れなかったけど、
家で缶詰になってテンコモリの宿題をしていた、
世間で言う“大型”連休中とやらに、
少しだけ見始めることができた。
色が着いたり動いたり声が出るのは、やっぱいいなぁ。
ハグってこんな声してたんだ。
かなり原作に忠実に作られているとは話に聞いていたけど、
それでも少し違うシーンもあったりして嬉しい。
また真山と理花@chapter 15&16も原作よりいいかも。
主題歌がYUKIでジュディマリ風の曲だったことも、
かなりサプライズで嬉しかった。
- アニメ版『ハチミツとクローバーII』★
Part II へ突入。こちらも主題歌はYUKIでオープニングアニメも手が掛かっている。
原作に忠実で全体に面白いんだが、
Part II ではchapter 3の野宮vsユニコーンの回がやはり爆笑かな。
たしかにあのシーンは拷問だろうなぁ。
最終回のchapter 12までよくまとまっていて、
ラストではそれぞれのその後もワンシーンずつ描いてあり、
とても丁寧に作り込んであったと思う。
- 実写版『めぞん一刻』★
最近はテレビドラマなんかほとんど見たことないし、
ましてや、コミックやアニメの実写版はまずキャラのイメージが違うから、
以前でも見ない方なんだが、脇役がよさそうなんで久しぶりにビデオに撮って見た。
まず予想外に驚いたのが、一刻館のセット。
原作に非常に忠実に作ってあって、とても雰囲気が出ていた。
また脇キャラは、岸本加世子の一の瀬も、岸部一徳の四谷も、
高橋由美子の六本木も、期待通りにピッタリの嵌り役だ。
そして中村大樹(一般公募)の五代がなかなかに軽薄妄想癖の味を出していた。
ヒロインの伊東美咲の響子さんは、もう少し感情の振幅が欲しかったけど、
誰がやっても難しかったろうし、頑張っていたかな。
まぁ、とにかく、久々に馬鹿笑いしながら2時間ほど楽しめた。
次回作への伏線も張ってあるので、続編、あるのかな?
- たかしげ宙&DOUBLE-S『死がふたりを分かつまで 5巻』★
名作『スプリガン』(原作たかしげ宙・作画皆川亮二)のたかしげ宙原作というだけで、
絶対にイチオシだが、作画も文句なく決まっている。
設定がかなり厳しいので、最初の頃はどうなるんだろうと思ったが、
いまは別な意味で、どうなるんだろうと、ハラハラしどおしだ。
ある程度の未来予知能力をもった少女 遙と、
単分子層のおかげで鋼鉄さえ切れる刀(斬鉄剣だなぁ)を扱う盲目の男 護。
もちろん襲いかかる悪者軍団と二人の仲間たちと少しクセのある刑事。
いやいや、こんな設定を書けば、これでほんとに話が盛り上がるのかと思うが、
すごい話になっているので、ストーリーと絵が絶妙に噛み合っているのだろう。
- 大石まさる『水惑星年代記』『続水惑星年代記』『環水惑星年代記』★
最近、宇宙/天文がらみの“良質な”コミックが増えているような気がする。
『プラネテス』ぐらいからか、『パスポート・ブルー』『ふたつのスピカ』
『MOONLIGHT MILE』『宙のまにまに』などなど。
<水惑星年代記シリーズ>は、おそらく環境破壊か何かで
海水位が上昇した時代だが、軌道エレベータで
宇宙へは4時間で行けるので、海と宇宙が舞台になっている。
各話読み切りの中篇集だが、あちこちで話が繋がっているし、
登場人物もだんだん共通になってきたので、
3冊のあちこちを何度も読み直す羽目になった。
どれもホンワカしたムードでなかなかいい感じだ。
- 木城ゆきと『銃夢Last Order(10巻)』★
間が遠いのでストーリーを忘れがちになるけど、
やっとザレムやイェールが舞台になってきて、
ゲームの中盤ぐらいまでストーリーが進んだ感じか。
今回は戦闘アンドロイド、御年2歳のゼクスが大活躍な感じで、
伝説の拳闘士絶火とのバトルでは爆笑してしまった。
- 入江亜季『コダマの谷』『群青学舎1、2』★
本屋で見つけた群青学舎2巻の絵柄が気になって、
他のも含めAmazonで注文したら、なかなかいい。
『コダマの谷』は、Amazonの書評だと、
入り組んでいてわかりにくいとかあったが、
だからこそ、すごく面白かった。
後日談まで含めてよくまとまっているから、
続編は出ないだろうなぁ…。
『群青学舎』は(一部連作)短編集だが、
5連作の「北の十剣」をはじめ、
どれもしっかりしたストーリーになっている。
絵柄は竹宮恵子系だけど、もちょっと綺麗かな。
- 原作武田鉄矢・作画小山ゆう『お〜い! 竜馬』(全14巻)★
久しぶりにまとめて読んだ大河作品だ。
かなり前に完結していたはずで、全巻揃いを探していたのが、
つい先日、古本市場で文庫版が出ているのを見つけてゲット。
珍しく仕事のスキマができた日に、おまけに風邪気味だったので、
まぁ、いいかと、手に取って読み出したら、これが止まらない。
もちろん幕末に活躍した坂本竜馬の伝記コミックだが、
土佐郷士坂本竜馬が日本人坂本竜馬に変わっていく次第が、
なかなか感動的に描かれている。
幕末時代の話は結構好きで、本はいろいろ読んできたが、
幕末を描いたコミックとしては異色の出来かも知れない。
武田鉄矢の原作もいいのだろうが、小山ゆうの
柔らかいタッチの絵柄とアクションの取り方が、
竜馬の雰囲気に非常によくマッチしている感じがした。
- 荒川弘『鋼の錬金術師』(18巻まで)★
これもだいぶ前にフルイチでゲットしていたのを、
やっと読むことができた。
評判通り、たしかに面白く、読み出したら止まらなかった。
なるほど、錬成は等価交換か。
質量保存やおそらくエネルギー保存も(?)を満たしているあたり、
結構、納得する。
でも、運動量保存や角運動量保存は満たしていないようか気がする(笑)。
なかなかSF的考証をしたくなる作品だ。
SF★
小学校の高学年から読み始めたSF
も大好き.
SFのマイベスト3は,アシモフ『ファウンデーションシリーズ』,
小松左京『果しなき流れの果に』,光瀬龍『百億の昼と千億の夜』かな,
とりあえずは.
最近面白かったSF:
- 村山由佳『天使の卵』★
SFだけを読んでる訳じゃなくて、
結構いろいろなジャンルの本を乱読しているが、
ふだんはいちいち書かないけど、この本は出しておきたい。
純愛小説なんて、いまさら読む柄ではなかったけど、これはよかった。
続編の『天使の梯子』も一気に読んでしまった。
- 高橋弥七郎『灼眼のシャナ』★
『涼宮ハルヒの憂鬱』以来、
ちょっとライトノベルにはまり気味である。
70年代から80年代頃はSFはジャンルとして明確な境界をもっていたが、
90年代のSF冬の時代を経た後、00年代にSFが復興したいま、
SFはさまざまなジャンルに浸透してユビキタスな手法になっている。
ジャンルSFもまだあって、それはそれでいいけど、
背景や舞台設定としてのSF的味付けも、それはそれでいいものだ。
ライトノベルでも、SFやファンタジー的な舞台設定が多いが、
ま、基本テーマは“ボーイ・ミーツ・ガール”だからなぁ。
「どうしようもない気持ち」「嫌なら、絶対やらないの」とか、
なかなか名文句も多いぞ。
- アシーナ・アンドレアディス『スタートレック科学読本』★
ずいぶん前に書店で見つけて、そのうち買おうと思っていて忘れていたのが、
古本屋で再発見した。
いわゆる、スタートレックを“科学する”本だが、
原題:The Biology of Star Trek、をちゃんと読めばよかった。
科学するとはいっても、正確には“生物学だけする”本で、
少し肩すかし、というか、邦訳はダマシだなぁ。
ま、もっとも、ブラックモノリスとかラチナムとか、
原文ではうまく噛み合っていたはずなのに、
翻訳では章題と本文とがうまく噛み合っていない。
訳文自体はぎごちないところもなかったので、
タイトルの付け方が少し惜しまれる。
著者は筋金入りのトレッキーみたいだし、
生物学以外にも科学全般に間口を浅く広く広げれば、
もっとよかったのにと思う。
- 有沢まみず『いぬかみっ!』★
これもライトノベルで、設定はともかく(かなり奥深い)、
方向的には『うる星やつら』のようなラブコメ系で、
主人公はあたるを彷彿とさせる。
通勤途中に往復で2冊読める軽さだけど、
電車の中で思わず笑ってしまうので、
かなり怪しげな人間に見えてしまうのが難点。
でも、8巻で一つのクライマックスに達したが、
予想以上になかなかの感動もんだった。
ライトノベル侮れないぞ。
- 鋼屋ジン+古橋秀之『斬魔大聖デモンベイン 機神胎動』★
その筋で有名なゲームのノベライゼーション、というか公式外伝だが、
怪作『サムライ・レンズマン』の古橋秀之が書いているので、
これは読まなければならないと思った。期待通りのぶっちぎり度合いである。
ゲーム本編は、クトゥルー神話を下敷きにしたものだが、
非常に上手に練り込んであり、シナリオはきわめて高水準だった
(ニトロプラスのゲームはシナリオレベルが非常に高い)。
シナリオ担当の鋼屋ジンが本編3作、古橋秀之が外伝3作(いまのところ)だ。
外伝3作の中では、覇道財閥創始者の覇道鋼造の活躍を描いた、
この「機神胎動」が文句なしに傑作だと思った。
2作目の火星人襲来を描く「軍神強襲」もかなりよかったんだけど、
あの類のエンディングはあまり好きじゃないので。
- 高千穂遥『ダーティペアの大復活』★
やっと文庫になった<ダーティペア>の正編5冊目である。
これも息の長いシリーズで、もう30年近いだろうか。
著者近影をみると笑ってしまうが(人のことは言えない♪)、
ケイとユリは顕在だった!
- 野尻抱介『沈黙のフライバイ』★
野尻抱介、初の短編集、かな。
どれも読み応えのある作品ばかりだと思う。
長編『太陽の簒奪者』も面白かったけど、
野尻さんって、短編も上手かったんだ。
とくに「片道切符」は、かなりぐっときてしまって、
電車の中で読んでて、慌てて、ドライアイの目薬をさしてしまった(^^;。
- クラーク&バクスター<タイム・オデッセイ>『時の眼』★
<スペース・オデッセイ>(宇宙の旅)の直角篇だそうだ。
<断絶>によって、いろいろな時代の土地がパッチワークされた世界ミール。
その異変と共に出現した無数の銀色の球体<眼>。
さてさて、その意図は。続編待ち、というところがイライラするが、まぁ、仕方ない。
時間的なパッチワークというと、フレッド・ホイル『10月1日では遅すぎる』が
あまりにも斬新だったが、細かいことは忘れたものの趣はかなり違うようだ
(忘れたから、よくわからん)。とにかく続編が楽しみなのは確かである。
- 山本 弘『まだ見ぬ冬の悲しみも』★
毎年出ているSF書評誌『SFが読みたい!2007年版』に紹介されていて、
早速Amazonでゲット。ハヤカワSFシリーズJコレクションの一冊だが、
このシリーズは大きな書店しか置いていないので、よく見落としてしまう。
知る人ぞ知る、山本 弘の傑作短編集だ。
ゲームをノベライズした『サイバーナイト 漂流銀河中心星域』は、
いまだに大傑作だと思う。
SF冬の時代を越え、新世紀に入ってからは、日本発のSFがやけに面白い。
そんな中で、いつも思うけど、山本 弘はとてもクールなSFを書く気がする。
本書に収められた6編もどれもクールだけど、
山本弘版サイボーグ009「奥歯のスイッチを入れろ」は、
劇的にクールでホットだった。著者は1956年生まれで、
ぼくと同い年だから、やっぱりアトムや009で育ったんだろうなぁ(笑)。
「シャンブロウ」なんかもそうだけど、リアルタイムで読んできたマンガやSFが、
山本弘とぼくとは、きっとほとんど重なっているんだろう。
って、一度会ったことあるのに、呼び捨てしていいのか(?)。
ともあれ、加速装置の描写や主人公の振る舞いは、とてもクールである。
一方で、「奥歯のスイッチを入れろ」の最後を読むと、
著者は、とても熱烈な恋を、それも叶わぬ恋をしたことがあるんじゃないかなぁ(爆)。
長く生きていると、いろいろあるだろうからなぁ♪
主人公の気持ちは、とてもホットである。
- 小川一水『天涯の砦』★
これも『SFが読みたい!2007年版』で気づいてゲット。
軌道ステーションの大事故で、わずかな生存者を乗せて、
宇宙に放り出された軌道構造体。
圧倒的な力で迫り来る真空の中、
個性豊かな(かつ個々に脆い)人間たちが、
どう生き延びるか、あるいはどう死ぬかの極限ドラマ…かな。
とにかく、非常に綿密に練られたプロットと、
真空および無重力の超リアルな描写、
そして、登場人物の掘り下げられた心情など、
どれを取っても、いい作品だと思う。
最後の最後までハラハラドキドキすること請け合いだ。
宇宙での事故の後のサバイバルドラマというと、いろいろあるだろうが、
往年のドラマだと月面での事故を扱ったクラークの『渇きの海』が有名どころかな。
クラークが人間描写が少しそっけないのに対して、
小川一水は人間が血が通っているなと感じさせる点が違うけど。
いまの日本のハードSFの書き手の一部を、
“悪魔の1962年生まれ”とか“NHKトリオ”(野尻抱介、林 譲治、小林泰三を指して)とか
いうらしい(野尻抱介『沈黙のフライバイ』解説by松浦晋也)。
小川一水は1975年生まれだから一世代後の作家だ。
悪魔の一員でなくってよかったですね〜
…あ、悪魔世代を敵に回したかな(笑)。
でも、悪魔って言ってるの、ぼくじゃないし。
とまれ、小川一水の作風、とても好きである。
真空サバイバルだから、登場人物は死んだりするけど、
その死にはちゃんと意味が付けられているし、
逆に、死んじゃいけない人間は死なないし、
悪いヤツはちゃんと退治される。
なにより人間に対する眼差しがとても暖かい。
ドキドキハラハラしながらも、安心して読めるのがいい。
この作風はずっと変えないで欲しいな。
- 小松左京+谷甲州『日本沈没 第二部』★
ひやぁ、やっと読んだ。
だいぶ前に、第一部と合わせて買っていたのだが、
美味しそうなので、後回しになっていた。
ところが、小松左京イベント「小松左京の宇宙」というものに出ることになったので、
さすがに読んでおかねばと、学会直前に、第一部から通して読んだ。
いやぁ、やっぱり期待通りに重厚な内容で、
日本沈没の25年後の寒冷化する地球が舞台の傑作になっていた。
登場人物も、懐かしい顔ぶれあり、日本沈没を経験していない新人あり、
みな、よく動いていて、大国のエゴの中で、日本と世界のために頑張っている。
惜しむらくは、後半が少し駆け足だった気がする点かなぁ。
もう少しエピソードが散りばめられてあってもよかった感じがするが、
案外とこれくらいの方がさっぱりしていていいのかもしれない。
第一部を読んだのは高校三年のときだから、
四半世紀どころか33年ぶりに完結編を読めた幸せである。
- ダン・シモンズ『オリュンポス(上下)』★
あの<ハイペリオン>と<エンディミオン>シリーズのダン・シモンズ作、
『イーリアス』を下敷きにした新たな未来叙事詩が、
『イリアム』と『オリュンポス』で、その完結編がこいつだ。
カバーを見ただけで買ったけど、この分厚さはどうしよう、いつ読めるねん状態で、
放置していたのだが、幸か不幸か、学期始めに諸般の事情で
(学会で呑みすぎたとか、その後のイベントでさらに呑みすぎたとか諸説有り)、
ダウンした際に、久しぶりに一日中布団にくるまりながら読了できた。
(1時間置きにトイレにいきながらなので、結構、気を削がれたけど)。
ギリシャ伝説はともかく、イギリス文学の素養が皆無な人間にとっては、
ちょっと苦しい部分もあって、<ハイペリオン>ほどのインパクトはなかったけど、
しかしまぁ前編『イリアム』に比べると、後編はやっと全体がつながってきて、
とくに後編の下巻はかなり謎も解き明かされて読み楽しくなった。
とくに“ネタバレ必死”の訳者あとがきを最初に読んでおいてよかった
(最後に読んであとがきが二度楽しめる)。
また、あとがきに書いてあるように、人工知性種族モラヴェックはいい味を出していて、
古典的人類(主役)やポスト・ヒューマンや神々を喰っている感じさえある。
(最上位の存在のプロスペローやエアリアルらは案外と淡泊だし)
実際、86章最後で瀕死のヒーロー?にマーンムートがかけた科白と、
87章のクライマックスでヒロイン?への深く響いたメプ・アフー百卒長の声は、
これはもうシビレルくらいいい感じだぞ。
ダン・シモンズのSFは、SFギミックの論理性にしばしば問題があるし、
物語としての整合性もあちこちで破綻していて、
本来はそれらが気になって読めない類なはずなのだが、
それでも力業で読まされてしまうところが、やはりうまいんだろう。
…『トップをねらえ!』に通じるところがある(笑)。
ところで、この作品はまた、
退廃的な感じだったのが責任感溢れる大人に成長したアーダ、
恋する乙女キャラだったのが万能ウーマンになったハンナ、
最初から最後まで徹頭徹尾したたかなヘレネ、
最後までよくわからなかった魔女シコラックス、
などなどいろんな女性キャラが立っていたが、なかでも、
最初は信じられないほど格好よく登場したのに最後はワガママお嬢で終わった
アマゾンの女王ペンテシレイアが結構マイ受けだった。
- 森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』★
一風変わったファンタジックな恋愛小説で、それはそれでいいのだが、
つい読んでしまったのは、舞台が京都、それも馴染み深い場所ばかりだったためだ。
春5月は木屋町先斗町界隈の怪しげな夜の世界のスラップスティック、
夏7月は下鴨納涼古本市の壮絶激辛バトルと古本の神の顕現、
秋11月は京都大学11月祭を蹂躙する韋駄天コタツとゲリラ劇「偏屈王」、
冬12月は風邪の神様が大暴れしてオズ的竜巻が落着し、
そして偶然の積み重ねが必然となって、
進々堂喫茶店の向こうに春が見えた。
出てくる場所場所のイメージが浮かぶだけに、
読んでいて楽しかった。
少し悔しかったのは、各章のタイトル:
第一章 夜は短し歩けよ乙女;
第二章 深海魚たち;
第三章 御都合主義者かく語りき;
第四章 魔風邪恋風邪;
のうち、底本が2つしかわからなかったことかな。
- 有沢まみず+若月神無『いぬかみっ!』(全14巻)★
完結編は5月ごろには出ていたけど、2ヶ月遅れでやっと読めた。
話、なんだかメチャクチャに広がってしまっていて、
どーなんだろうと思っていたが、
3神の正体にやや不明な点は残ったものの、
一応、きちんと収束させて落としてあったと思う。
にしても、川平啓太、薫、カオルら犬神使いはもとより、
ようこ、なでしこ、せんだん、いぐさ、たゆね、ごきょうや、
てんそう、フラノ、いまり、さよか、ともはね、と、
たくさんのキャラが上手く書き分け(描き分け)られていて、
最後はこちらもかなり名前と顔が一致してきた(笑)。
- 風見周『殺×愛』(全8巻)★
設定はかなりぶっとんでいて、SFとは言えないかな、
ただ、話の筋は非常にわかりやすいものだ。
途中はかなり心配だったけど、
エンドロールでなんとか救われた感じである。
というか、実にありきたりの手法ではあるが、
やはり最後のシーンはよかったと思う。
これも個性強いキャラが総出演だが、
もちろんヒロインの有栖川咲夜や萌月来夏はいいけど、
恋愛原理主義者の高天原A(はじめ)が、
あまり見たことない珍しいキャラでイチオシかな。
- 万城目学『鴨川ホルモー』★
京都が舞台の得体の知れない?青春小説?で、
京都が舞台だし去年ぐらいから気になっていたが、
得体の知れなさに手に取るのを躊躇っていた。
で、とうとう買ってしまったら、
これがなかなか説明しづらい面白さだった。
丸太町橋など京都ローカルの地名がたくさん出てくるし、
葵祭や祇園祭などの京都行事はもちろん、
四神や式神などの基礎知識があると面白さ倍増だと思う。
従来のジャンルで広く括れば青春小説だと思うのだが、
たぶん従来の枠からはみ出た部分がだいぶある変わった小説だった。
- DVD<スタートレック:ネクストジェネレーション>★
STAR TREK:NEXT GENERATIONの映画版が4巻入ったDVD MOVIE BOXと、
ファンが選んだボーグのエピソード集DVD BORG BOXを、
ソフマップで見つけてゲット。久々のまっとうなSF映画だ。
しかし、いつになったら観れるんだろ〜
校正などをしながら、一ヶ月ほどかけてBORG BOX全14話を観終えた。
たしかに面白い。ボーグだけでファンボックスができる理由がわかる。
おまけに、ネクストジェネレーションは映画を少しだけ、
ボイジャーにいたってはまったく観たことがなかったのだが、
そこらへんの概要もだいたいわかった。
TOS:オリジナルシリーズの印象が強いだけに、
ネクストジェネレーションのピカード船長やデータあたりはともかく、
ボイジャーのジェインウェイ船長やチャコティ副長は少し位負けしているかな。
まぁ、セブン・オブ・ナインがなんとか場をもたせているけど。
- デイヴィッド・ブリン『キルン・ピープル(上下)』★
自分のコピーを作る方法はいろいろあって、昔からあるのが、
生体細胞によるクローン人間や、物質転送機による複製人間だ。
比較的新しいのが、自分の人格と記憶を電脳空間へアップロードした
電脳アヴァタ(シム人間)とか、個体で動く自律アンドロイドだろう。
もっとも新しく(かつもっとも古いのが)、本書で扱われている、
陶窯(キルン)で焼いてできる泥人形(ゴーレム)だ。
たまたま少し前に書いた記事で、
自律アンドロイドとアヴァタの設定は使ったりしたが、
もちろんのこと、本書にはとうてい叶わない。
泥人形の寿命が1日しかないということと、
泥人形の視点からいろいろ描かれている点が、
さすがにブリンの真骨頂である。
いままでにないタイプのSFかもしれない。
いや実際、複数の自分がいる状態なので、
いったいどれがどれやら次第に混乱してきた。
しかも2重にも3重にも陰謀が張り巡らされていて、
最後の最後まで真相がわからなかった。
- 岡田斗司夫『「世界征服」は可能か?』★
SFではないけれど、この本、出た直後から気になっていて、
そのくせ、何度目に入っても、なかなか買えずにいた。
というのも、めちゃくちゃ面白そうで、自分でも書きたかった本っぽいが、
期待を裏切られたらイヤだなぁ、と思ったためだ。
で、5度目か6度目かに目に入って、結局、買ってしまったその日に一気読み。
いやぁ、面白かった。とくに、ヨミ様の“過労死”は大爆笑もんだった。
そうそう、ぼくもヨミ様はカワイソウに思ったことあるもん。
64ページの数行を読むだけで、この本を買った甲斐はあった。
ぼく自身、ずっと悪の組織の動機や目的が疑問だっただけに、
やっぱり自分で書きたかった本だなぁ。
でも、きっと自分で書いたよりももっともっと面白い本になっているなぁ。
岡田さん、この本を書いてて、とっても楽しかっただろうなぁ。
というあたりが少し悔しかったけど(笑)。
- DVD<スタートレック:ネクストジェネレーション>★
9月も終わりになって、STAR TREK:NEXT GENERATIONの映画版もやっと見れた。
『ジェネレーションズ』『ファースト・コンタクト』はVTRで見たことがあるが、
『叛乱』『ネメシス』は今回が所見。
『叛乱』もなかなかに面白かったけど、
最後の『ネメシス』が予想外に秀逸な出来だったと思う。
全地形型ローバーの疾走シーンや、宇宙戦闘のシーンなど、
アクションシーンはいままでの中でも一番に凝っていて、
最後はエンタープライズが戦艦シミターに××するなんて!
久しぶりに(他の仕事も手に付かず)2時間釘付けになった。
- 片山憲太郎『紅』『紅〜ギロチン〜』★
久しぶりのライトノベル。書店の夏休み読書コーナーにあった中で、
面白そうなのを何点か買っていたのが、後期に入って電車でやっと読めた。
そこそこに面白い。でも、リン・チェンシン、よかったのになぁ、ちょっと残念。
- 林譲治『進化の設計者』★
林譲治、新境地開拓か?
林さんの海洋近未来SFだが、人類の進化の階梯あり、
気象予測シミュレーションあり、ユビキタス社会の行く末あり、
いろいろテンコモリで、さくっと読める。
最後あたりがもう少し膨らみが欲しかった感じだが、
地球システムや温暖化に関する見方は正鵠を得ていると思った。
- ジョン・C・ライト『ゴールデンエイジ全3巻』★
乙女と兵士ら従者を従えたヒーローが邪悪な悪玉を退治しに行く、
1950年代から1960年代あたりのSF黄金時代の現代版という謳い文句はピッタリだと思う。
ただ、作者が法律家だったせいか、しばしば弁論大会みたいな記述があって、
とくに1巻は途中で何度も挫けそうになった。
冒険SF的になる2巻あたりから、かなりドキドキハラハラしてくるので、
ちゃんと読み通すには少しガマンが必要かも。
またブラックホールと降着円盤も、SF界ではもはやポピュラーになったようで、
最近はちょくちょく見かけるが、本書では、ブラックホールX線星はくちょう座X-1が
かなり微に入り細に入り描かれている。
さらに2巻の149ページでは、ブラックホールシャドウと思しき描写があるが、
ブラックホールシャドウが描かれたのはSFでは初めてかも知れない。
最後の高超越(トランセンデンス)というのは、何が何だかよくわかんないが、
そもそも人知を超えることだから、説明のしようもないといえばなかろう。
ま、とにかく分厚い3分冊だった。
- 土橋真二郎『扉の外(全3巻)』★
2008年度版ラノベの書評誌が出たので、久しぶりにライトノベルを買い込んだ。
これは、クラス全員が密室に閉じ込められて、
ゲーム感覚でクリアしていくストーリーだ。
まさにこんなのが読みたかったという内容で、
一気に感情移入できた。
ただ惜しむらくは、最後のツメが少し甘くて、
最後まで状況が十分に解明されていないことと、
クリア後に全体がどう落着したかのまとめがないことかな。
しかし1巻進むごとにゲームの難易度が上がっていく構成や、
メインキャラクターが入れ替わりながらも連続している点など、
全体の流れはよく練ってあった。
とくにII卷の高橋くんが秀逸で、ああいうセリフを吐いてみたいものだ。
- ゆずはらとしゆき(原作 海野十三)『十八時の音楽浴』★
作品は読んだことがないのだが、海野十三(うんのじゅうざ)は
日本SFの先駆者だとされる。
その海野十三の作品2つ(本来は無関係なもの)を上手に組み合わせて、
現代風にアレンジした跳訳らしい。
原作を読んでいないので違うかも知れないが、(いまからみると)
おそらく原作の設定や流れがかなり荒唐無稽で支離滅裂な部分があって、
そのあたりが原因でなかなか読みづらいけど、
最後に追加された「漆黒のアネット」まで読むと、
上手い具合にSFしてるな、という印象を受けた。
- 小川一水『時砂の王』★
小川一水の初時間SFだが、なかなかの力作で、一気に読んでしまった。
時間SFの名作である『果てしなき流れの果てに』と
『バーサーカーシリーズ』と『永遠の終わり』を足して、
4で割ったぐらい?かなぁ。
あまり書くとネタバレになるけど、エヴェレットの多世界解釈をベースに、
時間遡行のたびに世界が分岐し、多くの時間枝が生まれ、
そしてある理由でそれらの時間枝の多くが滅びてしまうあたりは、
新鮮な設定だと思う。
時間SFはタイムパラドックスの扱いがとても難しいが、
そこらへんも上手に処理してある。
そして何より、<使いの王>の運命こそが、
小川SF的で切ない感じであった。
- 仁木稔『グアルディア(上下)』★
これはまた、何と形容していいかわからない、インパクトのある作品だった。
遺伝子工学と知性機械によって一旦は繁栄した人類文明が、
ウィルスの蔓延で滅亡した後、西暦2643年、
唯一、古の科学技術が残っている中南米が舞台。
グアルディアはスペイン語で守護者・番人(ガーディアン)のことで、
本書では失われた超技術、生体甲冑(アルマドゥラ)の着用者を指す。
とまぁ、解説風にまとめても、本作の内容は到底表せないだろう。
同じ世界の400年前を舞台にした『ラ・イストリア』もなかなかすごい。
- 西尾維新『化物語(上下)』★
最近流行の箱入り本のハシリぐらいのやつで、
少し気になっていたので、結局、手に入れてしまった。
5つの怪異の物語だが、ストーリー自体も読ませてくれるけど、
登場人物の性格付けだとか掛け合い漫才に力が入っている作品で、
たしかに、100%趣味で書かれた小説には違いない。
天文学
これは,もともと好きだったものが,SFやSFアニメと相互作用し,
趣味が高じて実益を兼ねてしまったもの.
- リチャード・フォーティ『生命40億年全史』★
地質学の歴史の本だとか、何年か前に何冊も買っていて読む暇がなかったのを、
このままじゃいつまで経っても読めないので、無理矢理読み始めた。
これもその一冊で、地球のテクトニクスと生命の歴史の全貌がよくまとめてある。
ただ、なんとなく記述が古いような感じがするのと、
地質学者(古生物学者)至上主義というか、
(地球)物理学者を敵視している“気持ち”が透けているのが、
ちょっとイヤミかなぁ。
たとえば、ウェゲナーの大陸移動説に対して(地球)物理学者が猛反対したが、
地質学者が足で歩き回って古生物の記録を集めて証拠とした、なんて書いてあるわりに、
恐竜を絶滅させたのは天体衝突だというアルバレスたちの説に、
地質学者が猛反対したのはさらっとしか書いていない。
ただ、いまでは筋金入りの地質学者も恐竜絶滅の天体衝突は認めているようだ。
また一方で、古生代末の大絶滅が天体衝突とは限らない、
むしろ別の可能性があるというあたりは、それなりに説得力があった。
- アンドルー・H・ノール『生命最初の30億年』★
これも前から気になっていて、ついでに買って読んだら、
思いの外、というよりむしろ、期待通りに面白かった。
従来の地球生命史の本は化石記録が豊富なカンブリア紀以降の話が中心だが、
この本は逆で、それ以前の時代に焦点を絞っているのがミソ。
化石記録はなくても、炭素の同位対比が違うといった生命の存在証拠があるとか、
さまざまな手法で生命の初期進化を解き明かしている点が新鮮だった。
また近年の分子生物学の成果についても詳しく書いてあり、
分子生物学による系統樹の書き換えだとか進化時計の話だとか、
あまり知らなかったことがいっぱい書いてあった。
スノーボールアースを解凍するプロセスだとか、
最後は火星の生命まで話が広がっていて、なかなか読み応えがあった。
さらに、章立てだとか、各章の冒頭の情景記述だとか、語り口だとか、
かなり難しい内容の合間に軟らかい文章が入っているので読みやすいし、
なかなかの文章上手にうーんと唸ってしまう。
またラストのエピローグに集約されているが、
著者自身の科学に対する姿勢がとても共感できて、
なんだこんな古生物学者もいるじゃん(笑)、と思ってしまった。
- カール・セーガン『百億の星と千億の生命』★
これも超オススメの久しぶりに読み応えのある本だった。
セーガンの遺著だが、2年ほど前の出版なのだが、
見過ごしていたみたいで、少し前に気づいて、連休中に読んでみた。
セーガンの本だし、それなりには読めるとは思っていたが、
セーガンの教養や見識や哲学が詰まっている感じだった。
全体が書き下ろしではないので、それほど面白くない章もあるが、
共感できる部分は多く、ほんとに“ためになる”本だった
(まさに“ためになる”としか書けない)。
また原題"Billions and Billions"よりも
翻訳題の方がずっといい(こういうのも珍しい)。
- 岡田斗司夫総監督『図録 王立科学博物館』★
これは激レアな掘り出しモンだったかもしれない。
連休の合間の水曜日に大学に行って生協をぶらついていたら、
生協的にはやや異質な物体が目に入ってきた。
スペースシャトルのフィギュアをパッケージした大判の書籍で、手に取ってみたらば、
かつて「王立科学博物館」という宇宙開発の軌跡を描いた食玩シリーズがあって、
その入魂のリーフレットはその筋では有名な海洋堂による精緻なフィギュアと共に
あまたのファンを熱狂させたらしい。
“本書は”その伝説のシリーズから厳選されたリーフレット23編を
編纂した愛蔵版だそうだ。総監督がやはりその筋では有名な岡田斗司夫。
宇宙開発ものなら関心もあるし、値段も3000円に満たないお手ごろ価格で、
うちの生協もなかなかいいものを仕入れるなと思いながらも、
結構かさばって重たかったので、他にも買い物があったし、
まぁ、アマゾンで注文しようと思って、その日は買わずに帰った。
で、連休後半にさっそくアマゾンで注文しようとしたら、
えっ”、売り切れ? 4月末に発売されたばかりなのに、
アマゾンではすでに新品はなくて、しかも中古に7000円以上の値が付いている!
うそやろ、信じられない!!!
手に入らないとなると、ますます欲しくなるのが人間。
連休明けに大学に行ったときに生協を覗いてみたら、まだ残っていたので、即ゲット。
誰が仕入れたのか知らないけど、うちの生協、ときどき、いい仕事する(笑)。
帰ってからパラパラ眺めてみたら、たしかに、歴史的な写真や詳しい解説つきで、
これはマニア垂涎の発掘品だ。仕事に疲れたときに眺めるとしよう。
- 伊藤智義『スーパーコンピュータを20万円で創る』★
天文業界では有名な"GRAPEコンピュータ"の、
開発者自身が著した開発史秘話(笑)である。
リーダーだった杉本大先生もだいぶ前に開発史を書いているが、
それよりはるかに生々しくて面白かった。
いやぁ、しかし、これはぁ、戎崎さんが、宣伝マンしただけで、
サイエンス面での貢献はないって明言してるようなもんだなぁ。
ここまでバッサリ書いていいのかなって感じだが。
著者はマンガ原作でも有名な人なので、筆は達者で構成も緻密だけど、
なめらかな文章の背後に見え隠れするモノもなかなか楽しめたかも。
あ、そもそも、天文学会百年史がらみで、急遽、
数値シミュレーションの章を執筆することになったため、
GRAPEは一つのランドマークなので、確認の意味もあって買ったのだが。
昔に聞いた話で、当時の名機APPLEと対抗する意味もあったというのは
確認できたが、もう一つに、
パイプラインで“房”が多いというのも聞いた覚えがあるのだが、
そのことは書いてなかった。
うーん、違ったのかなぁ、どうしよう…
- 伊達宗行『「数」の日本史』★
名著だと思う。
タイトルのとおり、日本人と“数”概念との付き合いの歴史を綴ったものだが、
たんに数学的な歴史ではなく、数の問題に加えて周辺の歴史にも触れつつ、
非常に深く掘り下げて総合的に分析紹介している。
著者は物性物理学が専門で、科学者ではあるが、
数学者ではなかったのも幸いしたのかもしれないが、
むやみに専門的でない点がポイント高い。
さらにまた、文章自体が非常にすぐれている。
日本語として、流麗な美文と言っていいだろう。
70歳を過ぎたら、こんな文章が書けるのかなぁ(?)。
ともあれ、さまざまな分野で数多くの解説書を読んできたが、
いままでに読んだ中では、一般向けに書かれた解説書としては、
和洋含めて、一二を争うレベルだと思う。
個々に言えば、興味深い話が多々書いてあるが、
とくに、現在の理数科離れが平安時代にもあったことと、
その基本的な背景要因が共通であることを明快に説明している点は面白い。
また、現在の理数科離れの直接的な原因が、
受験技術化し暗記物になったことと、
(ゆとり教育などの)レベルダウンにあると断言しているが、
これもまったくそのとおりだと思う。
さらに、日本人は九九など暗算は得意なのに、
なぜ数学嫌いになるかについても、納得のいく説明がしてある。
教育、いな、education(引き出し)についても、
すばらしい見識が示されている。
全編にわたって、内容はもちろん文章についても、
教えられることが多い本だった。
- 高田誠二『単位の進化』★
最近、よく、“名著”に出会うような気がする。
「数」や「単位」には以前から関心があって、
それなりに単位のことも知っていたつもりだが、
本書はさすがに計量の本職が書いただけあって、
単位の歴史について、わかりやすく、
非常によくまとめられていた。
しかも単位の話だと、本来は記号や数値の羅列になって、
とうてい読み物になどできないところだろうが、
背景の考え方や歴史的なエピソードなどを上手に織り込むことによって、
すんなり読めるようにしてある。
また各節の終わりなどには、きちんとオチが入っていて、
そのウィットが現代的な感覚とは結構ずれているのだが、
(原本は1970年刊のものが、今年、文庫になった由)
それはそれで味わいがある流れになっている。
マクスウェルの悪魔や量子力学のエネルギー準位などを説明するための、
いろいろな例え話も、なかなかわかりやすく書いてある。
決して美文や名文の類ではないが、
隅々まで工夫された“名著”といっていいだろう。
オサケ★
お酒(とカラオケ)は嗜む程度.ほんとに.
…でも,たまに記憶が跳んでたりしてて,あれは結構コワイ.
ビールはキリンの生,日本酒はキンと冷やした吟醸,
ワインもキンと冷やした白,焼酎は<神の河(かんのこ)>のロック,
カクテルはウォッカベースやカルーアミルクが割と好き.
…最近は弱くなってきて、焼酎やウォッカはあまり呑まない。
またワインはどっしりした赤の方が好きになった。
…今年もビールにも凝っていて、
銀河高原ビールやヨーロッパのビールもよく呑む。
銀河高原は割と有名だから知っている人も多いだろうが、
小麦のビールでハーブ香がなかなかいい
(銀河高原、これから先、大丈夫かなぁ)。
また山口に帰省したときに小郡でお土産に買った、
“村塾”という萩の地ビールがめちゃ美味しいことを発見。
値は張るけど、あまりの美味しさに、ときどき注文している。
バイツェン、ペールエール、ブラウンエールの3種類があるけど、
やはり小麦ビールのバイツェンがお勧め。
日本でもこんなに美味しいビールが造れるんだから、
法律を変えて地ビールを振興すべきだと思う。
…銀河高原、ちゃんと続いていてよかった。
琥珀エビスやプレミアムはもちろん美味しいけど、
最近のマイブームは、とれたてホップ一番搾り、かな。
でも季節限定だから、そろそろなくなりそう。
琥珀エビスも限定でもうなくなるらしいが、
年が明けたら緑エビスが出るようだ。
…最近流行のカクテルはホワイトボート。
…2006年はあまりに忙しかったので、
たまには自分で自分にご褒美をあげようと(笑)、
クリスマスにかなり奮発して、
いいシャンパンを2種類ほど買ってみた。
値段ほどには美味しくないだろうと話していたのだが、
まったくの大間違いで、値段だけの味はした。
味というか、あまりに呑みやすくて、
まるで水かジュースのような感じで驚いた。
吟醸酒などでも大吟醸クラスのいいものになると、
やはり水のように呑みやすくなるが、
どうやらワインでも同じみたいだ。
少し飲み過ぎて翌朝までアルコールが残ってしまったが、
朝のゲ○プさえ、いい香りがした、ホントの話である。
もっとも、
クリスマスに呑んだのは、ほんとに信じられない味がしたが、
年越しで呑んだのは、案外とふつうだった。
ミュージック★
アニメソングを聴いて育ちフォークの洗礼を受けた世代.
現在でも,ニューミュージック系統や良質のアニメソングを好む.
最近の話題:
- 平野綾・茅原実里・後藤邑子『ハレ晴レユカイ』、
YUUKA『荒野流転』、TAKAKO『愛の剣』★
AMAZONで買ったGYAOがらみのアニメソング第2弾。
とくに『幕末機関説いろはにほへと』の主題歌『荒野流転』が
詩的にも音楽的にもすぐれモンだと思う。
- ZARD☆
5月27日のZARDこと坂井泉水(蒲池幸子)さんの事故死はかなりショックな出来事だった。
「ハートに火をつけて」みたいに相変わらずいい曲を作っていたのに。
40はまだ若すぎる。
- 宇多田復活★
久しぶりにMステで宇多田を2週連続見たが、
一段とよくなっていた感があった。
相変わらず難しすぎる歌を唄ってたけど。
ゲーム★
大学院に入った頃にちょうどインベーダーが流行りで,
以来,アーケード,パソコン,ファミコン,スーファミ,
PS(プレイステーション),SS(セガサターン)に至るまで,
コンピュータゲームとは長いつき合いである.
…もちろん、PS2とGC(ゲームキューブ)も。
最近面白かった(あるいは面白くなかった)ゲーム:
リンク/Link
自分用のリンクリスト

天文学研究室へもどる
地学ホームページへもどる