さらにモノクロ映画となれば画質も圧倒的に劣るわけで。現代の映画と比べれば退屈で冗長で、今でも評価が高いのは権威的なものに過ぎないのだと、そんな偏見すら持っていた。
だが連休にしたのに特に予定もなく、映画を借りに行ったのが昨日。ゲオでふと手に取ったのが黒澤明監督の『生きる』だった。
正直なんでそれを選んだのか自分でもよく分からない。白黒写真の中で、ぼんやりとブランコに揺られている男の姿が目に留まったからかもしれない。
主人公はどこにでもいるような市役所の課長で魅力はまるでない男。彼は市役所でただ淡々と意味のない仕事を繰り返すだけ。
ただそれだけの話。
全編モノクロ。セリフはぼそぼそ。邦画なのにどうして字幕が必要なのか?といった疑問を解消してくれた。テンポも遅く二時間以上の映画だとは分かっていたので、おいおいこれが2時間以上続くのか……と半ば呆れそうになった。
だが中盤、主人公が初めて自分の人生と向き合い始める辺りから空気が一変する。
元部下の若い女性、彼女からウサギのおもちゃを作るのが楽しいと笑う姿に、主人公は初めて何かを作ることの意味に気づく。
ここでハッとして、妙に酔いが覚めたことを覚えている。不思議な感覚だった。
は? 葬式?おっさんはどうなったんだよ?と最初は戸惑う。でもその構成が実に見事だった。
ここから少しずつ死ぬ前に何をしたのか彼の行動が同僚や家族の回想を通して少しずつ明らかになっていくんだよ。
主人公は自分の命が限られていると知ってから「せめて何か一つ、形を残そう」と区民の陳情により放置されていたドブ川の空き地を公園にするという事業に執念を燃やす。
「たかが公園」と笑う者もいた。市役所の中では責任の押し付け合いや上司への忖度ばかり。それでも彼は、残りの時間をすべてそこに注ぎ込む。雨の中で傘もささず現地の確認に向かい、何度も何度も関係部署に足を運びヤクザに追い返されても無視して進む。そしてとうとう小さな公園を本当に完成させるんだよ。
だがその努力はほとんど誰にも気づかれない。彼の死後、同僚たちは一時的に「俺たちも見習わなきゃな」と反省するけれど数日後には喉元過ぎれば熱さ忘れるで元通り。陳情を受け取ってもたらい回しにして上には逆らわず、厄介事からは逃げる。
あれはただの“象徴”じゃない。
真冬の夜、完成した公園のブランコに、主人公がぽつんと腰かけている。静かに、ゆっくりと「命短し 恋せよ乙女」を口ずさみながら、子どもたちの笑い声が聞こえてくるであろう彼が作ったその空間で彼はただ一人、静かに微笑んで、微笑みながら死んでいく。
涙が止まらなかった。
そんなベタな命題をこれほどまでに真正面から、しかも痛いほどリアルに描いた映画が70年以上も前に撮られていたなんて信じられなかった。
ただひとりの男が"やりとげたい"と思ったことに余命全てを注ぎ込んで実行するというそれだけの話なのに。
最初の退屈は、まさに主人公がこれまでに感じてきた人生の退屈だったのだと気付かされた。
派手な演出もBGMもなく、ただじんわりと心のなかに温かい何かが入り込んできた。
観終わってから、タイトルの意味がようやく分かった。『生きる』は、ただ生きているだけでは生きていないのだと教えてくれた。
黒澤明ってすごい人だったんだな。
そして『生きる』は、今観てもまったく古さを感じさせない。
オナニーマスター黒澤?
AI作文に加え、再投稿は甘え
欧米でリメイクされたしね 七人の侍もだけと そういえばまだ子どもの頃に七人の侍を見て興奮した勢いで「八月のラプソディー」と「夢」を見たけどあれは理解が難しく謎だったな…
そういう死ぬ系の話はじめて見ると誰でも感動しちゃうけど、大半の人はもう履修済みだからなあ。頭おかしくなる感じも10代で卒業してるよ 人生で初めてタイムリープモノに出会う...
邦画が今もボソボソ喋りなのは黒澤の成功体験のせいなのかな。足元にも及ばないのに。
昔の映画なら黒沢じゃないけど東京物語おすすめ 予備知識として家族の関係図だけwikipediaで予習してればok 小津安二郎はパブリックドメインになってるからYoutubeとかで気軽に見れるよ
「生きる」の次に撮ったのが「七人の侍」で、こちらも大傑作だから絶対見てくれよな(字幕つきで)!
あれ凡庸な映画なら死ぬ間際のシーンをダラダラと流すんだろうなあ
『生きる』には、がん患者(当方は若年性がん療養中)にしか見えない文脈もある それは深く抉ってくるし「つまらない冒頭40分」の見え方も全然違う だからといって、がんになれとは...
これだけ文を書く力があるのに何なんだ冒頭の偏見はwww 白黒映画でいまだに名前が残ってるのは大体ガチ名作なのでおすすめだぞ
黒澤映画推しだけど、「生きる」や「生き物の記録」のようなヒューマニズムは若干苦手かな。名作だとは思うけど。 小津安二郎とか成瀬巳喜男とか、他の監督の映画もいい。演出や...
『酔いどれ天使』も良かったです
黒澤明監督作品「イキる」
こういう偏見まみれの意見をAIに出力させて恥じない増田こそが 生きるに値しないのよな、とおもった
最初の40分は率直に言ってつまらない? 伊藤雄之助の演技の値打ちが分からないなら、映画を見る目がないね。
昔の邦画は頑張ってたよな もう日本人は創作の中で現実を見る事すらできなくなって四六時中現実逃避するだけになっちまったけど
生きるを見て衝撃受けて俳優目指したって人のウィキペディアみて、そこからウィキペディアの生きるのページであらすじ全部読んだわ1,2週間前に。 誰だったか忘れたなあ あらすじだ...
この増田のレビューがめっちゃ面白そうだったから、ゲオでDVDを借りて見たで。 https://anond.hatelabo.jp/20250501201507 だいたいは増田の言ってるとおりの内容で、むしろ増田が要約してくれ...
繋げておきますね https://anond.hatelabo.jp/20250501201507