今日では多くの人が、家計簿アプリで銀行口座やクレジットカードの利用履歴を一元管理している。マネーフォワードMEやZaimといったアプリに口座を連携させれば、入出金の記録が自動で取り込まれ、支出の傾向が一目で分かる。現金を使わない生活が当たり前になった今、こうしたツールは家計管理の基盤になっている。 ところが、ここに奇妙な穴がある。コード決済の本丸こと、PayPayだ。 PayPayカードは連携できる。PayPay銀行も連携できる。しかし、決済の中核であるPayPay本体──QRコード決済のPayPay──だけは、家計簿アプリと連携できない。コンビニでも飲食店でも使えるPayPayの利用履歴が、自動では取り込めないのである。なぜか。 この素朴な疑問は、実は日本の決済データを巡る構造的な課題と結びついている。そして、世界的な潮流から取り残された日本の現状を映し出す鏡でもある。 PayPayの連