Amazon Web Services (AWS)で発生し、世界中のインターネットサービスを麻痺させた大規模障害は、米国太平洋標準時(PDT)10月20日午後3時1分(日本時間10月21日午前7時1分)に全面復旧が宣言された。しかし、その裏側では、最初の問題を解決した後に次々と新たな障害が発生する「二次災害」とも呼べる深刻な事態が進行していたことが、AWS自身の報告から明らかになった。本記事では、単一のDNS障害が如何にしてドミノ倒しのようにAWSの基幹サービス群を巻き込み、24時間近くに及ぶ混乱へと発展したのか、その技術的背景と詳細なタイムラインを見てみたい。 発端は「インターネットの住所録」DNSの異常 全ては2025年10月19日午後11時49分(PDT、日本時間20日午後3時49分)、AWSで最も古く、最大規模を誇る「US-EAST-1」リージョン(米国バージニア北部)で始まった。