アフリカ大陸の南東部にジンバブエとモザンビークに国境を接するパンビアという人口80万の小さな共和国がある。ルアンダの内戦が国際的に注目を浴びた陰でほとんどニュースとして取り上げられることはなかったが、この国でも深刻な内戦が起こっていた。 バンビア共和国は1970年にフランスの植民地から独立し、アメリカの援助を受けつつ特に大きな内紛も無く今日に至っていた。この国は国土の70%が含塩土壌、つまり塩分が多く含まれているため穀物の栽培ができない土地であり、人々は残りの30%の牧草地帯で山羊や牛を飼いながら細々と暮らしていた。 しかし隣のモザンビークの紛争に目をつけた世界各国の武器ブローカーがこの国に行き来するようになり、モザンビークの内戦が沈静化した後も、彼等の一部はパンビアに居残った。モザンビークの戦闘の激化を当て込んでいた彼等は、大量の武器の在庫を抱え込んでしまったのである。その多くが中国製、