クマと出会ったらどうすればいいのか 今夏は、北海道福島町で新聞配達員が、知床の羅臼岳で登山客が喰い殺されたのをはじめ、秋以降は本州のツキノワグマが近年になく凶暴化し、クマによる人身被害が過去最多を記録している。 これにともない、クマに出会ったときの心得のような特集をあちこちで見かける。 筆者は明治大正昭和と約80年分の北海道の地元紙を通読し、また市町村史、部落史、自伝、林業専門誌などにも目を通して、ヒグマに関する記事、挿話を抽出、データベース化し、拙著『神々の復讐』(講談社)にまとめた。 その中には、実際にクマと出会ったのち無事に生還した事例も数多く存在する(襲いかかってくるクマを「巴投げ」で投げ飛ばして助かったというような都市伝説的な話などもある)。 先人達の体験から、クマと遭遇した時の効果的な対策について考えてみたい。 助かる確率は五分五分 ①「死んだふり」は有効か? 「ヒグマに遭った