今年8月に刊行した著書『会話の0.2秒を言語学する』(新潮社)が瞬く間に4万部を突破。話し手を務めるYouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」は登録者数40万人超。“言語オタク”な発信で注目を集める水野太貴(みずの・だいき)さん。フリーライター?ユーチューバー? 気になるその正体は、実は出版社に勤める編集者です。名古屋大学文学部を2018年に卒業した水野さんの言語学なライフはどうやって始まったのか、本人にインタビューしました。 言語学と読書にハマるきっかけ小学生の頃から難読漢字にハマり、中学で漢字検定2級に合格するなど「ことば」への関心が高かった水野さん。高校時代、図書館で見つけた町田健先生(名古屋大学名誉教授)の『言語学が好きになる本』(研究社)を読んで衝撃を受けました。 そこに書かれていたのは「言語記号の恣意性」。文字や音(言語記号)と、意味の間に必然的なつながりはないという性質のこ