3月11日午後2時46分。東北地方を中心に大規模な地震が起きた。その後、現地を襲った巨大津波や原発事故により、2万人近くの人が亡くなり、行方不明となっている。 この日以降、多くのメディアは被災地の人々の「生と死」について、溢れんばかりの情報を提供し続けてきた。こうした報道の数々が、被災者を勇気づけ、復興への前向きな思いを高める上で、大きな役割を担ってきたことは言うまでもない。 しかし「なぜこれだけ多くの人が亡くならなければいけなかったのか」という核心に迫った報道は、意外に少なかった気がする。報道には、時として慎重な姿勢が必要となることも確かだ。だが、震災から5ヵ月以上が経った今、私たちはそろそろ震災がもたらした「生と死の現実」について、真正面から向き合ってみてもよい頃ではないだろうか。 災害はいつかまた、必ずやって来る。だからこそ、その真相に目を向けなければ、新たな災害に備えるための教訓を