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消費税 (しょうひぜい)とは【ピクシブ百科事典】
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消費税

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しょうひぜい

消費税法に基づき、国内の事業者の資産の譲渡等(物やサービスなどの販売行為。徴収対象は売上)に広く課される税のこと。付加価値税の一種である。

概要

付加価値税(VAT)の一種。付加価値とは売上から仕入原価を差し引いた額であり、粗利(大雑把な利益)とも呼ばれる。最終生産物の税抜き価格は、基本的にこの付加価値を積み上げた額と同額になる。本来消費税とは酒税やたばこ税なども含む広い意味を持つが、日本では特に付加価値税を表す用語として、制度上でも用いられている。

消費税の課税ベースは売上だが、それだけだと多段階取引の商流においては、後段の事業者ほど納税額が大きくなる。そこで、前の事業者の売上税額=自分が仕入先に支払った支払金額から算出する仕入税額を差し引いて(控除して)納付するという仕組みが採用されている。この仕入税額控除こそが、売上税を「売上-仕入=付加価値」税にしている重要な仕組みである。要するに「ダブった税負担の控除」である。

ちなみに、販売相手が国外、つまり輸出取引および訪日外国人への国外持ち出しを前提とした販売に該当するもの(輸出免税店での輸出物品の販売)は、付加価値税を採用している国同士の「仕向け地主義」ルールにより消費税(売上税)が免除され(消費税率0%扱い)、輸出先の輸入国で輸入品となった際に課される(国境調整と呼ばれる)。

税負担者と税の徴収対象者が異なる、いわゆる間接税の一種であり、販売価格に売上税額(税そのものではなく金額のみ)が価格転嫁(値上げ)されることを前提としている。消費税は事業者の売上への課税であるから(ただし納付時には、後述する通り、売上税額を100%納付する前提の仕組みではない)、売上時に即、売上税額を算出でき、それがレシートに「消費税」として記載されるため、消費者も代金支払時に「自分が消費税を負担している」という感覚を抱きやすい。

しかしながら、実際にどちらの方がより「負担」しているのかは、経済学的には商品自体の「需要の価格弾力性(価格が変化した時の需要の変化のしやすさ)」に左右される。基本的に食品のような生活必需品は価格弾力性が低く、消費者側の負担が重くなる傾向がある(反対に減税されても事業者側のメリットは少ない)。低所得者層ほど消費に占める生活必需品の割合は多くなるため、これが「低所得者ほど割を食う」という消費税の逆進性の原因となっている。

消費税法には課税の対象(第4条)が「事業者の販売行為(売上)」、納税義務者(第5条)が事業者との規定はあるが、間接税の「価格転嫁」については規定はおろか「消費者」という文言すら法文中には存在していない。

消費税以外の間接税は、各種税法で納税義務者と担税者(負担者)の二者が規定されている(国税には該当する税は無いが、地方税に入湯税、ゴルフ場利用税、軽油引取税がある)が、消費税には明記がない。そのため、現状は「事実上の間接税」という扱いである。

非課税について(仕入税額の還付無し)

保険、医療福祉教育など一部のサービスは非課税とされているほか、物品では、切手のみ非課税となっている。ただし、医療サービス事業者が事業を行うための備品購入や光熱費等の支払は課税仕入であり、仕入先による価格転嫁があると、利益圧迫要因になる。

それとは別に、事業者は原則として新規法人の設立から2年間と、基準期間の課税売上高1,000万円以下の事業者は納税義務が免除される。「納税義務の免除」とは「納付」の免除ではなく、売上に消費税を課されないという事なので、実質、非課税である。

非課税では「売上税額が存在しない」ので、仕入税額が有っても、その分の還付はされない。

日本の消費税の歴史

消費税導入以前は贅沢品に15%程度の税率を課す物品税があった。

しかし何が贅沢品かどうかの線引きが難しかったため、消費税が導入される代わりに廃止された。

日本では竹下登政権下の1989年4月に消費税率3%として初めて導入(国税3%)。消費税率3%時代は「定価○○円(本体価格○○円)」等のように外税表記が主流であった。

国税庁はこの時期「消費税は消費者が負担する(預り金)」であるという告知を行った。

(参考:全国商工新聞 2006年9月4日付

橋本龍太郎政権下の1997年4月に5%に引き上げられた(国税4%+地方消費税1%)。

この時に閣議決定された「赤字国債削減目標」および小泉純一郎政権下での「プライマリーバランス黒字化目標」と相まって1997年度以降の経済成長の停滞を招いた(3%時代は経済成長していたので、停滞の真因はPB黒字化目標の継続による緊縮財政と断じて良いだろう)。

2012年3月末に野田佳彦政権下で提出された消費税増税法案について、景気回復後、具体的には2011年度から2020年度までの平均で「名目3%かつ実質2%の経済成長」を前提とした景気弾力条項を盛り込んだ民主党自民党公明党の三党合意で、8%、10%への引上げ方針が決定された。

しかし後を受けた第二次安倍晋三政権は、2014年4月1日にこの条項を達成せぬまま(名目GDPは2012年度が底で僅かに回復はしていたが)8%への増税を行なった。(国税6.3%+地方消費税1.7%)。

更に2019年10月には景気条項を破棄し、二度の増税延期を経て10%へと増税された。この結果、2020年初からのコロナ禍もあって、日本経済に更なる深刻な打撃を与えた。コロナ禍では100カ国以上が付加価値税を含めて減税を実施したが、日本は消費税減税を実施していない。

なお、10%増税時に軽減税率が導入され、外食と酒類を除く飲食料品と宅配の新聞が8%に据え置かれた(標準で国税7.8%+地方消費税2.2%、軽減で国税6.24%+地方消費税1.76%)。

日本における税率(単一から複数へ)

諸外国の付加価値税は生活必需品や教育福祉文化関連の物品およびサービスには減免がなされている国が多いが(※)、日本の消費税は単一税率であるのが特徴だった。これは、日本では所得税等の申告のために事業者が「帳簿」を作成する商習慣が存在し(諸外国にはこれが無かった)、帳簿から売上税額と仕入税額を算出する「帳簿方式」が合理的であり、これを採用した為である。消費税導入時の1989年にはPCもインターネットも無く、紙と鉛筆ベースの帳簿では複数税率に対応出来なかったからでもあるが、それらの普及で2019年10月からの複数税率に問題なく対応できている。

諸外国における付加価値税の概要

消費税(付加価値税)導入による、人材派遣の拡大

付加価値=利益+人件費等であるから、付加価値への課税は人件費が大きいほど納税額が増える事を意味しており、事業者が正規従業員を個人事業主や派遣社員にする外注化で、人件費を減らして課税仕入化する事が節税となり、消費税導入時から人材派遣の拡大が進んだ。

 1986年 労働者派遣法施行 13⇒16業務

 1989年 消費税施行(3%)

 1996年 26業務に拡大

 1997年 消費税率5%増税

 1999年 原則自由化 政令26業種は3年、新規業務は1年

 2004年 政令26業種は無期限、自由化業務は3年(製造派遣は1年)

 2006年 医療関係業務の一部で派遣解禁

 2007年 製造派遣を3年に延長

 2012年 派遣法改定 政令26業務が28業務に整頓、派遣事業の規制強化

 2014年 消費税率8%増税

 2015年 派遣法改定 業務に関わらず派遣原則3年、派遣事業を許可制

 2019年 消費税率10%増税

 2020年 同一労働同一賃金

仕組み

第4条:課税物件の規定(事業者の販売行為=売上) 納税義務者の規定ではない

第5条:納税義務者(課税対象者)の規定(事業者)

第9条:第5条の例外規定(免税事業者)

第30条:仕入れに係る消費税額の控除

第4,5,9条については、下記裁判で判決確定済(免税事業者の売上に課されるべき消費税が存在するかが争われた。原告は「存在する」、被告の税務署は「存在しない」と主張。判決は被告の主張を全面的に認めた)

  • 原審 東京地方裁判所 平成9年(行ウ)第121号 平成11年1月29日 請求棄却※
  • 控訴審 東京高等裁判所 平成11(行コ)52 平成12年1月13日 控訴棄却
  • 上告審 最高裁判所第三小法廷 平成12(行ヒ)126 平成17年2月1日 上告棄却

『国と国民との間の課税関係(納税義務の発生)は、納税義務者につき課税物件(課税の対象とされる物、行為又は事実)が帰属したときに成立するものである』

上記判決の通り、納税義務者の課税事業者の売上にのみ、消費税は発生する。消費者等の買手は国と消費税の課税関係が成立しないため、買手の支払代金に消費税は存在し得ず、両者間で消費税の授受は不可能。

【ケース1】消費者が110円の水を購入した時(消費税10%とする)。

  • 誤:100円の水を買って、消費税10円を払った。
  • 正:110円の水を買った

この場合、事業者の税込売上110円に消費税10円が発生して、税抜売上は100円になる。

【ケース2】消費者が「消費税10円の値下げ」を要求し、事業者が100円で販売した場合。

  • 誤:事業者の売上100円
  • 正:事業者の税込売上100円に消費税9円が発生し、税抜売上91円。

このように、事業者が幾らで販売しようが、国は「消費税率通りに値上げしたという前提」で、売上税額を下記計算式で算出させる。

売上税額=税込売上*消費税率/(消費税率+100)

レシート表記の「消費税」とは、この計算式で算出した、一取引単位での売上税額である。

さて、消費税納付時には、事業者は自身の売上税額から、前段階の事業者の売上税額=仕入税額を差し引く(控除する)。仕入税額の計算式は、売上税額と同様の計算式で算出する。

仕入税額=税込仕入*消費税率/(消費税率+100)

ただし、この仕入税額の対象となる「課税仕入=消費税込み仕入」と、対象外の「非課税仕入=消費税無し仕入(支払)」の区別(仕訳)が難しい。消費税はほとんどの取引への課税であるため、課税と非課税の区分については、消費税法だけでなく、消費税法基本通達や、Q&A、更には裁判判決までも含めて判断しなければならないからである(税理士曰く『素人には無理』)。

そうして、最終的に売上税額と仕入税額が確定したのち、下記計算式で算出する。

消費税納税額=売上税額-仕入税額

消費税はベースが事業者の売上への課税であり、まず事業者の利益が消費税納税額分、減少する。利益を元に戻すためには、売上税額分を価格転嫁(値上げ)する必要がある。しかし、日本が30年以上も経済成長していない状況では、

  • 価格転嫁する⇒消費者の可処分所得が減り、消費=売上が落ちる
  • 価格転嫁しない⇒事業者の利益が減って、労働者(消費者)の所得が減り、消費=売上が落ちる

の違いでしかなく「消費=売上が低迷し、経済に悪影響を与える」という結果は同じである。

価格転嫁(値上げ)について

経済環境が好景気、つまり経済成長していれば、売上税額分を価格転嫁(値上げ)することで、課税事業者は利益を維持することが可能だが、それが出来なければ、利益維持のため下請けや外注からの仕入を安く買い叩く弊害が加速することになる(消費税が無くても利益最大化のため、下請けや外注への値下げ圧力は常に生じているが、消費税によりこの傾向がさらに顕著となる)。

消費税は価格転嫁を前提とした税法であるため、十分な価格転嫁が出来ない場合、価格設定時に想定される事業の継続に必要な付加価値からの納税のみならず、最悪の場合は原価分からの納税を強いられる「損税」状態となる。

担税力を失っても納税額が発生

消費税(付加価値税)は、売上>仕入である限り、担税力を失った赤字(※)という状態においても納税額が発生する、応能負担の原則を無視した、悪税にも劣る、存在してはならない残酷税である(国税庁に財産を差し押さえられて、自ら命を絶った事業者が存在する。合掌)。

5%増税の1997年度以降、もっとも新規発生滞納額が多い税であり、翌1998年度以降は新規発生滞納額の50%を下回ったことが無く、公平な税とはほど遠い状態が20年以上続いている。

なお、国税庁の新規発生滞納額のグラフは国税分の滞納額のみで作図されているが、5%以降は地方消費税が含まれており、地方消費税分まで含めると、消費税滞納額は1.25倍以上になる。

※課税事業者の赤字とは、何か。消費税は粗利に課せられるが、売上-仕入=粗利なので、税込売上-税込仕入(課税仕入れ)=税込粗利(税込付加価値)=消費税納税額+消費税抜き利益+人件費等(非課税仕入れ)であるから、消費税抜き利益がゼロで、絶対に支払が必要な人件費等(非課税仕入れ)を食い潰さなければ、消費税を納付できない「払いたくても払えないのに払わなければならない」無理筋状態である。

売上<仕入で、例外的に国内取引で消費税の還付が発生するのは、巨額の設備投資等を行った時くらいである。

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