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meme (みーむ)とは【ピクシブ百科事典】
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meme

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みーむ

ミーム(meme)とは遺伝子(genome)との類推から生まれた、文化・情報を複製・伝搬させていく概念のこと。当欄ではインターネット・ミームにおいても説明する。

概要

ミームオックスフォード大学の生物学者リチャード・ドーキンスが、1976年に出した著書「The Selfish Gene(利己的な遺伝子)」の中で作り出した造語

模倣子・文化的遺伝子とも訳される。

人々の間で心から心へと複製改変されていく情報のことであり、社会文化を形成する様々な情報として分析される。

例えば、習慣や技能、物語といった人から人へコピーされる様々な情報である。

簡単に言えば、思想や価値観が人から人へコピーされて広まっていく仕組みのこと。

ミームの具体例

・宗教の教え(例:仏教の「無常」やキリスト教の「愛」)

・哲学の概念(例:プラトンの「イデア」やカントの「自由」)

・政治や社会の価値観(例:「人権」「平等」「民主主義」)

ドーキンスによるミームの生物学的定義では「ミームは文化の伝達や複製の基本単位」とされるものの、その定義は適用される分野や文化により様々に異なっている。

遺伝子との共通点

・遺伝子 → 生き物の特徴を次の世代に伝えるもの。

・ミーム → 文化や思想の特徴を社会に伝えるもの。

つまり、遺伝子が「体」を作るのに対して、ミームは「文化や考え方」を作るもの。

ミームの特徴

1.受け継がれる

  → 教えや思想は、人から人へ、世代から世代へと伝わっていく。

2.形を変える

 → 同じ思想でも、時代や文化によって解釈が変わる。

  (例:「自由」という言葉は、中世と現代とで意味が違う)

3.競い合い・淘汰される

 → どの考えがより多くの人に信じられるか文化の中で競争し、勝った側が生き残る。

 (例:資本主義と社会主義の争い)

インターネット・ミーム

「インターネット」という単語が冠してある事からも分かるように、インターネット上におけるミームの事。

元来、ミームとは「文化進化の構造」そのものを語る用語だが、現代のネット空間においてこの語は

・バズったネタ

・X(旧Twitter)やYouTube、5chで繰り返し使われる画像や表現

・一種のスラング表現

とほぼ同義になりつつある。

これは「ミームの定義そのものが競争の中で淘汰された」状態。

つまるところ、自己の原義を捨ててまで広がった、ミームの成れの果て──それが現代の「ネットミーム」の姿とも言える。

パラドックスとしてのミーム

この変質は皮肉にも、ドーキンスの理論に対する完璧な自己証明となっている。

「ミーム」という言葉は、その意味構造に飲み込まれてしまった。

その定義すら劣化コピーとして生存競争を勝ち抜いている。

すなわち「ミーム」という語の拡散の過程そのものが、「ミームとは何か」を示す最大の事例になってしまったのである。

言語変質の実例

要約すると、

現代の「ミーム」という言葉の使われ方は、ドーキンスの原義から逸脱している。

しかしその逸脱こそが、“ミーム的構造”によって起きた自然な結果であり自己証明でもある。

この変質は、言葉が意味を失い便利さと馴染みに流されていく人間の習性を示す実例である。

拡散の一般的な流れ

インターネットにおけるミームの伝播は、典型的に以下の段階を踏む。

1.ごく一部の小さなコミュニティで流行する。

2.それが電子掲示板やSNSなど別のコミュニティに持ち込まれる。

3.同時進行的に、あるいは時差を伴いながら、複数の場で共有され、一気に拡散する。

こうしてネットミームは、原義の「文化的遺伝子」とは異なるが、同じ「模倣と変異と競争」の原理に則って増殖していくのである。

ネットミームの問題点

ネットミームは「模倣されやすい・拡散しやすい」という強みを持るが、それ故にいくつもの問題点も抱えている。

1. 文脈の劣化と断片化

・本来の意味や背景を切り離され、「画像」や「一言ネタ」だけが独り歩きする。

・例:歴史的・政治的な画像がパロディ素材にされ、元の文脈が忘れ去られる。

元の作品やキャラクターが「ネタ素材」として消費されることで、本来その作品を好きなファンが嫌悪感を示す場合がある。

・→ 結果として「意味は残らず、形式だけが消費される」。

2. 短命性と消費サイクル

・流行のスピードが速すぎて、数日〜数週間で消費され尽くす。

・文化的蓄積というより「大量生産・大量廃棄」に近い。

・→ 思想や価値観を深めるよりも、表層的な「ノリ」だけが強調される。

3. 悪意ある拡散・偏見の強化

・ミームは「模倣されやすさ」を優先するため、しばしば偏見・差別・嘲笑を増幅する。

・例:ある人物の切り取られた写真が延々と揶揄に使われる。

・→ 個人や集団の尊厳を損なう。

4. 文脈を共有できない人の排除

・ミームは内輪的であるほど盛り上がるが、外部の人には「意味不明」になりがち。

・→ ネット文化を「理解できる側」と「理解できない側」の分断を生む。

5. 政治的操作・プロパガンダ

・ミームは拡散力が強いため、政治的に利用されやすい。

・例:海外では選挙運動や極右的な思想の拡散にミームが積極的に使われた事例がある。

・→ 冗談やパロディの形を装いつつ、思想を浸透させる「隠れたプロパガンダ」となる。

6. 「考えること」を放棄させる

・ネットミームは「笑える・共感できる」が優先され、思考停止で拡散されやすい。

・その結果、複雑な事象も「一枚画像のネタ」に矮小化される。

・→ 社会的課題や哲学的テーマも「ジョーク」で消費されるリスク。

2011年の大ヒットRPG「スカイリム」のデザイナーを務め、作中のセリフ「膝に矢を受けてしまってな...」を書いた、エミル・パグリアルーロは、後年のインタビューでこの"膝矢"の流行を振り返り、

「当時は気づきませんでしたが、流行るミームの共通点はファンがどんな場面でも使えるものだと思います」

元々の意味はたいして重要じゃなくて、他の状況に当てはめるとどれだけ面白くなるかがポイントです。"膝に矢を受けて"ってミームが面白いのは、最終的に『Skyrim』や衛兵が全く関係ない形で使われるからなんでしょう」

と持論を披露している。(記事)。

関連タグ

インターネット ネットスラング ミーム汚染

コピペ コラ

言ってないセリフシリーズ Twitter発のネタの一覧

MGS2…ミームの強大さと、その逆のミームの無価値さ、そしてそれを統率した場合何が起こせるかを描いた作品。

MGR…上記作品とは別の視点で、抗い様のないミームへの抵抗と許容やその限界が描かれている。同じミームでも受け取り方によって人を傷つける狂気にも、人を守る信念にもなり得る事を示した作品。

伊藤計劃…『虐殺器官』『ハーモニー』『屍者の帝国』など、思想・倫理・テクノロジー・文化の衝突を描いた哲学的SF作家。故人。

ソーシャル・ネットワーク…SNSを通じて情報や文化がどのように急速に広がるか、社会的ミームの力を描写した作品。

インセプション…アイディアが人の心に入り込み、伝播する構造。思想の拡散と変容のメタファーとして機能している作品。

攻殻機動隊…ミームの哲学的可能性を創作で示した先駆例とも言えるメディアミックス作品群。

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