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趣味/Hobby
マンガ/アニメ★
アトム
で育った筋金入りのマンガ/アニメ好き.
アニメのマイベスト3を挙げれば,『うる星やつら』『機動戦士ガンダム』
『風の谷のナウシカ』『トップをねらえ!』だ.
(4つあるって? 3つに絞れなかったんだから,しゃーないやんけ)
最近面白かったもの:
SF★
小学校の高学年から読み始めたSF
も大好き.
SFのマイベスト3は,アシモフ『ファウンデーションシリーズ』,
小松左京『果しなき流れの果に』,光瀬龍『百億の昼と千億の夜』かな,
とりあえずは.
最近面白かったSF:
- 小川一水『時砂の王』★
小川一水の初時間SFだが、なかなかの力作で、一気に読んでしまった。
時間SFの名作である『果てしなき流れの果てに』と
『バーサーカーシリーズ』と『永遠の終わり』を足して、
4で割ったぐらい?かなぁ。
あまり書くとネタバレになるけど、エヴェレットの多世界解釈をベースに、
時間遡行のたびに世界が分岐し、多くの時間枝が生まれ、
そしてある理由でそれらの時間枝の多くが滅びてしまうあたりは、
新鮮な設定だと思う。
時間SFはタイムパラドックスの扱いがとても難しいが、
そこらへんも上手に処理してある。
そして何より、<使いの王>の運命こそが、
小川SF的で切ない感じであった。
- 仁木稔『グアルディア(上下)』★
これはまた、何と形容していいかわからない、インパクトのある作品だった。
遺伝子工学と知性機械によって一旦は繁栄した人類文明が、
ウィルスの蔓延で滅亡した後、西暦2643年、
唯一、古の科学技術が残っている中南米が舞台。
グアルディアはスペイン語で守護者・番人(ガーディアン)のことで、
本書では失われた超技術、生体甲冑(アルマドゥラ)の着用者を指す。
とまぁ、解説風にまとめても、本作の内容は到底表せないだろう。
同じ世界の400年前を舞台にした『ラ・イストリア』もなかなかすごい。
- 西尾維新『化物語(上下)』★
最近流行の箱入り本のハシリぐらいのやつで、
少し気になっていたので、結局、手に入れてしまった。
5つの怪異の物語だが、ストーリー自体も読ませてくれるけど、
登場人物の性格付けだとか掛け合い漫才に力が入っている作品で、
たしかに、100%趣味で書かれた小説には違いない。
- ニール・アッシャー『超人類カウル』★
一時は数が減っていたが、
最近は時間改変もののSFが増えてきているような気がする。
タイムトラベル自体は、割とふつうのガジェットとして、
ありふれたものになって来ていると思うが、
タイムパラドックスをそれなりにきちんと処理した、
したがって、かなりプロットも複雑な時間SFが増えてきた。
また、イギリスのニュースペースオペラと呼ばれる、
なかなか往年のSF臭がする作品が増えた。
これもそうで、遠未来の人類による時間戦争に巻き込まれた、
22世紀の少女娼婦ポリーと政府の暗殺捜査官タックを軸として、
さまざまな時代のイギリスの出来事を辿りながら、
つぎつぎとどんでん返しがあって、
最後の最後まで、真実がわからない、かなり複雑で重層な作りのSFである。
- アレステア・レナルズ『火星の長城』『銀河北極』★
『啓示空間』や『カズムシティ』と同じく、<レヴェレーション・スペース>
と呼ばれる宇宙史を綴る、連作短編中編集。
イギリス風新スペースオペラの特徴なのか、
ぐちゃぐちゃどろどろしたものがあるが、
内容的に見れば、結構ミステリータッチだったり、
切ない物語があったり、サクサク読める感じだ。
中でも、前半の「ウェザー」が、かなりぐっときたかも。
また末尾を飾る「銀河北極」は、これまたすごい追跡劇であり、
久しぶりにスケールのでかいSFだった。
- ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『輝くもの天より墜ち』★
やはりこれは好みの問題だろうなぁ。
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアは、ずいぶん前に1,2冊読んで、
評判ほどにはあまり面白くなくて、というか、わかりにくかった。
『輝くもの天より墜ち』は、まだしも比較的わかりやすいが、
ストーリーの流れや動機などがやはりちぐはぐな感じがする。
ただ、全体的にとても繊細で美しいとは思うので、
やはりあとは好みの問題だろう。
- 秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏』★
以前から気になっていたタイトルだったが、
ようやく手に入れて読んだ。
なかなか面白かったけど、背景設定というかテイストは、
これはまったく『新世紀エヴァンゲリオン』そのままっぽい。
キャラも、イリヤ(伊里野)は完全に綾波系だし、
朝羽=碇、榎本=加持、椎名=葛城てな感じで、
他にもエヴァっぽいキャラは多い。
まぁ、ここまで似てると、もうオマージュかな。
ただ唯一、水前寺は、かなりユニークなキャラだった。
『うる星』のメガネくらい、いい味出している。
しかし、設定やキャラはともかく、
文章というか、文体というか、流れがとてもいい。
何回笑いかけて、笑いをこらえたか(電車の中)。
危うく乗り越しそうになった(鶴橋で)。
もっとも後半はどんどんシリアスになっていく。
エンディングは仕方ないかもしれないけど、
アナザーエンディングがあってもよかったかもしれない。
- 高橋京一郎『タイム・リープ』★
タイムトラベルものは、さまざまな手があるものの、
ネタ自体については、だいたい出尽くしたかと思っていた。
もちろん同じ素材でも、料理の仕方によって、とても面白くなるけど、
素材自体は滅多に新しいネタは出てこない。
しかし、それでも、ときたま、まったく新しいネタに出会えるものだ。
たとえば、およよ、と思ったのは、
ずいぶん前に読んだケン・グリムウッドの『リプレイ』。
あるいは、北村薫の『スキップ』『リターン』『リセット』の<時と人>三部作(1996HP)。
これらは、時間の取り扱い方が新鮮で、
時間ずれした人間にとっても、かなり面白かった。
そして、今回の本である(実は単行本が出たのは1995年のようだ)。
いやぁ、こういう切り口があるかと、とても感心した。
まさにパズル的で、途中で、若松くんのように、
タイムテーブルまで切りたくなった。
時間改変(無改変)はかなり難しい作業だが、この手のものには珍しく、
最初の一行目から最後のピリオドまで、おそらくただの一つも破綻がない。
ただ、ストーリー的にやや甘いかなぁ。
下巻早々、犯人がすぐ割れて、その動機、
したがってタイムリープがはじまった原因も、だいたいわかってしまった。
ただ、登場人物が少ない上、伏線も必要だろうし、これは仕方ないかもしれない。
それに、犯人が割れても、じゃぁ、どう解決するかというのは、また別の話である。
実際、最後のおまけに至るまで、なかなか上手に終わらせていた。
非常に爽やかで、汚れた心が洗われる(笑)エンディングだった。
- 機本伸司『神様のパズル』★
ここまで素粒子物理がバカスカ出てくるSF/ライトノベルは初めてだ。
そういう意味ではかなり毛色の変わった作品で、一気に読んだけど、
なんというか、主人公、なさけなさすぎ(笑)。
人間関係なんかも主人公以外は一通り最後は収束していくのだが、
なんというか、主人公だけ宙ぶらりんの感じで、
やや消化不良が残ったかな。
- ジョー・ホールドマン『擬態』★
あらゆるものに擬態(カモフラージュ)が可能な不死のエーリアンと、
人類が出会ったとき、を描いたファーストコンタクトものである。
ファーストコンタクトテーマも、たいがいのタイプは出きったかと思っていたが、
まだまだ新しいレシピもあるもんだ。
ジョー・ホールドマンは、『終わりなき戦い』『終わりなき平和』も読んだが、
あまり印象に残っていないし、とりたてて好きでもない作家なので、
ハードカバーを買うのも悩んだのだが。
実際、本書も、かなり終盤までは、説明的というか、盛り上がりに欠けるというか、
不死のエーリアン<チェンジリング>と<カメレオン>が人類史と共に
どう生きてきたかという話と、2019年に深海で発見された人工物体の話が、
交互に説明されていくのだが、
いまいちストーリーテラーではない感じだった。
しかしCIA捜査官がレイを拉致しようとしたあたりから、俄然、面白くなり、
最後までノンストップで進み、最後の最後に、
予想外の配役で“ヤラレタ”なぁ、と思わされた。
なるほど、こう来たか。
- 『ダイハード4.0』★
うーんと、SFではないけど、最後近くのハリアとの一騎打ちなんて、
SFを超えてる感じだからいいか。
5月の大型連休、やっと観ることができた。
もちろんパソコンで仕事をしながら並行して観たのだが、
久しぶりのボヤきの不死身男、ジョン・マクレーンの暴れ回る、
ノンステップアドベンチャーで、やっぱ後半は仕事にならず。
とても笑えてすかっとした映画だった。
しかし、離婚はされるわ、娘とは絶交されるわ、
ガイ(英雄)も楽じゃない。
『ダイハード』のブルースウィリスといい、
『インディジョーンズ』のハリソン・フォードといい、
みなさん元気いっぱいである。
なんでぇ?
- 谷甲州『パンドラ(全4巻)』★
文庫が出始めていたのは知っていたが、いつの間にか、全巻出ていた。
ファーストコンタクトものだが、科学的な部分だけではなく、
国家間の争いや、人間関係の問題など、
あらゆる側面をてんこ盛りに入れ込んだSF巨編だ。
もちろん、科学的、宇宙工学的な部分は、かなり詳細に詰めてある。
一方で、国家間の争いなど、どれもリアルでありそうな感じだ。
最後まで、結末の予想がつかないまま、読まされてしまった。
- アシモフ&シルヴァーバーグ『アンドリューNDR114』★
ロボットが人間になろうとした物語である。
あるいは不死なる存在が死を選択する物語である。
アイザック・アシモフの中編「バイセンテニアル・マン(200周年記念の人間)」(1976年)を、
ロバート・シルヴァーバーグが「ポジトロニック・マン(陽電子頭脳の人間)」(1992年)
として長編化したものだ。
何十年かぶりに読んだことになるが、上手に引き延ばして書いてはあるが、
やはり長編化したために、やや間延びしたような印象もぬぐえない。
しかし前半のあたりは、やはりなかなか切ない感じが強い。
ただ、この手の作品を読むといつも思うことだが、
魂をもつのは人だけだとする西洋風の感性は、
路傍の石にもたましいが宿るとする日本風の感性とは、
やはり少し違う。
おまけにアトムのおかげで、
日本人にはフランケンシュタイン・コンプレックスはないし。
日本人にとっては、アンドリューNDR114が、心をもたない機械などではなく、
心と意識と知性を有する生命体であることは自明の理であろう。
- 高千穂遥『ダーティペアの大征服』★
なんだか展開がゆっくりだと思いながら読んでいたら、
えええ、やっとプロローグ?
完結編、ハードカバーで絶賛発売中かぁ。どうしよう。
とまれ、何十年経っても色褪せない、相変わらずのユリとケイであった。
- 高千穂遥『ダーティペアの大帝国』★
結局、ハードカバーも買っちゃった。最後はお約束の結末だったなぁ(笑)。
- 笹原ひとみ『東京少女』★
前から帯が気になっていたけど、生協でLANケーブルを買ったついでに買ってしまった。
落としたケータイが偶然できたワームホールを通じて100年前の明治時代に時間跳躍し、
月が出ているときだけ携帯がつながって、百年の時を隔てた恋物語がはじまる。
設定はもう少しサイエンスしてよとは思うが
(ラベンダーの香りで時間跳躍する方がましなぐらい)、
ストーリー自体は至極よい。
とくに“ゑり善”のエピソードは感動的だった。
SF的にも、案外とありそうで、いままでにないパターンかもしれない。
時次郎の最後の行動も結果的にタイムパラドックスを解消させている。
などとは言うモノノ、そのまま素直に読めばいい本で、
こんな解釈は後からとってつけた不必要なモノではあるが。
- ジェイムズ・P・ホーガン『黎明の星(上下)』★
ホーガンだから買ったけど、やっぱり読むのちょっとしんどかった。
3部作だから、もう一部、出るのか。
ベースになっている“科学理論”が、その筋では有名なヴェリコフスキーの“理論”で、
金星は何千年か前に木星から飛び出してできたとか、
荒唐無稽以前にお話にならないシロモノだからなぁ。
で、今回は、アテナという“新惑星”が飛び出して、太陽系中を暴れ回るわけだが、
まぁ、そこらへんを無視して読めば、官僚機構や政治家が大嫌いで、
科学技術と理性を信じる(そこらへんはまったく同感だし)、
いつものホーガン流SFとして読めなくなくはない。
- 藤崎慎吾『ハイドゥナン(全4巻)』★
一言で、“すごい”、に尽きる。読み応えのある大作だった。
与那国島の伝奇、プリュームやメタンハイドレード、
超好熱菌とバイオスフィア、エウロパの生命、
それらすべてをつなぐ記憶と情報のネットワーク、あわわ、
どんどんネタバレしそうなキーワードになってしまった。
原初の神と最新の科学が、よくもここまで調和させ融合させたものだと思う。
この手の長い作品だと、とくに欧米系の大長編だと、後半からは面白くなるにせよ、
最初のうちは、なかなか入り込めないものだが、
この『ハイドゥナン』は、最初から最後まで、同じ高さで、
ぐいぐいと読ませてくれる作品だった。
主人公の共感覚をもつ伊波岳志とヒロインの与那国島のムヌチである後間柚も、
かなり早くから身元の推測はつくが、それをどうするのかが、
最後まで気に掛かって大変だった。それが気になるので、
科学的にしっかり書き込まれた部分は、だいぶ読み飛ばしてしまった(笑)。
最後は、まぁ、そうするしかなかなぁ。
なお、まっどさいえんてぃすとの南方先生が、
いろいろいい言葉を吐いている。
曰く「微生物を支配できるものは地球を支配できる」
曰く「さて、オペレーション・ヒヌカンの総仕上げにかかろう」
曰く「いや、あまりがんばってもらっちゃ困る。科学はまず、楽しむものだ」
同感である…
- アーサー・C・クラーク&スティーヴン・バクスター『太陽の盾』★
いや、もちろん、面白かったんだけど、重厚な『ハイドゥナン』の後で、
少し読んだ時期が悪かったかな。
が、宇宙天気予報(宇宙気象と訳されていたが)、
コロナ質量放出など、なかなか専門的な用語がバンバン出てくるのは驚いた。
非線型波動方程式を未来に解いたり過去に解いたりも、
ちょっとそれっぽくて、感じが出ていた。
ただし、訳出で大ポカがある。
p81の“温度の第四の力”だ。
これでは前後の意味がまったく通じないし、訳していても意味が不明だったはずである。
おそらく原文は“the forth power of the temperature”あたりだったはずで、
“温度の四乗”が正しい。これはとくに専門用語ではないんだがなぁ。
ちなみに、p84のユリウス積日はユリウス通日と訳す。
こちらは専門用語だし、誤訳でも意味は通じるけど。
- エリザベス・ベア『HAMMERED/女戦士の帰還』★
環境破壊が進んだ近未来の地球で、
隠棲していたサイボーグ戦士が陰謀の渦中に引っ張り出されていくのだが。
三部作がやっと出揃ったので読み始めたが、
かなり複雑なプロットで、隠されている部分が多く、
いろいろ考えながら読まないと話が見えなくなる。
たいてい、通勤の往復で一冊読んじゃうのだが、こいつは2往復かかった。
しかし、主人公(敵も味方も)たちが軒並み50歳とか60歳とかで、
なんだか人生に疲れているっぽいのが笑える。
しかし、本作で最高のキャラは<ファインマン>だろう。
アトムやロビーのような単体のAIは別として、
おそらく『月は無慈悲な夜の女王』の<マイクロフト>か、
『ゴールデンフリース』の<イアソン>以来の、最高のAIキャラだと思う。
本作を読む前に、ファインマンのエッセイは全部読んでおいた方がいい(笑)。
- エリザベス・ベア『SCARDOWN/軌道上の戦い』★
ますます話が輻輳し複雑になっていくが、
そこらへんが妙にかなりリアルっぽい。
中国の攻撃に地球環境の急激な悪化に異星船団の登場に、
さまざまな場面が並行して進み、これは、続けて読まないと、
わけわかんなくなるストーリーだ。
- エリザベス・ベア『WORLDWIRED/黎明への使徒』★
リアルワールドでの権謀術数や戦いと、
ワールドワイヤー(世界電脳)での人工人格同士の戦い、
そして軌道上での異星人たちとのファーストコンタクト、
これらが同時に急転直下していくから、
いやいや大変な読み物だった。
しかし、最後の最後まで、<ファインマン>はファインマンらしく、
人類を甘やかさない。近年のベストキャラだった。
- 藤崎慎吾『蛍女』★
『ハイドゥナン』の前日譚。
森林における情報ネットワークが描かれている。
物語の内容としても執筆順としても、
こちらが『ハイドゥナン』より先だと思うが、
実際、物語の拡がりもそれほど大きくなく、
少しわかりにくい部分もある。
むしろ、『ハイドゥナン』を先に読んで、
『蛍女』を文字通りに前日譚として読むのが、
わりと読みやすいかもしれない。
解説(全体のネタバレあり)も秀逸だった。
- 小川一水『フリーランチの時代』★
小川一水の第2短編集。
どれも気軽に読めるが、それぞれにもの悲しさがある。
それぞれの短編は、もちろんそれぞれに完結しているが、
幼年期を終えた人類はどうなっていくんだろうかとか、
後日譚を読んでみたいものばかりだ。
- 桜庭一樹『ブルースカイ』★
『赤朽葉家の伝説』などいままで読んだタイプのない小説で面白かったが、
へぇ、SFも書くんだ、と思って読んでみた。
たしかにSFやサイエンスが道具立てで使われているが、
やっぱ通常のSFとは違って、桜庭色になっている。
途中でラストが予期できるので、もの悲しくはなるけど、
さらっと読める作品だった。
マリーの出自やシステムなど、不明なまま置き去りにされているのは、
ややフラストレーションが残る部分もある。
ヒロインが鹿児島少女で天文館の話など出てくるのだが、
たまたま少し前に鹿児島に行き天文館で呑んだばかりだったので、
ちょっと(すごく)懐かしい雰囲気がした。
でも、鹿児島、なくなっちゃうの? それはイヤだなぁ。
- 犬村小六『とある飛空士への追憶』★
とても爽やかな、読後感がすごく爽やかな作品だった。
流民あがりの飛空士が、“光芒五里におよぶ”次期皇妃を守って、
飛空空母や敵戦闘機が群がる洋上を、
1万2千キロ、翔破する、一週間ほどの物語である。
情報が漏れて圧倒的に不利な状況のなか、
襲いかかる戦闘機群からの逃走あり、空中戦艦との対決あり、
敵エースとの一騎打ちあり、洋上の孤島での休息あり、
まさに恋と空戦の物語だ。
結ばれ得ない結末は最初からわかっているだけに、
最後がどうなるか読み進めるのが不安だったが、
とても切ないながらも凛として爽やかな結末がつけてあった。
本年のSFでは出色の作品だったと思う。
- アレステア・レナルズ『量子真空』★
いやぁ、分厚い、レナルズ本で、読み始めるのに覚悟がいった。
そして読み終わるにも根性がいった。
『啓示空間』の直接の続編だが、同じレベレーション宇宙史の他の話も絡み、
なかなか複雑で、解説やネットなどの説明で全体像を思い出すのが大変だった。
ガジェットやらアイデアやらテーマやらが和洋中フルコースのように詰め込まれているので、
途中までは何がなにやら状態だ。いや、途中からも何がなにやら(笑)。
しかしレナルズが天文学者だったせいもあり、結構、天文してる。
489ページあたりで語られる黎明期戦争なんか、
金属を奪い合うところなんか、まさにそのとおりだと思う。
最初の星は金属がないんだよね。
- 『バイオハザードIII』(2007年)★
オリジナルゲームとは、もともとほとんど別作品で、1作目はともかく、
2作目あたりから駄作っぽく、この3作目ももういいかと思っていたけど、
中古で出てるとつい買ってしまった。
原題“Resident Evil: Extinction”のとおりに、
Tウィルスの漏出で人類がほとんど絶滅しかけていて、
主人公のアリスと悪者アンブレラ社の各国支部、
そして一部のサバイバル力のあるグループだけが生き残った世界が舞台だ。
昔の映画の『オメガマン』とか『世界が燃え尽きる日(地獄のハイウェイ)』
あたりを彷彿とさせる情景である。
しかしまぁ、予想通りに、ストーリーはなきに等しく物語としては成立していない。
おまけに、アリスはいつのまにかエスパーになっちゃってるし。意味不明。
ただ、ところどころ、怖い。雑誌を眺めながら見るつもりだったけど、無理。
それから女性がやっぱ強い、アリス以外も。
男はほとんどダメだけど(笑)、カルロスは格好よかったかな。
ぼくもタバコが吸えれば、あんなの…、やっぱ無理か。
ラストは、おそらく日本支部の(でも中国語が混ざってた)
ウェスカー隊長と決着をつける次回へ続く、という終わり方だけど。
さすがに、もう作れないだろうと思っていたら、
CG作品“Degeneration”、作るの〜?
- ロバート・チャールズ・ウィルスン『時間封鎖(上下)』★
これはまた壮大な物語だ。
正体不明の“仮定体”によって地球がある種のフィールドで覆われ、
外部宇宙に対して時間の流れが1億分の1にされるのだ。
“時間封鎖”された地球で数十年の間に、外部宇宙では数十億年が経ち、
太陽は進化し赤色巨星になっていくのだ。
この時間差を利用して、(地球で数十年の間に)火星をテラフォームしたり、
太陽の進化を描写したり、さらにはフォン・ノイマンマシンを送り出したり、
とても面白いところを突いたアイデアだと思った。
また並行して、長い長いラブストーリーがあったり、
宗教や政治の愚かさ、というか絶滅に瀕した地球での人間の愚かさが描かれたり、
翻弄される主人公たちのなかなか複雑な人間ドラマも展開する。
そして、幼年期、成長期、成年期に続く、第四期に成長する人間も出てくる。
本書は、Spin/Axis/Vortexという三部作の一作目ということで、
次作が楽しみである。
- 上杉那郎『セカンドムーン』★
傾斜機能材料とかガジェットや、センチマシンなどの設定、
そしてサスペンスなところなど、なかなか面白かった。
ただ、肝心の要、謎の宇宙兵器セカンドムーンの目的が結局不明なままというのは、
なんだか。というか、全体に、頭が悪い?
まず幕僚とかが頭が固いのはそうだろうが、ここまで頭悪くないと思う。
それにセカンドムーンの存在を知った人間がつぎつぎ狙われたりしてるが、
そしてそれがサスペンスを盛り上げているのだが、
全体が終わってみれば、セカンドムーンの秘密はあちこちで知られていて、
主人公たちのもっている秘密がとりわけ重要なモノとは思えない。
諜報員、頭悪すぎ。
そして極めつけは、宇宙人、頭悪すぎ。
いったい、何しに来たのって感じだった。
そこらへんの動機付けとかをしっかり書き込めば、
とても面白いハードSFに生まれ変わると思うんだけど。
- 吉田親司『マザーズ・タワー』★
軌道エレベータ建造をめぐる熱い物語である。
超弩級宇宙線の増加によって大気シャワーが有害になり地上が危険になったこと、
そのため難病が悪化した聖女を救うため4人の男たちが集ったこと、
などなどの理由で、結果、軌道エレベータを作ることになっちゃうんだけど。
うーーん、男たちの動機はわからいでもないが、
超弩級宇宙線やΩニュートリノあたりの詰めが少し甘いなぁ、
と思って読んだら、最後の参考文献に、自分の編集した天文本が挙げてあった。
あれあれ、ぼくの責任か(笑)。
ま、それはともかく、正確には、軌道エレベータの建造というより、
軌道リングシステムの建造物語というべきだろう。
軌道エレベータの建造は、いままでにも、
アーサー・C・クラーク『楽園の泉』、
チャールズ・シェフィールド『星ぼしに架ける橋』
キム・スタンリー・ロビンスン『レッド・マーズ』
などで扱われているが、
軌道リングシステムの建造を扱ったのは本作がはじめてじゃなかろうか。
そういう意味では興味深い作品だった。
- 村山由佳『おいしいコーヒーのいれ方I〜X』★
だいぶ前に『天使の卵』を読んだときは、すごく美しくて哀しい小説だと思って、
その続編は少し読んだけど、これは短編集なのかなと思っていたら、
どうやら連作長編みたいだと最近になって気づいて、読み出したら止まらない。
ZARDの曲がシンクロする感じの物語だ。
今年読んだ中で一番すてきな物語かもしれない。SFじゃないけど…
天文学
これは,もともと好きだったものが,SFやSFアニメと相互作用し,
趣味が高じて実益を兼ねてしまったもの.
- リチャード・フォーティ『生命40億年全史』★
地質学の歴史の本だとか、何年か前に何冊も買っていて読む暇がなかったのを、
このままじゃいつまで経っても読めないので、無理矢理読み始めた。
これもその一冊で、地球のテクトニクスと生命の歴史の全貌がよくまとめてある。
ただ、なんとなく記述が古いような感じがするのと、
地質学者(古生物学者)至上主義というか、
(地球)物理学者を敵視している“気持ち”が透けているのが、
ちょっとイヤミかなぁ。
たとえば、ウェゲナーの大陸移動説に対して(地球)物理学者が猛反対したが、
地質学者が足で歩き回って古生物の記録を集めて証拠とした、なんて書いてあるわりに、
恐竜を絶滅させたのは天体衝突だというアルバレスたちの説に、
地質学者が猛反対したのはさらっとしか書いていない。
ただ、いまでは筋金入りの地質学者も恐竜絶滅の天体衝突は認めているようだ。
また一方で、古生代末の大絶滅が天体衝突とは限らない、
むしろ別の可能性があるというあたりは、それなりに説得力があった。
- アンドルー・H・ノール『生命最初の30億年』★
これも前から気になっていて、ついでに買って読んだら、
思いの外、というよりむしろ、期待通りに面白かった。
従来の地球生命史の本は化石記録が豊富なカンブリア紀以降の話が中心だが、
この本は逆で、それ以前の時代に焦点を絞っているのがミソ。
化石記録はなくても、炭素の同位対比が違うといった生命の存在証拠があるとか、
さまざまな手法で生命の初期進化を解き明かしている点が新鮮だった。
また近年の分子生物学の成果についても詳しく書いてあり、
分子生物学による系統樹の書き換えだとか進化時計の話だとか、
あまり知らなかったことがいっぱい書いてあった。
スノーボールアースを解凍するプロセスだとか、
最後は火星の生命まで話が広がっていて、なかなか読み応えがあった。
さらに、章立てだとか、各章の冒頭の情景記述だとか、語り口だとか、
かなり難しい内容の合間に軟らかい文章が入っているので読みやすいし、
なかなかの文章上手にうーんと唸ってしまう。
またラストのエピローグに集約されているが、
著者自身の科学に対する姿勢がとても共感できて、
なんだこんな古生物学者もいるじゃん(笑)、と思ってしまった。
- カール・セーガン『百億の星と千億の生命』★
これも超オススメの久しぶりに読み応えのある本だった。
セーガンの遺著だが、2年ほど前の出版なのだが、
見過ごしていたみたいで、少し前に気づいて、連休中に読んでみた。
セーガンの本だし、それなりには読めるとは思っていたが、
セーガンの教養や見識や哲学が詰まっている感じだった。
全体が書き下ろしではないので、それほど面白くない章もあるが、
共感できる部分は多く、ほんとに“ためになる”本だった
(まさに“ためになる”としか書けない)。
また原題"Billions and Billions"よりも
翻訳題の方がずっといい(こういうのも珍しい)。
- 岡田斗司夫総監督『図録 王立科学博物館』★
これは激レアな掘り出しモンだったかもしれない。
連休の合間の水曜日に大学に行って生協をぶらついていたら、
生協的にはやや異質な物体が目に入ってきた。
スペースシャトルのフィギュアをパッケージした大判の書籍で、手に取ってみたらば、
かつて「王立科学博物館」という宇宙開発の軌跡を描いた食玩シリーズがあって、
その入魂のリーフレットはその筋では有名な海洋堂による精緻なフィギュアと共に
あまたのファンを熱狂させたらしい。
“本書は”その伝説のシリーズから厳選されたリーフレット23編を
編纂した愛蔵版だそうだ。総監督がやはりその筋では有名な岡田斗司夫。
宇宙開発ものなら関心もあるし、値段も3000円に満たないお手ごろ価格で、
うちの生協もなかなかいいものを仕入れるなと思いながらも、
結構かさばって重たかったので、他にも買い物があったし、
まぁ、アマゾンで注文しようと思って、その日は買わずに帰った。
で、連休後半にさっそくアマゾンで注文しようとしたら、
えっ”、売り切れ? 4月末に発売されたばかりなのに、
アマゾンではすでに新品はなくて、しかも中古に7000円以上の値が付いている!
うそやろ、信じられない!!!
手に入らないとなると、ますます欲しくなるのが人間。
連休明けに大学に行ったときに生協を覗いてみたら、まだ残っていたので、即ゲット。
誰が仕入れたのか知らないけど、うちの生協、ときどき、いい仕事する(笑)。
帰ってからパラパラ眺めてみたら、たしかに、歴史的な写真や詳しい解説つきで、
これはマニア垂涎の発掘品だ。仕事に疲れたときに眺めるとしよう。
- 伊藤智義『スーパーコンピュータを20万円で創る』★
天文業界では有名な"GRAPEコンピュータ"の、
開発者自身が著した開発史秘話(笑)である。
リーダーだった杉本大先生もだいぶ前に開発史を書いているが、
それよりはるかに生々しくて面白かった。
いやぁ、しかし、これはぁ、戎崎さんが、宣伝マンしただけで、
サイエンス面での貢献はないって明言してるようなもんだなぁ。
ここまでバッサリ書いていいのかなって感じだが。
著者はマンガ原作でも有名な人なので、筆は達者で構成も緻密だけど、
なめらかな文章の背後に見え隠れするモノもなかなか楽しめたかも。
あ、そもそも、天文学会百年史がらみで、急遽、
数値シミュレーションの章を執筆することになったため、
GRAPEは一つのランドマークなので、確認の意味もあって買ったのだが。
昔に聞いた話で、当時の名機APPLEと対抗する意味もあったというのは
確認できたが、もう一つに、
パイプラインで“房”が多いというのも聞いた覚えがあるのだが、
そのことは書いてなかった。
うーん、違ったのかなぁ、どうしよう…
- 伊達宗行『「数」の日本史』★
名著だと思う。
タイトルのとおり、日本人と“数”概念との付き合いの歴史を綴ったものだが、
たんに数学的な歴史ではなく、数の問題に加えて周辺の歴史にも触れつつ、
非常に深く掘り下げて総合的に分析紹介している。
著者は物性物理学が専門で、科学者ではあるが、
数学者ではなかったのも幸いしたのかもしれないが、
むやみに専門的でない点がポイント高い。
さらにまた、文章自体が非常にすぐれている。
日本語として、流麗な美文と言っていいだろう。
70歳を過ぎたら、こんな文章が書けるのかなぁ(?)。
ともあれ、さまざまな分野で数多くの解説書を読んできたが、
いままでに読んだ中では、一般向けに書かれた解説書としては、
和洋含めて、一二を争うレベルだと思う。
個々に言えば、興味深い話が多々書いてあるが、
とくに、現在の理数科離れが平安時代にもあったことと、
その基本的な背景要因が共通であることを明快に説明している点は面白い。
また、現在の理数科離れの直接的な原因が、
受験技術化し暗記物になったことと、
(ゆとり教育などの)レベルダウンにあると断言しているが、
これもまったくそのとおりだと思う。
さらに、日本人は九九など暗算は得意なのに、
なぜ数学嫌いになるかについても、納得のいく説明がしてある。
教育、いな、education(引き出し)についても、
すばらしい見識が示されている。
全編にわたって、内容はもちろん文章についても、
教えられることが多い本だった。
- 高田誠二『単位の進化』★
最近、よく、“名著”に出会うような気がする。
「数」や「単位」には以前から関心があって、
それなりに単位のことも知っていたつもりだが、
本書はさすがに計量の本職が書いただけあって、
単位の歴史について、わかりやすく、
非常によくまとめられていた。
しかも単位の話だと、本来は記号や数値の羅列になって、
とうてい読み物になどできないところだろうが、
背景の考え方や歴史的なエピソードなどを上手に織り込むことによって、
すんなり読めるようにしてある。
また各節の終わりなどには、きちんとオチが入っていて、
そのウィットが現代的な感覚とは結構ずれているのだが、
(原本は1970年刊のものが、今年、文庫になった由)
それはそれで味わいがある流れになっている。
マクスウェルの悪魔や量子力学のエネルギー準位などを説明するための、
いろいろな例え話も、なかなかわかりやすく書いてある。
決して美文や名文の類ではないが、
隅々まで工夫された“名著”といっていいだろう。
- 夏梅誠『超ひも理論への招待』★
超ひも理論についての解説書は、いままでにも何冊も出ているが、
本屋の店先でパラパラめくると、たいていは、
イメージだけで書いた易しすぎるものか
(まぁ、ぼくもそういうものは書く)、
逆に、数式だらけで到底ついて行けないものか、どっちかである。
ふむふむ、と納得した気持ちになれそうな本にはお目に掛かったことがない。
だけど、この本はパラパラめくって、美味しそうな匂いがして、即ゲット。
たしかに、いままで眺めた中では、もっとも“わかりやすく”書いてあった。
いや、もちろんわかったわけではないが、実際、
双対性とかホログラフィック理論あたりになると、やはり少しついて行けないが、
しかし、全体にしっかりと読ませてくれる良書だと思う。
こういう本がもっと出て欲しいなぁ。
- ジョン・バロー『万物理論』★
かなり以前に出た本で、ちょっと気にはなっていたが、
まぁ、統一理論の解説書だろうと思って、スルーしていた。
少し前にジュンク堂に行ったときに、また目について、
手に取ってみたら、扱っている主題が広そうなので、読んでみた。
これはそうとうに歯ごたえのある自然哲学書だなぁ。
なかなか読み応えのある本だった。
- ■JSEA 日本 宇宙エレベータ協会■
久々にドキドキした! ドコに書こう、SFか天文学か?? どこでもいいか。
9月26日、台風襲来のTVニュースを見ながら朝刊を開くと、
社会面に“エレベータで宇宙へ”とある。
なんと、「日本宇宙エレベータ協会」が設立されたそうだ。
聞いてないよぉ。SAC(宇宙作家クラブ)でも流れてないよなぁ。
11月に国際会議を開くというので、即、HPを見に行くと、
金子(隆一)さん、名誉会員かぁ、羨ましいなぁ。
ぼくだって宇宙エレベータ、山ほど紹介してるんだけど、
まるまる一冊は書いてないからなぁ。
一般会員は、えっと、入会金と年会費で12000円(泣)。
でも、ここは黙って入会するところだろう。
日本の科学技術も、とうとうここまで来たかと思うと、感無量ではある。
- ■2008年度ノーベル物理学賞 南部陽一郎、小林誠・益川敏英へ■
10月7日、後期の最初の一週間が終わり、一杯呑みながら、
7時のニュースをぼんやり見ていたら、飛び込んできた朗報である。
基礎科学が冷遇される貧しい国から、3人もの受賞者が出た。
なんとも心が沸き上がる出来事だ。
ふだんはニュースを回すことなどしないが、
このときばかりは、学生のMLや知人らへ速報した。
知人の一人などからは、
“いま頭が混乱しています”という返事が戻ってきたぐらいだ。
いまから特別資料を作成して、明日の講義で話すことにしよう。
まぁ、とにかく、今夜はワインで祝杯である。
- ファインマン『光と物質のふしぎな理論』★
昔、もしかしたら読んだなぁと思いつつ、
岩波現代文庫版を買っていたのを最近読んだけど、
さすがはファインマンで、あちこち、目ウロコだった。
とくに光の反射と屈折の説明は、目がジャブジャブ洗われた感である。
また十年ぐらい先に読もう。
- ミチオ・カク『サイエンス・インポッシブル』★
原題“Physics of the Impossible”で、フォース・フィールドや透明人間
などのSFを引き合いに出しながら可能性を科学的に検証したものである。
ほとんどの題材はぼくも取り上げたことがあるが、
なかなか掘り下げ方が半端じゃないし、実際の具体例が豊富で、
さすがだと思った。
『超空間』や『パラレルワールド』も面白かったが、
かなり筋金入りのSFファンみたい。
- 西條敏美『虹 その文化と科学』★
良書である。それもいろいろな意味で。
もともと光や色が好きだし、相対論的輻射輸送という舌を噛みそうなテーマも研究しているので、
大気光学現象の本も気づいたときに手に入れるようにしているのだが、
こんな本があるとはつい最近まで知らなかった。
たまたま市内の大型書店で見つけたのだが、
題名通り、“虹”を文化的かつ科学的視点で、丁寧に論じた本だ。
良書という第一点は、和書で自然科学的な観点から“虹”を扱った本はないこと。
洋書でもそれほど多くはないだろう。
そして虹の幾何光学理論や波動光学理論などが、
他の解説記事をベースにはしてあるが、
入門者にとって必要十分な範囲で上手にまとめられている。
良書という第二点は、科学がちがちではなく、
文化的な背景や歴史的な経緯なども含め、
全体の構成やバランスが非常にいいこと。
さらに第三点は、各章の書き方が、著者が先生をやっているためもあろうか、
項目立てなどがとてもわかりやすく、初心者でもすいすい読めるだろう。
最後に文献が非常に完備している。
ぼくも早速何冊か発注したぐらいだ。
…スターボウでぼくの本まで入っていた(笑)。
レイリー散乱やミー散乱そして虹などの素過程は、微小粒子による単一散乱で、
単一散乱をとことん調べたテキストはある。
しかし、この本ぐらいに丁寧に書かれた多重散乱の本はないだろうか。
彩雲や夕焼けを説明するには多重散乱の計算が必要なはずだが、
原著論文などそもそもどこを探せばいいかさえわからない。
オサケ★
お酒(とカラオケ)は嗜む程度.ほんとに.
…でも,たまに記憶が跳んでたりしてて,あれは結構コワイ.
ビールはキリンの生,日本酒はキンと冷やした吟醸,
ワインもキンと冷やした白,焼酎は<神の河(かんのこ)>のロック,
カクテルはウォッカベースやカルーアミルクが割と好き.
…最近は弱くなってきて、焼酎やウォッカはあまり呑まない。
またワインはどっしりした赤の方が好きになった。
…今年もビールにも凝っていて、
銀河高原ビールやヨーロッパのビールもよく呑む。
銀河高原は割と有名だから知っている人も多いだろうが、
小麦のビールでハーブ香がなかなかいい
(銀河高原、これから先、大丈夫かなぁ)。
また山口に帰省したときに小郡でお土産に買った、
“村塾”という萩の地ビールがめちゃ美味しいことを発見。
値は張るけど、あまりの美味しさに、ときどき注文している。
バイツェン、ペールエール、ブラウンエールの3種類があるけど、
やはり小麦ビールのバイツェンがお勧め。
日本でもこんなに美味しいビールが造れるんだから、
法律を変えて地ビールを振興すべきだと思う。
…銀河高原、ちゃんと続いていてよかった。
琥珀エビスやプレミアムはもちろん美味しいけど、
最近のマイブームは、とれたてホップ一番搾り、かな。
でも季節限定だから、そろそろなくなりそう。
琥珀エビスも限定でもうなくなるらしいが、
年が明けたら緑エビスが出るようだ。
…最近流行のカクテルはホワイトボート。
…2006年はあまりに忙しかったので、
たまには自分で自分にご褒美をあげようと(笑)、
クリスマスにかなり奮発して、
いいシャンパンを2種類ほど買ってみた。
値段ほどには美味しくないだろうと話していたのだが、
まったくの大間違いで、値段だけの味はした。
味というか、あまりに呑みやすくて、
まるで水かジュースのような感じで驚いた。
吟醸酒などでも大吟醸クラスのいいものになると、
やはり水のように呑みやすくなるが、
どうやらワインでも同じみたいだ。
少し飲み過ぎて翌朝までアルコールが残ってしまったが、
朝のゲ○プさえ、いい香りがした、ホントの話である。
もっとも、
クリスマスに呑んだのは、ほんとに信じられない味がしたが、
年越しで呑んだのは、案外とふつうだった。
…ビール会社の回しモンではないけど、
最近うちで流行っているビールたち。
…ワイン会社の回しモンでもないけど、
近所のイタリアンであまりに美味しかった
イタリアワイン。
…胸のすくような快挙だと思った。
朝日新聞の2008年9月17日夕刊:京料理「☆お断り」の記事だ。
ミシュランの調査に対して、京都の老舗が掲載を拒否したり保留しているという話である。
京料理は、料理だけでなく、もてなしのすべてが文化だという店主の言葉もまったく同感だ。
さらにこれは京料理だけではなく、他の料理にも当てはまるだろう。
まぁ、別にぼくもミシュランが敵ではないし、実際美味しい店を紹介しているだろうけど、
たかだか数人の調査員の舌で決めたモノだしなぁ。
美味しいと紹介された店でそこそこ美味しいより、
匂いに誘われて入って驚くほど美味しい方が感激はひとしおだろう。
ミュージック★
アニメソングを聴いて育ちフォークの洗礼を受けた世代.
現在でも,ニューミュージック系統や良質のアニメソングを好む.
最近の話題:
- 平野綾・茅原実里・後藤邑子『ハレ晴レユカイ』、
YUUKA『荒野流転』、TAKAKO『愛の剣』★
AMAZONで買ったGYAOがらみのアニメソング第2弾。
とくに『幕末機関説いろはにほへと』の主題歌『荒野流転』が
詩的にも音楽的にもすぐれモンだと思う。
- ZARD☆
5月27日のZARDこと坂井泉水(蒲池幸子)さんの事故死はかなりショックな出来事だった。
「ハートに火をつけて」みたいに相変わらずいい曲を作っていたのに。
40はまだ若すぎる。
- 宇多田復活★
久しぶりにMステで宇多田を2週連続見たが、
一段とよくなっていた感があった。
相変わらず難しすぎる歌を唄ってたけど。
- しばらく音楽が希薄な生活だったけど、2月から心機一転、
久しぶりに音の多い生活に変えた。
愛用のMpプレイヤーはiriverだが、新機種のT60は2GBも入るし、
単四一本で一週間ぐらいもつすぐれものだ。
ギターも10年ぶりぐらいに爪弾いてみたが、
最初は調弦の仕方さえ忘れていた。
うーん、これは相当にリハビリが必要だけど、
まぁ、そのうち体が思い出すだろう。
- 宇多田ヒカル『HEART STATION』★
こちらも久方ぶりのアルバム。
予約が始まったのを知って、Amazonで30秒で購入予約。
一昨日に届いたのだが、しばらく封を切るヒマがなくて、
明日から学会というのに、発表準備もそこそこで、封を切った。
CDのカバーはシンプルで、えらくシンプルだな、と思って取り出すと、
ほぉ、そうくるか、なかなかサプライズな仕掛けである。
天賦の才って、本当にあるんだと思う。
いや、科学者のことではない。宇多田ヒカルだ。
エジソンがいみじくも言っているように、
科学者は“天才”と言われている人だって、
大部分は努力の秀才にすぎない。
エジソンはもちろんそうだったろうが、
むしろ、ニコラ・テスラの方が天才(というか奇才)だったろう。
凡人にはおよびもつかないほど頭のいい人はいるけど、
凡人と大秀才の間は連続的につながっていて、ギャップはない。
車椅子の“天才”と呼ばれるホーキングでさえ、
他の人のアイデアを上手にまとめているだけだ。
強いて言えば、ニュートンとアインシュタインは天才と言えるかもしれないが、
近世以降、天才と呼べる科学者は他にはいないと思う。
しかし宇多田だ。
学会後にずっと聴いているわけだが、
一度、歌詞カードを見ながらじっくり聴いたら、
どうしてこんな言葉が紡げるのか、さっぱりわけがわからん。
こっちも25年ぐらい文章を書いてきた人間だけに、なおさらである。
決してぼくには到達できない高みがあることだけは理解できたが。。
これを天賦の才と言わずして何と呼べばいいのだろう。
で、夕べ、HEY^3の特番に出ていたので、珍しく歌番組見たが、
“Mステは久しぶりで”なんて平気でボケかましているし。
天才はやはり理解できない。
- ウィッシュ『御案内』★
30数年前、高校のころに、束の間存在したデュオで、
「六月の子守唄」というのが、すごく綺麗な曲だった。
そのころ録音したテープなんぞ、田舎でとうに腐っているだろう。
10年ほど前にDVDが出ているのを知らなかったのだが、
最近、アマゾンで売り出しに出ているのを見つけ、ちょっと(かなり)高かったが、
思い切ってゲットしてよかった。
- ZARD『Soffio di vento』『Brezza di mare』他2枚★
ZARDの追悼アルバムで、イタリア語?、“風のそよぎ”“海風”という意味らしい。
少し落ち着いたからというわけでもないが、4枚ほどまとめ買い(AMAZONはやばいなぁ)。
4枚中3枚にDVDも付いていて、なんだか嬉しい。けど、DVD見入っているヒマないのに…
しかし、困ったことにリッパーがいまのメインマシンのCDに対応していないので、
Mp3に落とすときだけ機能不全の旧マシンが必要になるし捨てられない。
ともあれ、無事、Mp3に落とせたので、明後日、筑波への道中でじっくり聴くことにしよう。
追悼アルバムももちろんよかったが、一番、らしくってよかったのが、
“他2枚”の一つの「グロリアスマインド」だったりする。
曲も詞(日本語部分も英語部分も)かなり心に入ってしまった感だ。
- サザン30周年活動休止★
はともかく、涙が出るほど笑ったのは久しぶりかもしれない。
9月24日に放映されたCDTV15周年記念の番組で、
サザンがサプライズ出演で4曲ほど歌った。
後日、VTRで観たのだが、最初の2曲はYaYaなど聞かせるバラード、
3曲目は最新曲のサンクス曲、ここまではいい。
4曲目だ。ピーマンの御輿がわさわさ出てきて舞台は、
ちょっとここには書けないぐらいのお祭り状態。
大昔にNHKの紅白歌合戦で南春夫を真似た白塗り事件はリアルタイムで爆笑したが、
今回はあれを凌ぐものすごさだ。
TVであそこまでできるのはサザンだけだろうなぁ。
そしてあそこまでやって許されるのもサザンだけだろう。
いやぁ、ゲラゲラ笑った。
4曲目は「マンピーのG★SPOT」だった。
- Game Music★
だいぶ前だけど、Mp3のデータを集めていたときに、
ゲームミュージックのデータも集まっていたのだが、
少し前にいい感じの曲だけセレクションして聞いている。
ゲームミュージックとはいっても、最近は本格的なものも多く、
ピンキリだが、two-one/INFANTARIA/銀色/月陽炎/夜が来る、
などなど、元ゲームはよく知らないけど(ほんと)いいものはすごくいい。
そんな中で、すごく不思議な旋律と知らない言葉で唄っているものがあって、
適当にでっちあげた人工語かと思っていたら、どうやらラテン語らしい。
侮れないぞ、ゲームミュージック。
- ZARD・全オリジナルアルバムセット★
ZARDはBESTを何枚かもってはいたが、何ヶ月か、
追悼アルバムをヘビーローテーションしているうちに、
全曲聴いてみたくなって、ブックオフで大人買い(中古だけど)。
こういうことはしたことがないけど、まぁ、
今年の自分へのクリスマスプレゼントにしよう(笑)。
ゲーム★
大学院に入った頃にちょうどインベーダーが流行りで,
以来,アーケード,パソコン,ファミコン,スーファミ,
PS(プレイステーション),SS(セガサターン)に至るまで,
コンピュータゲームとは長いつき合いである.
…もちろん、PS2とGC(ゲームキューブ)も。
最近面白かった(あるいは面白くなかった)ゲーム:
- 新 鬼武者(PS2)★
故あって2年半ほどゲームをさぼっていたけど(たんに忙しかっただけかも?)、
他の趣味とともに、2008年から再開することにした。
で、再開第一弾が、『新鬼武者』、いや実に丸2年前のゲームである。
相変わらず休みの取れない中を、1時間ずつぐらいしかできなかったので、
一ヶ月半もかかってしまったけど、久しぶりに、いい“汗”流したかな。
修論卒論発表会も済んでほっとした日に、最終戦に入り、
ボス戦が8連戦ぐらいあったが、なかなか長丁場だった。
2年ほど前のゲーム雑誌の攻略記事を残しておいたから、
あまり手こずらなかったけど、それでも、結構、きつかった。
エンディングは、う〜〜ん、まぁ、仕方ないか。
さて、つぎは、積んゲームの『幻想水滸伝V』にしようか『ゼノサーガIII』にするか、
それとも、新発売の『戸惑』にしようか、悩むところだ。
- レイトン教授と悪魔の箱(DS)★
2月に『幻想水滸伝V』をはじめたものの、年度末年度初めの激忙状態に入り、
途中でペンディングしたまま半年経ってしまった(とほほ)。
DSは2年ぐらい前には買っていたのだが、
PS2の前で十分な時間が取れないので、
とりあえず、DSやPSPなどポータブルで手軽にできるとこからしよう。
『レイトン教授と悪魔の箱』は、
ストーリー自体はたいしたものではないけど、
5分単位の空き時間や移動時間に、まさに手軽にできた。
一番びっくりしたのは、実は、監修が多湖輝だったことである。
へぇ〜。30年ぐらい前の名作シリーズ“頭の体操”は、
十何冊かまで楽しんだ覚えがある。
いまWikiでチェックしたら、1966年だから40年前だ、
となると、小学校から家族で楽しんでいたのだった。
懐かしいパズルもいっぱいあったもんである。
- サクラ大戦〜君あるがため〜(DS)★
セガサターンのマイ最高傑作が『サクラ大戦』である。
HPを作り始めた1996年ぐらいに第一作が出たもので、
当時、11月にHPの更新をした2日後に緊急更新までしたくらいだ。
セガサターンの帝都編(サクラ1とサクラ2)や
ドリームキャストの巴里編(サクラ3)と完結編(サクラ4)まではやったものの、
プラットフォームをPSに移してからの紐育編は主人公が変わったのでしなかったが、
このDS版ではすべての舞台が出てくる親切シナリオだ。
またセガサターン版はアドベンチャー&シミュレーションタイプだったけど、
DS版は不思議なダンジョンRPGになっている。
それがまた往年のキツイ一発死ゲームに近い厳しい作りで、
ダンジョンで倒れると持ち物が全部なくなってしまう。
装備している武器だけは残るのだが、
ダンジョンで転がされて装備が外れた後に倒されると丸裸である。
これはキツイ。ダンジョンの前から何度かやり直す羽目になった。
最初のうちに、何度か、DSを折りそうなくらい痛い目に遭ったので、
後半は用心深くなり、ときどき帰還の封紙を使って逃げ出しながら、
最終話の前では、ちゃんとあちこち回ってレベルアップもしたので、
最後はスムーズに終えることができた。
久しぶりに迎えた感動の(笑)エンディングである。
エンドロールも丁寧に作ってあり、ちゃんとおまけダンジョン
−鬼のように厳しい−もある。
DSは新幹線の中でもできるので、出張の荷物がさらに増えるのが難点だなぁ。
- 幻想水滸伝V(PS2)★
これももう2年以上前ぐらいに買ったゲームだ。
『新 鬼武者』に続けて始めていたのだが、
年度末や年度初めのバタバタなど諸般の事情で、
ちょうど半年ほど中断したままになっていた。
忙しかった夏休みも終わり、ようよう再開したが、まいった。
ゲームシステムはもちろん、そもそも次に何をすべきかなど、
まったく覚えていない。ネットの攻略ページもチェックしたけど、
どの段階まで進んでいるのか、おおざっぱにしかわからない。
あえなく挫折。
面白くなくて放り出したゲームはたくさんあるけど、
面白いのに挫折したゲームははじめてだなぁ。ちょっとショックである。
- theresia〜テレジア〜Dear Emile(DS)★
『幻想水滸伝V』に挫折し、少し意気消沈して、
『トゥームレイダース』へ進む気力がなくなり、
気分を変えるために、久しぶりのホラーゲームというか脱出ゲームか。
しかしこれまた早々と壁に当たってしまう。
ニワトリの鍵はどこ。いや、その前に、ホースがどっかにあるはずなのに。
箱を覗いてもナイフばかり飛び出てくるし。
仕方なくちょっと攻略ページをチェックしたら、
倉庫の箱の見落としがあった。
そうか、そもそもペンダントは、そういう利用をするのか。
というより、いま見たらば、ちゃんとマニュアルに書いてあるし
…マニュアル読まずにやっている(笑)。
- WORLD DESTRUCTION(DS)★
発売前からかなり宣伝されていて注目していたのだが、
詳しい情報がわかってくると、なんだか面倒くさそうで、
しばらく様子をみていたのだが。
やってみると、システムはオーソドックスなRPGで、思いの外にわかりやすい。
セーブが遅かったり自由度が縛られている部分もあるが、
全体のゲームバランスはとてもいい感じだ。
ボス戦も、力だけだととても敵わないが、アイテムなどを上手に使うと、
ボスの出方がわかってくる何戦目かには倒すことができるから、
あまり無茶なレベルアップは必要なくてストレスがたまらない。
ストーリーその他もテンポがよく、
セリフや動作がコミカルでテンション高く、とても好みなのがわかった。
いやほんとに、セリフがここまで小気味よいソフトもはじめてかな。
ときどき時間節約のショートカットしながら、なんとか最終ボスまで辿り着く。
これがまた強敵だったけど、武器を揃えカスタムアップした2戦目は、
超人薬を投入したりして、いつの間にか倒してしまった。
というか、即死回避のアイテムは主人公と並んでツートップにしていたリ・アに装備していたので、
倒したときには主人公は即死攻撃を受けてダウン状態だったし、
ちょっと締まらないラストだったかなぁ(笑)。
ラストのActa est fabulaは、やはりラテン語で、
芝居が行われた、というのが直訳らしい。
この場合は、幕は下りた、ということかな。
- 世界はあたしでまわってる(DS)★
『ノスタルジオの風』が出るまで2週間ほどあったので、
場つなぎのつもりでやってみたけど、とても“親切設計”で、
“ユーザーフレンドリー”なRPGゲームだった。
HP(ヒットポイント)とMP(マジックポイント)以外に、
WP(わがままポイント)があって、これがまた使い勝手がいい。
エンディングにもう少し手を掛けて欲しかった感もあるけど、
ほどよく楽しめた。
- ノスタルジオの風(DS)★
発売前から面白そうだったので、予約注文しておいたら、
きっちり発売日に届いた。えらいえらい。
期待通り、楽しめそうだ、と思ったけど。ただ…
ついてきた設定集をパラパラめくっていたら、
あまりにも英語が酷いというか。
最後の方の文章が文法も内容もメチャクチャ。
(英語の)文章がpoorだといつも言われる人間が酷いと思うのだから、
これは相当に酷い英語だろうなぁ(笑)。
も一つ失笑してしまったのは、魔物デザインの“ドラゴンフライ”。
これ、どうみても“空飛ぶブタ”だなぁ。
百歩譲ってドラゴンだとしても、ドラゴンフライはドラゴンじゃないからなぁ。
他のモンスターは、それなりに名前のイメージからデザインしてあるが、
うーん、やっぱり“トンボ”のモンスターにして欲しかった。
で、内容の方は、こちらもイマイチというか、やや期待はずれ。
おそらく一番ストレスを感じたのはゲームバランスが悪いことだろう。
雑魚キャラがめったやたら耐久力だけあったり、
ボスキャラのくせにメチャ弱かったり、
ダンジョンがダンジョンのようで実は一本道だったり、
逆にさくっと進ませて欲しいところが面倒だったり。
大枚はたいて武器をバージョンアップしたら、
使う間もなく直後のダンジョンでいい武器が手に入るし、
使わないアイテムがやたらあるし、繰り返しが多いし、
なんとも無駄が多いというか、とほほな感じである。
あまりにもストレス高くなって、8割ぐらい進んだ段階で、とうとう放り出しかけた。
ジャングルの迷宮で、“ひとつの時を刻むべし”がわかんなくって、
1分待ったり、1時間待ったり、あれこれしたときだ。ええぃ、回るだけやったんか。
ゲームとの相性は難しい。
- クロノ・トリガー(DS)★
言わずと知れた往年の(13年前の)スーファミ名作だ。
鳥山明のイラスト×ドラクエ×FFのコラボで超有名になったものである。
とはいうものの、当時は、(たぶんFF色を敬遠して)やらなかったのだが、
残り物には福がある。
DS版が出るのを知って予約購入した
(前評判が高くて、予約購入したのに、数日入荷が遅れたぐらいだった)。
早速スタートしてみたが、このテンポ、この音楽、この雰囲気、どれもOKだ。
おまけに(少し準備はしていたものの)いきなり過去へ飛ばされたり、
アイテムやヒントや通路がわかりにくかったり、リアルタイム戦闘だったり、
ワンパターンの繰り返しでない迷路やギミックがたくさんあったり、
つぎはいつの時代のどこへ行けばいいのか途方に暮れたり、
でもストーリーがしっかりしてるし、展開が一直線じゃなくて起伏があるし、
あちこちにアソビがあるから飽きなかったり、これはやはりRPGの王道だ。
久しぶりにメモを取りながらダンジョン探索をする羽目になった。
どのエピソードも面白くドキドキしたが、
なかでも終盤の「時の卵」は、何をすればいいか右往左往するし、
全時代での探索もかなり大変だったし、
死の山のラストはなかなかに感動もんで、
ほとんどここでクライマックスしてた感じだ。
エンドロールも丁寧に作り込んであるし、一ヶ月近くの間、
最後の最後まで楽しめる大河RPGだったかな。
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