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「一緒に働きはじめた人たちはもう誰もいません。8人のうち残ったのはわたしだけです」とクレアは語った。彼女は髪に赤いメッシュを入れたぽっちゃり体型の19歳で、アマゾンの梱包と地元のパブでの仕事を兼業していた(※1)。 私たちは、カノックにあるウェザースプーン[イギリスやアイルランドで展開する庶民派パブ・チェーン]の2階のテーブル席に坐っていた。そのパブの薄暗い室内には、砂糖とホップの搾りかすの強いにおいがただよっていた。平日の昼下がりの店は、年金生活者、若い母親、そして失業者で混み合っている。 私たちのテーブルのうしろでは若い女性が赤ん坊に食べ物を与えていたが、彼女が使う光沢のあるプラスティック製のスプーンが、栗色のチューダー“様式風”の内装のなかでやけに目立って見えた。奥のスロットマシンの横には、みすぼらしい恰好の男性がふたり。ひとりはビールジョッキを胸にぴったり押しつけ、もうひとりはだぶ
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