久しぶりに東京に戻って来たら、山手線の中で勤め人とおぼしきハトロン紙色コートの男がスポーツ新聞の一面に見入っていた。いつもよりさらに奮発したらしい巨大見出しは「御手洗、正社員の給与を二割減」(か? がどこにあるのかはわからなかった)とか書かれ、その下には比較すればややちっこく「資本主義の終りか景気の循環か」と添えられていた。 いやはや、えらい世の中になってきたもんだね。 ちなみに帰省中、田舎とも四十九日とも全然関係のないところで個人的に大ヒットだったのは、 "autoréduction" (時には極めてフランス的にautoréducと略す)であった。勝手値引き、とでも申しましょうか。複数のグループに分れてスーパーを襲撃し、カートに商品を詰め込み、同時にレジに並んで同時に払わない宣言をし、出て来た店長が根負けするまで粘って突破することであるらしい。趣旨説明のチラシも配るとか。もともとは70年