職場で働いたりして、社会生活を営んでいるのに、実は「引きこもり」と同じような心のメカニズムを持つ人たちが顕在化している。いわゆる“仮面引きこもり”ともいうべき人たちだ。 30代の大手企業の営業マンは、朝、プラットホームに立っていると、電車が入ってくるたびに、身体が勝手に前のほうに動いて怖くなる。また、マンションの高層階に上がると、飛び降りたくなる衝動に駆られる。 「このままでは、死ぬのが怖いから…」 と、死の恐怖を打ち明ける、その会社員はふだんは人気者で、職場のリーダー格。宴会などで場を盛り上げるのもとても上手い。しかし、カウンセリングしてみると、誰にも見せない「暗いウラの自分」が表面化する。表向きは明るいのに、本当は人が怖くて緊張しているのだ。うつ、自殺願望、体の緊張がとてもひどい。 埼玉県狭山市で「狭山心理研究所」を開設するセラピストの服部雄一所長の元には、最近、そんな会社員や主婦など