偽造された旧1万円札176枚をベトナムから輸入し、日本国内で両替したとして偽造通貨輸入などの罪に問われたベトナム人の被告の裁判員裁判で、熊本地方裁判所は「偽造であるかもしれないと認識していた決定的な事情はない」などとして、検察側の懲役9年の求刑を退け無罪を言い渡しました。 ベトナム人の38歳の元技能実習生は共犯者と共謀し、おととし、ベトナムから偽造された旧1万円札あわせて176枚を輸入し日本国内で両替したとして、偽造通貨輸入と偽造通貨行使などの罪に問われました。 裁判で検察側は「被告は報酬を受け取っていて偽札であると認識していた」として、懲役9年を求刑していたのに対し、弁護側は「両替を行った旧1万円札が偽札であると認識していたとはいえない」などとして、無罪を主張していました。 17日の判決で熊本地方裁判所の中田幹人裁判長は、検察が請求していた輸入に関わったとする別の人物の証言の証拠について