☆☆☆☆☆(10点/10点満点中) 1990年日本映画 監督・中原俊 ネタバレあり 日本映画史に残る秀作である。 18年後に同じタイトルで中原俊が続編的セルフ・リメイクを発表したが、遠く及ばなかった。中原俊は名前通り俊才ながら、この映画の素晴らしき感覚を再現することは本人でもできまい。そう思わせるくらい素晴らしい奇跡的な一編である。原作は吉田秋生という人のコミック。 チェーホフの戯曲「桜の園」を創立記念日に上演する伝統のある私立女子高が舞台で、物語は上演当日の朝から始まる。 3年生の部長・志水由布子(中島ひろ子)が禁止のパーマをかけて来るのが波乱の始まり。3年生の部員・杉山紀子(つみきみほ)が喫茶店で喫煙していたところを補導されたのが問題となり、部員たちの間に上演できるだろうかという不安が湧き起こる。 一方で、長身で宝塚の男役のような雰囲気があって人気のある倉田知世子(白島靖代)は、男役で