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スフィア(スパロボ) (すふぃあ)とは【ピクシブ百科事典】
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概要

黄道の12星座に対応した名称を持ち、その総数も12個である。

ある存在曰く、『至高天に至るための鍵』でもあるらしい(ただし時系列の関係上、彼らの言う「十二の鍵」が同一の存在であるかは不明)。

12星座が発する次元力を引き出すための機関であるが、使い続けると重篤な副作用に見舞われる。しかしながら、スフィアの力をより効率良く取り出せるようになると副作用は解消されていく。

…中には刷り込みによる裏技で支配を脱するとんでもない所有者がいるが。

因みにだが第二次z以降、主人公側のスフィアの副作用が判明するとロジャー・スミスが詳細を解説する事が恒例となっている。

その正体は、至高神ソルが自らを破壊した際に生まれた心の断片が形となったものであり、それぞれがソルの感情を司っている。

ちなみに12星座に対応した名称は、御使い達がスフィア毎の属性と対応する星座を当てはめた識別コードのようなものである。

また各スフィアには相性があり、相克するもの(知りたがる山羊と偽りの黒羊)や相生するもの(欲深な金牛と傷だらけの獅子)がある。

ソルが元々、その宇宙における太陽であり、その宇宙の地球に位置していたことから、スフィアはどの宇宙においても必ず「その宇宙における天の川銀河の地球またはそれに相当する星」に出現する。

性質

基本的には「緑色の球体のクリスタル」として描写される。

12個それぞれに、力を発揮するために必要な感情の動きが「発動キー」として存在しており、この発動キーに当たる情動を強く持つ者が所持者として選ばれ、不可分の存在となる。この所持者を「スフィア・リアクター」と呼ぶ。

ただし、スフィアそのものは元々ソルの持つ心=器に宿って初めて意味を持つアイテムであるため、力を発揮するためには器、つまりソルの体の代わりとなる機動兵器が不可欠となる。これを「スフィア搭載機」と呼ぶ。

そして、搭載機に乗るリアクターは、スフィアの力を使うごとに次元力に触れ、同時にスフィアを覚醒させていくが、その途中で「反作用」に見舞われる。

この反作用を乗り越えるとスフィアの覚醒は最終段階に入り、固有の能力「スフィア・アクト」が使用可能になる。

また、スフィアには上述したように相生・相克の相性関係が存在し、それぞれのスフィア同士がぶつかると力の増幅や減退が発生する。

覚醒段階

以下の三段階+α。

  • ファースト・ステージ

デフォルトの状態。この時は休眠状態であり、単なるエンジンとしてしか機能しない。

  • セカンド・ステージ

覚醒直後の状態。リアクターに対して反作用が発生する。スフィア固有の力はこの段階でも限定的に使用可能だが、反作用の都合上基本的に任意で力を起動することはできない。

かなり過酷だが、これを経由しないとスフィアは正常に覚醒しない。

  • サード・ステージ

リアクターが反作用に適応し、力の行使が安定した状態。リアクターの意思で「スフィア・アクト」を行使可能となり、スフィア・リアクターはこの状態に至って初めて完全な状態となる。

だがこのためには、スフィアの求める精神状態を保ち続けねばならず、それが崩れればスフィアはたちどころに機能を停止する。要するに「リアクター側が徹底してスフィアに合わせなければならない」状態であり、リアクターの精神的コンディションは基本的に悪化する一方となる。

最悪の場合はスフィアの属性にリアクターの精神が飲み込まれ、力に振り回されて自らの制御ができなくなってしまう。

以上のようにこのステージに至ったとしても安全なわけではなく、「リアクターがスフィアに使われている」状態であるため、死のリスクはむしろ増加している。

  • 真のサード・ステージ

リアクターがスフィアの求める条件を乗り越え、己を超越することによって至高神ソルと同じ境地に至った状態。

力の主導権がリアクターに移り、「リアクターがスフィアを操る」状態になることで、力の行使が完全に安定し、反作用も事実上無効となる(反作用そのものがなくなるわけではないが、リアクターがそれに対抗できるようになっている)。

ただし、以前のステージとは逆にリアクターの意志のみで次元力を操らねばならないため、学習と経験を重ねて力の扱いに熟達しなければならない。その代わりに頭打ちになることがなく、スフィアの持つ力をより広範に、より強力に扱えるようになる。

Z-BLUEのリアクターは4人ともこの境地に到達している。また、この境地に到達するとどのスフィアも似通った力を発揮し始めるが、これは大本が同じ存在であるため。

関連するワード

  • 発動キー

スフィアの力を引き出すために必要な情動。より厳密にはその情動を生む精神状態が必要とされる。

  • スフィア・リアクター

スフィア搭載機の操縦者であり、かつスフィアを覚醒させた人物。

リアクターを資格者が殺害するとそのスフィアを奪えるが、それには機動兵器に乗った状態でその兵器ごと倒さなければならない。

  • 反作用

セカンド・ステージのリアクターに発生する現象。

スフィアの属性がリアクターに跳ね返ってきている状態であり、これを乗り越えないとリアクターは死に至る。

生きるためには当然乗り越える必要がある=スフィアの求める精神状態を維持する必要があるため、これに適応しサード・ステージに至ったリアクターはスフィアと完全に同調する代わり、その精神状態は平常のそれから大きくかけ離れたものとなる。

いわばリアクターへの「試練」と言えるもので、これを乗り越える際、「反作用を逃れるためスフィアに適応する」のか「反作用を恐れず己を貫徹する」のかで移行するステージが変わる。

  • スフィア・アクト

サード・ステージのリアクターが用いる能力。

覚醒したスフィアの持つ精神への指向性を次元力で具現化したものであり、「害をなす力」と「加護を与える力」に大別される。

通常のサード・ステージは前者、真のサード・ステージでは後者の力が発揮されるが、原理としてはリアクターの精神状態や感情の動きを外界や他者に伝播させることで発揮されているらしい。

相性関係はこれによって同調を維持できなくなる、反作用が発揮されるなどで力を引き出せなくなるか、後押しを受けてより力を引き出せるようになるのが実情の模様。

法則改変に近い形での事象干渉が行われるのは同じだが、「スフィアの属性に指向性を持たせて放つ」のか、「精神を繋ぐ媒介として用い、リアクターの精神状態を共有する」のかが異なる。

  • 相性関係

スフィア同士がぶつかった際に、力を高め合うか、一方が減衰する組み合わせ。

その関係上、リアクター同士が敵として戦った場合に発生しやすい。

一覧と所持者

偽りの黒羊

とある世界の地球に存在したおひつじ座のスフィア。至高神ソルの「逃避心」を司る。

嘘、つまり「己を偽る意志」によって起動する。反作用を受けると言語が混乱し、意味のあることが何も言えなくなる。

反作用はリアクターの内面に作用するものであることを考えれば、その正体は「自他の意志の境界を歪め、リアクター自身にも何が嘘で何が本当なのか判別不可能にする」ものだと思われる。

このスフィアが求める「嘘」とは、真実の自分を確固たるものとしたうえで偽りの仮面を被り演じ抜く意志力を示している。つまり、アイムの意志を取り込んだのも反作用の一つであり、本当の自分が何なのかわからない状態でも偽りを貫徹できるか、という話である。

要するに真に偽るべきは他人ではなく、リアクター自身である。

真のサード・ステージに至るための条件は、真実と嘘の境界線を曖昧にせずに確立し、その上で他人はもちろん己自身をも完璧に騙し切り、その状態を貫く……簡潔に言えば「極限まで強がり本音を示さない」ことである。

ただし、アイムはハーマル・アルゴーとしての自分からひたすら目を背けていたためこの境地には至れていない。

スフィア・アクトは真実と嘘との境界線を操ることであり、アイムはこれによって自身の死を偽装し、さらにZEXISとの決戦では周囲に満ちる「嘘」の因子と共鳴することで強引にサード・ステージ相当まで出力を引き上げていた(アイム自身が反作用を乗り越えていないのでセカンド止まり)。

嘘とは己を偽り、真実の自分を隠すことである。それによって力を発揮するこのスフィアは、好奇心のままにあらゆる真実を暴き立て、それを白日の下にさらす「知りたがる山羊」と致命的に相性が悪く、その力を受けると無力化されてしまう。真実を示されることで意志の境界線自体が無意味になってしまい、能力が通じなくなるのである。

逆に、己の感情を嘘で覆い隠すその力は、言い方を変えれば自分の心から目を背けることであるため、常に自分自身とのせめぎ合いを求められる「いがみ合う双子」を無力化することができる。意志力の境界線を操る力は、言い換えれば感情のバランスを操ることに繋がるため、「いがみ合う双子」をどちらか一方の感情に傾けることで容易く制することができるのである。

相生するスフィアは不明だが、己を偽るということはすなわち生まれ持った自分自身の否定に繋がるため、「己の感情を隠す」という意味で繋がる「沈黙の巨蟹」と相性が良いと思われる。

欲深な金牛

ハイアデスのいた世界に存在したおうし座のスフィア。至高神ソルの「欲求」を司る。

何かに対する強い欲望によって起動する。エルーナルーナは戦いとその果ての充足に対するあくなき欲望によって稼働させている。

初登場の時点でサード・ステージのため反作用は不明だが、反作用がスフィアの同調を切るような内容であること、死に至りかねない危険度を持つことを考えると、恐らくは「充足感の励起」だと思われる。

現状に安寧し、それ以上を求めさせないことで進歩を封じ、以て緩慢な死へと追いやるのだろう。

一見すると何が危険なのかわかりづらいが、充足感を得る、満足するラインが引き下げられるということは、すなわち「このくらいでいいや」と不足を妥協してしまうことに繋がる。

これが続くと「食べるものないなぁ…お、パン、ありゃ腐ってる…ま、いいか」と食べるなどは序の口、そのうち食べ物でないものまで口にし始め、最悪「食べなくて良いか」にまで発展し、最終的には「別に死んでも良いか」と自身の命すらも妥協してしまい、死に至るハメになるのである。

そして、それをも超える底なしの欲望を燃やし続けることでサード・ステージへと移行する。

真のサード・ステージに至るための条件は、その欲望の矛先を他人ではなく己自身に向け、心の空白や不足感を満たす術を「奪い取る」のではなく「生み出し作る」ことに見出し、これを以て際限なき進化へと踏み出した時、このスフィアは真に覚醒を見るのである。

スフィア・アクトは文字通り他人の力を奪い取ることであり、戦場においては機動兵器のエネルギーを消耗させる形で発揮される。

このスフィアが求める「欲望」とは、文字通り欲し、求め、手に入れようとする意志力である。

つまりただ欲望を抱くのではなく、それを満たすための行動を実行に移すことでリアクターたり得る(同じ欲望でも、展望どまりならば「夢見る双魚」の発動キーとなる)。よってこのスフィアの力は「欲望のままに他者から奪い取る」ことで発揮されるため、奪われる痛みを忍耐の糧とする「傷だらけの獅子」と相生する。

相克するスフィアは不明。

このスフィアは欲望によって稼働するが、欲望とは現状に対する精神的な不足や空白に起因する情動である。

言い換えればその「不足」を埋められてしまうと力が崩壊するため、それを慈愛によって補って来る「尽きぬ水瓶」に弱いと思われる。「尽きぬ水瓶」は自己犠牲の愛によって力を発揮するため、奪い取ることで痛みを与えるこのスフィアは暖簾に腕押しの状態となる上、際限なく溢れる水を奪い切れず折れてしまうのである。

逆に、欲望のままに他者から何かを奪うことで発揮されるその力は、言い換えれば他人のことを一切気にせず己のペースに巻き込むことであるため、他人のための悲しみを力とする「悲しみの乙女」に強いと考えられる(他人の心にリンクし、悲しみを表面化させる「悲しみの乙女」に対し、こちら側が干渉して他人どころではなくしてしまう/悲しみを共有する姿勢を無視して突き進み、力を発動させない)。

いがみ合う双子

惑星ジェミナイに存在したふたご座のスフィア。至高神ソルの心の中核を為す。

当初はガドライト・メオンサムがリアクターであり、ジェミニアに搭載されていた。

しかし、時獄戦役終盤においてヒビキがガドライトを撃破したことで奪い取り、以後は彼がリアクターとなった。

12の中で唯一、二つの感情を発動キーとして要求する。ガドライトは故郷のジェミナイを滅ぼされたことに対する怒りと、それを為したサイデリアルに立ち向かえないことへの諦めによって稼働させ、ヒビキは母・メグミに殺されかけた=存在を否定された絶望と、世界の危機に立ち向かう希望によって稼働させていた。

その後天獄戦争において、ヒビキが希望に縋るのでも絶望に逃げるのでもない、ただ己の使命を果たすという決意を固めたことで発動キーの超越に成功、真のサード・ステージへと覚醒した。

これは、人間ならば誰しもが至る境地であり、ヒビキ自身も「特別な資格ではない」と述べている。しかし、だからと言って簡単には至れないのもまたヒビキ自身が証明しており、言うは易く行うは難しを地で行く覚醒条件を持つこのスフィアは「欠陥スフィア」とも呼ばれる。

そのためか反作用もまた一風変わっており、同調のための試練ではなく同調に失敗した場合の反動として存在している。相反する感情の両立をミスするとガドライトのように力が崩壊して弱体化するが、逆に両立を無理に強行すると、相反する感情が相殺して精神運動が止まってしまう。

ただし、この状態もまたかなり危ういバランスによって成り立つため、外部の干渉があればあっさり解除できる。また、リアクターが慣れると、反作用が発生した場合精神崩壊より前に気絶する(危険なのは変わりないが)。

スフィア・アクトはガドライトの場合「表面化する感情の逆転」。心の奥から現在抱いているものと逆の感情を引きずり出すもので、これによって各地に戦乱の種を撒いていた。

これは厳密に言うと、今現在表に出ている感情と逆の感情を励起して衝突させるというものであり、要は相反する感情が心の中で衝突し続けているガドライトの精神状態を伝播させているに過ぎない。

真のサード・ステージであるヒビキの場合、宇宙を構成する全てのものに存在する「霊子」との同調を自他にもたらす。これは言うなれば、マシンの意志と一体化する「真化融合」を疑似的に起こす力であり、それはパイロットと機体を直接的にリンクすることで操縦を容易にするという形で発揮される。

さらに、このスフィアは12のスフィアを統御するマスターコアとしての側面を持つため、真のサード・ステージに至った場合あらゆるスフィアと相生し、また相克することになる(真のスフィア・アクトを他のリアクターに伝播させれば、己に打ち克つ、己と向き合う境地が共有され、相性関係のない真のサード・ステージへの道を示すことができる)。

相性関係はその性質上実質的には無意味(このスフィアを真のサード・ステージに到達させたということは、全てのスフィアのリアクターになりうる境地に至ったことになる)。

このスフィア単体で見た場合、基本の発動キーである「相反する感情の衝突」を嘘によって己から逃避させることで崩壊させる「偽りの黒羊」に弱い。

逆にその精神状態は、一つの感情に対して「だが」「しかし」と逆の感情を励起することで成り立つため、「傷だらけの獅子」に強いと思われる。

あちらの力は忍耐によって発揮されるが、忍耐とは言わば一つの物事に対して己を保とうとする意志であるため、それに対して「屈従」を励起されるのは致命的なダメージとなるのである。

相生するスフィアは不明。このスフィアが求める「相反する感情」は、簡単に言うとポジティブとネガティブ、方向性が正反対の二つの感情を鬩ぎ合わせることで成立する。

そのため、「現実に根差した夢」「夢想に沿わない現実」という二つの要素によって成り立つ「夢見る双魚」と相生すると思われる。

あちらの力は要するに想像力なのだが、こちらの求める「相反する感情」を励起・維持する助けとなるのである(一つの事象に対して感情を抱き、それとは反対の状態を想像することで相反する感情を成立させる)。逆にこちらの力を「夢見る双魚」が受けた場合、「だが」「しかし」が「だからこそ」に繋がり、夢想を強めることになる。

沈黙の巨蟹

  • リアクター:尸空
  • 寄生先:尸逝天
  • 発動キー:「虚無」
  • 反作用:?
  • スフィア・アクト:「情動の抑圧」

鬼宿のいた宇宙に存在したかに座のスフィア。至高神ソルの「理性」を司る。

他のスフィアと異なり、鬼宿の至宝たる伝説の生物の死骸に寄生している。

発動キーとなる「虚無」の正体は死へと向かう意志、つまり己の感情を抑圧し、淡々と死へ歩もうとする意志そのもの。

尸空の場合、己が鬼宿として司る「消滅しようとする力」の結晶、即ち「死」というもっとも大きな虚無によってリアクターとなっている。

スフィアは共通項として特定の感情に依存して稼働する性質があるが、それを押さえつけることで力を発揮するこのスフィアは一見すると例外に思える。

しかし実際にはそうではなく、「感情を制する理性」こそがこのスフィアの発動キーである。要するに抑圧対象の感情・情動を持たない存在ではリアクター足りえないのである。

わかりやすく言うと、このスフィアが求める精神状態は「あるべきものがない空虚」としての虚無の心であり、それを維持するために感情を押さえつけ表に出さない意志力が必要となる。

よって、「そもそも何もない」ただの無ではダメなのである。

これについては劇中でも、尸空自身が「虚無は無ではない。俺も生きている」と述べている他、クロウも「虚無ってのは無とは違う。その中には確かに自分ってものが存在する」と言及している。あるべきものがないという虚無感、あるべきものを失った喪失感こそがこのスフィアの求める感情なのである。

これについては、尸空の「死とは肉体を失うことであり、何にも代えがたいその喪失感こそが最大の虚無」という説明が全てを表している。死んで肉体を失うということは、己を構成する最大の要素を失うことである。これを生きたまま体現すれば、その人物は肉体的には生きていても中身は空っぽの伽藍洞、虚無の存在と化す。そして、この境地を生来体現しているのが鬼宿の人間であり、ゆえにこそ代々の総領がリアクターとして受け継いできたのである。

反作用は恐らく「情動の増幅」だと思われる。実にシンプルなものであり、一見すると何が危険なのかよくわからないがが、このスフィアが停止する状況を考えれば瞭然である。

このスフィアは虚無の心の中に己という芯を確立し、それを揺るがさず保つことで稼働するが、これがブレて情動を呼び覚ましてしまえば虚無は崩れる。

死への恐怖、死を拒む感情が目覚めた時このスフィアは停止し、搭載機は力を失う。

そしてそうなる可能性が高いのは当然戦場であり、戦場でそうなれば待っているのは撃墜、戦死である。

つまるところ、このスフィアのリアクターは「いがみ合う双子」と似たような理性と感情のせめぎ合いを延々と続け、その中で常に理性を勝利させねばならないという過酷な状況に置かれることになり、その中で感情を無理矢理に押し殺すのではなく、死を恐れず、しかし死に飲まれず、虚無の心を己の一部として受け入れることを感得した時、真のサード・ステージへと移行する。

スフィア・アクトは他者の感情の動きを抑圧すること。

これを受ける方は「底なしの暗い穴に心が吸い込まれる」ような感覚を覚えることになる。

味方に加護を与える真の力については不明だが、Z-BLUEの4つのアクトの原理を考えると、感情に揺るがされない強い理性を伝播させるものだと思われる。

相性関係は不明。

このスフィアは情動を律する理性によって稼働するが、これは見方を変えると「死に対する恐怖を抑制し、それを自然なものとして認める意志」とみられる。

尸空が天獄篇において度々、わずかに内心の激情をうかがわせる場面があったこともそれを裏付ける。

言い換えればそれを保てず、感情を表に出してしまうと力が崩壊し同調が切れてしまうため、想像力によって死への恐れを呼び覚ます「夢見る双魚」に弱いと思われる。そもそも想像するという行為は生存のための行動でもあるため、このスフィアにとっては天敵と言える。

逆に、感情を表に出さず、理性のみで全てを支配するこのスフィアの力は、言い換えれば感情に依拠する力を否定することにも繋がる。感情とは意志力で励起できるものであるため通常はせめぎ合いになるが、励起するのではなく燃料とするようなスフィアの場合致命傷となる。

そのため、「感情に揺れてもブレることのない意志力」によって稼働する「揺れる天秤」に強いと考えられる。あちらの力は己の感情=先入観に流されず物事の本質を見抜く意志で発揮されるため相性がよさそうに思えるが、前提条件として己を揺るがそうとする感情が必要になるため、それを吸い込み虚無にしてしまうこのスフィアに無効化されるのである。

イメージ的には天秤の皿から重りを取り去って傾きを止めてしまう形になるか。

ただし、肝心の尸空はクロウに対する同族嫌悪で同調の維持に度々失敗しており、相性関係だけが全てではないことを示してもいる。

相生するスフィアは「偽りの黒羊」だと思われる。

一見するとアイムと尸空に相いれる要素はないようだが、どちらも「人間として生来持っている感情を押し隠す」ことでスフィアを稼働させるため、「偽りの黒羊」で己を偽らせることで感情の抑制を助け(己を騙すことで情動を誤魔化す)、「沈黙の巨蟹」で己を統制させることで偽りの自分を確かなものにする、ということである。

傷だらけの獅子

  • リアクター:ランド・トラビス
  • 搭載機:ガンレオン
  • 発動キー:「忍耐」→「痛みを超えて生きる意志」
  • 反作用:「激痛」
  • スフィア・アクト:「生命力の励起」

∀ガンダムガンダムXザブングルキングゲイナーが存在する「荒廃した世界」に存在したしし座のスフィア。

至高神ソルの「生存本能」を司る。

スフィアの中ではかなりシンプルな性質の持ち主で、忍耐の心によって起動する。

反作用は肉体に対する耐えがたいほどの激痛であり、これに耐え切れず悲鳴を上げてしまうと力は崩壊する。

ランドにしてもその強健極まる肉体と精神によって何とか耐えている状態だが、逆に次元力を使わなければ反作用は起きない。また、ガンレオンには保険として、この痛みに屈した場合の悲鳴をトリガーとして、暴走する次元力を攻撃力に変換して放つ「ペイン・シャウター」が搭載されている。

「Z」では反作用が発生するとともに時空震動を引き起こしていたが、これはペイン・シャウターを放つためのマグナモードがシエロによって機械的に封印されていた=セーフティ機構が正常に働かず次元力を攻撃に転用できなかったための暴走と思われる。

その痛みに耐える意志によって活性化し、その果てに「痛みを受けても、ただ耐えるのではなく生きて前に進む」という境地に至ることによって真のサード・ステージへと移行する。

スフィア・アクトは通常の場合、その激痛を敵へ伝達するものだが、ランドは真の覚醒に至ったことにより、その爆発的な生命力を他者に分け与える力として用いている。

その力ゆえに、「力を奪い取る」という形で痛みを与えに来る「欲深な金牛」と相生し、あちらのペースに巻き込まれることで生ずる心身の痛みに耐えることで力の発揮を容易なものとする。

相克するスフィアは不明だが、その「耐える」姿勢は、理不尽に屈することはなくとも、それはそれだと受け入れることに繋がる、つまりは我慢することになるため、反抗心の発揮を阻害される「立ち上がる射手」を無効化できると思われる。

逆に、その耐える意志に対して「だが」「しかし」と逆の感情を励起して来る「いがみ合う双子」には無力化されると思われる。

悲しみの乙女

宇宙世紀の世界に存在したおとめ座のスフィア。至高神ソルの「良心」を司る。

反作用は五感の麻痺。リアクターと外界の繋がりを狭めることで、逆に外界を感じ取る意識を高めようとする。

自分のことで一杯一杯になるような状態に追い込むことで、それでもなお他者のための悲しみを保ち、その心に寄り添い受け止める境地に至ることで真のサード・ステージへと覚醒する。

スフィア・アクトは通常は「悲しみを引き出し他者の精神を疲弊させる」ものとして働くが、真の力は他者の感情にリンクすること。セツコはこの力で他人の悲しみを感じ取ることで、スフィアの発するパワーを大幅に引き上げる形で使用している。

また、これは他人に対しては外界を鋭敏に察知・感知する力として働き、それによって機体の回避運動の効率を高めることができる。

このスフィアの力は他者に対しての悲しみで発揮されるが、それはいわば相手を理解し受け入れようとする姿勢によって成り立つため、憎悪によって他人を拒む「怨嗟の魔蠍」を無力化してしまう(通常のアクトの場合だと、憎しみを抱く心そのものを疲弊させてへし折るのだと思われる)。

逆に、相手に構わず己の欲望のみにまい進する「欲深な金牛」とぶつかった場合、あちらのペースに巻き込まれて無効化されると思われる。

相生するスフィアは不明。

他人の悲しみとリンクすることで力を発揮するこのスフィアは、言い換えれば他人の心を覗き込むことで真価を見せる。そのため、秘された真実を好奇心で見抜く「知りたがる山羊」と相性が良いと思われる。

揺れる天秤

西暦世界に存在したてんびん座のスフィア。至高神ソルの「判断力」を司る。元々はクロノ保守派が持っていたが、エルガン・ローディックにより持ち出され、カルロス・アクシオンJrによりスコート・ラボに持ち込まれた。

「迷っても揺れても折れない意志」によって稼働する。

このスフィアの力は天秤で物の重さを図るように、受け皿=感情が揺れ動いてもぶれることのない支点=己を堅固に保ち、アイデンティティを維持する意志力によって、物事の本質を見極めることにある。

真のスフィア・アクトはその観察力と意志力を他者に与えるもので、これによって機動兵器で正確な狙いがつけられるようになる。

通常のサード・ステージの場合、後述の反作用を与えて思考を目の前に固定化し、移動を阻害する形で発揮される。

反作用は思考を目の前の事象に固定するもので、これが発生すると最優先指定された物事以外の全てが目に入らなくなり、大暴走を起こす。

イメージとしては天秤の支柱がブレることで皿が一方向に傾いたままになってしまう状態か。

これに負けず本質を見切ろうとする意志を貫徹することで真のサード・ステージに覚醒するのだが、反作用の中身が中身だけにリアクターが一人でこれに対処するのは不可能。

このため、クロウはブラスタに「コイン・ドロップ・システム」という、スフィアの出力が一定値を超える=反作用が発生するレベルに達するとコクピットにお金が落ちる音を響かせるシステムを搭載してもらい、これによって対処していた。

クロウは借金持ちの守銭奴であるため、お金の音がすると一瞬でそちらに意識を持っていかれる悪癖があるのだが、これを利用して反作用による思考の固定を回避しようという話である。

また、気絶させれば反作用は止まるらしく、ランドが向かってきたブラスタを一発殴ってKOし、反作用を強引に止めたことがある。

このスフィアの力は意志力を励起するため、ほとんどのスフィアに対してその力を高めることが可能。

その中でも、「迷いの中でも折れない意志」という共通項でつながる「尽きぬ水瓶」と相性が良く、互いの力を高めることができる。

「尽きぬ水瓶」の力は自己犠牲による慈愛だが、これは見方を変えると「死に対する恐れと、それを乗り越えて己を投げうつ意志力」となるため、己の感情に流されず本質を見つめる/為すべきことを成すという点で共鳴するのである。

だが、このスフィアが求める迷いの中でも折れない意志とは、目先の感情に惑わされず見るべきものを正しく見抜こうとする意志力であり、根底となる感情自体がなくなると同調が切れてしまう(スフィアの反作用は同調を妨害するものだが、同時に発動キーと表裏一体の関係性を持つ)。

このため、感情そのものを抑え込みに来る「沈黙の巨蟹」に弱いと思われる。ただし実際には尸空の方が度々同調の維持に失敗しており、相性関係だけでは勝負は決まらないことを示してもいる。

逆に、「知りたがる山羊」に対しては強いと思われる。

「本質を見抜こうとする意志」と「真実を暴き立てる好奇心」は一見相性がよさそうに見えるが、「知りたがる山羊」の力は「知りたい」という感情に裏打ちされたものである。

言い方を変えると「知りたいことだけ知りたい」「知らせたいことだけ知らせたい」という話になるのだが、そこでこのスフィアとぶつかった場合、通常のサード・ステージならば目の前の物事に思考を固定されて「知りたいのに知れない」状態になり、真のサード・ステージならばいやおうなしに本質を直視させられ「知りたくないのに知らされる」状態にされることで好奇心のコントロールを奪われ、無力化されてしまうことになるのだろう。

怨嗟の魔蠍

とある世界の地球に存在したさそり座のスフィア。至高神ソルの「憎悪」を司る。

読んで字のごとく憎しみによって稼働する。ゆえに力の増減の条件もまた簡単で、憎しみが強まれば強くなり、弱まれば弱くなる。

このため、リアクターとの相性はさほど選ばない。

憎しみとは過去の出来事に起因する感情であるため、反作用はそれを妨害する「記憶の喪失」だと考えられる。憎しみの根源たる過去を失わせることで感情を揺るがし、同時に周囲との齟齬を生むことで死のリスクを発生させる。そして、それに折れず憎しみを貫くことでサード・ステージへ移行するが、バルビエルは母星をサイデリアルに滅ぼされたことで憎悪を爆発させ、ファースト・ステージの状態から一足飛びにサード・ステージへ移行しているため、力がかなり不安定だった。

スフィア・アクトは人の心にある憎しみを膨れ上がらせ、暴走させること。ただし、ガルガンティア船団の人々のような「そもそも憎悪の心が薄い」相手や、ハマーン・カーンのような感情を凌駕する精神力の持ち主には効果がない。

また、暴走した憎しみを制御することはそもそも不可能であるため、使った後は成り行き任せになってしまう。

Zシリーズの世界観ではパイロットの精神が機体に影響を与えるが、これによって憎しみに飲まれた者は己を顧みなくなり、結果的にそれが機体の防御力の低下と言う形で現れる。

仮にこのスフィアを真のサード・ステージに移行させる場合、それこそエスター・エルハスのような「罪を憎んで人を憎まず」のスタンスが必要になるだろう。つまり憎しみを向ける対象を間違わず、その根幹となる事象を忘れることもなく、憎むべきものだけを正しく憎むという意志力が不可欠になるのである。

バルビエルの場合、憎悪を向ける対象が自分以外の全て+仇敵のサイデリアルに盲従しているというありさまだったため、その力を真に発揮することはできていなかった。

このスフィアの力は己を省みないほどの憎悪によって発揮されるのだが、憎悪とは言わば、ネガティブな事象に対する攻撃的な情動である。そのため、同じ事象に対して受動的・受容的な感情を励起する「悲しみの乙女」とぶつかった場合、心の底の悲しみを引き出されて同調が維持できなくなってしまう。

逆に、憎しみを強く抱くということは、言い換えれば過去や現在に拘り、先へ進むことを止めることでもある。それはつまり未来への展望を持たないということでもあるため、「夢見る双魚」に強いと思われる。過去とそこに根差す目の前の今に目を向けさせ、想像力の発揮を阻害させるのだろう。

相生するスフィアは不明。

憎悪とはいわば自他の過去とそこから繋がる現在に対する否定の意思であり、受け入れられない、納得できないものを攻撃的に拒絶する感情でもある。

そのため、同じく許容しがたい事象への否定的な情動を力とする「立ち上がる射手」と相性がいいと思われる。

立ち上がる射手

  • リアクター:次元将ヴィルダーク
  • 寄生先:ヴィルダーク本人
  • 発動キー:「反抗心」
  • 反作用:?
  • スフィア・アクト:「強い抑圧を与えるプレッシャー」

いずこかの世界に存在したいて座のスフィア。至高神ソルの「闘争心」を司る。

前のリアクターからヴィルダークが奪取した。

反抗心によって稼働し、それが折れれば力を失うというシンプルなスフィア。

反作用は恐らく「恐怖心の増幅」であり、恐れに飲まれれば戦いの中で死ぬことになる。そしてそれに折れず、抗う意志を貫徹することでサード・ステージへ至る。

ヴィルダークは半ばこのスフィアの属性である「反抗心」に飲み込まれており、カオス・コスモスではZ-BLUEとの無意味な戦いに己を駆り立てていたが、真のサード・ステージへ至るならばそれにも抗い、己を貫徹する意志が必要となる。

即ち真に必要なのは「反抗心に対する反抗心」であり、己の感情に飲まれず、なすべきことを正しく見据え行動する意志力である。

スフィア・アクトは攻撃的なプレッシャーを与え、力の発揮を妨害するもの。だが原理を考えれば、スフィアによって増幅された恐怖心を伝播させ、敵対者の心を折るものだと思われる。

元がシンプルな力だけに真のサード・ステージの力も想像しやすく、それは恐らく「味方の士気の鼓舞」であろうと思われる。反抗心を伝播させることで、脅威に立ち向かう意志を励起するという話である。

相性関係は不明。

反抗心とは格下が格上に抱くものであるが、本質的には自身が納得できないものを拒絶・否定し、己を貫徹することでもある。反作用と思われる恐怖心とは「理解できないもの」、究極的には死に対する恐れであるが、スフィア・アクトは言い換えればこれを敵に向けて叩き付けることでもある。そのため、色々な方向から死への恐怖を想起させることで「尽きぬ水瓶」の自己犠牲を折ることができると思われる。

逆に言えばこのスフィアの反抗心が折れるということは、その「理解できないもの」「納得できないもの」を受け入れざるを得ない状態であるため、理不尽に抗うのではなく忍耐を求める「傷だらけの獅子」とぶつかると無効化されると思われる。

反抗的な子供に向かって「我慢しろ」と言っている様子がそのままあてはまるだろう。

攻撃的な情動によって他の意志を跳ね除け、己を貫徹するその在り方は、見方を変えれば己の感情で現状を否定するネガティブな我がまま、エゴともいえるものである。

そのことから、憎悪によって現状を否定しようとする「怨嗟の魔蠍」と相性が良いと思われる。

知りたがる山羊

  • リアクター:?
  • 搭載機:?
  • 発動キー:「好奇心」
  • 反作用:?
  • スフィア・アクト:「真実の暴露」

とある世界の地球に存在したやぎ座のスフィア。至高神ソルの「探求心」を司る。元のリアクターは女性だったが、アサキムの心に宿る闇を覗いてしまったことで死亡し、アサキムが奪取している。

好奇心によって稼働し、その力を発揮する。

好奇心とは知らない物事に対して発揮される感情であるため、反作用はそれを阻害する「知識の無差別な収集」だと考えられる。

世の中には知らない方がいい、あるいは知ってはならない(要はSAN値の減るような)物事も多く存在するが、それを取捨選択できず自動的に知らされることで精神を削り、また先んじて知らせる(要はネタバレを強制する)ことで好奇心の発露を妨害するということだろう。

これに負けてしまった場合、リアクターは知識の渦に飲み込まれて発狂死するのだと思われる。(特にアサキムのソレなどは「永劫の螺旋により無限に積み重なった死と苦痛、それが終わらない事を自覚している絶望」であり、それを完璧に知ってしまえばそれは実感となり、並大抵の人間はそれだけで狂死しても不思議ではない)

サード・ステージに至るためにはこの反作用に適応する必要があるが、それを踏まえた場合、リアクターはスフィアに知らされる前に自分から首を突っ込んで暴き立てに行くという危険すぎる行動を余儀なくされる。上記の通り世の中には知るべきでない情報が星の数ほど存在するため、そこに首を突っ込めば機動兵器での戦闘以前に法執行機関や軍隊によって処刑されるのがオチである。このため、ある意味他のスフィアよりも現実的な意味での危険が大きい。

真のサード・ステージに至るためには、スフィアが齎す情報を鵜呑みにするのではなく、取捨選択して必要な分を抜き出し、知るべきことを探り当てる精神力が必要になる。イメージとしてはスフィアを万能の検索装置として使い、必要な情報を調べている形になる(俗な例えをすれば水晶玉占いが一番近いか)。

スフィア・アクトは対象者の真実を強制的に公開するもの。

戦闘においては、その無遠慮な好奇心はバリアを無効化するという形で反映される。

反作用が知識に関するフィルターを取り払うことと推測される以上、情報と情報を遮る壁を透過させるのがその力の本質と思われる。

真実を探り求め暴き立てるその力は、偽りで覆い隠した本当の自分を引きずり出されることになるため、「偽りの黒羊」を無効化することができる。仮面をはぎ取り、ひた隠しにしていた素顔を露見させることで同調を切ってしまうのである。

逆に、己の感情に流されず、強い意志で物事の本質と向き合う「揺れる天秤」に弱いと思われる。

このスフィアの力は「知りたい」という欲求と「知りたくない」という理性のバランスで成り立つため、そこから目を逸らさせる/無理矢理見せる形でバランスを崩され、同調が切れてしまうのである。

そして、何かを知ろうとする、そのために探り取ろうとするこのスフィアの在り方は、言い換えれば人の心を覗き込むことでもある。よって、他者の悲しみの感情に寄り添い、それを顕在化させる「悲しみの乙女」と相生すると思われる。

尽きぬ水瓶

聖インサラウム王国に存在したみずがめ座のスフィア。至高神ソルの「情愛」を司る。

王国の開祖である初代キング・インサラウムがリアクターだったが、倒されることなく天寿を全うしたため眠りにつき、後にユーサーがリアクターとなった。

他者のための向こう見ずな慈愛によって稼働するが、セカンド・ステージに移行するために必要な情動のレベルが非常に高く、国や世界を対象とした、自己犠牲を伴うほどの愛によってようやく目覚める。

その分、発揮される力は12の中でも極めて高く、セカンド・ステージの状態でも次元将に匹敵するほどの力を持つ。

反作用は肉体を破壊することで、己の命に執着させ慈愛の心を阻害するもの。このため、一度覚醒したら最後、サード・ステージに到達しないと絶対に死ぬというとんでもないスフィアである。

死の恐怖を乗り越え、守るべきもののために己の全てを投げ捨てる覚悟を決めた時、サード・ステージに移行する。

真のサード・ステージに至るには、さらにそこから「己を粗末にせず、誰かのために生きる覚悟」を決める必要がある。

スフィア・アクトは不明だが、その在り方からして「他者に力を与える」ものだろうと思われる。

通常の力の場合は活動エネルギーを消耗させるものとして働くため、エースボーナスという形でこの力を発現していたユーサーは真のサード・ステージに片足を突っ込んでいた可能性が高い。

自己犠牲を前提とした慈愛の心は、己の死をも受け入れ、自分の全てを大切なもののため、成すべきことのために投げ出す覚悟に依って立つものである。

このため、どれほど揺れても迷っても最後には「やるべきことという本質」に回帰する「揺れる天秤」と相性が良く、互いに力を高め合うことができる。

言い換えればその慈愛の心がわずかでも自分に向いてしまうと同調が切れてしまうため、死の恐怖を無理矢理励起させようとする「立ち上がる射手」に弱いと思われる。

あちらが真の力を発揮していれば「他者の闘志を湧き立たせる」力になるため相性が良くなるように思えるが、反抗心に依拠する闘志とはすなわち「生きて戦う覚悟」であり、このスフィアの求める自己犠牲の愛とは逆の境地である。

上記の通り真の覚醒に踏み込んでいたユーサーは反作用で死にかけていたため、前のリアクターである初代キング・インサラウムは一体どれほど偉大な人物であったのかが話題になっている(コールブランドを抜刀出来た上で、反作用に負けずインサラウム建国を成し遂げて天命を全うしたという史実を見るに、真のサード・ステージに至っていた可能性が高い)。

夢見る双魚

いずこかの世界に存在したうお座のスフィア。至高神ソルの「想像力」を司る。

アサキムが当初から所持していた。

このスフィアが求めるのは「叶いそうにない願望」「現実離れした夢想」であり、それらを未来像として掲げ続ける意志によって力を発動させる。

なので、挫折する、実現するなどで未来ではなくなると力が崩壊する。

反作用は恐らく、夢想する能力を弱める「想像力の減退」

これによって未来を思い描けなくなり、何を求めていたかわからなくなってなお、何かを夢見、進み続けようとする意志を保つことでサード・ステージに移行し、その際に夢に耽溺するのではなく、現実の上で夢を見続ける境地に至ることで真のサード・ステージに移行する。

そういう意味ではアサキムは適任であろう、彼の求める理想は自身の「永遠の終わり」であり、それは本来「望まなくとも誰にでも訪れるはずの結末」である。

しかし彼にそれは来ない、であるのならば最早出来得ることをやるしかないのである。

更に死は元よりその正確な形を想えるものではなく、また彼にとっては死でなくとも消滅でも、永劫の封印でも良い。

とにかく自分を終わらせられさえすれば良いのだから「とにかく破滅的に進む」だけで、望んでも死なない彼のスフィアの覚醒は進んでいくのである。

スフィア・アクトも不明だが、フェイクの力が「運動性の低下」であることと、夢を見続ける=想像し続ける意志で想像力を低下させる力を押し付けることは考えづらいことを合わせれば、恐らく通常の力は「他人のイメージへの干渉」だと思われる。

相手の予測する内容に割り込み、別の内容に書き換えることで対応を誤らせ、被弾させるのだろう。

真の力は反対の位置にある「悲しみの乙女」が過去の物事に想いを馳せる力であること、夢を見ることはすなわち、現実になっていない出来事に意識を向ける姿勢であることから、「未来予知」だと考えられる。

夢を見ることはつまり未来へ意識を向けることだが、その意志力が過去や現在に向いてしまうと力が崩壊する。そのため、憎悪という形で過去への執着を強要する「怨嗟の魔蠍」に弱いと思われる。

さらに、未来を思う、想像するという行為は、すなわち事象を予測し、可能性を考慮し、未来に備えるためのものである。突き詰めればそれは生存のため、死を回避するためのものであるため、死のイメージを書き込み/想像力を掻き立てることで虚無を乱し、「沈黙の巨蟹」を無効化できると考えられる。

相生するスフィアは不明。

このスフィアが求める「夢」は、現実と夢想という二つの要素によって成り立っている。つまり「現実離れした夢想」と「夢想に合致しない現実」の二つであり、現実から目を背け夢に溺れても、夢を見ることを諦め現実で妥協しても、このスフィアは停止してしまう。

よって、リアクターとなるには「現実を見据えた上で夢想を抱く」という相反する境地が必要になるため、同様のロジックで稼働する「いがみ合う双子」と相性がいいと思われる。

想像力によって相反する感情の両立を補助し、逆の感情を励起することでこちらのバランスを維持する、という話である。

登場作品

スーパーロボット大戦Z:傷だらけの獅子、悲しみの乙女

第2次スーパーロボット大戦Z:揺れる天秤、偽りの黒羊、尽きぬ水瓶、知りたがる山羊

第3次スーパーロボット大戦Z:いがみ合う双子、沈黙の巨蟹、怨嗟の魔蠍、欲深な金牛、立ち上がる射手、夢見る双魚

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